W県警の悲劇

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刊行日 2019/01/19 | 掲載終了日 2019/11/08

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内容紹介

警察官であるより前に、一人の人間として、常に正しくありたいんだよ

「警察官の鑑」と誰からも尊敬されていた熊倉警部。W県警初の女性警視へと登りつめた松永菜穂子は、彼にある極秘任務を与えていた。その最中の、突然死。事故かそれとも……。事故として処理したい菜穂子の胸中を知ってか知らずか、熊倉警部の娘が事件現場についてあることを思い出す。

警察官であるより前に、一人の人間として、常に正しくありたいんだよ

「警察官の鑑」と誰からも尊敬されていた熊倉警部。W県警初の女性警視へと登りつめた松永菜穂子は、彼にある極秘任務を与えていた。その最中の、突然死。事故かそれとも……。事故として処理したい菜穂子の胸中を知ってか知らずか、熊倉警部の娘が事件現場についてあることを思い出す。


おすすめコメント

『絶叫』『凍てつく太陽』の著者が贈る、ネタバレ厳禁!前代未聞の警察小説。

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784198647520
本体価格 ¥1,600 (JPY)

NetGalley会員レビュー

面白すぎて一気読み!一話毎に驚きの連続、そしてラストに最大級の衝撃が!!【警察小説の異端児】誕生ですね。ある意味、信念を持った警察官でもあると言っても良いものか…今後が気になる忘れられない警察官であり、忘れられない作品になりました。

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バランスのとれた❝いやミス❞といった感じでしょうか。
旧態依然とした男尊女卑の風潮が残るある県警を舞台とした連作短篇です。
❝いやミス❞と表現したのは、❝陽❞で終わるエンディングと❝陰❞で終わるエンディングが混ざりあい適度なアップダウンがあるのですが、最初と最後が❝陰❞で終わるためです。
それぞれの謎自体も、解けたり解けなかったりと(私自身が)交互にくるような感じで楽しめました。
お薦めは「ガサ入れの朝」。解けなかったんですが、「そう来たか~~」と納得でした。
おススメです!

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女性の立場が弱すぎる田舎の「W県警」を舞台に紡がれる警察小説。
本書は、そこで働く数少ない女性たちが、それぞれの立場で、孤軍奮闘する物語が6篇収録されている。
彼女たちがそれぞれに持つ「正義感」。
それが唯一絶対なものと信じる者の運命には度肝を抜かれた。
ラストまで二転・三転し、先が読めずに心臓の鼓動の高鳴りが止まらないのはもちろんのこと、女性の生き方や働き方にも共感する部分が大いにあり、とても面白かった。

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葉真中顕の『W県警の悲劇』は、とある地方警察組織の腐敗と劣化のありようを、ミステリ仕立てで描き切った風刺的作品だ。軽妙かつ皮肉な語り口が、深刻で重いテーマを、ちょっとした苦みへと変えて、読者へと伝えてくれる。

本書は6編の短編から構成されている。それぞれが独立した短編なので、通学・通勤電車で読むのにはうってつけだ。一日一篇、6日で全部読み終わる。読み終えたのち、きっと、最初に戻りたくなるだろう。ジグソーパズルが完成した時のように、改めて全体を眺めたくなるのも、本書の魅力の一つである。

各短編に共通する主題は、「隠す」ことの持つ悲劇性だ。隠すことによって、人は動きが不自然になる。その不自然さをとりつくろおうとして行動がさらにねじれる。不自然なほどの正しさ、不自然なほどの頑なさの背後には、何か隠したいことが存在しているという本書の認識は、人間の本質を鮮やかに描き出しているのである。

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冒頭に出てくるW県警円卓会議なるその実態は明らかにダメダメなおっさんの密談の描写から早速察することが出来ちゃう世界観のどん底さ、登場人物の軽さに込められた批評性を、これまたスナック菓子のようにワンパターンではあるが実に快適な騙しのサービス精神で連作短編の中に見事にまとめてみせた、軽いが面白い一冊!

確かに警察小説としてはここまでサクッサクに軽いというのは珍しいかもしれないが、しかしジェンダーへの眼差しやカス組織、カス人間の描き方などには正統派的な批評意識も読み取れるし、それより何よりエンタメとしての「一気に読める」楽しさが前に出ているのが秀逸な点。ちょっと後半になるとトリックが読みやすいきらいはあるが、この作者の意地悪心とサービス精神がそれを補って邪悪な快楽を与えてくれるのは間違いない。

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「W県警の悲劇」のタイトルを見て和歌山県警の内部を描いているのかなあ、と思ったんですが、一読して「Wの悲劇」へのオマージュなんだと考えました。

男社会の警察で、女性警察官の地位を向上に尽力する松永菜穂子監察官をはじめ、女性警察官が主人公の物語は正にWomanの悲劇だと感じました。物語が進むにつれて菜穂子の地位が上がっていくのが面白いです。

葉真中さんの作品を読むのは、これが初めてでしたが癖のない文体でとても読みやすく、先を知りたくなるような筋だったので一気読みでした。

どの作品も意表を突く物語です。おそらく最後まで読むと2度読みしたくなるでしょう。自分はどこを読み違えたんだろうと。私が一番驚いたのが「ガサ入れの朝」でした。「そう来るか~!」とすっかり騙されました。

最後まで書かずに、読者にこれから起きる事を想像させるラストも良かったなあ。最後まで読んでから表紙のイラストを見ると、ドクロに見える2人の女性は、このラストを象徴しているんだろうな。

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『凍てつく太陽』という重厚な作品から一転。現代を舞台にした連作短編集。
それぞれにサプライズが用意されて、長編なみの読み応え。
そして全部読んだときのラストサプライズがすばらしい。
2019年は傑作が多い年になる予感。

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軽快に読み進められるのが大きな魅力ながら、リズムに乗っていると「ん?」とページを戻らずにはいられない。
「思い込みとは無自覚なもの」なのだと痛感する。
そして、無自覚な自分を自覚しながら読み終えたにもかかわらず、最後には心にはモヤモヤが残る。
「正義」ってなんだ? 「悪」の反対語が、「正義」ではなく「善」ならば、正義とはなんなのだろうか?

読後の自分の中にうごめく「都合」という二文字が、今もまだ、どうしても振り払えない。
気軽に大きな問いの中に引き込まれた読者が日常に戻る方法は、「何も気づかなかった」と都合よく解釈するしかないのだろうか?

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洞(ほら)の奥…父がW県警の超真面目刑事、その父の後を追い刑事になった熊倉清。父の熊倉は不正の上、自殺したのか?情報を漏らすという不正をしたのか、死の原因は自殺なのか事故なのか、捜査するW県警の女性警察官の憧れであり、出世頭・松永奈緒子。清が手がかりを見つける、同時に奈緒子も…。
後半のストーリー展開にグイグイと引き込まれました。

交換日記…女子小学生殺人?誘拐?行方不明事件。それを追うW県警刑事、日下凛子と先輩の上原刑事。
一回り以上も年齢の違うおっさん刑事上原になんだか思いを寄せる凛子。
しかも上原刑事は左薬指に指輪してるし。
そしてまた、怒涛の後半、どういうこと?とまたまた引き込まれました。

ガサ入れの朝…凛子と上原の結婚噂話をする、同期の鑑識の千春が主人公らしい始まり、その千春が
見つけ出す能力がすごい、てことで興味深く読み進めました。そしてまた、怒涛の後半。
これもまたおもしろかったです。

私の戦い…痴漢冤罪か?自分も高校生の頃、痴漢被害にあい声も出せなかった経験者の女性刑事の千紗が
痴漢容疑者を取り調べる。痴漢被害者は女子高生、過去に3回被害に遭い、示談し金銭も受け取っている。一方、痴漢容疑者の方は黙秘を続ける。どっちなんだろう?と一気読みでした。
またもや、予想外の後半へ。

破戒…また、女性刑事が主人公。カトリック教会の神父が実父を殺したと自首するという事件が発生。
昔、お世話になった神父さん、本当に神父が殺したのか?
アリバイは?またも予想外の真実。これも一気読みでした。

消えた少女…とうとうラストの話。またまた登場、松永奈緒子、今までの事件のまとめのような感じで
あり松永奈緒子の今までのストーリー、今までの登場人物、事件を思い描きながら、今回の事件、消えた少女はどこへいったのか…
興味津々に進む物語、相変わらずの予想できない後半の展開へ。
おもしろかったです。

こんなにおもしろい小説なのにこのタイトル!?『W県警の悲劇』って?なんだかなぁ、と残念に思いました。
タイトルからは想像できないおもしろさだったと思いました。

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