アウシュヴィッツの小さな姉妹

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刊行日 2021/12/24 | 掲載終了日 2022/06/01

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内容紹介

ヨーロッパ全土から21万6千人の子どもがアウシュヴィッツに移送されたが、解放時に生き残ることができたのは451人。本書は、アウシュヴィッツを生き延びた6歳と4歳の小さな姉妹が見たアウシュヴィッツと戦争が家族にもたらす悲劇の物語。
(※アウシュヴィッツへ送られた子どもの人数と解放時の生存者の人数の出典:Holocaust Encyclopedia, USHMM)

なぜ、6歳と4歳の小さな姉妹は、人体実験の犠牲にならずにアウシュヴィッツ絶滅収容所を生き延びたのか?

1944年3月28日夜、リエカに住むイタリア系ユダヤ人の6歳の姉タチアナと4歳の妹アンドラは家族とともにナチスに逮捕され、翌29日、アウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所へ向けて移送された。1944年4月4日、アウシュヴィッツに到着したタチアナとアンドラは、いとこのセルジオとともに最初の選別をくぐり抜け、子ども用バラック「キンダーブロック」に収容される。そのバラックに入れられた子どもたちは、ナチスによる人体医学実験のモルモットになる運命だったが、奇跡的に生き延び、1945年1月27日に解放を迎える。
解放後、姉妹は戦争孤児としてチェコスロバキア・プラハ、イギリス・ロンドンへと渡り、1946年、収容所で別れ別れになった両親とイタリアで再会する。しかし、姉妹のアウシュヴィッツはまだ終わらない。

【目次】
日本の読者のみなさんへ──タチアナ&アンドラ・ブッチ
おもな家族の年表
私たち姉妹のファミリーヒストリー
ロシアからリエカへ
安住の地を求めて
祖母ローザとオーストラリア・ハンガリー帝国のリエカ
父ジョバンニとその家族
人種法、そしてアウシュヴィッツへ
リエカでの子ども時代(1938年から1944年)
1938年 すべては人種法から始まった
1943年 イタリア敗戦とナチスの支配
1944年3月 逮捕
リジエラの中継収容所
1944年4月 アウシュヴィッツ・ビルケナウへ

アウシュヴィッツ──死があたりまえの日常
1944年4月4日 アウシュヴィッツに到着
選別
登録
なぜ私たちは選別をくぐり抜けたのか
収容所での最初の夜
収容所の記憶
バラックの子どもたち
死の記憶
女性棟の冷酷なプロコーヴァ
アウシュヴィッツの病院での出来事
バカンス中の死体
収容所内での母
1944年11月 セルジオ運命の日
子どもたちへの人体実験
1945年1月27日 解放

帰国への長い道のり
1945年春 プラハ
初めての小学校
プラハの思い出
1946年4月 イギリスへ
リングフィールド・ハウス
アリス・ゴールドバーガーさんとアンナ・フロイトさん
おもちゃだらけの部屋
リングフィールド・ハウスの子どもたち
リングフィールドでの毎日
1978年の再会
1946年秋 うれしい知らせ
母ミラと伯母ジゼッラの解放
1946年12月4日 イギリスを離れる
ローマ到着

帰国、家族が一緒になる
2年ぶりの母との再会
トリエステへ、待ちに待った父との再会
1947年1月 再びリエカへ
戦後のリエカ
1947年春 家族の新生活が始まる
マリアおばあちゃん
1947年2月 イタリアの小学校へ
父、再び海へ
新しい家
ティーンエージャーになった私たち
ジゼッラ伯母さんと息子のマリオ
アウシュヴィッツのことは口にしない
母ミラとアウシュヴィッツ
変わる宗教観
父ジョバンニと母ミラの晩年
タチアナの新たな人生
夫、ジャンフランコ
アウシュヴィッツのことを息子たちに語りだす
アンドラの新たな人生
夫、アルナルド
早すぎる夫の死
娘、ミラ・タチアナとソーニャ
アウシュヴィッツのことを娘たちに話す

アウシュヴィッツの真実を話し始める
1978年 サラ・モスコヴィッツさんとのインタビュー
1995年 解放から50年目にして、やっと人前で語り始める
すっかり変わったリジエラの姿
1996年4月 再びアウシュヴィッツへ
アウシュヴィッツへの《記憶をつなぐ旅》
アウシュヴィッツといまの若者たち
ホロコーストはドイツ人だけの責任ではない
なぜアウシュヴィッツの悲劇を伝えるのか
再びホロコーストを起こさないために

解説 アウシュヴィッツ──ホロコースト記念館 館長 吉田明生
    ナチスによるホロコースト──ホロコースト記念館 学芸員・理事 今井市郎
訳注
アウシュヴィッツ・ビルケナウ関連年表

ヨーロッパ全土から21万6千人の子どもがアウシュヴィッツに移送されたが、解放時に生き残ることができたのは451人。本書は、アウシュヴィッツを生き延びた6歳と4歳の小さな姉妹が見たアウシュヴィッツと戦争が家族にもたらす悲劇の物語。
(※アウシュヴィッツへ送られた子どもの人数と解放時の生存者の人数の出典:Holocaust Encyclopedia, USHMM)

なぜ、6歳と4歳の小さな姉妹は、人体実験...


おすすめコメント

「生き延びたブッチ母娘の記録は、アウシュヴィッツで起きた出来事を次の世代に伝えるための力強い貴重な証言です」
――ホロコースト記念館 館長 吉田明生

「ブッチ姉妹がアウシュヴィッツで経験したことが、6歳と4歳だった当時の目線で、等身大に書かれています。戦後の自伝物には、あとづけの知識で書かれたものが見受けられますが、本書は子どもの視点で当時の状況をリアルに記述しています。それがこの本の魅力でもあります」
――ホロコースト記念館 学芸員・理事 今井市郎

「家族の記憶、アウシュヴィッツへの強制送還、いとこの死、解放、アンナ・フロイトのイギリス・ロンドンのリングフィールド・ハウス寄宿学校、そして証言。この本の中には、生きた言葉、勇気、夢、そして今でも多くの人の頭から離れない悪夢を通して、ブッチ姉妹の物語が描かれています」
――イタリア最大部数の日刊紙「ラ・レプッブリカ」2019年1月15日

「アウシュヴィッツに収容された23万人の子どもたちのうち、生き残ったのはわずか700人だった。その中には、4歳と6歳のアンドラとタチアナ・ブッチの姿もあった。彼らの物語は本になり、1月27日の国際ホロコースト記念日に出版される予定です。この本は、どんな悲劇を目にしても『泣かなかった』2人の子どもの目を通して、ホロコーストの真実を語ります」
――「ELLEイタリア版」2019年1月17日

「アウシュヴィッツから帰還した少女、アンドラとタチアナ。リエカ出身のブッチ姉妹は、収容所の恐怖を体験し、今ではその記憶と証言の義務を守り続けています」
――イタリア・トリエステの日刊紙「イル・ピッコロ」2019年1月21日

「アウシュヴィッツの不条理で常に死と隣り合わせの恐ろしい日常に浸りきり、受け入れることで、私たちは生き延びようとしたのです。」
――タチアナ&アンドラ・ブッチ

「生き延びたブッチ母娘の記録は、アウシュヴィッツで起きた出来事を次の世代に伝えるための力強い貴重な証言です」
――ホロコースト記念館 館長 吉田明生

「ブッチ姉妹がアウシュヴィッツで経験したことが、6歳と4歳だった当時の目線で、等身大に書かれています。戦後の自伝物には、あとづけの知識で書かれたものが見受けられますが、本書は子どもの視点で当時の状況をリアルに記述しています。それがこの本の魅力でもあります...


販促プラン

【発売記念!&NetGalleyFMラジオ番組紹介記念!『アウシュヴィッツの小さな姉妹』献本キャンペーン】

『アウシュヴィッツの小さな姉妹』刊行記&BFM791 NetGalleyFMラジオ番組「ネットギャリーで発売前の本を読む」でのレビュー紹介を記念して、レビュー投稿者の中から、抽選で新刊書籍を3名様に献本をプレゼント!
NetGalleyを通じて、多くの読者に本書の魅力をお届けできればと思っています。
みなさまのご感想、レビューをぜひお寄せください。

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BFM791 NetGalleyFMラジオ番組「ネットギャリーで発売前の本を読む」
毎週火曜日朝7:20~ (再)土曜日12:00~
NetGalleyに掲載されている作品と集まったレビューをご紹介している10分間の収録番組です。
『アウシュヴィッツの小さな姉妹』のレビュー紹介は、12月28日(火)です。  
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【応募について】
※レビュー投稿締切:2021/12/19(日)
※NetGalley 登録メールアドレスを出版社に開示している方が対象となります。
※応募期間終了後、当選者には、ネットギャリー登録メールアドレスへメールをお送りします。
※発送の都合上、国内在住の方を対象とさせていただきます。

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2022年1月 全国紙で新聞宣伝を予定

【発売記念!&NetGalleyFMラジオ番組紹介記念!『アウシュヴィッツの小さな姉妹』献本キャンペーン】

『アウシュヴィッツの小さな姉妹』刊行記&BFM791 NetGalleyFMラジオ番組「ネットギャリーで発売前の本を読む」でのレビュー紹介を記念して、レビュー投稿者の中から、抽選で新刊書籍を3名様に献本をプレゼント!
NetGalleyを通じて、多くの読者に本書の魅力をお届けできればと思っていま...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784908184338
本体価格 ¥1,728 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

アウシュヴィッツから生き残ったこの姉妹のことを初めて知った。

6歳と4歳の少女はアウシュヴィッツにおいての体験を、解放から50年目にして人前で語り始めたという。
語り始めるまでの歳月を考えただけでも、封じ込めたい記憶がいかに悲惨なものであったのか物語っていると思う。彼女達の死体の中で遊んだ話、いとこセルジオの話はリアルであるからこそ、胸に込み上げてくるものがある。

彼女達が生き残ることが出来たのは、収容所の中でも絶対くじけなかった母親の姿がある。そして彼女達の素晴らしい人生を築き上げることが出来たという、偏見のない広い世界から見ることの大切さや、過去の人生に煩わされない母親の教えが心に残った。


解説に、アンネ・フランクの父の言葉として「アンネをはじめとする150万人の犠牲者の子どもたちに、ただ同情するだけでなく、平和をつくり出すために、何かをする人になってください」とある。
まさに私がこの本を読みながら、悲惨な過去に同情するだけで終わらせてはいけないと感じた思いそのままだった。
私に今出来ることは、もっと当時おきたことについて知ること。そしてこの本を読み伝えていくことだと思う。

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ポーランドのアウシュビッツ・ビルケナウ収容所を生き抜いた姉妹の姉視点のノンフィクション。
収容された時、タチアナは6歳、アンドラは4歳。

本人の話にもあるが、何が2人を生き延びさせる事ができたのか、わからない。

収容された216000人の子供のうち、2人を含めたった451人だったのだ。

まず、イタリア人に密告されてナチスに捕まるまで一年あったこと、母親が強く賢かったこと、2人が双子に見えて人体実験のために有用だと思われたこと…たくさんの可能性が語られる。

収容所の子供を集めたバラックの周りが遊び場だった。2人の姉妹はピラミッドと呼ぶ死体の山が側にあり、そこも遊び場だった。
(人体実験のために)子供が選別される時間は恐怖の時間。連れていかれた子供は戻ってこない事がわかっているから…。

淡々と綴られる言葉はとても静か。
4人家族が1人も欠けることなく両親とも再会。

ハッピーエンドとも言えるが、その後の出来事でいかに当時子供だった彼ら彼女らに大きな傷を残しているのかがわかる描写も。

ドイツ人だけが悪いわけではなく、ましてや今の若い人に罪をなすりつけてはいけない。ユダヤ人の虐殺に関してはヨーロッパ全体の問題との指摘が重い…。

偏見や差別について改めて考えさせられ胸に手を当てた。

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生き延びたブッチ母娘の記録、当時6歳と4歳だった姉妹たちの子供の目のフィルターを通して見てきたもの、感じ取っていたものが脚色されず、そのまま記されていた。
身体に残る消えない番号の入れ墨、救えなかったあの子の顔…当時のことを語るには解放から50年という月日が必要だったと思うと胸にくる。
過酷な状況下で母親が生きるために画策したこと、姉妹が双子に勘違いされていたことなど生き残ったのは単なる運がよかっただけのことで常に死と隣り合わせだった彼女たち。
そんな壮絶な体験をした後に、家族に再会し新たな幸せも感じることができたことに安堵した。
私たちは、知らなければならない。
自ら知ろうとしなければならない。
これは過去のアウシュヴィッツだけの問題ではなく、今も差別や偏見で一方的な迫害を受けている世界の片隅に生きる人々へも関心を持つべきだと強いメッセージが伝わってくる。

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自我に染まりきっていない幼少期の話が大半を占めていたので、残酷な史実はあるが、回想録としては冷静に読めたのがよかった。双子のようにいつも一緒にいた姉妹が奇跡のような確率で収容所から両親と再会、その後は幸せに暮らしている一方、99%が訳の分からない内に理不尽に処刑された無慈悲で残酷な事実は今も消えない。

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まず歴史の年表のような長い目次に目を奪われる。続いて家族の年表を見て、心を痛めた。こんな凄絶な過去を思い出しながら文章にしていく過程は、とても辛いことだったろうと思う。この作品では単純に可哀想といった感情よりも、差別や偏見によってこういう行為に簡単に走ってしまう人間の恐ろしさ、国が暴走していく恐ろしさについて考えさせられる。未だに同じようなことを繰り返している世の中への警告のような作品だった。人権週間である今日、読めてよかった。

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すべての人間が知っておくべき事実。これまで私は戦争を「善」とする人に出会ったことがありません。
きっと皆さんもそうでしょう。それなのに「どうして戦争はなくならないのか」という疑問が脳裏から
離れませんでした。絶滅収容所であるアウシュヴィッツで悲惨な体験をした小さな姉妹はこう語ります。
「死体の山があるのは当たり前の光景だった」これは決して遠い世界の出来事ではありません。
社会不安や貧困に陥ったとき、私たち人間は同じ過ちを繰り返さないと言い切れるでしょうか。
理性の眠りは差別、偏見という怪物を呼び起こしてしまうのです。
アウシュヴィッツでの体験は消し去りたい過去に違いありません。それでもこうして世界に向けて
筆をとってくださったことに敬意を表します。著者であるタチアナさん、アンドラさん姉妹は
ただ生き延びただけでなく、生きて美しい人生を築きあげました。現代も明日は何が起こるかわからない
不安な世の中です。こんな時だからこそ油断せず、前を向いて生きていこうと勇気と希望が湧いてきました。
ありがとうございます。

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わずか6歳、4歳でアウシュビッツに親戚共々収容された幼い姉妹が、奇跡的に生き延び、孤児院を経て親子再会する。当時の記憶と記録を元にした子供視点での冷静な体験談。凄惨な体験をしたのにも関わらず、その後将来を悲観することなく各々の人生を歩み、家族を得、語り部としての活動を行う。

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アウシュヴィッツに収容されて解放された数少ない生還者であり、わずか6歳と4歳の少女だった姉妹である彼女たちが語るノンフィクション。想像を絶する環境の中で母親からも引き離され、死と隣り合わせの毎日。思い出したくない事だらけだと思うけど、それを乗り越えて多くの人に伝えている彼女たちの、二度と同じ過ちを犯してほしくないという決意と行動に敬意を表します。この貴重なお話を多くの人に読んでほしいと思います。

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姉妹の生い立ちからアウシュビッツへ強制送還されどのような体験をし、解放された後どのように生きてきたのかが詳細に語られています。
6歳、4歳という幼い子供の眼を通して語られており、どんなに辛く厳しい日々だったのかと胸が張り裂けそうな思いで読ませていただきました。
女性、子供の生還率は非常に低く、奇跡の積み重ねで無事に生還できたとしても、その後の心に抱える辛い体験は腕に刻まれた数字と共に一生涯消えることはないでしょう。
私はもちろん戦争を知りません。
だからこそ、こうした語り継ぐ人たちの言葉が全てです。
真実を知ること、知ろうとすること、語り継ぐことが「戦争を知らない私たちが戦争と向き合う」ということだと思います。
そして、姉妹のお母様がとても素晴らしかったです。
どんなに過酷で辛いことがあろうと、常に娘を、家族を愛し、思いやり支えてくれたお母様に感動しました。

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本書はまだ幼かったイタリア系ユダヤ人であるブッチ姉妹がアウシュヴィッツ・ビルケナウ絶滅収容所から奇跡的に生還し、現在に至るまでの思いを綴った「ファミリーヒストリー」である。収容所に送られてしまった姉妹はよく似ていて双子に間違われた可能性が高く、この事が生存出来た大きな要因であり、また彼女たちの母親の気丈な性格も幸運であった。収容所内の様子の描写は姉妹が幼く、記憶が鮮明でない部分もあり、若干物足りない感も否めないが、「ファミリーヒストリー」として、特にタチアナの母親への思慕の念に強い生命の力が伝わってくる。

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歴史はとても素敵なものであって欲しい。人が人をしいたげ、人の命を軽く見るなんて赦されないことなのに。私がその時代に生きていたらと思うと怖い。なにもできず、ただただ今日も命があるということだけを確認する毎日だったかもしれない。死と隣り合わせの毎日は、想像することこができない。でも。毎日の「お父さん、体調どう?」の体調チェックををおこたったら、父は亡くなってしまった。突然に。
これを読んでいると、人は簡単に死んでしまうのかと自分の今と照らし合わせて悲しくなる。
強く生きる、それは、とても大変なことだけれど、多くに伝えたいお話しだと思う。
紙本で読んでみたい一冊。

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家族そろって生還できたのは奇跡。そして、奇跡の積み重ねがないと生きて帰れなかったことを改めて考えた。暖かい季節にしか再訪できなかったという言葉を読みながら、年末に訪問して少しでも寒さを実感しようと思いながら防寒対策をそれなりにしていった自分の甘さを思いだしつつ、語ってくれる方がいてこそ過ちを繰り返させないことが可能になるという思いを強くしました。

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アウシュヴィッツ収容所へ収容されながら、生き延びることができた姉妹。当時、6歳と4歳で、その年齢の子供が生きて収容所から出られることは、かなり難しかったという。生き延びて、戦後家族とも再会できた姉妹は、やがてアウシュヴィッツ収容所での体験を語るようになる。(家族と再開するまでに過ごしたイギリスでの体験も、そのような場所があったことを、今回この本を読んで初めて知ったが、子どもの精神的なケアのためには、このような場所があって本当によかったと思った。)
この本は、姉妹が(主に姉が)自分たちの体験を語っていく形で進んでいく。いろいろな体験を聞くことができるが、その中で特に印象に残ったのは姉妹の母親だ。彼女は、姉妹を必ず守ると決めて、人間であることを絶対やめないと決めた人であるのだが、極限の中にあって人間性を失わずに生きていくその心身の強さに脱帽した。
この歴史上の出来事を忘れずに記憶や記録に残していくためにも、こうした本は、節目の年であるなし関係なく、出版されていくと良いと思う。

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4歳と6歳での記憶というが、なかなかどうしてしっかりしている。特に4歳の子の記憶に驚かれるが、それほど怖いおもいをしたのだろうと思うと、つらい。
しかし、読後、私の印象に残ったのは、彼女等がドイツの人々、特に若者が反省と関心を持ってこの一連の歴史に向き合っていると評価していること。
若者が、自分等の生まれる前の自国の歴史に責任を感じるということが、我が国ではありえるだろうか?
歴史の生き証人たちの言葉を是非読んでほしい。そして、自分がこの時代に生きる意味と責任を考えてみてほしい。

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アウシュビッツを生き延びた姉妹と、その家族。戦前から戦後、歴史を語り継ぐようになるまでを、姉本人が淡々と語ります。
ホロコーストはナチスだけの問題で、よくそんな酷いことができたものだと思っていました。しかし、実は戦前からユダヤ人を差別する人々はおり、姉妹の祖母もそうでした。また、ユダヤ人の逮捕が始まり、著者と家族を密告したと思われる人物はイタリア人でした。そうした社会的風潮、戦争の中での権威者に対する恐れが、アウシュビッツでの強制収容へと繋がってしまったのだと感じました。
姉妹は当時6歳と4歳、まだ小学校にも上がっていない頃です。日々の寒さ、いつ連れて行かれるか(すなわち死ぬか)わからない恐怖を、これがユダヤ人にとっての日常なのだと受け入れながら、ギリギリのところで生き延びてきた描写には生々しさがあります。
また、戦後家族と再会してから、アウシュビッツのことは互いに話さないようにすることで、過去の心の傷を塞いだこと、長年経って語り継ぐことを決意し、その傷と向き合ったことは、私たちに生きる術を教えてくれます。
姉妹の目線だけでなく、年表や地図、脚注が充実しており、アウシュビッツについて立体的に知ることができる、良作だと感じます。

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これはブッチ一家のファミリーヒストリーとして書かれているけれど人間として忘れてはいけない、また起こしてはいけない歴史として一人一人が胸に刻むものだと、いろいろな分断で揺れる国内外の政治やヘイトクライムなどのファシズムの種になりそうなものが増えてきて改めて思いました。

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たった4歳と6歳の姉妹が50年目にして2人でお話をしてくれるなんて勇気ある決断だったと思います。
この本を読んだだけで息苦しく悲しくなったわけですから、体験をした姉妹はホントに
辛かったことと思います。
戦争を知らない若者たちにとってこの本が生き証人の役割をしていることに感銘を受けました。
私達も戦争を知ってる国なのですから絶対にこのような過ちを繰り返すことのないように
していきたい。

#アウシュヴィッツの小さな姉妹
#NetGalleyJP

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アウシュビッツの貴重な証言。大きな力が働くと、普通の人だってこんなにも残酷になれる。残酷なことに対して心がける麻痺してしまう。これは姉妹がたくましく生きた証言ではあるのだけれど、それでも爪痕の深さを思わずにはいられない。

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強制収容所を生き延びた4歳と6歳の姉妹の実話。死が隣り合わせの収容所内での、子どもたちの日常に驚かされました。戦後もユダヤ人への偏見が根強そうで、解放後にめでたしめでたし、とならないところが読んでいて辛かったです。母親の強さに感動しました。

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姉妹のアウシュヴィッツでの経験が語られる本かなと思って読みはじめましたが、それ以上に解放後の話のほうが長く、そして衝撃的でした。戦後の混乱のなか、両親の安否もわからないまま外国の孤児院を転々とし、ようやく帰れたころには母語を忘れていたというエピソードが心に残っています。子ども向けに書かれてはいますが、大人が読んでもたくさんの気づきが得られる作品でした。

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