しれっと逃げ出すための本。

やらなかったこととか、やっちゃったことの結果とか、過去を一切振り返らないで前だけを見て走っていけばきっとどこかにたどり着く。居たくない場所に我慢して居続けないで、フットワーク軽く走って逃げる。
こだわらない、やりたいことだけやる。
まあ、それが出来れば苦労はしないよねとは思うけど、逃げ出しても全然かまわないんだよということを肝に銘じていれば、確かに生きていくのがかなり楽になるはず。

ヨシダナギさんの生き方
素敵な写真を撮る方というだけでよく知らなかったが、ヨシダナギさんの考え方は、とても自然で人間に優しい。
「逃げる」という言葉を使っているけれど、これはとてもポジティヴな選択。
しれっと、もナギさんらしい。
若い人たちにはぜひ読んでもらいたい1

ゆるっとした文体が「逃げる」を肯定してくれる。今時は「夢」「やりがい」を持っていないと少し苦しい気がします。持てない人も居ることに寛容ではなくて。そんな時に読めて良かった一冊です。いいんです、しれっと逃げたって。

アフリカの少数民族の姿を色鮮やかに撮るフォトグラファーによる応援本
周りと違っても、人から嫌われても、学校に行けなくなっても大丈夫だった自身の経験を語る。
「友達はたくさん」「夢を持つ」「集団に溶け込む」
そんな当たり前といわれている呪縛からちょっとだけ解き放たれます。

何枚か掲載されている写真が、ハッとするくらい美しく、ナギさんが今まで送ってきた人生があるからこそ撮れる写真なんだろうなぁと読了し改めて感動。悩んだり疑問に感じたりする中で、ナギさんの感性と発想力で出してきた答え達。
「前向きにいこう」「可能性は無限大」ただ一辺倒に綴るだけでなく、「こうしてみたら？」とそばでヒントをくれるような、そんな文章で重たくなく心に響く。
大人はもちろん、学生さん、親御さんがお子さんと一緒に…たくさんの世代の方に読んでほしい一冊です。