絵里奈の消滅
香納諒一
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刊行日 2018/09/22 | 掲載終了日 2019/01/07
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内容紹介
最後のページに「彼女」はいない――。
謎の女の正体にあなたは気づけるか?
元刑事で探偵の鬼束啓一郎。彼がかつて逮捕した男・牛沼が水死体で発見された。その前日、鬼束の携帯電話には、牛沼からの不在着信履歴が残っていた。その電話の用件とは、行方不明になっている娘・「絵里奈」を探してほしいという捜索依頼だったらしい。鬼束は依頼人不在のまま、牛沼の遺品の写真を元に、絵里奈の行方を追うことになるが……。失踪した謎の女を取り巻く闇に迫った鬼束が、最後に目にした衝撃の結末とは?
著者渾身の傑作ハードボイルド!
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784569841151 |
本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
関連リンク
NetGalley会員レビュー
次々と展開していくストーリー。一気読みしてしまいました。犯人も気になるけど「絵里奈」は、どこに行ったの?そもそも「絵里奈」って一体誰なの!?最後の最後まで謎が付き纏う作品。ミステリー好きには堪らんです。大どんでん返しも見所。主人公の仲間?もキャラが濃くて面白い。シリーズ化して欲しいです。
物悲しく心に刺さる、歪んだ優しさと愛情と憎悪が渦巻くミステリー!
依頼人が死体で発見され、依頼人不在のまま絵里奈の行方を捜索する鬼束に次々と巻き起こる新たな事件!徐々に明らかになる真実!
その展開の速さに、続きが気になってページをめくる手が止まらない。
絵里奈はどこに行ったのか?彼女は一体誰なのか?追い求める真実とは何なのか?
冒頭から読者に付き纏う違和感は、絵里奈の行方、一連の事件の真相に迫るほどに強くなる。
そして待ち受けるどんでん返しは、読者を思いもよらない結末へと導く...!
元警察官という経験から相手の表情や身体の一瞬の変化を見逃さず、心理を読み解く鬼束。会話を切り出すタイミングやかけひきなどの細かな描写もこの作品の魅力。
元刑事で探偵の鬼束の出てくる前作がありますが、特に読んでいなくても問題はありません。川に水死体となって浮かんだ牛沼が、自分に、行方不明の娘捜しを依頼しようとしていたと聞いた鬼束は、依頼人もないままに動きます。帯の煽り「最後のページに彼女はいない」に引っ張られて読み始め、最後までぐいぐい読み進めましたが、出てくる関係者がろくでもない、あるいは壊れている人が多くて、少し辛かったです。最初からずっと持っていた違和感は少しずつ形になり、最後にストンと収まった感じです。鬼束の行動や人柄は惹かれるものがありますが、ミステリとしての真相は人により好みがあると思います。ミステリ慣れした人より普通にハードボイルドを楽しみたい人に向いているかもしれません。
ハードボイルドのミステリー作品は久々でした。なかなか読み応えがあります。
主要な登場人物は元刑事の私立探偵、占い師の女とその女を母に持つ兄弟妹、女の元夫たち。
後半は絡まった糸が少しずつ解けて行く感じで、読み進めるのにページを横にスライドする指が止まりませんでした。
結末には少し複雑な気持ちになりましたが、良い意味で期待を裏切る内容だと思います。
昔逮捕した男の死に不審を感じ、調査する元刑事。男の一人娘との出会いから封印されたある一家の闇を紐解く事に…
二転三転しながらもスピーディーなストーリー展開で、一気読みできる作品でした。
刑事時代に捕まえた牛ヤスが死んだ。
死んだ牛ヤスからの依頼は娘絵理奈を探して欲しいということらしい。
依頼人がいなくても元刑事の血が鬼塚を突き動かす。
絵理奈を追ううちに深まる謎。
消滅の意味をラストで思い知る。
すごく悲しいミステリーでした。
亡くなった男の娘、「絵里奈」を追っていくうち、彼女を取り巻く家族環境が激しくて、読んでいるうちに心が痛くなりました。ページをめくる手が止められず、最終的にたしかに「絵里奈」は消滅していた。
最後の一行でもの悲しさが倍増した。
いつもながらの香納節で、楽しめた。謎そのものが複雑で、その複雑さは後半になればわかるが、禁じ手といえなくもない謎を、どう料理してくれるかまで含めて面白く読める。
刑事を辞めて新宿で探偵業?を営む主人公に助けを求める電話が。
何をして欲しかったのかわからないまま、それを追い求める内に1人の女性に繋がる。
が、その女性の存在にたどり着くまでにも、様々な難局があり、更には見つかってからもそれは続く。
真実を明らかにする事のみを頼みに、依頼人のいない仕事を続ける主人公。
彼女の家族に纏わる謎を如何に解き明かすか。
スリリングな展開はそれほど多くはないが、引き込まれてしまう作品。
元刑事のハードボイルド作品。昔捕まえたことのある空き巣常習犯が、死体で発見され、自分と連絡を取ろうとしていた…依頼人のいないまま、事件の捜査を進めていく。