とんこつQ&A

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刊行日 2022/07/19 | 掲載終了日 2022/07/18

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内容紹介

真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。
あの人のこと、笑えますか。

“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。
人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!


真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。
あの人のこと、笑えますか。

“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。
人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!



出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

下記に該当する方のリクエストはお断りさせていただく場合がございます。
ご理解のほど、宜しくお願いいたします。

○お名前・所属などに詳細な記載がなく、プロフィールにてお人柄が伺えない方
○作品ごとに設けました外部サイトへのレビューのルールをお守りいただけない方
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※※リクエストの承認につきましては現在お時間をいただいております。

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
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○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、...


おすすめコメント

▽担当編集者より
いま新作が最も待たれている作家の一人、と言っても過言ではない今村夏子さんの2年ぶりの新刊です。映画『花束みたいな恋をした』(2021年)で主人公の麦と絹が、今村さんの作品を巡る会話をしていたことも記憶に新しいかと思います。作品に登場するのは、私たちの周りにいそうな、私たち自身でもありそうな普通の人たちです。その言動にくすりと笑ったり、一緒に驚いたりしているうちに、人間の真の姿や、この世界の深淵が垣間見える、ぞっとするけれど何度も読み返したくなる一冊です。

▽担当編集者より
いま新作が最も待たれている作家の一人、と言っても過言ではない今村夏子さんの2年ぶりの新刊です。映画『花束みたいな恋をした』(2021年)で主人公の麦と絹が、今村さんの作品を巡る会話をしていたことも記憶に新しいかと思います。作品に登場するのは、私たちの周りにいそうな、私たち自身でもありそうな普通の人たちです。その言動にくすりと笑ったり、一緒に驚いたりしているうちに、人間の真の姿や、こ...


販促プラン

読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
著者・担当編集ともに楽しみにお待ちしております。

また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

★★★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は

恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

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出版情報

ISBN 9784065283967
本体価格 ¥1,500 (JPY)

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こちらあみ子からのファンです。
今村先生らしさ全開で楽しく拝読しました。表題作のとんこつQ&Aの主人公の気持ちの変容が、とても興味深く思わず笑ってしまったり、また笑いながらも悲しくなってしまったりと何か身につまされる感じでした。是非紙媒体で購入したいと思います。

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短編集4篇。
登場人物は普通の人たち。その普通の人たちは知らない人たちなのに、この感じよく知ってると自分と置き換えてみたりしながら読みました。
「嘘の道」では、あれ?この町私の生まれ育った町のことじゃないのかなと思うほどでした。だからこそ1篇読み終えるごとにぞくっとした。それと同時にふふっと笑ってしまうような読後感でした。
どこにでもいる普通の人たちが抱える秘密を覗き見したようで、とても面白かったです。

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町中華を舞台にしたアルバイトの今川さんと丘崎さん、2人を取り巻く妻を亡くした大将と息子。思わず失笑する表題作をはじめ、不器用で憎めない登場人物たちが織りなす日常に漂う違和感。
4編いずれも最後まで語られず、想像で補完するわけだが、それも含めて著者の真骨頂を堪能させてもらった。

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『とんこつQ&A』
「どういう話?」題名から惹かれた。
今村さんだもの、きっと面白いに違いない。
4編からなる短編集で、どれも今村さんらしい不気味さと
クスっと笑える面白さがあり、やっぱり好きだなぁ。
少し癖のある不器用な主人公たちの、真っ直ぐさとあらぬ方向への妄想に今作も楽しめました。

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今村さんの作品は、最初は小さなことだけど、だんだんエスカレートして取り返しのつかない状態になっていく人の怖さが描かれる。この本のいくつかのお話もそんな感じ。不穏な空気をまといながら進んでいく話に、ページを繰る手が止まらない。面白い、けどちょっと怖い。そんな話が読みたい人におすすめ。

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タイトルの「とんこつQ&A」は茶目っ気たっぷりで笑いながら読みました!
Q&Aという発想が本当に斬新で、なるほどと頷くばかり。
言葉が踊るような言葉が次々と出てきますが、今川さんが黒電話を取る場面は何回も読み直したい箇所です。

ほかの3編は「とんこつQ&A」とは違った側面があるように感じ、正直ちょっとぞくっとした箇所も。それでも、人前になかなか出ない負の感情から想像力が広がっていきました。

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自分の考えだけが正しい、自分以外みんなヘン、そんな風につい考えてしまいそうになる時、いやいやあんたがいちばんヘンだから、と戒めてくれる今村夏子作品。物語の途中でガラリと風景が変わる、だまし絵のような魅力にやみつきになります。「冷たい大根の煮物」、良い話です。

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表題作の「とんこつQ&A」が、まさか本当に「”とんこつ”のQ&A」だったとは!
アイデア満載の4つの短編を堪能させていただきました。
どの作品も、上手く要約できない感じがとても良いなと思いました。
優しいのか、優しくないのか、よく分からない曖昧な感じが4つの短編、すべての魅力だと感じました。

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タイトルのインパクトに惹かれて読み始めました。
入り口はどの話もほのぼのとした日常の一コマなのですが、徐々に不穏な空気が漂いだすと目が離せなくなりました。
どうしようもなくなった時に垣間見える人間の本性が、胸の奥にひやりと冷たい空気を通します。

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今村さんの作品は今まで気になってはいたが未読でした。今回良い機会と読んでみたら止まりませんでした。4編それぞれが日常の延長にあるような妙なリアリティを感じる話ながらそれぞれ少しひねりがあり深く心に残るものがありました。特に二つ目の「嘘の道」は自分の経験ではないのにあまりのリアルさと子供が持つ独特のイノセンスな残酷さに深く感じ入りました。言葉を選ばすに言えばすごく嫌な気持ちになりました(褒めています)。
今回このような機会を与えていただきありがとうございました。ほかの作品もさっそく読んでみます。

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一筋縄ではいかない今村夏子!
ちょっとズレた感覚の人々がなんとも言えない世界を描き出してる。
ズレてるといっても存在しないのではない。誰しも心の中に存在してそうな人々。
親近感というか、そうなりたくないというか、なんとも言えない。
それもこれも夏子ワールドに引き込まれるからだと思う。この引き込まれ方は本当にすごい。クセになる。
『嘘の道』『良夫婦』が特に引きずり込まれて、気持ちがどん底になって浮上するのに時間がかかった。これもまたクセになる。
この面白さは読んで体験してほしい!

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不気味な作品として話題になった芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』受賞者による待望の新作。店名が「とんこつ」なのに豚骨ラーメンを提供しない中華屋に採用された今川さんが、お客さんからの想定問答集をメモに取り続け、果てしない数のQAを創り上げる表題作など、短編全4編。

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懸命に真面目に注意深く生きているだけなのに、ふとしたことから、ズレが生まれて狂気をおびた人に見えてくる。誰しもが落ちる可能性のある落とし穴はどこにでもあるのかもしれない。その不条理が切なくもあり、人間の無意識の裏側を見たような気がして怖かったです。

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外から見たら何もおかしくないのに、一度内側に入ってみると、少しずつ、皆壊れている。そんな事に気付かされる。
その小さな綻びから、どんどんと人間や関係が壊れていく描き方がもう天才。こんな物語、唯一無二です。
人間ってすごく独善的な生き物だとしみじみした後、自分もそうなんだと思い知る。
必死で切実だからこそ感じる人間の可笑しみに震えました。

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優しい語り口調で紡がれているのに何処かオドロオドロしく何処かにしっかりと掴まっていないと覗いている底なしの井戸にヌルっと落ちてしまいそうな恐怖。誰もが持っている僅かな心の闇の部分と絶妙に繋がっており、偽善ともまた紙一重であるところが分かるだけに怖い。あぁこわい。でもそれが癖になるのが今村ワールド。

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5年ほど前に勤務先の国語科教員の紹介で『こちらあみ子』を読んでから、今村さんのお話が大好きです。
とんこつQ&Aの「Q&A」っていったい何だろう、と疑問に思いながら読み始めたら、「Q&A」よりも「とんこつ」の方が予想外で驚きました。丘崎さんが登場して、今川さんの経験をなぞるように進む展開に、この先どうなるのだろうとゾクゾクする感じがたまらないです。
「嘘の道」「良夫婦」も、少し生きづらそうな登場人物と、その周辺の人たちの不穏な雰囲気に引き込まれ、何となく怖いんだけど先を知りたくてページを捲ってしまう、沼のような魅力のある作品でした。「良夫婦」は最後に旦那さんの身に何か起こるのでは・・・とハラハラしながら読みました。
「冷たい大根の煮物」はちょっと頼りない主人公と芝山さんの対比が愉快で、タイトルは冷たい大根でも温かい雰囲気があり、希望の持てる結末だったように思います。四篇の短編すべてが今村さんらしい作品でお薦めです。

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今まで読んだ今村さんの作品で1番好きでした。特に「とんこつQ&A」と「良夫婦」が自分的には好みでした。
どれもこれも、ちょっとおかしな人と、その周りのまともな人…と思ってたら、途中から思ってたのと違う面が見えてきて、とにかくぞわぞわしました。
ポップなタイトルと表紙なのに、実際は読んでる間中ずっと不穏で不安な感じがしていて、でもそれが妙に癖になります。
これはたくさんの人におすすめしたい作品です。

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何か分からないが惹かれるものがあり、タイトルにどんな意味があるのか想像がつかないまま読み始めた。その謎が解けて膝を打ったあたりから、徐々にヒヤリと背中が寒くなってくる感覚が止まらない。
自分の気のせいかなと思うくらいの予感をほんの少しずつ摂取して、微かに、でも着実に、気づいた時には戻れないところまで来てしまっている。登場人物たちの身に起こったことの経緯や感情の変化を思い返しても、私はこうならない・自分は違うなんてことが言い切れない…そんな体験をした4編だった。
全体の印象は静かなのに刺激的。
もうこれは絶対に事前の情報無しに読んでもらいたい本だ。

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まずは本のタイトルにもなっている「とんこつQ&A」。何だろう、面白いタイトルだなと思って読んでいたら、途中で「ああ、なるほど、そういうことか。」と合点がいく。いつも思うけれど、今村さんの作品に登場する人たちはとても一途だ。でも、純粋で真っ直ぐで一途な情熱というのは、度を過ぎ、常識からズレでしまうと途端に空恐ろしさを感じさせる。「あれ?何だかそれおかしくない?」「いやいや、それおかしいって。」読みながらついついそう突っ込んでしまうけれど、最期には「まあ本人達が幸せならそれでいいのか。」と納得してしまうのだから不思議。そんな今村ワールドが十分に味わえた4編でありました。

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登場するのはいわゆる“普通”な人ばかりなのに、ある瞬間、今まで見えてたのとは違う方向からパッと光があたり別の顔が見える…、という感じの短編が4つ。
表題作『とんこつQ&A』の最後、今川さんの一人語り(語らせ?)を読んだ瞬間、ぞわっと寒気がしました。本人が幸せそうなのに、幸せそうだから余計に、とてつもない狂気に恐ろしさを感じました。
一番マイルドだったのは『冷たい大根の煮物』で、客観的にみたら常識からは外れた関係性の筈なのに何故か笑えるような可笑しさが良かったです。

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人が他者と関わって生きている限り、多少なり抱えるもの。
程度はそれぞれですが、誰しも思い当たるものはあるのではないでしょうか。
その抱えているものが恐れであった時、人はどのような行動をとるのか。
そんな人の弱さや浅はかさが緻密に表現され、共感できるが故に話が進むにつれ緊張感が高まっていきます。
前情報がなければ、表紙イラストやタイトルからはとても想像のつかないスリル感でした。それも狙いでしょうか。

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内容紹介の「真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。」にとても共感を覚えました。
4編とも主人公もまわりのひとも、おかしいとは全く感じていないし、悪意もない、
だけど客観的に見るとそのズレが真っ直ぐだから怖く、純粋だから切ないのです。
自分のまわりにもいるかもしれないし、自分で自覚がないだけで
自分もそういう一面があるのかもしれないと思ったら恐ろしくなりました。
でもそれを教えてくれる今村作品が好きです。

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登場するのは、普通からちょっとズレている人たち。
例えば、何を話していいのかわからなくなってしまうけれど、そんな時、書いてあるものならばきちんと読み上げられる人。だから常に「喋るべき言葉」を紙に書いてポケットに入れておけばいい。ちょっとズレている。
ちょっとした余計な親切が人を傷つけ、そのせいでコミュニテイから離れざるを得なくなってしまう。これもまたちょっとしたズレだ。
日常に「ちょっとしたズレ」はいつもある。それがそのまま過ぎ去っていってしまうのか、それとも事態の渦中に紛れ込んで違和感を広げていくのか、そんなことを気づかせてくれる、気持ちのいい短編集。

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「とんこつ」という名の中華料理店での普通な様でちょっと変わった人たちのお話。まさに「とんこつ」で働くための「Q &A」。変わった人もいるなーと思っていたら更に上を行く人がもう1人現れて、何だか不思議な店で最後まで変わっていたけど、今村さんらしさのある面白いストーリーでした。

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今村さんが描く主人公たちは、みんな不器用で「ちょっと変な人」です。でも、そんな自分に気がついていないのか、そんな自分を持て余しているのか、周りの人たちのペースとはまるで違うペースで生きています。

 それぞれの人が、それなりに頑張っているようでいて空回りしていたり、自分ではいい事だと思ってやっていることが全然お門違いだったりしています。

 本人は意識していないけれど、その奥底には悪意があったり、逆に悪意はないけど酷いことをしていたり、こんな人いるなぁって思ったり、自分も同じだなって思ったり、じんわりと怖さが迫って来る感じが今村さんらしいなと思うのです。

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不器用な人たちのちょっとだけ異常な生活。ありえないけどありえるような。人間の心の奥に隠している感情を暴くところは、さすがの今村夏子さん。
ライトな短編集なので、芥川賞作家の作品は苦手っていう方も、気軽に読めると思います。

𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄

🍜とんこつQ&A
‣‣‣バイトが始めたことを逆手に取った面白い展開。

👧嘘の道
‣‣‣小学生のイジメから始まり、ついた嘘。ゾワッときた。

🍒良夫婦
‣‣‣なんでもない普通の夫婦の話のようで、関係が怖い。

🍲冷たい大根の煮物
‣‣‣ごはんを作ってくれた工場のおばさん。親切なのか?それとも。短いけど余韻の残る好きな話でした。

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待望の最新作!イッキに読み終えました。
人の心の奥底にある感情がちょっとした事で顔を出す。「ある!ある!」と共感できるけど…読みすすめると、ホラーのようにゾッするところもある。今村夏子さんの世界に引き込まれる作品でした。

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4編の短編を収録。どれも奇妙な日常を綴る。人と触れ合うことの可笑しさと哀しみ、そして希薄さ。唐突に終わる人間関係。誰もが犯しているであろう人を傷つけてしまった行為とその行為を記憶の奥底に押し込んでしまった自分を呼び覚ましてしまうような不思議な感覚。人と人とが繋がっているようで繋がれていない現代の日常を描き出しているようだ。

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普通よ、普通。
私たちみんな普通って思ってる。
そこが普通じゃないことから生まれる可笑しみを炙り出す!
今村夏子さんの新作短編4篇はその絶妙なズレにクスッと笑えるのに、ゾワッと恐ろしさも感じる。
大っぴらには言えませんが、みんな全くない感情とは言えないんじゃないの?
表題の『とんこつQ&A』でカウンターパンチを喰らったかと思うと、『嘘の道』『良夫婦』『冷たい大根の煮物』それぞれの短編でも唸る!唯一無二だ。たまらない。
一度嗅だら決して忘れない臭いのようなものを感じる。

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4つのお話からなる短編集。
1つ目の「とんこつQ&A」から今村夏子ワールド全開で面白すぎました。始まりから違和感の連続。でもあの違和感と戸惑いとゾワゾワがクセになって読むのをやめられない!
今村夏子さんが好きな方はもちろん、今村夏子さんの本をまだ読んだことのない方にも全力でおすすめします。

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何度もお名前を拝見していたので、とても気になっていた、初読みの作家さん!

いや〜、どうやって感想を書いたら良いのか、本当に分かりません。
こんなに不思議な読後感の作家さんに初めて出会いました。

4つの短編集。
それぞれ、素直に読めば、温かなラスト。
いやいや、本当に温かい話だったか?
とても純粋で思いやりに溢れる主人公たち。
いやいや、そうなんだろうけど、でも、本当にそうなのだろうか?

作者に手を引かれて読了したら、
そっくりだけど何かが違う並行世界に迷い込んだような、
いやいや、本当はみんなこういう一面を隠し持っているんだよ、と、教えられたような、
え、それで良いの?と、思うけれど、
じゃあどうすれば良かったと思う?と聞かれたら、
答えは見つからない。

この作品で描き出された行動は、
決して「正しい」とは言えないけれど、
でも「絶対間違っている」とも言えない気がする。
きっと、まだこの世にない評価基準の作品なのではないでしょうか。

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ちょっとズレてる人たちが、ズレていながらも一生懸命生きる話かと思いきや、いや、そうではあるんだけど、全く想像していなかった不穏な方向に話がどんどん進んでいくこのぞわぞわした不気味さと可笑しみはまさに今村文学の真骨頂。今村夏子ワールド全開の傑作短編集でした。

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今村夏子さんの作品が大好きなので、netgalleyで読めて嬉しかったです。ありがとうございました!!
今村さんは「上手に」社会を乗りこなせなくて、恐らく経済的にもあまり豊かでない、でもそのことを自身は特に悲観もしていない…という、どこの街にもいそうな人物を主人公に据えるのが本当に上手いなとつくづく思う作品集でした。
そんな主人公たちが何やら不穏な出来事に巻き込まれ(あるいは自ら不穏な出来事に突っ込んでいき)大丈夫かな、どうなるかなとハラハラ読み進めていくうちに、思ってもみないところに着地する。その道中を語る文章や会話は簡潔で読みやすく、どこかコミカルでさえあるのがまた良い。
素朴な見た目で、ごくわずかに不思議な香りのするお菓子。食べ終わると最後の一口はざらりと苦い何かが残る…。私にとって今村さんの小説はそんなイメージです。
すべてのお話が文句なしに面白かった。読めてよかったです。

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なんて怖いんだろう。
普通の顔をしている人の底知れない怖さ。
例えるなら、商品シールを集めてもらった白いお皿に、スーパーの洋菓子売り場に並んでいるケーキがのっていて、さあ食べようとフォークで切って口の中に入れたら何やら違和感があって、ん?と思って次の一口のためにケーキを切ったら、中からぐにょりといびつなものが流れ出してきた、というような。

まいったなぁ…

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気持ち悪い!こんなことないだろ!と思って読んでたはずが、だんだん、いやこれ私も同じようなことしてるのかもしれない、まるで私みたいじゃん…と思えてきて、怖いようなおかしいような気持ちになりました。かわいらしいタイトルと装丁にまんまと騙され、今村さんの世界にはまり込んで抜けられなくなる読者が大量発生する予感。

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当たり前の日常のはずだったのに、まったく知らない顔をした日常が広がって。
肌にべったりとまとわりつく様な不穏な空気。
なのに可笑しくもあり、切なくもあり、そして怖くもある。
こんな世界観は今村夏子さん以外読んだことがない。なんだかわからないけど読んでしまう。読まされてしまう。
気づけば何度も何度も読み返してしまう。
今村夏子さんの紡ぐ物語に細胞レベルで恋してる。

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表題作を含む4作品。どれも最初は「ほっこりしそう…?」から「あれ?ヤバくない?」に発展する今村作品。期待を裏切りません。

「とんこつQ&A」
…「とんこつが!?」と思ってしまうタイトルですが、このタイトルで合っています。登場人物全員少しおかしい。時々「こわっ」と言いながら読みました。

「良夫婦」
個人的に、この本の中でヤバいNO.1は本作の主人公・友加里です。

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大好きな今村夏子さんの新作!不思議なタイトルの表題作をはじめ、日常の中にも不穏な空気が混じってくる作品ばかり!そんな空気を物ともせず、主人公たちは自分の信念を持って生活しています。今村さんならではの「え?大丈夫?」と心配になるような展開も、ラストシーンを読めば…。自分の価値観を揺さぶられます!

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この不思議な感覚はなんだろう。一見、普通のような話しもある。しかし、普通だからといって油断はできない。絶対にこのままでは終わらない!と思いつつも、展開が読めず、あふれてきた想像力がすべて無駄になってしまう面白さ。ラストはすべて、ほんとうにこれでいいの?と一度は疑問に思うのに、気づけばすんなり受け入れている。人は生きていればいつ何が起こるかわからない。引力のよう惹きつけられてしまうこの世界にずっと浸っていたいです。

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今村夏子さんの話は癖になる面白さ。その辺にありそうなお話しなのに。なんかちょっと不穏で、なんかちょっと可笑しい。
今回は、使った方は後めたさを誤魔化すかのような薄っぺらい優しさ、使われた方は自分の心の落とし所を見つける言い訳を探す。
そんな風に見えてしまった行動に既視感を感じ、ニヤリとなった。

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真面目に実直に、言わば地味で目立たない、どこにでもいるように普通と人だと思っていたのに、気付けばどこか可笑しく異様に様変わりしていてゾッとする…そんな4編の短編集だった。
どのお話の主人公も、善良で無害、むしろ大人しくてそっと影を生きているような人物なのに、その真面目さ故なのか奥底に潜んでいる狂気の発露なのか、周囲を巻き込みあるいは巻き込まれながら、なんだか据わりの悪い結末を迎えてしまう。
でも、人って少しボタンを掛け違えば、何かのきっかけがあれば、実は本人にも見えていない腹の底から、狂気じみた性や仄暗い思いが見えてしまうのかも知れない。
それは私にも当てはまるのかも知れないな…と思わされ、無自覚であったものに気付かされる怖さがこの本にはあると思う。

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今村夏子ワールドには必ず落とし穴がある。落ちたことにも気づかないような穴。どこが入り口だったのかすらわからないような穴。もしかしたら、最初の最初からすでに穴の中なのか?いや、私は私の場所にいたはず。いたはずなのに、気づけば穴の中なのだ。出口はない。本を閉じてしまうことでしか出られない今村夏子ワールドなのだ。

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装丁もファンシーな感じが物凄く可愛いし
出だしは定食屋さんでアルバイトをするほっこりストーリーなのかと思いきや、やっぱり様相がおかしいことに。
今村さんはどこまで行っても今村さんだった!!
この先どうなるんだろうとヒヤヒヤしながらも読む手が止まらない。
不穏な感じが癖になり抜け出せない。
表題作以外の3遍はもしかしたら現実にあり得そうな話かも。ちょっとしたかけ違いがとんでもない取り返しのつかない方向になる。
空回りがちょっと愛らしくも感じる(この辺でもう既に感覚が麻痺してる)反面教師のような主人公たちが出てくる。取り囲む周りの人たちもおかしな人ばかり。
楽しい読書時間でした。
今村作品はコンプリートしているのでこちらもぜひ紙媒体でも手に入れたいです。

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なんの変哲もない日常が少しずつ歪んでいく様をシュールに描いた短篇集。薄気味悪い話を描かせたら右に出る者はいない今村ワールド全開。
父子経営の中華店でバイトを始めた不器用な主人公が、自らを見つめ直し急速に成長していくも、真面目さが次第に色をかえていく狂気を孕んだ表題作「とんこつQ&A」他3篇。
真面目で凝り性な人ほど制御不能な深みに嵌りやすい事を、全篇通して小さなユーモアで飾りながら淡々と展開される世界観がクセになる独創的な作品。なんとなく変で、でもなんとなく共感してしまう漠然とした所がとても心地好い。

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読み始めたら止まりません。
読んだらクセになります。
不器用で憎めない人々の日常。
その日常の中に漂う不穏な空気や違和感に
『闇』や『影』のようなものが見えた気がします。
でも、この『闇』のようなものは誰もが持っている。
側から見れば『普通』なのに
一歩入ってしまうとゾッとしたり。
この不思議な感覚が妙にクセになってしまい
ページが止まりませんでした。

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いま新作が最も待たれている作家の一人、と言っても過言ではない今村夏子さんの2年ぶりの新刊です。
という紹介文に惹かれて申し込みし、拝読しました。
ネットギャラリーのことを篠田節子さんの新作を検索していて発見し、画期的な取り組みだ!と驚きつつ
楽しませていただいています。
ということで、私は篠田節子作品のように、読後、自分の人生を肯定して前向きな気持ちを後押ししてくれるような作品が好みです。村上龍さんの作品も勇気をもらえるので好きです。59歳です。
という前提で、個人的な感想を書きます。

今村夏子さんの作品は今回初めて読みました。
読書に疑似体験のカタルシスを求める読者としては、十分に作品世界に没頭できて、幸せな読書体験を堪能できました。今村さんの筆力と作家としての力を強く感じました。
いくつもの賞もとられているのですね。これも本作読後、検索して知り、納得しました。
レベルの高い作品集だと思います。どの作品もよくできてるなー。と。

とくに、とんこつQ&Aについては、そのアイデアに感心し、できごとや主人公の心理も詳しくかきこまれていて、楽しかったです。読後感もさわやか。想像できない展開が続き、面白かったです。

ほかの作品も面白く読んだのですが、この方の一環したテーマなのでしょうか?
普通の(それもすごく細かい描写がすばらしいです)ありそうな(ま、あるでしょうね。という感じの)
中にあるなにか怖いもの(よくいわれるところの最悪のシナリオ?心の中で思うような)が
描かれていて、それはそれで、面白いのですが、それだけに、なんか、そこまでかー。
と、思ってしまう。読後感も、「・・・ま、そういうことはあるよね。で?」 みたいな。。。
もう少し、もっと怖いところへ、もっと楽しいところへ、連れて行ってほしいなと、思いました。

本としては、面白い。ぐいぐい読ませるし、レベルが高いと思います。
けれど、最後を読者になげる、この感じは、この本を友人におすすめできない理由です。
すみません。

正直な感想を書きました。

けれど、この作者の方のお仕事と作品に、敬意を表します。
貴重な原稿を拝読させていただきまして、ありがとうございました。
大変、光栄に思います。

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善意でやり始めたことなんだが
その「良いことをしている自分」に酔いしれて
気分がよくなっているうちに
エスカレートしていく物語(多少の違いはあるけども)詰まった短編集だ。

善意は自己満なのだ。
相手にとってそれがどれほど都合の良いことだったと 後から気がついても、
苦汁を吸っても、
それはもう誰にも言えない。
だって 自分がやり始めた善意なんだもの。

「わたしは貴方のことをこんなに思っている。」
その貴方からの「ありがとう」が無くても
わたしは大丈夫。
わたしはだって善意でやってるんだもの。

相変わらずの今村さん独特の世界観。
可愛らしい装丁にだまされたらいけない。
イヤミスというほどではないが
気持ち悪い後味のお話ばかり。

ただ全く救われないわけじゃない。
苦笑いの結末や
少しだけ救いのある作品もある。
ただなんか、

消しゴムを忘れた隣の席のヤツに、
善意で消しゴムを貸したら
まだ使ってない綺麗な角の部分で消された。

でもコイツに「貸して」って言われた訳でも無い
わたしから「貸してあげようか?」って言った手前、なんも言えない
みたいな、
そんなモヤッとした不愉快さに
似てるなぁって思ったの。
その名前のないモヤモヤを
説明するならば「とんこつQ&A」かな。

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この作品も今村さんらしく、気づいたときには
ゾワゾワ感に襲われてます。
1番はやっぱりタイトルにもなってる
「とんこつQ&A」かなー?
あれ?って思ったら、あとはどんどん不信感出てきて
最後には、うわーってなる感じ…
さすが今村さんワールドです!

どの作品に出てくる人も、何かに熱心すぎて
だんだん怖くなってくるんよね…
でも、いそうなのよ…こういう人天国
さすがに1作目のやつはなかなかなさそうで
笑っちゃったけど…
他の作品の人はいてそう(・ω・;)

気づいたときにはゾワゾワしないように
身の回りには気をつけなきゃ…

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どこかで起っているようなよくある日常。
その日常の中に、ジワジワと根を張るように忍び寄る違和感、疑惑。
このままではとんでもない事になりそうな静かな怖さが、足元から積もっていく。
たまらなく癖になる今村夏子ワールド。

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タイトルにもなっている「とんこつQ&A」は、メモなしでは喋ることのできなかった女性が接客業につく。
少しだけ周りの人と同じようには生きられない4篇の主人公たちの物語。
何をきっかけとして変わったのか、そしてまた変わろうとしているのか、そのきっかけのあまりの些細さにゾッとする一面がある。
良い事も悪い事も、そのきっかけは日常のあらゆる所に潜んでいて、私たちの肩を叩こうと息を潜めているのではないかという気がしてくる。
人間は慣れる生き物だ。日常に流されて、きっかけを見落としたり、選択を誤ったりしないよう自分自身を律していきたい。

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不思議なタイトル、だけれど読む進めるうちに今村ワールドにとっぷり浸かっていました。
日常にある狂気を描くのが本当にお上手。4編からなるお話、どれもドキドキしながら読み終えました。
 表題の「とんこつQ&A」は町中華でおかみさんを亡くした大将とぼっちゃん。アルバイトの今村さんとのお話。不器用な登場人物たちのちょっと不気味で幸せな日常が覗き見できます。

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4話の短編集。タイトルにもなっている話がいちばん今村夏子さんらしい世界観。
現実と自分との間のギャップを超える手立てを編み出し、それに徹することで乗り越える。
真剣であればあるほどどこか可笑しみを湛え、泣きたいような必死さが愛おしい。
さらに、善意で行ったことが暗転、あるいは意外なベクトルを見せた時の人の心のありようはかくも奇妙な捩れを見せる。
嘘をつく、逃げる、知らん顔をする。そして、自身に苛まれるうち別の現実と別の貌に取って代わる不穏さ。日常の中の陥穽に嵌る恐怖。
最終話はわかりやすいが、今村夏子さんでなくとも書ける既視感の滲む話だ。

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今村夏子さんって芥川賞常連時代があったけどあきらかに芥川賞において新しいジャンルを切り開く先駆者になりうると思う。それくらいに斬新で読みやすくて楽しい。どの短編もどこか気持ち悪くてでもなんだか気持ちがわかってしまうようで人の醜さがよく見えます。

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今村夏子の真骨頂。。。
どうしても、怖いもの見たさに、というか、今度はどうくるんだ、というドキドキとともに、読んでしまう、読まずにはいられない、っていうやつですよね。やめられなくなりますよね、そこのあなた。好きな人はもうたまらなく好きなやつですよね。

正直今村夏子が好き、とは言いにくい。好き、というのとはどこか違う。

#あひる とか
特に個人的には 
#こちらあみ子 は当時の自分の読書メモ読むのが切なくて辛くなるほどです、いや本当に。

本書は短編集ですが、どれも「・・・え、これ結構普通かも。むしろほのぼのとして、いい話(笑)かも・・・いやまさかそんなはずはないでしょう」という読ませ方でした。まさかこんなふうに普通に平穏に終わるはずない。

これが楽しくてみんなやめられなくなるんでしょうね。


見せ方、ものの見方、見え方の角度の変え方の技が凄まじい。それも、少しずつ、本当に少しずつ忍び込む違和感、なんとなくずれていく感じ・・・これができるのは今村夏子さんくらいでしょう。私はこれを、単純に、怖い、とかホラー、とは呼べない。彼女の切り拓いた独自の世界かなあ、他者に真似できない何か。

とんこつの言葉の意味は出だしから面白かったです。
今村夏子ファンなら絶対に読むべし。

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不器用なのか、純粋なのか。
読み進むうちに独特のざらつき感、いや~な感じが迫ってくる。
「とんこつQ&A」のどかな中華料理店だと思っていたのに、四人とも歪みっぷりが半端ない。
「嘘の道」これはゾゾゾっとなった。そのうち消えていなくなるのは…。
「良夫婦」この夫婦、酷い、酷すぎ。タムが気の毒です。
「冷たい大根の煮物」いつの間にかスルリと人の懐(財布)に忍び込む芝山さんの生き方。いるかも、いたよ、こんな人。

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どの物語にも変わった人達が登場する。最初は『変わってるなぁ笑』と笑いさえ漏れる。読み進んでいくうちに『あれ?ヤバくないか?』となる。読み終える頃には『これって…怖いんじゃない?』と小さく呟く自分がいる。今村作品は『怖っ!』ではなく、『怖くない??』になるのだ。翌々日位にやっと『怖っ!』となる。本作はどれもその変さが本人にも周囲の人にも日常となってる、気付かないふりをして日常を送っている、そして1番怖いのが変だという自覚が無い、そういう人達の物語だ。その変さに気付くのは読者だけというのも怖い。

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わかるわかる、バイト始めた時はメモとるよね、今村夏子にしては普通の物語だなと思いながら読み進めていく。しかしだんだんとその「わかる」という共感にズレを感じ始め、気がついた時には「ちょっと待っておかしくない?」となる。やっぱり今村夏子だった。今回も安定の違和感。これは今村夏子にしか出せない。

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ごく普通の日常を眺めていたはずなのに、いつの間にか知らないところにいる。普通に歩いていたはずなのに、気付かないうちに道を間違えたような。それまで見ていた景色が変わって、そのことに一度気付いてしまったら、落ち着かなくて、ぞわぞわしてきて、怖くなる。気付く前には、二度と戻れない。そんな気持ちにさせられる短編集。これはぜひ読んで体験してほしい。
可愛らしいカバーデザインと中身のギャップが、作品に出てくる登場人物たちをそのまま表しているような気がします。

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まずは表題作。
やっぱり今村夏子さん。
何かがおかしくて。
少し不気味というか。独特の世界観。
つづいて、 嘘の道 。
私だったら本当のことを
言えたかなって考えたけど、
やっぱり私も言えないのかも。
一度目でタイミングを逃してしまったら
もう二度目も三度目も絶対言えない。
良夫婦は、旦那さんがとても良い人。
こういう人を良い人って
表現して良いのかは分からないけど、
良い人なんだろうなぁと思う。
"ありがとう。いつ世界にひとりぼっちで生きる羽目になるかわからない自分と、今この瞬間を共に生きてくれる人だ。"
"夫が妻の退職を知らされたのはその晩のことで、事後報告だったにもかかわらず、三年間立ち仕事を続けた妻に、「今までごくろうさまでした」と、まずはねぎらいの言葉をかけた。"
最後の、冷たい大根の煮物も、
やっぱり今村夏子さん。
人間の恐ろしいところを
しっかりと突きつけてくる。
終始、ぞわぞわするような1冊でした。

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今回もたっぷりと今村ワールドを堪能できたなぁ、と読了後の満足度が高かったです。読解力のなさから少し不思議な設定の話は苦手なのですが、どうしてだか今村さんの作品はするすると読めてしまい、それも面白いと思えるので、今村さんの文章力にいつも脱帽しています。

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今村さんは本当に、隠れた狂気というか普通の日常に潜む怖さや不気味さを書くのがうまい…。全部がちょっとずつずれていて気持ち悪いがそれが癖になってしまう。とんこつQ&Aなんてちょっと平和そうな題名に騙された(笑)

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今村夏子さん、初めて読みました。なんとも不可思議な世界観。たんたんと進んでいくストーリーに、日常に有り得そうなシチュエーション(1話目のとんこつQ&Aはないけど)読んでいる間ず~っと気持ちがザワついていて、なんとも言えない読後感の残る作品でした。クセになりそう(笑)

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今村さんは濃厚な純文学というイメージですが、この作品集は少し不思議系でした。
表題作がやはり圧倒的に良くて無理設定なんだけど筆力と想像力で貫徹させていました。
セリフが決まっていないと何もしゃべれないバイトが作った虎の巻。
それで普通に対応できるようになるところまではいいのですが、新しいバイトに母親役をやらせたり、それが普通になったりと不思議な感覚。
表題作だけでも読む価値あり。
好きだったのは、最後の話しです。このおばさんは、多分いい人でみんなからは嫌われてたけど、このバイトの子には娘を見ているみたいに接していたのかなと思いました。

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題名と可愛らしい表紙からは想像していたような話とは違いましたが、
そこはやはり今村作品。切なさから不気味さまで一気に走り抜ける感覚。
1つめの短編「とんこつQ&A」を読んだときには、
なるほどそういうことか!!そういうことなのか!!!
と思わず声に出していました。
読破後の感覚を表現しきれないのがもどかしいです。
またもう一度読んでみようと思います。

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どんな豚骨のクエスチョンとアンサーなんだろうとわくわくと読み始めました・・・が! ほのぼの系かとおもいきやな物語かと思いきやな結果でド肝を抜かれましたがとても面白かったです。

 とんこつの今川さんは すっごくがんばって苦手を克服して それまで見守ってきた大将や坊ちゃんもなんて優ししくて暖かい人たちで いい物語だな~なんて思っていた私。したらさ途中から・・・いーやーw 怖い怖い。なにこれ怖いんですけど! サイコパス?なんだこの人たちって。

 最初の話がそうで騙されたのでwきっとこの後もそうなるだろうと覚悟を決めて読んでみれば どの物語も 最初は 正しい行いをする子たちだな~とか   いい夫婦だな~とか いい同僚に恵まれて~とか 思って読む進めるんだけどね。どんどん怖くなっていくんだよ。そして怖いまんま日常が進んでの。怖いと思ってるのは読者だけ。

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4編からなる短編集。タイトルにもなっている「とんこつQ&A」に登場する女性は、とんこつという食堂で働くことになるが、人前ではうまく話せないので、接客に必要な言葉をメモして、
エプロンのポケットに入れている。「冷たい大根の煮物」では、工場勤めで食費を切り詰めた生活をしている女性が登場するが、その彼女の心のすき間にすーっと入りこんできたおばさんに、お金を掠め盗られる。今村さんの作品に登場する人たちは、かなり個性的だ。そこには自分の中にある真面目さが見てとれる。読了後に切なくなってしまうのはなぜなんだろう。

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今村夏子さんの書くお話はちょうどいいかんじに怖いです。
なんだか癖になる怖さです。

4つのお話が収録されている『とんこつQ&A』では
とくに「良夫婦」というお話が好きです。

「どこかにいるような夫婦だな」
「人は見かけじゃわからないな」
「本当に良い夫婦ってどんなんだろう?」
など、いろいろ考えました。

「この妻の友加里ってどこか私に似てるかも」
とも思いました。

人間の浅はかさや醜さって、いやだなと思い、目を背けたくなることのほうが多いのですが、
「良夫婦」を読んでも、そのほかのお話を読んで’人間’を感じても
いやではないから不思議です。
いやどころか、さっぱりした気分にさえなりました。
本当に不思議だなと思います。

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今村夏子さんといえば、硬派で謙虚なサインに似合わずもやもやっとした作風の方です。わたしは何を読まされているのか?座り心地がとても悪くて、必死に食らいつきたくなります。
一昔前の自分であるとまるで気が付いていない、プチ切ない「とんこつQ&A」
つるっと読んで最後の意味が分からず考え込む次は自分?とちょっと怖い「嘘の道」
どこがやねんな「良夫婦」
わたしまでもを信頼騙し取りの「冷たい大根の煮物」

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『とんこつQ&A』という変わったタイトル、もちろん内容も全く想像がつかず、あまり期待せずに読みました。が、初っ端から心を掴まれてしまいました。コントを観ているみたいな面白さで、この面白さを誰かと共有したい!と物凄く思いました。このタイトルも秀逸です。すごく楽しい時間を過ごせました。

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今までも今村さんの作品は呼んで面白かったのですが、タイトルに興味を持ちました。
タイトル作である「とんこつQ&A」
読み進めて行くうちに、なるほど〜と思いながら…最終的にこの4人の人間関係に思いを馳せました。
「嘘の道」「良夫婦」は本当の事がわかってしまうのか、ドキドキしながら読み進め…
「冷たい大根〜」は芝山さんとの関わりが怪しげで…
どの作品も、いつ関わってしまうかもしれない日常生活が書かれていて…
今村さんの作品は面白いです。

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今村さんの小説は、いつも私の心をざわつかせる。今回も例外ではなかった。
特に表題作の不気味さ。精神疾患(もしくは自閉症スペクトラム)を患うものを受け入れ雇用する親切な食堂と思いきや、彼女らの特性を利用し、最後には上手く操っている。しかし操られる側も幸福に感じているようにすら思える…。この気持ち悪さがクセになってしまうのは、私自身が今村さんに操られているのかもしれない。

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どこにでもいるチョット変わった普通の人?!のお話。
でもみんなまじめに生きてて面白い。
とんかつじゃなくてとんこつ。なるほどなるほど。
クククッツと笑えるお話でした。

タイトルの絵もなんか変わってますよね

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意味不明なタイトルと見ようによってはPOPな感じの装画に騙されそうになったが、中味はしっかり今村夏子ワールド炸裂した4篇の短編集。世の中色んな人がいるから、こんな人もいるかもしれないと思ってしまう話が多かったなと感じた私の感覚はヤバいのか?密やかに、だけど確かに秘められてる狂気に魅了されちゃってるかもしれない。日常っぽいけど、私の知ってる日常とはちょっと違う不思議な歪みがなんともいえない。おなじ月に村田沙耶香と今村夏子の新作を読めたのはなんともミラクルだった。

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普通の日常を「普通」には生きにくい人々を描くのが上手い。今村さんはそんな人々を時にはユーモラスな筆致で生きづらさにつながる部分をぐんと拡大して描くから、こんな部分、私にもあるよなぁ天敵のと思いつつも、いやいやこれはないでしょヤバいでしょ…と突っ込みながら読むのが楽しい。

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短編四つ。どれも何気ない行動なのに、その積み重ねがゾッとする不気味な話になっていくのが、読んでいて本当に怖かったです。
どの短編も主人公達は、始まりは心を落ち着かせるため、上手く対処するため、親切な気持ちから、可哀想だと思ったからなど普段の暮らしにありがちな場面から、その行動をスタートさせます。読み進めるうちに、あれっ?と思い、このままでいいの?と心配になり、引き返せなくなってしまう。もしかしたら自分もそんな所があるのかしらと思ったり、いやいや流石にここまではと思ったり。どこか途中で違和感に気づいたり、思い返したりできたら違う道もあるんですよと、言ってあげたくなりました。
個人的には「良夫婦」が一番怖かったです。

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今村夏子さんの作品を読みたいと思い続けていたが、やはりYA作品とはジャンルが違うので、手に取れずにいた。

この一見明るく健全なように見えて、空恐ろしくどこかズレている感覚。
「おかしいのは、そっちですよね!」と声を大にして言いたいのに、もしかしてこっちがおかしいのか?とどこか躊躇してしまうような感覚。
短い話の中でそのズレがどんどん大きくなるけれど、ここがおかしいよ、とポイントをつけないような、足下が不安定になる感じ。

上手く表現できないけれど、あり得ないだろうと思いつつ、どこかでこんなことが日常的に起こっているのかもしれない、と思わせるその巧みさがたまらい。

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一見、何でもない普通の日常を描いた短編集。でも、読めば読むほど背中に冷や汗を感じるような作品ばかり。
まさに恐怖と狂気は日常と普通の中にこそある。
「むらさきのスカートの女」と時にも思いましたが、今村夏子ってホラー作家ですよね?

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ちょっと変わった人の日常生活・出来事の物語かと思って読み進めていくと、
いつの間にかぐるりと世界が反転している気持ち悪さが強烈。
特に表題作は象徴的で、その世界の変貌の仕方が、加速度的ではなくじわじわと変化していき、
いつの間にか取り返しがつかなくなっている感じなのが非常に独特で、クセになる。

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今村夏子さんのシュールな世界の虜です。
タイトルからしてクスリと笑ってしまいますが、お話もまた変な登場人物たちの変な行動に心を鷲掴みにされます。
こんな世界が書けるのは今村夏子さんだけだと、心から敬愛します。
『むらさきのスカートの女』が好きな人にはぜひ読んでほしい、『むらさきのスカートの女』を超えた作品です。

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