とり研の空とぶ事件簿

日常の謎に絡めた鳥の習性や特徴の描写とか研究の仕方とかがいちいち細かいというかマニアックだなぁと思っていたら作者は本職の方だと知り納得です。

観察していたヒナが突然姿を消してしまった！
研究室のメンバーが襲われた！その場に居合わせたインコが犯人を知っている！？
日常の中で起きるプチ事件の謎を解く鍵は鳥たちにアリ！

そんな物語の舞台はとある地方大学の動物生態学研究室・通称『とり研』です。
(由来は在籍している学生のほとんどが野鳥の研究をしていることから)

ブッポウソウにサンコウチョウ、カッコウ、オオルリ、ジュウイチ、ウグイス、ミミズク、ヨウムと
姿を思い浮かべられるものから名前を聞いたことすらないようなものまでたくさんの鳥たちが登場します。

鳥の子育てや縄張り争いに求愛行動、雌雄の模様の違いや渡りなどその生態も知らないことだらけです。
色んな鳥の種類や生態を学べるなんて、まるで鳥類図鑑を眺めているようでした。
本書はそんな鳥好きにはたまらない鳥だらけミステリーです！

鳥をいちいち検索しながら読みました。
ミミズクって漢字だと耳木兎って書くんだ。ほんとだ、確かに耳のようなものがある！とか。
鳥の生態についても勉強になりました。

大学の野鳥研究室の日常の謎系ミステリ。
鳥の生態などトリビアが楽しかったです。

とり研の宗像翼が、仲間とともに日常に起きた事件を解決するユーモアミステリー。
これまであまり知らなか野鳥の生態が分かりやすく説明されています。宗像くんと憧れの室見春香の関係も最後には思わぬ展開になります。殺人事件が起こらない、ライトな感じの鳥飼さんの作品ですが、面白かったです。