ぞぞのむこ

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刊行日 2018/07/20 | 掲載終了日 2018/07/20

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内容紹介

電車を乗り間違え、見知らぬ駅に降り立った島本。部下の矢崎は「ここは漠市です。すぐに離れたほうが良い」と、訳のわからぬことを淡々と言う。しかし先を急ぐ島本は、その言葉を無視し、漠市を通り抜け、取引先へ向かう。翌日、大きな仕事が決まったり、会社のマドンナに声をかけられたり、ラッキーが続く島本。上機嫌で家に帰ると、自宅ドアの前に元カノののぞみが座っていた。復縁かと喜んだ島本は、のぞみを家に泊めるが、のぞみは一言もしゃべらず、精気もない。翌日、のぞみを家に残したまま会社へ向かう島本は、本物ののぞみとバッタリ出会う。彼女は妊娠しており、とても幸せそうだ。では、家にいるあの女は誰なのかーー。謎の都市・漠市にまつわる5つの不条理ホラー。

電車を乗り間違え、見知らぬ駅に降り立った島本。部下の矢崎は「ここは漠市です。すぐに離れたほうが良い」と、訳のわからぬことを淡々と言う。しかし先を急ぐ島本は、その言葉を無視し、漠市を通り抜け、取引先へ向かう。翌日、大きな仕事が決まったり、会社のマドンナに声をかけられたり、ラッキーが続く島本。上機嫌で家に帰ると、自宅ドアの前に元カノののぞみが座っていた。復縁かと喜んだ島本は、のぞみを家に泊めるが、のぞ...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784334912321
本体価格

NetGalley会員レビュー

ものすごく好きな、タイプのホラーだった…
なかば獏市に馴染んでしまったがために獏市以外では異端な矢崎氏の消息と末路が気になって眠れない。
いやでも矢崎くんのことだから、案外怪異の一部になっているのでは?
続編求む!!

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ホラー連作短編集。
謎多き街・漠市。
漠市の闇に触れた人間が、次々と狂っていく。
どうせ手遅れなら、と自ら闇に飲まれていく姿が怖かったです。
グロテスクな描写が多いので、好みはあると思います。
読み終わったあと、きちんと石鹸で手を洗いたくなりました…。

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ホラーはほとんど読まないけど、これは面白かった。
だめと言われてしまうものに手を出してしまう隙は誰にでもあると思った。そんな小さな油断が致命傷になることも。
ジャンルで読まず嫌いしてはもったいない。不条理な話が嫌いでなければ、試しに読んでみることをお薦め。

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謎の都市・漠市に関わった人たちが奇怪な運命をたどる短編5つ。もちろんグロテスクではありますが、こんなに不条理という言葉が似合う話もないでしょう。どの短編にもかの地に住んだことのある矢崎くんが、最低限の忠告をしてくれるのですが、人間というものは、どうしてこう欲が深く、人の忠告を素直に受けないんですかね…。彼らのたどる運命が悲しく恐ろしいです。作者の作りだした怪異もさることながら、それを表現する擬音語が素晴らしく読んでいるだけで鳥肌が立ちました。最終話の後味はざらざらと口の中にまで残ったようです。ホラーがお好みの方は是非読んでみてほしいです。

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ひさびさに怖い小説を読むことができました。ぞぞのむこ、読みたい作品だったので、書籍化されて良かったと思います。追いかけたくなる新人作家ができました。

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最終話のお母さんはすごかった!うえ~!・・・漠市という町は、奇怪な現象が起きたり、不可思議な生物が生息していて、手にを得ない事態を引き起こす・・・ホラー系連作短編5話構成。①「ぞぞのむこ」単身会社員、島本宅に居着いた女が・・・、②「じょっぷに」万引き癖女子大生がハサミを盗んで・・・、③「トーロプ愛好会」介護施設勤務男が老女に与えた緑玉は・・・④クレノニ神」就活学生2人は帰り道に・・・⑤「ざむざの家」娘が噂のある家から帰って来たのだが・・ひえ~恐怖!でも、楽しめた!・・・・・・
【光文社・第10回小説宝石新人賞受賞作】・・・連作短編5話のどれにも、キーマンとして、「矢崎」という男が登場し、「漠市から離れなさい、とか、係わるのをやめなさい、とか3回まで注意する。話の中で、会社員部下、同じ大学の男子学生、介護施設インターシップ学生、就活学生仲間、戻って来たアパート住人と立場を変えて関係してくる。この矢崎が良いアクセントになっていた。また、2話のエンディングなど、わざわざ運送業者の男の目線に切り替えて、ハサミ女を描写し、巧みな筆力を見せています。文脈切り返しの上手な作家でした。

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夏、寝苦しい夜に一話ずつ読むのにぴったり。

謎に包まれた「漠市」にまつわるホラー。この街には「アタサワ」と呼ばれる場所があり、そこに近づいてはならない。もし近づいてしまったら・・・・という短編集。どの話も面白くて手を石鹸で洗いたくなる。個人的には「クレ」と「ノニ」の話が面白かったです。

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獏市という忌み地にうっかり足を踏み入れてしまった人たちの怪異譚。
内容紹介に書かれた『不条理ホラー』という言葉がまさに相応しい。
なぜ獏市がそのような土地なのか、どうして矢崎はこの土地に住み続けていられるのか、
とくに説明はないが、怪談とはかくあるべきなのかもしれない。
なぜかは分らないけど、とにかくあそこには足を踏み入れてはいけない……らしい。
とにかく読後の後味の悪さ、というか胸がざわついて仕方がない。
怖い。怖くて仕方ない。
もし本当にこんな場所があって、そこに知らず知らずのうちに
足を踏み入れてしまったらどうしたらいいのか。

この町を出たら手を洗えと本書には書かれていたが、
それはこの話を読んだ者もあてはまるのだろうか?

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普段はあまり手に取らない不条理ホラー。暑い夏にはいいかなと思ったのですがグロテスクな部分の方が印象が強く涼しくはならず。とにかく漠市恐るべし。石鹸で手を洗いまくりたくなります。『漠市アタサワハザードマップ』欲しい。最後の親子が不憫で仕方ないです。

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あなたが漠市という何かと噂がつきまとう町に来てしまったら「1何も持ち帰らない、2お金を払わない、3家に入る前に石鹸で手を洗いましょう。さもないと大変なことになりますよ。」と唐突に言われてもなんか予防法的には簡単なこと過ぎるし大変なことになるって想像も出来ないしで自分から巻き込まれていく人々。

世にも奇妙な物語のような感じで背筋がざわつく感じが良かったし擬音と怪異の名前が絶妙です。

少しずつ全ての出来事に関わってしまう矢崎くんが漠市の「アタサワ」の研究をしていってどうしてこんな町になったかも知りたくなりました。

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不用意に立ち入ってはならず、絶対に関わりを持ってはいけない町、漠市。他人の忠告を聞かず、ハザードスポットに接触した者の末路は崩壊あるのみだ。潜在的な望みの実現はそれを離すまじという浅ましさを生み、強い執着はおぞましい様々な何かに形を変えその人間を蝕んでゆく。不条理でもあり自業自得でもあるその匙加減と、理屈が通用しない怪異に最後までゾワゾワ。マイベストは強烈なラストに引き笑いが出た「クレノニ神」、恐ろしくもどこか悲しい「じょっぷに」。漠市に住みながら怪異の影響を受けない忠告者として、矢崎という謎の男が各話に登場する。感情を廃し生真面目に決められた事を守る彼が、怪異に遭遇する人間とは真逆であるという位置付けが非常にシニカルだ。そして何と言っても著者の擬音語と造語のセンスの良さには腰砕けにさせられた。んじょっぷにーー!

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最初から最後まで、よどみなく読み進められる作品でした。
 作者様の独特の発想で心底楽しませてもらえました。ホラーはあまり読まないのですが、この手の物語ならもっと読んでみたいです。
 文体は頭に入りやすく、登場人物の心情が手に取るように分かります。説明的ではなく、軽く、くどくもなく、リズムもあり、文体の良さでストレスを全く感じません。物語の中に没入させてもらえる文体の技術は素晴らしいと思います。物語一つ一つのエピソードもとても面白く、ユーモアと現実、人間性と残酷さを混在させている、全体のバランスがとても良いと思いました。
 ただ、それぞれの話が、最初に軽い流れから入り、最後にガツンとくるという設定だったので、一つくらいは違った設定も読みたかった気もします。

 漠市についても、矢崎についても、曖昧模糊で物語が終わるのですが、そこも悪くないと思いました。もしも続編で全てが明らかになるなら、それはそれでとても嬉しいです。
 欲を言えば、ここまで奇想天外な話なのであれば、もっともっと過剰にしてほしい。作者様の発想が非凡であるのは間違いないと思いますし、物語の世界に読者をぐいぐい引き込む力をお持ちなので、今後の作品にはそこを待したいです。

 久しぶりに夢中になって読むことができました。とても面白い作品なので、沢山の方に読んでいただきたいと思いました。自分としては、とても好きなタイプの作品です。読ませていただいて有り難うございました。

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