この世の喜びよ

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刊行日 2022/11/08 | 掲載終了日 2022/11/07

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内容紹介

思い出すことは、世界に出会い直すこと。

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)

中原中也賞、野間文芸新人賞ダブル受賞の注目の新鋭、待望の最新小説集。

思い出すことは、世界に出会い直すこと。

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

二人の目...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。

発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
○自分には合わない内容だった際、どういったところが合わなかったかなど、建設的なご意見をくださる方

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おすすめコメント

昨年、少年の心を繊細に描いた『ここはとても速い川』で野間文芸新人賞を異例の選考会満場一致で受賞、キノベス10位入賞、鮮烈なデビューをとげた井戸川射子さん。2冊目の小説集『この世の喜びよ』も、言葉にならない感情を呼び覚ましていく作品集です。
詩人としてもデビュー詩集で中原中也賞を受賞、二つの分野で注目されているスケール大きな新鋭です。

昨年、少年の心を繊細に描いた『ここはとても速い川』で野間文芸新人賞を異例の選考会満場一致で受賞、キノベス10位入賞、鮮烈なデビューをとげた井戸川射子さん。2冊目の小説集『この世の喜びよ』も、言葉にならない感情を呼び覚ましていく作品集です。
詩人としてもデビュー詩集で中原中也賞を受賞、二つの分野で注目されているスケール大きな新鋭です。


販促プラン

読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと嬉しく幸いです。

※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願い致します。

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恐れ入りますが<講談社 第五事業販売部>まで直接お問合せをお願い致します。

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出版情報

ISBN 9784065296837
本体価格 ¥1,650 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

淡々とした日常と、主人公の思考が客観的に書かれている。あまり温度を感じない文章だけれど、それぞれの物語の登場人物たちも含めて、誰かの、いつかの記憶とどこか重なるエピソードに共感したり懐かしく思ったりするのではないかと思いました。窮屈だったり、ままならなかったりしても、日常は当たり前に過ぎていくし、人はある程度のことには順応できる強さがあるということを感じ、一方で、それでいいの?と問われているような気持ちにもなりました。

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あなたのように人生を振り返ると思い出す、景色や匂いが自分にもあることを一緒に感じました。主人公だけでなく、誰もがそんな風に人生を生きているのでしょうね。私も小さい頃、思春期、家庭を持ってからで変わっていく気持ちや価値観を大切に、たまには思い出してあたたかな気持ちになりたいなと思いました。
なんだかちょっと切ないような、懐かしいようなまぶしさもある作品でした。
素敵な作品をありがとうございました。

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表題作「この世の喜びよ」は、「あなた」と称される自分を客観視するかのような視点で、淡々とそして時間を積み重ねるかのように粛々と描かれる。ショッピングセンターの喧騒の中で、思う過去、今。ある少女との邂逅で呼び覚まされていく感覚が徐々に広がり始めるようすが、生々しくもあり、わたしと同じ地平に生きる者なのだなと、妙に親近感を覚えたりしました。
「ハウスメーカー」「キャンプ」も、それぞれの主人公の内面の動きをビビッドにことばに乗せて、途切れることのない人間の心の作用をつぶさにみる思いでした。

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「これはあの駅前のショッピングセンターかな?」と思ってしまうほど日常の中の日常が描かれている。静かな川の支流ような時間が過ぎていく。

読み終えて、文章力がないとこれは作品として成り立たないと思った。ということは著者の文章力は途轍もないということなんだろう。

著者さんは詩人さんでもあるんですね。詩で書き綴られた日常をしみじみと読むことができました。ありがとうございました。

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句読点の使い方が独特で、まるで詩を読んでいるかのよう…と思っていたら、著者は詩人でもあると知って納得。全体的に幻想的な雰囲気が漂っている。描かれているのは現代の日常なのに、どこか別世界のような、ぼんやりと霧のかかったような不思議な空気感。最後の「キャンプ」の子どもたちが、何かをやりながら全く別のことをポツポツと話している姿が微笑ましかった。

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二人称で語られる表題作を含む三作。
「あなた」とはいったい誰なのかと読み進める。
「あなた」はショッピングセンターで働く女性。フードコートで一人の少女と知り合い、交流していく。
どこにでもある風景、いつも行くショッピングセンターで見られるような人間模様のようだった。
「高校一年生が十六才というのだけは覚えているので、あなたはそこから足したり引いたりする」少女の年齢がいくつなのか考えるときの思考過程。私も誰かの年齢や、住んでいる場所を思うときどこかに自分の基準をおいて考えたりしている。そんな自分基準を文章にしたらこんな感じなのだなと頷きながら読んでいると、「あなた」は自分の中にいるのではと思えてきた。

三作とも独特のリズム感で、とても狭い世界の何気ない日常が描かれていて、その世界に自分が迷いこんだような作品だった。

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3本の短篇で構成されている本作において、井戸川射子は大胆なたくらみに挑戦している。かつての「前衛」を彷彿とさせる人称問題へのアプローチである。
 「この世の喜びよ」で主人公は「あなた」と呼ばれる。これはフランスのミシェル・ビュトールで有名になった手法だ。しかし、それどころではない。「マイホーム」では主人公は「彼女」となり、「キャンプ」ではついに誰が主人公が不明となって、登場人物たちは名前もなく「少年」「五歳」「兄」「弟」と呼ばれてしまう。この非人称の世界は、私に「既視の街」「くずれる水」のころの金井美恵子の作品を思い起こさせる。そんな実験的な文学空間でも井戸川の描写はいささかも崩れるところなく、しっかと大地を踏み締め立っているように感じる。各短篇の舞台となる空間の濃密さはどうだ。井戸川射子は言葉の体幹が強い人なのだろう。恐るべき才能と言わざるを得ない。
 ただ、ここには「既視の街」の金井には濃厚にあった「性」が全く感じられないのはなぜなのだろう。体幹が良すぎる? いやいや、今は立ち姿が美しい彼女が横たわることもあるだろう。それを楽しみにしたい。

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『この世の喜びよ』は子育てを終えた母親が主人公で、その日常と思考が描かれている。子供が親や大人に対する容赦ない厳しい視線が何とも悲しい。親も人間、間違いもあるんだよ。それでも一生懸命だったんだよと叫びたくなる。『マイホーム』は子育て真っ只中の主婦がモデルハウスに一泊する。1人で羽を伸ばすかと思いきや母親になってしまえば思考は家族の事一色。1番充実した時期なのかもしれない。『キャンプ』は子供目線の物語。動物の死骸や火を使ったりと少々ヒヤヒヤしながら読んだ。詩人である作者の言葉の美しさも素晴らしい。

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井戸川さん初読みでしたが、ものすごく好きでした。独特の文体は書き写してみたくなりました。淡々としているのにとても感覚的というか身体感覚を生々しく伴う感じも、文章を読む体験としてリアルでした。
表題作で一番せまってきたのは母親というものの持つある種の異様さです。異様さというのは悪い意味ばかりではなくて独特さと言い換えることもできるのかもしれませんが、友人や自分の母親を見ていて感じることのある感覚です。主人公のあなたは子育てもほぼ終わりを迎えて、母親であることから少しずつ解き放たれつつあり、そのことがどこか心もとない、足が地面から2、3センチ浮いているかのようなふわふわした様子につながっているのかもしれないと思いました。そしてその浮遊感を繋ぎ止めるようにモールで出会った少女やゲーセンのおじさん、お兄さんとの関係が結ばれていく。子育ては終わりつつあっても紡ぎ続けてきた時間は確かにあり、その時間の重なりの中にある昔の自分も今の自分も若い娘たちも少女も、すべてを肯定する喜びにあふれるラストに圧倒されました。

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初めて出会う文体と感覚。
最初に置かれた表題作は自分には違和感があった。視点がどこにあるのかわか理にくい工夫がされていたから。作者は詩人なのだそうだ。二編目三編目はもっと短く、少なくとも視点目線主語がはっきりしていると感じて読みやすかった。読み終えて表題作にもう一度戻って読み返した。神の視点、というような言葉が終わりの方に何度か唐突に出てきたことを思い出した。視点は定まっていない。自分と世界の境界線もクリアではない。どこにでもありそうな風景、劇的なことは確かに起こらないのだが、掬い取られる感覚の表現、こうきたらこうくるかも、という流れを裏切る一文がやけに心に残ったり。
評論のようにきれいに評することなどは一読しただけではできない。
無限にある言葉の中から何を選んでどこにどう置くか、文章を書くとはどういうことなのか、改めて考えてしまうような、新しい才能だと感じた。
著者の作品は初めてだったので、過去作も読んでみたいと思った。

読ませていただき、ありがとうございました。

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芥川賞候補選出まことにおめでとうございます。
母と子についてクローズアップがとてもお上手な印象の作家さんです。親子ってなんだろうとつい思ってしまいました。

他の家って他の国みたい。
わたしが常々思っていることです。特に小学校くらいの頃は食卓や生活リズムの違いに大いに驚いていました。
それが次第に忘れられたのは、大人になったからではなくてわたしが孤立気味になってきたからかもしれないです。

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