大鞠家殺人事件

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刊行日 2021/10/12 | 掲載終了日 2021/10/08

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内容紹介

大阪の商業都市・船場の化粧品問屋に嫁いだ軍人の娘。だが、夫は戦地に向かい、残された彼女は単身連続殺人の謎に挑むことに……本格の雄の新たな代表作!

大阪の商業都市・船場の化粧品問屋に嫁いだ軍人の娘。だが、夫は戦地に向かい、残された彼女は単身連続殺人の謎に挑むことに……本格の雄の新たな代表作!


おすすめコメント

大阪・船場という地名を、関西圏外の人が知る機会は、一般的には谷崎潤一郎『細雪』ではないかと勝手に思っておりますが(あとは花登筺のドラマでしょうか)、「かつて大阪の商業の中心地となった場所」「1945年の大阪大空襲で甚大な被害を受けた」という予備知識だけでも充分本書をお楽しみいただけると思います。

証券・商社・銀行・薬・繊維・化粧品・小間物など、“高級”な商いで幾時代を築いた船場という特殊な土地柄を、大阪小説をいくつも物してきた著者が、独特の船場言葉や生活習慣を丹念に綴りながら、没落を前にした戦時下の豪商一族間の愛憎と、ぞれゆえに起きる怪異と謎の連続、時を経て明かされる衝撃的な真相を重層的に描く、これぞ「大河ミステリ」と呼びたくなる作品です。

思えば弊社東京創元社は、船場を舞台に描いた山崎豊子のデビュー長編『暖簾』(1967)の最初の版元で、当時ベストセラーになったことは年譜に刻まれています。60年以上を経て新たに刊行される船場小説も同じく広い読者から支持されることを願っております。

発売日までの期間限定となっていますが、この機会に是非「物語作家(ストーリーテラー)」芦辺拓の筆致による長編をお楽しみ下さい!

大阪・船場という地名を、関西圏外の人が知る機会は、一般的には谷崎潤一郎『細雪』ではないかと勝手に思っておりますが(あとは花登筺のドラマでしょうか)、「かつて大阪の商業の中心地となった場所」「1945年の大阪大空襲で甚大な被害を受けた」という予備知識だけでも充分本書をお楽しみいただけると思います。

証券・商社・銀行・薬・繊維・化粧品・小間物など、“高級”な商いで幾時代を築いた船場という特殊な土地柄...


出版情報

ISBN 9784488028510
本体価格 ¥1,900 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

最近はほとんど読む機会のない「本格推理小説」。
ついてゆけるか不安でしたが、女性の登場人物が個性的で、
波瀾の人生、凋落した名家、次々の起きる事件、目が離せません。一気読みでした。
ラストで明かされる謎解き、千太郎失踪や月子の秘密にはびっくりです。参りました。

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明治~昭和にかけての、大阪・船場を舞台にした時代小説であり、大河ミステリー。
中盤までなかなか事件が起こらず、しかも独特な船場言葉で書かれているので読みづらさは正直ありました。しかし当時の商人の町・船場の風景がとても詳しく、丁寧に書かれており読み応え十分でした。
また、ディクスン・カー、エラリー・クイン、ヴァン・ダインなどそうそうたるメンバーの名前がでてきて、推理小説ファンとしてはとても楽しむことができました。
商家に産まれたが為の風習や伝統と継承、戦争という時代に翻弄された人々の悲しい結末でした。

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大河ミステリーであり、超王道の本格ミステリー作品でした!失踪事件や商家の屋敷で起こる怪異、さらには殺人事件も発生。謎がとにかく多くて、物語がどこに着地するのか全く予想できませんでした。事件の真相が明かされる謎解きパートでは「こんなに多くの伏線が張り巡らされていたなんて!」と、とても強い衝撃を受けました!
大阪大空襲については被害規模など殆ど知らず、該当箇所では言葉を失いました。時代の波に吞まれながらも当時の大阪・船場を生きる登場人物たちが力強く、魅力的に描かれていて、戦前・戦中の時代背景にも興味が湧きました。個人的には冒頭から名作海外古典ミステリが多数登場し、一気に心を掴まれてしまいました。歴史ミステリーが好きな方はもちろん、本格ミステリ黄金時代の海外古典作品が好きという方にもぜひおすすめしたい作品です。

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大阪、船場を舞台にした本格推理小説。
こんなに本格的なミステリーを読むのはいつぶりだったか。明治から現代にかけての時を経て明かされる真相が知りたくて、一気読みでした。
船場言葉が聞こえて来るようで読みやすかったです。
謎に挑む商家に嫁いだ軍人の娘、大鞠美禰子をはじめ女性の登場人物が魅力的でした。

船場の町名覚え歌、初めてききました。次に船場に行く時は、「大鞠百薬館」に思いを馳せたいと思います。

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大阪、船場の商家で起きた殺人事件は明治から昭和にかけて激動な時代とその波瀾万丈を生きた登場人物たちの生き様が複雑に絡まり織りなす本格推理小説で面白かったです。

事件の謎もさることながら土台の時代と船場の文化風習の考証がしっかりしているので1ページ目から世界観に引き込まれていきました。

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つい山崎豊子氏の『暖簾』と比べながら読んでしまう。先細りとはいえ脈々と続いていく確かな息遣いを感じた作品にくらべてこの『大鞠家』の人々ときたら。栄えはしても崩壊の足音がすぐ後ろに近づいているのがわかる。最初におきる長男の行方不明事件、丁稚だった若者が嬢さんの婿になり…戦争の時代がくる。やがて次々と殺人事件がおきて、その謎を解くのは船場の外からお嫁に来た生命力溢れる女性。その意味を考えながら読むと一層「謎」の意味が深まって、何とも言えない余韻になる。

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細かいトリックを見抜くために、文章の一つ一つに気を配りながら、伏線がどこにあるのか、見せかけの何かがあるかもしれないし、ミスリードもあるし、と、謎解きだと最初からわかっている話を緻密に読む、のがミステリーファンなのだろうと思う。自分はそこまでの読み方はできない。クリスティとかの古典はでも若い頃、子供といえる頃から読んだ覚えはある。本格的ミステリを分析しながら読むという読み方はしないのだが、これは物語や特にその当時の歴史や文化、実際にあったこと、と絡めている点、そして何より文学。面白かったです。すごく。大阪の地理や文化にあかるければもっと面白かったと思う。
著者の作品を読むのは初めてなのだが、土地への愛情、歴史や文学への造詣の深さを思う。ゆえに読ませる。・・っぽいという感じを受けることもあるかと思うが、それも大きな仕掛けの一つで、先達へのオマージュなのだろう。

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2段組の長編でボリュームがあり、普段、現代物しか読まないので冒頭、読み進めるのに苦労したのだけど、興に乗るととても面白かった。
奇しくも今やってる朝ドラ(カムカムエヴリバディ!)で同時代を描いているので、鮮明な映像を思い浮かべながら読むことができた。
視点人物が時々変わったり、本筋にどう絡むかわからないエピソードが出てくるが、すべて意味があり、最後は見事にひとつの大きな絵が浮かび上がってくる。ちょっと強引かな?と思う謎解きも無きにしも非ずだったが(笑)、ミステリ好きとしては、読んでいて気持ちが良かった。
時代物(戦時物?)×ミステリーとして、傑作だと思う。

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時代を越えての大作です!
描写がリアルなので自分では経験したことのないことのはずなのに
まるで見たことがあるように想像出来てすごい読書体験でした。
船場の言葉もとてもリズムが良くて初めて目にする字面でも
すっと入ってきました。
世が混乱に向けて突き進んでいくのと同時に
謎がどんどん解けていくラストに向けてのスピード感が
たまりません。

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