熟れた月

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刊行日 2018/02/20 | 掲載終了日 2018/02/20

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内容紹介

人間の業と人生の不思議な縁を描く、書下ろし長編ミステリー。

憧れの阿久津先輩のお母さんに託された、「ウーピーパーピ―の木の下に埋めた」という不思議な伝言を伝えるために、女子高生の結は桜並木の土手を一気に走る。早く、早く先輩にこのおまじないを伝えなくてはと使命感に急いだが、彼女は阿久津佑太には会えなかった。代わりに現れた柏木リョウという少年が、その言葉が彼にとって大切なことなら、いつかきっと誰かが彼に伝えてくれるはずだと言う。「世界はつながっているんだ。時とか空間とか。それから人と人も」。癌で余命半年と医者から宣告されたヤミ金業者のマキ子も、その「田所リース」で働く、落ちぶれた取り立て屋の乾も、生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博も、彼らの世界は、どこかでつながっているとーー。

人間の業と人生の不思議な縁を描く、書下ろし長編ミステリー。

憧れの阿久津先輩のお母さんに託された、「ウーピーパーピ―の木の下に埋めた」という不思議な伝言を伝えるために、女子高生の結は桜並木の土手を一気に走る。早く、早く先輩にこのおまじないを伝えなくてはと使命感に急いだが、彼女は阿久津佑太には会えなかった。代わりに現れた柏木リョウという少年が、その言葉が彼にとって大切なことなら、いつかきっと誰かが彼に...


おすすめコメント

2017年、デビュー11年目にして、日本推理作家協会賞を受賞し注目された著者の渾身の長編ミステリーです。

今作は、恋する女子高生の瑞々しさと、ヤミ金業に携わることになったひとりの女の人生、そしてある母親の生きる苦しみが絡み合い、驚きと感動の物語を紡ぎます。

 一言では、決して言い表せない物語です。でも、ものすごい熱量を持った作品です。ぜひ、ご一読ください。

2017年、デビュー11年目にして、日本推理作家協会賞を受賞し注目された著者の渾身の長編ミステリーです。

今作は、恋する女子高生の瑞々しさと、ヤミ金業に携わることになったひとりの女の人生、そしてある母親の生きる苦しみが絡み合い、驚きと感動の物語を紡ぎます。

 一言では、決して言い表せない物語です。でも、ものすごい熱量を持った作品です。ぜひ、ご一読ください。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784334912055
本体価格 ¥0 (JPY)

NetGalley会員レビュー

伝えたい大事なことは、いつか届くのでしょうか。いろいろな人たちの生活の小さな一コマ。その何気ない一コマが誰かに影響しているのかもしれません。登場人物それぞれがどのような未来を、どのような結末を選ぶのか夢中になって読みました。人生は思ったようには動かない。人間はそんなに強いわけじゃない。それでもきっと悪いものじゃない。思わず自分の歩んできた道を振り返りました。とても強くて優しい作品でした。

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日本推理作家協会賞受賞作家が送る人間の業と縁を綴ったヒューマンドラマ

光文社様からオススメ作品のメールを頂き
「多くの魅力と熱量の詰まった作品」という文言に惹かれて読み始めたが想像していた以上に感動した!
物語の最初に登場する
「ウーピーパーピーの木の下に埋めた」
という不思議な伝言。
勿論言葉の意味は解らず、作中でも殆ど触れられる事なく物語は進む。
闇金業者の社長のマキ子、そこで働く乾がどの様な転落人生を歩んで現在の状況、思考に至ったのかが丁寧に書かれており、落ちる所まで落ちた人間の境遇に同情しつつも、そこから這い上がるのは難しいよねと一緒に諦めてしまう。
ところが今まで点と点で存在していたものが、一本の線として繋がった途端、物語はドラマチックな展開を見せ途端に希望溢れる物語に変貌する。
特に最終章は章全体が見事な伏線回収になっておりピースが組み合わさる瞬間に何度唸ったことか。
長編作品だが、あまりの面白さに捲る手が止まらなくなり一気に読み終えてしまった!
これは本当にお薦め作品

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「ウーピーパーピーの木の下に埋める」このキーワードが最後に思いっきり生きてきた。導入で殺人を犯してしまった母親、陸上部で活躍する息子、その息子にあこがれている女子高生、そして女子高生のメル友、女子高生が死んでしまったときに出てきた謎の男の子。その後金貸しの女とそこで働く乾という男が出てきて、なんだろうと読みすすめていたら最後に全部つながって「はっ」と思わず声が漏れてしまった。そういうことだったのか。最後は本当に怒涛の展開で、感動があふれて止まらなかった。すごく良いものを読んだと思わせてくれる一冊でした。

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1つ1つの点が1本の線で繋がった時、世界は見えない糸で繋がっていると感じました。何気ない言葉でも、その人にとって大切な言葉は色々は人を通じて伝わる。最後は温かい涙が流れました。

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知り合いを6人辿れば世界中の人と繋がるという「六次の隔たり」という言葉がある。この物語でもそれを感じさせる部分があるけど、それよりも「世界はお金で成り立っているが君はお金を便利な道具として使えるのか、お金に道具として使われていないか」の問いの方が胸にきた。

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とにかく登場人物の誰もがもうどうしようもない業にまみれていて、不幸と不運と不遇と不実と不義と…あらゆるネガティブワードが連なる内容(><) でもやはり宇佐美さんお馴染みの伏線はしっかり張られている。え?!彼が主人公だったのー?!最後は余りにも出来すぎな感じは否めないが、お見事としか言いようがない。ところで、柏木リョウ、あんた一体ダレなの?

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表現が美しい。特に風景描写がいいと思います。目前にその季節、その場所が浮かび上がるような描写で、それだけでも読み応えがあります。

またミステリーとしても、この1年間に読んだものの中で一番面白かったです。登場人物の誰もが主人公のようであり、どう収束するのか前半は見当もつかなかったのですが、後半はゾワゾワしっぱなしでした!

ファンタジー的な要素が少し気になりましたが、絶望の中に希望が見出せる作品だと思います。

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殺人事件からの幕開け。そして犯人である母の息子への不思議な伝言「ウーピーパーピーの木の下に埋めた。」という謎の言葉を託された結。謎の言葉とまさかの展開に唖然。やがて物語は闇金の女主人マキ子とその下で働く者たちへと展開する。訝しく思いつつも引き込まれ止まらない。マキ子の人生に人の歩む底辺の世界の元凶に嫌悪を感じながら心が痛む。憧れの阿久津先輩や結の眩いばかりの青春が描かれ。正反対に位置する底辺の世界で生きるマキ子たちその生々しい生き様から目をそらさずにはいられなくなるりました。
取り立て屋として底辺を転落人生を歩むことになった乾。末期がんに侵されたマキ子が出会った身体が不自由な博。重ならないはずの幾多の人生に登場する柏木リョウ。それがやがて少しずつ繋がってゆき殺人事件がそして「ウーピーパーピーの木の下の埋めた。」この言葉の謎が解かれてゆく。桜の土手、陸上のトラック、学校、神社、池袋の裏路地、公園の風景、ウーピーパーピーの木のある丘etc 暗い部屋の色も含め色彩豊かな景色とともに各々の織りなす人生が手に取るように描かれていてその世界に引き込まれ一気読み。心の痛みを少し伴いながらも読み終えた時は温かい思いに包まれました。人はどこかで繋がっていのかもしれない。ほんの少しの勇気で、ほんの少しの愛で、ちょっとだけ視線を変えたら見える景色は違ってくるのかもしれない。せわしく過ぎる時間の中でどうしてもおざなりになりがちな身近な人にちゃんと目を向けて大切にしよう。そんなことを思わされました。

この本是非映画化して欲しいです。お勧めです。

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冒頭にいきなり起こった事件からの『ウーピーパーピーの木の下に埋めた』という呪文めいた伝言、予想外の出来事の連続に惹きつけられ、一気読みでした。ウーピーパーピーの木の下、そこに埋めると何もかもなかったことになる。初めからやり直せて、すべてはうまくいく。母親が息子を想って言った言葉は、世界が輪っかのように繋がり秩序が巡ると何もかもなかったことにして欲しいと願う言葉へと変わっていた。息子を想う母親の想いが深くやるせなく、切ない。ネットで出会った人も、実はどこかで繋がっていたりして?そんな想いを馳せたくなるような作品でした。

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最後につながることが意味するものを知った時、呆然としてしまいました。なぜ母は事件を起こしたのか、その息子はどうなってしまったのか。何よりも、大切な伝言は時を越えて予想もしない形で届けられたことに驚きました。

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不穏な出だしから、ん?ファンタジーなの?となり、さらに一転、ヤミ金の女経営者の半生が語られ出し……。どこに向かっているのか、どう繋がっていくのか、まったくわからないまま流れに翻弄されつつ。どんよりと重くしんどいお話が続くのに、なぜだか惹きつけられてぐんぐん読み進む。“ウーピーパーピーの木の下に埋めた。” 託された伝言は誰がどこに届けるのか。ウーピーパーピーの木の下に埋められた秘密とファンタジーのようなラストにじんわりと。

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久しぶりにミステリーを読みましたが、どんどん読み進めたくなる作品でした。

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