無暁の鈴

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刊行日 2018/05/16 | 掲載終了日 2018/05/16

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内容紹介

 宇都宮藩戸田家の庶子・垂水行之助は、義母や兄たちに疎まれ、小菅村の西菅寺に預けられた。久斎を名乗り、小坊主として修行の日々を送るが、武家の出であることから、兄僧たちからも辛く当たられている。そんな中で、水汲みに出かける先の沢で出会う村の娘・しのとの時間だけが唯一の潤いだった。ところがしのは、二人で暮らしていた父が亡くなり、西菅寺の住職に無体を受けたことを苦に、不帰の崖から身を投げて命を絶つ。絶望して寺を飛び出した出た久斎は、二度と小菅村には戻らなかった。盗人の万吉と出会い、名を訪ねられた久斎は、無暁、と名乗り、ともに江戸に向かうことになった--。

 信仰に裏切られ、愛する者たちを失い、人を殺め島流しにあって……。若き僧の成長と、波瀾万丈の生涯を描いた時代小説の傑作! 作品評価も高まり、ブレイクスルー目前の著者入魂の最新作!! 

 宇都宮藩戸田家の庶子・垂水行之助は、義母や兄たちに疎まれ、小菅村の西菅寺に預けられた。久斎を名乗り、小坊主として修行の日々を送るが、武家の出であることから、兄僧たちからも辛く当たられている。そんな中で、水汲みに出かける先の沢で出会う村の娘・しのとの時間だけが唯一の潤いだった。ところがしのは、二人で暮らしていた父が亡くなり、西菅寺の住職に無体を受けたことを苦に、不帰の崖から身を投げて命を絶つ。絶望...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784334912239
本体価格

NetGalley会員レビュー

人間の真髄を考えさせられる。
心に重く響く1冊。

読み終わってタイトルを見た時、涙が流れた。

無欲で真面目でまっすぐな姿は人々を惹きよせる。
数々の困難や悲しみにぶつかり、苦しみ悩みもがきながらも向き合い、最後にたどり着いたものは…

大切な人たちの事をただただ想う。
ひとりの男の波乱万丈ながら芯の通った人生そのものを感じる事ができる。

「幸不幸を決めるのは己自身だけ」
胸にしみた言葉でした。

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度々訪れる予想だにしない展開に、ドンドンのめり込んで行ってしまいます。無暁の迷い、成長、悟り…最後まで一気に読みたい作品です。

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読み終えて、涙が止まらない。
こんなに泣かされるとは思いもしなかった。
ちなみに読み応えもめちゃくちゃあります。

この物語は波乱にみちた主人公・無暁の一生を描く。
小坊主から始まり、やくざ者、流人、上人へ
と登りつめていくその人生は忙しなく、あっという間に過ぎていく。

中盤までは散々な目に遭いながらも若さ故の溌剌さ、賑やかさがあるが、
物語も後半に差しかかるとそれまで無暁がまとっていたものががらりと変わる。
これが悟りを開くということなのかもしれない。

即身仏を志すというのは一見するとあまりにも突飛な考えに思えてしまうが
無暁の一生を思い返すとふしぎと納得できてしまうのだ。
彼の人生はそれほどに激しく、厳しいものだった。

その最期はとても静かで美しい。
しんとした中、無暁と弟子たちの鈴の音だけが響く。

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求道者。
どう在りたいのか。それを問い続けながらの一生であったと思う。
読者も、無暁の生涯を疑似体験しながら、自分へ問うことになる。
決して楽な読書ではない。が、普段 忙しさにかまけて 直視せずにいたことを、しっかり考える時間が持てた。そこが、良書を読む醍醐味。

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求めても求めてもたどり着けない果てのない道を進む無暁。ゆく先々で人との出会いに救われる。身を削ぎ、欲を削いでもなお生きたいと思う。即身仏となることで、己の悟りを開くことができるのか?。最後に鈴の音を聞きながら、美しい暁が無暁の前に広がったと思いたい。

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子供のころの90年代から見てきた新興宗教が起こした事件とか異様な格好と主張する説法、お金の流れから今まで「宗教」というものには悪い印象しかなかったし、この本の中でも僧侶になるためにはお金がかかるとか寺普請とお布施とかやはり信仰にはお金は欠かせないのかとがっかりした。でも、無暁の修行を見ながら「清僧は自ら食料や金を生まない」にやっと納得したし、私が無宗教でいられるのは「信仰とは、辛い現実の裏返しであった。」の言葉の通りに自分が幸せだと実感しているからだと思いました。

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少しずつ、静かな夜に読み進めた。
一人の男の一生涯を描ききった。
生と死の物語。
‪日頃、信心とは無縁の生活をしているけれど、改めて、宗教とは信仰とはなんなのだろうか…と考えさせられた。

‪前半の勢いのある日々から、後半の生と死を見つめる日々へ、常に悩み葛藤し、
ひたむきに生きる無暁を取り巻く、人との縁、その縁によって、導かれ、また歩き出す。
その最後を迎える時、無暁の鈴の音は、どんな音を鳴らすのだろうか。

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寺の小坊主から渡世人、流人と無暁の流転の人生を追体験したかのような読書でした。厳しい生活の中で、現世ではなく来世に希望を持ち仏に縋る庶民の気持ちは理解できるような気がします。それに寄り添い経を唱えるのは無暁にとっては贖罪でもあったのだろう。しかし、彼はそれだけに留まらず更なる苦行へと突き進む。どうして、そこまで?と凡人の私は思うが、彼にとっては理由などなく、そうしなければいけなかったのだろう。理解も共感もできない。感動という言葉とも違う、だけど深い余韻が残る作品でした。

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流転の人生、流離い、当人ですらわからぬままに何かを求めて、様々な出来事や出会いを通して、結局そうして仏道に行き着いた無暁の一生。人を殺め、それでも多くの人に受け入れられ生きた無暁の選んだものが、行き着いた最期が物哀しい。
即身仏として最後を終えるのが無暁の本当の幸せとなったのだろうと思うと涙が出た。
宗教というのは、本当に難しい。
それをとても考えさせられました

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