その扉をたたく音

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刊行日 2021/02/26 | 掲載終了日 2021/03/31

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内容紹介

本屋大賞受賞『そして、バトンは渡された』著者の新たな代表作!

音楽と人が生み出す、たしかな希望の物語。

29歳、無職。

ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。

音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しくなっていく――。

人生の行き止まりで立ちすくんでいる青年と、人生の最終コーナーに差し掛かった大人たちが奏でる感動長編。

【著者略歴】

瀬尾まいこ

1974年大阪府生まれ。2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年、同作を表題作とする単行本でデビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、08年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、13年咲くやこの花賞、19年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。『君が夏を走らせる』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』など著者多数。


本屋大賞受賞『そして、バトンは渡された』著者の新たな代表作!

音楽と人が生み出す、たしかな希望の物語。

29歳、無職。

ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。

音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784087717419
本体価格 ¥1,400 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

瀬尾さんらしい読了後、心優しくなりたくなる物語でした今回も。

舞台は介護施設。そこへ30歳手前のニート宮路がボランティアでギター演奏をしに行く。も、利用者からの反応は悪く、宮路自身がそこで介護士として働く渡部君のサックスの演奏に魅了されてしまう。
利用者の使いとして毎週施設を訪れるようになった宮路は渡部君とも信仰を深め、また自分のこれからにも目を向けるようになる。
音楽のもつ力に助けられ、お金のもつ力に考えさせられる。
お金はあればあったでいいのでは、との考えを、お金を持ってる人側からの立場にたってみるとそれはそれで辛いこともあるとかなりあっさりめにだけど教えてもらった気がした。
やっぱり、瀬尾さんいいわー。

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日々を惰性で生きようが、慎ましく暮らしていようが、ゆるやかに死に向かっていようが――
どんな人にも等しく時間は流れている。そんな当たり前の事実に、思わず思いを馳せる。
人と人が出会い、そして必ず別れゆくこと。
この繰り返しに、虚しくなったり悲しくなったりするのはもうおしまい。
出会ったからこそ動き出した人生に。過ごした時間のすべてに意味を。
当たり前の日々の中に奇跡なんてたやすく起こる。だから人生はすばらしく、尊い。
日常に転がっている奇跡に気づく。
この物語もまた、私にとっての奇跡であり、ギフトなのだ。

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夢を叶えることができる人は、ほんの一握りの人。
好きなことはある。
でも、何をどうすればいいのかわからない。

本当は、今の自分は本当の自分じゃない。
やりたいことはある。でもそれは現実的は無理なこと。
頭でっかちやなあ。イライラするわ。
ぼんくら宮路くんに苛つくのは
どこか似たような思いが心に燻ってるせいかもね(笑)

人生の終盤にいる老人たちとの出会い。

自分以外の人を愛することがどういうことなのか。
自分以外の人と時間を共にすることが何をもたらすのか。

その答えが分かるのは、いつも大切なものを失ってからなのかな。
私たち、恥を晒して生きよう。
無邪気でいるのは昨日まで。

瀬尾さんの物語は
私の心の扉をたたく音だ

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どういう話なのかと訊かれて、こんなに伝えるのに困る話も珍しい。29歳、無職、すねかじりの青年が、音楽の神様と、老人ホームで出会う。という話……ではあるものの、どう言葉を尽くしても、なんだか伝わらないような気がする。
でも、なんだかこの本の事は、一生忘れないと思うのだ。特別な事は起きなくて、地に足がついた本で、それなのにとても胸にくる。何でもない毎日ですらない。なんなら自分の人生の中で、一番底を這っているような時間が、突然、いいものになる。こんなマジックができるのは、瀬尾さんだけです。

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瀬尾まいこさんの作品に出てくる人は本当にいい人ばかりで読み終えたあとはいつも温かく爽やかな気持ちになれます。
今回もちょっとお調子者の宮路くんと毒舌おばあちゃんの水木さんの掛け合いが最高でした!
老人ホームでの辛く哀しい出来事も交えながらも決して可哀想なお話しにならないところがさすが瀬尾まいこさんです。
どんな世代の人にも迷わずおすすめ出来る書店員としての自分の財産になるようなとっておきの一冊を見つけました!

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やっぱり瀬尾さんは、あたたかい。優しいのです。アラサーで無職の男が出会った「そよかぜ荘」の人々。そこから始まる人間模様。笑いや悲しみもありますが、瀬尾さんの作品の根底には必ずあたたかさが伝わってきます。人が人と出会う時、そこにはきっとかたまってしまった心の扉を叩く音が響き、互いに調和し、優しいリズムが紡がれる。それは年配の方も若者も老若男女あらゆる人を巻き込んだ、壮大であたたかな音楽となり、みんなを包み込んでくれるのだと信じられました。コロナ禍で、なかなか人とうまく会えないこんな時だからこそ、多くの人に読んでもらいたい一冊です。

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手を添え立たせてくれるのは・・
アラサー無職の宮路は偶然関わった老人ホーム「そよかぜ荘」で天才的なサックスの音を耳にする。それがきっかけでホームに暮らす老いた人ともかかわるようになっていくのだが・・・
裕福な育ちながらもくすぶり続けていた主人公が、人生の締めくくりにかかっている老いた人や地に足をつけているように感じる年下の友人と触れあって、ようやく立ち上がる姿は温かい。
身体は大人ながらも体育座りをしているような者を見えない手が引き揚げ立ち上がらせる物語。

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今から2022年の本屋大賞に推薦したい静かに奮える傑作。
しがみついた音楽に酔ったフリして生きる、自称ですら何も言えない無職の29歳。消化するだけの日々で出会った老人ホームの面々から何気なく与えられる平穏に、燻っていた自分の芯を研ぎ澄ましていく主人公の姿に強いメッセージ性を感じた。立ち上がれと急くのではなく、起き上がる未来を見据えて一緒に立ち止まって、寄り添ってくれる人生を踏み締めてきた熟年者の包容力に、奇跡でなく普通に感動した。もどかしいコロナ禍の今、心の換気をしたい方に遍くオススメ。
サックスの神と男二人で醸す距離感と、交ざる回顧の友情との比較が印象的で、野暮なわたしはその先を少しだけ覗き見したくなった。

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音楽で身を立てたいと思いながら親の金で日々過ごす宮路は29歳の無職。ある日老人ホームで介護職員の渡部のサックスに魅了される。何度か足を運び老人達とも親しくなり彼の単調な生活が少しずつ変化していく。新たな一歩を踏み出すには勇気ときっかけが必要だ。そして人との触れ合いが大切。人生の先輩達は生き方そのものがお手本。そして音楽の力も人生において重要だと改めて気づかされる瀬尾さんらしい優しい物語だった。

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自分中心でしか考えることができなかった宮路くん。
自分にとって最良の選択だとおもうものも、その人にとってはそうでないこともある。
老人ホームでの出会いで、成長し、まわりの温かい、その扉をたたく音に気づいた時、ああよかったーと、心から思いました。

それはいたる場所で奏でられている。
音に守られている。
気づくか、気づかないか。
その音が大切な音だと。
自分にとっての神様の音だと。

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読み始めた当初の主人公はとても傲慢で、純粋そうではあるがとても共感できなかった。でも読み進めていくうちに、些細なことで誤解を招き苦しんだり、ホームのお年寄りに文句を言いながらも誠実に接している描写に触れ、その背中を押してあげたくなるようなキャラクターだと気づいた。
音楽を通してつながった人との触れ合いが、主人公の過去につながり、現実に引き戻していく、成長の物語。

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久しぶりに笑いながら小説を読みました。あらすじを見た時からもしかしたら結末は…と予感するものはあったけれど、おばあさん、おじいさんたちと主人公の掛け合いが楽しすぎて時々吹き出してしまうくらい。
だからこそ鮮やかすぎる展開に素直に泣けて。これもまた久しぶりに小説を読んで素直に泣けました。
いい物語だなと思います。
ちょうど来月の弊社のテーマ本にもぴったり合いそうなので本腰入れておすすめしていきたいと思います。

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主人公はどうしようもない青年だ。夢を追いきれているわけでもなく、働くでもなく。ソーシャルスキルもなさそうだ。そんなどうしようもない感じが、主人公の目線で語られる節々に、客観的に出てくる。淡々とした状況説明に、とんでもない「ぼんくら」を表す証拠が散りばめられている。何よりも、その「ぼんくら」状態に自分で気づいていないことが恥ずかしいし恐ろしい。
そこからじわじわと…。
人との出会いで変わっていく姿は、希望をもらえるし、心が温かくなる。

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