サリエルの命題

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刊行日 2019/06/18 | 掲載終了日 2019/06/18

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内容紹介

突然発生した新型インフルエンザ!
離党の住民が全員死亡、そして本州にも感染者が。
頼みの治療薬の備蓄が尽きた時……

助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。


日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生、瞬く間に冬眠全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるなか、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民には到底行き渡らない……。
刻々と自体が変化していく現場では封じ込めのための努力が続けられる一方で、治療薬配布の優先順位をめぐる国を挙げての議論は白熱していく――。

少子化は正しい。問題は長寿だ。

突然発生した新型インフルエンザ!
離党の住民が全員死亡、そして本州にも感染者が。
頼みの治療薬の備蓄が尽きた時……

助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。


日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生、瞬く間に冬眠全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるなか、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく...


出版社からの備考・コメント

校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が若干異なる場合がありますが、ご了承ください。 ※発売前の作品のため、ネタバレのレビュー投稿は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

校了前のデータを元に作成しています。 刊行時には内容が若干異なる場合がありますが、ご了承ください。 ※発売前の作品のため、ネタバレのレビュー投稿は極力お控えいただけますよう、ご協力のほどよろしくお願いいたします。


おすすめコメント

インフルエンザという身近でいて変異や流行のメカニズムが解明されていないウイルスの恐ろしさをリアルに実感させてくれます。特に感染力や致死率が未知数の新型インフルエンザにどう対処していくかという真剣な議論は、この国の将来を見据えて重要な示唆を与えてくれると思います。

――担当編集者より

インフルエンザという身近でいて変異や流行のメカニズムが解明されていないウイルスの恐ろしさをリアルに実感させてくれます。特に感染力や致死率が未知数の新型インフルエンザにどう対処していくかという真剣な議論は、この国の将来を見据えて重要な示唆を与えてくれると思います。

――担当編集者より


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784065156056
本体価格 ¥1,850 (JPY)

NetGalley会員レビュー

先が気になって一気読み。国民医療費・社会保障制度、国家予算とオリンピック、優先順位など、多くの課題に気づかされました。
研究機関や研究者、議員や閣僚など立場の違う人物が多数登場しますが、圧倒的筆力、各章の構成の巧みさで混乱せずに読む進めることがでました。
責任を任されている国のトップの人たちの、自分さえよければという醜さを露わにしたラストが見事。
多くの人読んでほしい今年最高の社会派作品です。

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日本の健康保険制度の課題や命の優先度、人命を扱う政治家の心理、長寿と歪な人口ピラミッドが齎す影響、人命最優先を恒常的に維持する条件、健康への自己負担、移民外国人の健康に対する金銭負担等など本来なら国民的議論が あって然るべき問題について、pandemicパニックを背景に論を進めていく。小説なので最後は危機的状況を克服するのだが、400ページ強の政策提言に目を通した感覚。自分なりに勉強して深い理解、思考は必要だが普段誰かが何とかしてくれるだろうと目を背けている課題を直視せざるを得ない作品。勉強になりました。

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サリエルと名付けられた致死性の高い人工のインフルエンザウィルス。サリエルは、日本の小さな島に暮らす人々を全滅させ、猛威を振るい始めます。冒頭は謀略小説のような趣。読み進めると、物語は違った様相を呈するんですね。

東京オリンピックを目前に控えた日本。少子高齢が進み社会保障制度の崩壊が目前に迫っているという我が国の社会問題を浮彫にしていきます。医療の進歩で人々の寿命が延び、ゆえに医療費が国家の財政に大きな負担を強いている昨今。サリエルの感染拡大は日本国民にひとつの問いを投げかけるのです。

本作品を読むと、日本の抱える大きな問題が良く分かります。しかしながら、出だしのワクワク感以上のサスペンスフルな盛り上がりを期待すると外すかもしれません。サスペンスというより政治ドラマの色合いが強いですね。

一般的に初老といわれる年齢の自分には、相当身につまされる内容ではありました。命の優先順位ねぇ・・・

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2500年かけても、解かれていない命題がつきつけられているように感じた、パンデミックの裏側を描いた快作。
高名な病理医学者が帰省した過疎が進んだ離島で、突然変異と推測される新種のインフルエンザが発症。離島住人すべてが亡くなるという悲劇に国内が騒然とする中、本州でも似たような症状が発見される・・・パンデミックの恐怖に立ち向かい事態を収拾しようとする研究者、政治家が描かれている。
誰を助け誰を見殺すかという究極の選択とも思える「カルネアデスの板」や医療を志す人々の根本ともいえる「ヒポクラテスの誓い」といった言葉が浮かび、2500年近く経ても答えを見いだせない現状と日本が現在陥っている少子高齢化の問題、ウィルスという見えない存在に対する恐怖が重なり強烈な不安を感じた。
自分自身、現実に直面したらどういう判断を下すのだろう・・

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あと何年生きられるかわからないのに、高額治療費で国に負担をかけるのは申し訳ない気もする。しかし、医者は治療を勧める。それが現状。薬も必要以上に出そうとする。もし、新型インフルエンザの治療薬の製造が追いつかなかったら、そんな悠長なことは言っていられない。しかし人間の命に優先順位を設けるってどうなのだろう?政治家のことや研究者のことなど考えさせられた。

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いやいや、もう一気に読みました。
新型インフルエンザの治療薬トレドールの配布で与党の若手議員と熟年議員とは意見が対立します。
「薬が限られていて孫か自分かどちらかにしか渡らないとすれば孫を優先する」
と、理屈では分かっていても「有権者」と考えると高齢者を切り捨てることは自分の政治生命が終わってしまう…と大反対。

そして事は日本の医療制度の矛盾と社会保障制度が破綻してしまう前に見直しが必要なのではないか…という今、日本が直面していて見ないふりをしている案件が取り上げられています。
いつでも起こりうる問題提起がされていると感じました。

論議の中で「たった2週間のオリンピックに予算以上に膨れ上がった経費をかける必要があるのか? そのお金でトレドールを作った方が良いのではないか?」
という箱もの行政に対する疑問もあぶりだしています。
とても骨太な小説でした。

ただ一点、サリエルが鈴森町で発症したのは何故なのか?
単純に野鳥が感染源なのか?
それとも実は野原が…。
そこが曖昧だったのが気になりました。

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新型インフルエンザ×少子高齢化というありえそうなテーマで考えさせられながら読みました。
新型の病気がパンデミックになった時、そのワクチンや治療薬が国民に広くわたることができないとき、優先順位を決めるべきなのか否か。
自分や家族の立場で考えるとやはりそんなのは不公平と考えがちですが、社会全体としてみたとき果たして自分や家族は助けるべきなのか・・・。非常に重かったです。

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・・・こ、こわいこわいこわいこわい!!!
読みすすめれば読みすすめるほどに怖ろしい。
なぜそれほどに怖ろしいかといえば、ここで描かれているのはいずれ自分達が直面せざるを得ない問題だからだ。
小説の形をとってはいるが、これは読み手に警鐘を鳴らすための予言の書なのではなかろうか。

日本国内のとある孤島で未知の強毒性〝サリエル〟ウィルスによる新型インフルエンザが発生した。
致死率、感染力が異常に高く、ワクチンもなく、唯一の特効薬も全国民にいき渡るだけの数が確保できない。
それは助かる命を選ばなくてはならない、ということだった。

人の命に優先順位をつけるという文章を目にしたとき、ぞっとした。
だけど、読んでいれば気付かされてしまうのだ。
恵まれた環境だから安穏と他人を思いやることが出来ているのだと。
少子高齢化社会や現行の医療制度、社会保障制度の限界がいつかやってきたとき、
私達は他人を排除し、命の重さに順位をつけなければいけないのだろうか。
あるいは、限界による崩壊を迎えるか。

そして、そのときがやってくるのは決して遠くはない将来だ。
既に危機は現実のものとして現れ始めているのだから。
そのときがやってくるのがただただ怖ろしい。

私たちはもうそろそろ見ないふりを辞めなくてはいけないのだろう。
こんなリアルはみたくなかった。

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