妻はサバイバー

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刊行日 2022/04/20 | 掲載終了日 2022/06/30

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内容紹介

妻に異変が起きたのは、結婚4年目、彼女が29歳の時だった。

摂食障害、アルコール依存症……。

介護と仕事、その両立に悩み続けた20年近くにわたる自らの体験を、貧困ジャーナリズム賞受賞歴もある朝日新聞記者が克明に綴る。

妻に異変が起きたのは、結婚4年目、彼女が29歳の時だった。

摂食障害、アルコール依存症……。

介護と仕事、その両立に悩み続けた20年近くにわたる自らの体験を、貧困ジャーナリズム賞受賞歴もある朝日新聞記者が克明に綴る。


出版社からの備考・コメント

※校了前のデータです。年譜などが校了時には挿入される予定です

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販促プラン

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784022518194
本体価格 ¥1,600 (JPY)

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

サバイバーという聞きなれない英語のタイトルから、どこかコミカルな面も想像していたが、全く別物のただただ壮絶な傍観者としての家族の記録だった。日本が収容主義と呼ばれる精神科病床が世界でもとりわけ多いことは初めて知った。日本の文化的な風土から、欧米のように社会に溶け込みながらの治療より、隔離してしまおうと「見えなくする」問題を筆者は何度も指摘しているのが印象的。壮絶な記録すぎて、子供ならまだしも、子供がいない夫婦でここまで犠牲になれるのは無償の愛とか違う、一体なんなのだろうと不思議でもあった。妻の被害の詳細を詳らかにしない配慮は、読んでいて筆者の優しさにすくわれた。

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一気に読んでしまいました。なんと感想を述べたらいいのかわかりません。書いては消し、書いては消しを何度もくり返してしまいます。それはどの言葉を並べても、うわべだけの言葉になってしまうようでうまく伝えることができないのです。よく生きててくれました。ただそれだけです。これからのおふたりの人生が心静かでありますように。

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結婚して4年目、忙しく新聞記者として事件を追っていた筆者は、専業主婦の妻の異変に気づく。過食して嘔吐を繰り返す妻は、自身の身体だけでなく、家計も蝕んでいく。決して見捨てずに、仕事の合間を縫って、妻をサポートし、治療の糸口を探し出そうとする夫。しかし、過去のPTSDからアルコール依存、乖離症状と、症状は悪化して行き…。

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「病める時も、健やかなる時も」パートナーを愛し続けることの壮絶さを感じた1冊でした。
摂食障害を経て、アルコール依存症となった妻との日々を、新聞記者の著者が1人の介護の当事者として、また1人のジャーナリストとして綴ったノンフィクションです。

「あとがき」にあった以下エピソードが、この本の特徴を的確に表しています。
著者は、「奥さんの闘病について書かないか」と同僚の記者から打診を受け、妻に「書いてもいいか?」と相談を持ち掛けます。

「ぜひ書いてほしい。私にみたいに苦しむ人を減らしたいから」
彼女は続けました。――つらい出来事の後遺症に苦しむ被害者はたくさんいるけれど、私みたいに新聞記者の夫を持つ被害者なんてめったにいないと思うよ。私は書く力はないけれど、あなたは書くのが仕事でしょう。代わりに発信してよ。(p135-136より)

そうして、当事者としての”主観”と、ジャーナリストとしての”客観”を両立させながら綴られた介護の日々は、出口の見えない、厳しいものでした。
仕事と介護の両立でギリギリの日々を追体験するのは、正直読者としても辛い経験でした。
それでも、この本を読んでよかったと思えます。

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摂食障害から始まるご夫婦の壮絶な闘病生活の記録でした。
日本の精神科医療に対する問題提起とともに、精神疾患患者を受け入れることを拒む社会についても多くのことを問いかけられていました。

「筆者が正社員の男性だから」とあったが、家族の闘病生活を支えていく上で、正社員であっても著者のように会社が理解しサポートしてくれるケースは少ないのではないだろうか。

トラウマを抱えた人の人生の過酷さがもっと理解が広がればいいなと思う。
奥様のように苦しんでいる方、苦しんだ事がある方には追体験して更に苦しい思いをしないように、読んでいて辛くなる前に本を閉じて欲しいとも思った。

とても過酷な内容であったが、あとがきの最後の一行を読み、読んで良かったと思いました。

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どれだけ言葉を探しても、壮絶という言葉しか見つからない。過食症から始まった妻の異変は、罵倒、暴力へと広がり、精神疾患患者の一般病院への受け入れ拒否で、何度の命を落としそうになる。彼女の身になって考え、経済的危機の中でも、仕事と板挟みになりながら支え続けた夫でさえ、「アル中になってしまった妻との関係は、まるで刑事と被疑者」「このまま肝硬変が悪化して死んでくれないか…」と綴っている。とんでもないことだが、認知症の高齢者を家族に元者としては、その気持ちは死ぬほどよくわかる。介護の渦中にいるものにしかわからぬ気持ちもある。が、冷静に考えれば一番つらいのは患者本人ではないか…摂食障害、アルコール依存症、水中毒にアルコール性認知症、大腿骨頭壊死。それだけではない、大量服薬にリストカット。そこに逃げるしかなかった彼女の心の内を思うと、もう、涙が止まらない。その彼女が「自分のように苦しむ人を減らしたいから」と新聞記者である夫に現状をさらけ出し、記事を書くことを認めた。記者という過酷な仕事と介護、夫の壮絶な20年間の戦いの記録は、夫婦の社会の偏見との闘いの記録でもあった。

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幸せだった「普通の」夫婦。
結婚4年目、妻が婚前から過食症だったことが明らかになる。
そこから雪だるま式に次々と妻の心身に異変が起こり、それに振り回され疲れ果てていく夫。
そんな20年にもわたる介護の経験を、当事者である朝日新聞記者が綴ったドキュメント。
人間は、どこかに小さな不具合がおきるだけで機能に致命的な異常をきたすことがある。誰だっていつ躓くかわからない。
少しづつ確実に壊れていく妻の姿がとてもリアルで恐ろしい。
私も拒食症のサバイバーなのだけれど、崖っぷちで何とかジリジリとこちら側に這い戻ってくることが出来た。
幸運だったのだな、と本書を読んで痛感した。
このドキュメンタリーを発表することに同意した著者の奥様の勇気に拍手を送りたい。
きっと本書は誰かの命を救う。

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読後の今思うことは、私が持った感想や考えを言葉にすればするほど、なんとも薄っぺらいものでしかなくなるなということ。
自分の考えの浅さに直面して、落胆する。
でも、読後感をとにかく記録しようとしてみる。

摂食障害をはじめとするいくつかの問題、というか、苦しい状況に直面する奥様を、長い年月に渡り、支え続けているご主人の側からのノンフィクション。

大事な家族とは言え20年近くの長い時間を、自分のキャリアも顧みず、時にはやりたい仕事を諦めて併走されていることに、まずは心を動かされる。

辛い事の方が多かったのではないか。と、案じてしまうけど、それでも添い続けている意味やその思いに、考えを巡らせてしまう。

私は、このような方々の存在を深く知る事なくここまできたけど、同じように苦しまれている方や、支えているご家族にとって、この本がなんらかの助けになるといい。

でも、苦しい方には、ぶっちゃけ、本以外の助けの方が切実に必要なんだろうと思う。

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根治の難しさとその意義。
さまざまな苦難にさらされる夫婦の観察報告記。
依存症などの精神疾患、さまざまなハラスメントによる被害、過去の虐待による影響、意識下・無意識下両面からの差別、社会制度の未熟さと現代社会の陰の部分のオンパレードのように感じられてしまう。しかもこれが一組の夫婦に降りかかった苦難であることに驚きを覚え、さらにこれがいつ誰にでも降りかかってしまう問題のように感じてしまう不安がよぎった。
ジャーナリストとしての自身と当事者としての感情の狭間に絞り出された文章だからこそより伝わるのであろう。
こういった問題を軽々しく論ずるで社会でないこと自体もある意味問題のようにも感じられてしまうが、問題意識として提起、刷り込む迫力は確実にある。
当事者にもなりえる我々世代は勿論のこと、次代を担う今の若者世代にも読んで問題意識をもたせたいような告白記録。

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摂食障害、アルコール依存症、リストカット、過去の虐待と性暴力による PTSD、妻の凄絶な状態を支えつつ、共に歩んだ時間を振り返り書くことは著者自身の悩み苦しんだ時間と再び向き合うことであったでしょう。仕事をしながら、周囲の理解に怯える日々でもあったでしょう。
読みながら日本の精神的な障害へのサポートや受け皿が機能する以前の段階であることを思い知らされました。精神科の医療のあり方が欧米とはあまりにもかけ離れていることに不安を抱きました。奥様が全て書いて欲しいとおっしゃられたことに、奥様の生きる意志を感じ、これまでの果てなき繰り返しの症状が実は生きたいという欲求の表れであったことに、人というものの強さも見た思いがします。読ませていただき、ありがとうございました。

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P15「過食嘔吐はなくてはならない「部屋」になっていた。その後の人生でも、困難を乗り越える支えになっていたという」「食べて吐く行為は間違いなく彼女を支えてきたのではないか。間近にいて、そう実感できた」
とあるように、今の彼女にとって、その行為は必要なものだと理解して支える著者の姿にはっとしました。
その行為を問題行動としてのみ捉え、ただ禁止するのではなく、その理由や原因を紐解いて解決に導くカウンセリングの重要性を知ることができました。夫婦のこれからが穏やかなものでありますように。

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壮絶な内容に言葉になりませんでした。奥様に次々と起こる症状にも、仕事を抱えながらも真剣に向き合いサポートされた御主人の苦労は計り知れない。ここまで本当によく耐えられたなあと思った。まだまだ日本は精神疾患の方に対する偏見や無理解が多い。実際に触れ合う患者を見ていてもサポート体制も整っていないと感じる事も多い。少しでも同じような状況を抱えている方がいたら、この本で救われることを願う。

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本書は朝日新聞デジタルにて連載され、なおかつnoteにも全文公開で話題となったものが書籍化した一冊である。おそらく本書は書籍化に値するほど、かなりの衝撃を受けた一冊である。

それは記者の立場と言うよりも、本当の意味で当事者の立場で綴られたルポルタージュであり、なおかつ摂食障害、精神疾患、アルコール依存症との闘いを克明に綴られている。冒頭にも書いたように「サバイバー」は汎用性があるのだが、本書ほど現在進行形で闘っている「サバイバー」の姿がありありと映し出される一冊はこれまでなかった。

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