原因において自由な物語

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刊行日 2021/07/14 | 掲載終了日 2021/07/13

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内容紹介

謎を解かなければ。私は作家なのだから

人気作家・二階堂紡季(にかいどうつむぎ)には、
誰にも言えない秘密があった。
露呈すれば、すべてを失う。
しかし、その秘密と引き換えにしても、
書かねばならない物語に出会ってしまい――。

弁護士作家、最高傑作! 才能と試練のミステリー


謎を解かなければ。私は作家なのだから

人気作家・二階堂紡季(にかいどうつむぎ)には、
誰にも言えない秘密があった。
露呈すれば、すべてを失う。
しかし、その秘密と引き換えにしても、
書かねばならない物語に出会ってしまい――。

弁護士作家、最高傑作! 才能と試練のミステリー



出版社からの備考・コメント

◆弊社では、一緒に作品と著者を応援していただける方からのリクエストを求めております。

そのため、下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。

○お名前・所属などご記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方

○作品ごとに設けました外部サイトへのレビューのルールをお守りいただけない方

○フィードバック率の低い状態が長く続く方

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※校了前のデータを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
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○作品ごとに設けました外部サイトへのレビューのルールをお守りいただけない方

○フィードバック率の低い状態が長く続く方

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おすすめコメント

≪著者コメント≫
「原因において自由な物語」は、作中に仕掛けを忍ばせているのですが、そのアイディアを思いついたとき、小手先の驚きで満足するのではなく、物語に組み込む意味が見つかるまでは書き出さないと決めました。悩みに悩み、弁護士や作家の存在意義、物語の使命のようなことまで考えて、ようやくストーリーが浮かび上がりました。
 これからも作家として物語と向き合っていきたい。エピローグを書き終えたとき、そんな思いに駆られた「原因において自由な物語」――ゲンジ物語が、一人でも多くの方に読んでいただけることを切に願っています。
――五十嵐律人


≪担当編集者コメント≫
五十嵐律人さんは作家デビュー前に司法試験に合格しました。だから私はつい、「どうして作家になりたいのですか?」と聞いてしまいました。五十嵐さんは「弁護士は困っている人の依頼を受けて初めて人の役に立つ職業で、小説家はそうじゃない人に広く物語を届けることができるから、どちらもやりたいんです」と仰いました。その言葉の意味を、本書を読み、ようやく本当にわかったように思います。ぜひ、受け止めていただけると嬉しいです。


≪著者コメント≫
「原因において自由な物語」は、作中に仕掛けを忍ばせているのですが、そのアイディアを思いついたとき、小手先の驚きで満足するのではなく、物語に組み込む意味が見つかるまでは書き出さないと決めました。悩みに悩み、弁護士や作家の存在意義、物語の使命のようなことまで考えて、ようやくストーリーが浮かび上がりました。
 これからも作家として物語と向き合っていきたい。エピローグを書き終えたとき、そんな...


販促プラン

読み終わりましたら、適したメディアやお持ちのSNSに
ハッシュタグ:#原因において自由な物語 をつけてレビューを投稿いただき、
ぜひ多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく存じます!
※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはお控えくださいませ
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

★★

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ハッシュタグ:#原因において自由な物語 をつけてレビューを投稿いただき、
ぜひ多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく存じます!
※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはお控えくださいませ
ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784065234006
本体価格 ¥1,650 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

物語の中においてどこまでが創作部分でどこからが現実部分なのか?そして読み進めるにつれこの物語は弁護士作家五十嵐律人自身の覚悟を記したリアルな物語なのか?境界線が曖昧に思えてくる。
この物語は作者自身の現在地を知る、壮大な未来への第一歩なのかもしれない。
ラストシーンを読みながら作者のこの先をずっと見続けていきたいと楽しみになっている。

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弁護士作家が紡ぐ、論理的でわかり易い誘導の中に覗く予期せぬ展開が癖になるミステリー。作家の主人公と、軸になる人物の弁護士、両職を兼ねている著者だからこそ生まれる切実感がリアルでとても興味深かった。
現代テクノロジーでより複雑にされた恒常的な問題を、主人公と同化して解明していく緊張感が味わえたのも凄く良かった。

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フリーランニングをしている少年が廃墟となった病院を駆け上がる、迫力あるシーンから物語は始まる。そして屋上から飛び降りた。事故か自殺かそれとも他殺か?
場面は次々と切り替わり、ん?と読み進めていくと一気に話がつながり視界が広がる。そのあとはもう目が離せない。前半に散りばめた仕掛けがどんどん回収されていく。面白かったです。

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五十嵐先生の魂のこもった作品。信念は熱くて熱くてたまらないのに、語りが冷静すぎるほど冷静。私は五十嵐先生のそこが好きだ。この物語、とても悲しいです。これほど、真摯な物語を私は知らない。苦しくなるくらい真面目で、痛いくらい純粋な物語。真実を追求すればするほどに辛くなるのに、続きが気になってページを捲る手を止めることができませんでした。間接的にも直接的にも事件に関わった者たちのそれぞれの想いがとても苦しい。でもその過程を解明しなければ真実には辿りつくことはできない。だから真実から逃げてはいけない。私も自分の問題から逃げたくないと思えました。それと、五十嵐先生ファンの方には嬉しいポイントもあるので、そこに気づけると楽しい!

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苛めや学生たちの苦悩に対して、そして人間の尊厳に対して、物語の力を信じて呼び掛け、真摯に向き合っている作品だ。

これを読み終える事、結末を見届ける事が私の使命であるかのように、早く先が読みたい気持ちを押さえながら、毎日少しずつ読んだ。

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怖い話ではありませんが、ストーリー展開の不思議さと怖いもの見たさから、読む手を止められませんでした。小説を書く理由、読む理由、物語を必要とする理由など、とても大きな答えを提示されていて、著者の強い思いを感じました。

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最初の2章は全く違う場面が展開され、ストーリーの流れ掴めずに読みづらさを感じていたが、突然パズルのピースがはまったかのように物語の全容が見え、すんなり入ってくる。その後は真相が知りたくてのめり込むように読んでしまった。
高校生のいじめ、容姿で判断される風潮などをテーマにしつつ、ラストで語られる著者が伝えたいことは、爽やかな読後感をもたらしてくれる。「物語」の持つ力を信じたくなる作品だった。

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複数の話が交錯して、またルックスコアとか近未来の話?という感じで初めはよくわからなかってのですが、次第にその複雑なストーリーの繋がりが見えてきて、そこからはミステリーとして謎解きを楽しめました。読み終わってふりかえると、よく作り込まれた展開の話だったと思いました。

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デビュー以来ずっと追っている作家さん。前作を軽く超えてきた3作目は、いじめ問題をめぐる物語。今回は構成に仕掛けがあって先が気になり、頁を繰る手が止まらなかった。読み終えてタイトルの妙に何度も頷き、「感動や驚きを与えたいわけじゃない、これは、痛みを痛みとして伝えるための物語だ。」という言葉に心が打ち震えた。大人はもちろん、多くの10代にぜひ読んで欲しいと思う。「法廷遊戯」と少しだけリンクしていて、既読のファンはちょっとニヤリ。これからもずっと追っていきたい!

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スクールロイヤーの弁護士とミステリー作家が紡ぐ「原自物語」は、ある高校のイジメ被害者の転落死からはじまる。本当の事を言わないのは傍観者。それは加害者ではないと言う心理からか。しかし、自分が傷つけられなければ痛みはわからない。誰が嘘をついて、真実を捻じ曲げているのか⁉️五十嵐さん、すごいです!何がどうなってこのような作品になるのか。多分、一部が『法廷遊戯』とリンクしていたような気がする。これは「痛みを痛みとして伝えるための物語」です。

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五十嵐律人というと、法律論をメインテーマの背景に極めて論理的な展開と犯罪行為の背景の抒情的なギャップが物語を強烈に際立たせているという印象があるが、本作は法律論的な部分は『原因において自由な物語』というタイトルに託し、物語の中での法律論はこの文言の説明にとどめている。更に、このタイトルは法律論として物語全体を象徴するだけでなく、二階堂紡季の辿り着いた作家としての立ち位置も示しており秀逸である。
 物語は、法理の展開を抑えた分だけ、抒情的に流れるかというと、必ずしもそうではない。トリッキーな構成と散りばめられた伏線が余すところなくきっちり回収される気持ちの良さ。ミステリとして一級品である。そのうえ、テーマ性を明確にし読む者に「あなたならどう考える?どうする?」という鋭い問いを突き付けることで、単に結果における善悪という表面的な主張にとどまらず、能動的に物語にコミットすることを求めている。
 そういう立場に読者を立たせるための小道具として「ルックスコア」と「故意恋」は見事としか言いようがない。AIの可能性と課題そして日本的同調圧力など諸々の社会課題への広がりもリアルに考えさせる。そのうえでのスクールカーストを取り巻く現状はなんともやるせない。いじめが悪いということなど誰もが分かっている。しかし、悪いというだけではなくならない。「経過こそが重要であり説得力をもつものである。だからこそ物語は力を持っている」という作者の思いが強く伝わってきた。結末は同じでも至る道は無限であり、過程を選ぶことこそが自由であり、そこにこそ「人を動かす力」があるのだろう。
 タシュラーの『国語教師』を読んだ時にも感じた作者の「物語の力を信じる気持ち」が読む者の心に読書する喜びを湧き立たせている。本作は単にミステリの枠に収まらないものを感じる。現代社会の歪みをとらえ、そこにおける小説の持つ役割を定義した作品といえるのではないだろうか。

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作者の作品を読むのは「法廷遊戯」以来2作目だけど、前作より格段にいい。
刑法の論理をもじったちょっと変わったタイトルや、スクールロイヤーという立場など、法律家であるメリットを生かしながらそれだけではない奥行きもある。
「顔面偏差値」という数字に踊らされる生徒たちの姿や、なくならない学校でのイジメなどを2026年という超近未来を舞台に描くのもミソ。

主人公の小説家・紡季の懊悩は作家として作者も感じていることなのかな?椎崎と遊佐という対称的な2人の弁護士も魅力的。作中作の形をとりながら、現実が進んでいく構成も見事。

イジメから自殺に至った経緯を物語にして読ませる。イジメた人間にも、傍観者にも被害者の心情を「想像」させる手段として。これってなかなかいい方法だと思う。
作品で訴えたかったのはそんなフィクション(物語)の持つ力なのかな。
それこそが作者が法律家でありながら作家になったモチベーションなのかもしれないなと思った。

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7月14日 発売予定 講談社 五十嵐律人著
『原因において自由な物語』読み終わりましたので感想をお伝えします。

❁あらすじ❁
謎を解かなければ。私は作家なのだから

人気作家・二階堂紡季(にかいどうつむぎ)には、誰にも言えない秘密があった。
露呈すれば、すべて失う。
しかし、その秘密と引き換えにしても、書かねばならない物語に出会ってしまい、、、。
弁護士作家、最高傑作!才能と試練のミステリー

✎突然ですが、皆さんは自分の顔好きですか?自分の顔に点数がつけられるアプリがあったら利用しますか?

主人公のみならず、さまざまな葛藤を抱えた人たちの心情が徐々に分かってくると切なかったです。容姿の問題だけでなく、悩みは人それぞれ違く解決の糸口がなかなか見つけられない事もあってやるせない気持ちになりました。
いつ「いじめ」の対象になるか本当に分かりませんね。本当に難しい、、、。
難しい問題を分かりやすく物語にしてあり、前半から疑問や謎の付箋を集めていくと、最後の方で付箋の謎が解消する展開に至るまでの経緯は圧巻です。
作品名の『原因において自由な物語』の意味も後半分かると思います。

★作者情報(ほんのちょっとだけ)★
司法試験合格されている作家様です。
デビュー作は『法廷遊戯』で第62回メフィスト賞を受賞されています。

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痛みを痛みとして伝えるための物語。
「なんか違うから」学校に根差している人権侵害。
何度も何度も同じ不幸が繰り返される。
誰かのせいにして悪者を決めないと安心できない。
事故と事件の真相に驚いたが、それは著者の意図したものではないそうだ。
うれいへのいじめを止めるためにユウくんが取った手段はよくない。絶対。

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一年前に起きた事件と同じ廃病院からの転落。事件の真相に挑む人気作家・紡季が直面する事件の関係者たちの心情は繊細で、そんな複雑な思いを解きほぐして真相に迫ってゆく先にあった真相はとても切なくて、いじめ問題の解決することの難しさを改めて痛感させられた物語でした。

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五十嵐律斗の新境地。
彼の作品といったら法律や弁護士がメインの印象を今まで持っていたが、今回はそれらがメインではなく、出てくるには出てくるが物語の一部として自然に組み込まれている。
フリーランニングや、新アプリの話題を巧みに反映させ、現実と違った別世界の不思議な感覚も味わえる。
ただのミステリーではなく哲学的に物語も進んでいきミ、ステリーとしてもしっかりとした結末を迎える。
まだ新人といってもいいとは思うが、既に色々な挑戦をしていて、今後も期待したい作家さんだ。

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この不思議なタイトルは法律用語か
きている。作家デビュー前に司法試験に合格しているという著者の本を読むのは初めてであった。弁護士は困ってるいるクライアントのために全力をつくす、作家は物語を通じて沢山のひとに届けることができる。なにをとどけられるのか、人々にどう救いを届けられるのか、考えて書いた本。このタイトルがなにを意味するのか考えてみたい。視点もかわり、これは誰の思考?小説?現実?と冒頭から迫力ある躍動感に満ちた上下。構造が複雑に入り組んでいて、小説家目線で一緒に謎を追う。作家の小説の書き方、を、もかいま見えるようで面白かった。


原因において自由な行為(げんいんにおいてじゆうなこうい;actio libera in causa)とは、完全な責任能力を有さない結果行為によって構成要件該当事実を惹起した場合に、それが、完全な責任能力を有していた原因行為に起因することを根拠に、行為者の完全な責任を問うための法律構成をいう。

とwikiにある。

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『原因において自由な物語』

廃病院での男子高校生の転落…パートナーであり弁護士の彼の転落…
この二つの事件は関係があるのか、作家である主人公が真相を追う。

ウィルスのように蔓延りなくならいじめ、それに気付き寄り添って解決しようする弁護士。
どうすれば根絶できるのか…
そして、主人公は作家としてどう前に進むのか…

いろいろなことをこれでもかと問うてくる。
弁護士であり作家の五十嵐先生だからこそ書けた物語と思った。
自分の仕事のことも考えさせられた。
自分の出来ることが分かり、何かのために仕事は出来ているのかと…

最後に、もう一度『法廷遊戯』を読みたくなった。

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重層的な構成もうまいし、少しづつ、つまびらかにされていく事実や心情の開示も、無理なく頭に入ってくる。
こんなスクールロイヤーがいたら、生徒も安心して心を開けますね。
イジメを無くすために、多数派をひっくり返す。その方法として過程を提示して共感を得る。実際の事件があった後、それを元にした小説や映画が作られることがあるけど、未成年の場合は問題あるかな。生徒のみに配布しても、絶対悪意ある拡散する輩が出てきそう。

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ミステリーを読んでいたのが、あれ?と引き込まれる現実世界。いやそれもまた小説の世界なのだろうけれど、謎が何も回収できないのではないか?という閉塞感が読む気持ちを早める面白さ。

学校、特に思春期の中高生時代。そこにルッキズムを持ち込んだら何が起こるか。人を美醜で判断するというありがちであるが、おぞましい行為が行き過ぎた先に、いじめが生じる。質が悪いタチの悪いいじめ。
そこに人権の視点から関わるスクールロイヤーという存在。
さまざまな化学反応が起きていく様は、ミステリーというよりもノンフィクションのようで恐ろしい。しかし作者は目を背けずしっかりと向き合うことを私たちに突きつけてくる。

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高校生のいじめを原因とする自殺。小説家と弁護士がその謎を解く、というとありきたりなイメージだが、法律家が書いたこの小説は、謎解きの面白さだけでなく、事件の根底にあるものや目を背ける大人たちの無責任さ、さらに物語のあるべき姿や可能性までもも読者に訴えかけており、多くの大人に読まれるべき作品だと思う。事後調査は被害者より遺族の気持ち、という弁護士の考え方や、小説に求められるのは結果ではなく過程、という部分にとくに頷ける。台詞の掛け合いはセンスの良い舞台劇のようであり、二足の草鞋をしなやかに履きこなす著者の才能に驚かされる。

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2026年の近未来、顔面偏差値を測定するアプリに踊らされる世界。
冒頭は小説の書き出しだったのか。
心に罪悪感を抱える作家二階堂紡季。
現実に起こった事件とリンクする小説、プロット。
恋人のスクールロイヤーは、何をしたかった、紡季に何をさせたかったのか。何故彼は転落したのか。
最初の転落事件、彼の指す【彼女】は誰なのか。
見えてきた「誰かのせいにして悪者を決めないと安心できない」イジメの本質とスクールロイヤーの思いや行動。
描かれた痛みを痛みとして伝えるための物語。
引き込まれた。
切なく、悲しい。😭

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恋人と共同で執筆する小説家。新作は、学校を舞台とした、ある少年の転落死だった。その背景には、深刻ないじめが横たわっていた。そして、パートナーも同じ場所で同じ事故に。犯人探しをしていく中、その小説がノンフィクションであるとわかる。犯人は誰なのかという小説なのだが、ミステリーとしても秀逸で、きちんと後半で前半の小説の中の伏線まで回収されている。そして、いがいな犯人。というよりも、その犯行の動機が興味深かった。これはウイルスのように増殖していくイジメの問題がモチーフだ。よくできている。面白かった。読むべき作品。

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「原自物語」の略称が上手くて、読みながら何度も頭の中で繰り返してしまった。
これは、弁護士そして小説家という五十嵐律人さんしか書けない物語。
ルッキズムをテーマにした小説、これからもどんどん増えていってほしいな。
何より特筆すべきは、これまでまったく見たことのないタイプの入れ子構造だと思う。
次作も楽しみにしています。

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AIによって容姿をランク付けされて、それに見合う人同士がマッチングされるアプリ。そんなのが、当たり前な世界はちょっとやだなと思った(^_^;)

序盤からの伏線がラストどんな風に回収されて行くのか、気になりあっという間に読めました。だんだんと引き込まれていく感じで堪能しました。面白かった。

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現実と虚構が曖昧になり、その狭間をゆらゆらと漂っているような感覚にうっとりしながら読み進めていきました。ある仕掛けによって虚構がすぐ目の前まで迫り、物語が何倍にも広がる構成が見事です。一人の作家について、また、ある歪な私立高校を舞台とした青春ミステリとして、それぞれ一級品で、たまりません。

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