蝶の墓標

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刊行日 2023/05/31 | 掲載終了日 2023/05/31

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内容紹介

心中事件で死んだ高校生の異母姉。彼女は左半身を痣で蔽われながら、芙蓉のように美しかった──「魔性の女」を巡る、企みに満ちた第30回鮎川哲也賞優秀賞受賞第一作。

心中事件で死んだ高校生の異母姉。彼女は左半身を痣で蔽われながら、芙蓉のように美しかった──「魔性の女」を巡る、企みに満ちた第30回鮎川哲也賞優秀賞受賞第一作。


出版社からの備考・コメント

【ネットギャリーをご利用の方へ大切なお願い】
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。

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TEL:03-3268-8231

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出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784488028923
本体価格 ¥1,700 (JPY)
ページ数 240

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

謎を残して散った少女の死。
その死の真相に辿り着いた時
悲しみとやるせなさに胸が締め付けられた。
凛と美しく、それでいて闇と炎を内に秘めたような不思議な魅力のある夏野という少女。
数々の色を纏って儚く舞う蝶のような彼女の
羽ばたく音が聴こえた気がする。

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主人公にある日知らされた遺産相続の話には2つの条件があり、その1つは過去に起こった高校生4人の心中事件の真相を調べること。高校生の純粋さと、潔癖な正義感が破滅へと向かってゆく様子に、息苦しさを感じました。事件の真相だけだと救いがないけれど、夏野の妹である里花が幸せになりそうで良かった。それは夏野も望んでいたと思うから。

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復讐に命をかけた
左半身に痣があり病気もあり短い命
いじめで亡くなった高田要のメッセージを受け取り彼女は命をかけて復讐へ
蝶のように鱗粉を振り、惑わせていく
彼女のためならなんでもしてしまう彼ら
美しい人なのだろうな…

親子の絆、強い繋がり、命を守るため
連鎖は止まる

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『風や僕らの前髪を』は少年二人。今回は女性二人が主軸となり展開されていきます。前作はBL感を漂わせるような艶があり、その中で陰惨なミステリーがありととても魅了された。今回はより著者の文章と世界観に話がはまっていった感じ。書き手としてはこちらの方が主流になっていったほうがいい。個人的には前作の少年の痛々しさがとても好きだった。

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シングルマザーの私の元に突然弁護士から連絡が入る。
それは父の離婚した元妻からの「遺産相続」だった。
ただし遺産を相続するにはある条件があった。
元妻の子供が高校生の時の巻き込まれた男女4人の心中事件を、もう一度調べる事。
心中事件から時はさらに遡り、謎が複雑に絡み合い最後に行き着く先は…

謎が次々と解明されていく過程に引き込まれ、あっというまに読んでしまった。
守りたいモノがぶれない強さを感じ、また美しくもありました。
大変面白かったです。

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突如として舞い込んだ異母姉の母の莫大な遺産。高校生の若さで心中した異母姉の死の真相を調べる、という相続条件を律儀に守り、過去に搦め捕られていく予測不能のミステリ。
くだらない欲に見殺しにされた少年、青い憧れが錯覚させる恋心、命の価値を身をもって知る少女の最期の灯火――未成熟な価値観による負の連鎖を、耽美に描いた作品。

選択を間違えた人たちが落ちていく様子と、絶望の中でも必死に何かを掴もうとする様子が、緊迫感があって面白かった。
登場シーンが少ないキャラもしっかりと印象に残り、後から「誰それ?」と悪い意味で意表を突かれる事がないのもとても良かった。
最後の最後の二段階での意外な展開が、イヤミス感を調和し、より美しさを際立てていると感じた。

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美しくも謎めいた転校生夏野。クラスメイトによるいじめの最中夏野は転校したが、成長し、瑞葉と再会する。一方夏野の義理の妹里花は、当時の不審死を追うが、新たに過去の関係者が殺されていく。時間軸と語り手が入れ替わりつつ徐々に明らかになっていく真実は、過去の記憶と交錯し、私たち読者を翻弄する。章の冒頭で挿入される寓意を含んだような物語は何を意味するのか?
気をつけて読んで予測したつもりだったのに、ラストの真実に驚きました。

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離婚して小学生の息子を育てている女性の元に、多額の遺産が残されているのだが、相続の条件として、母親違いの姉の死の真相を突き止めることという知らせを受けるところから物語は始まるが、一気に過去に遡り、真の主人公である夏野の復讐に絡む事件が描かれていく。小学校の教師の設定や行為は、かなり現実味に欠けていたが、テンポのある展開は一気読みを加速させた。

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静謐さを伴った文体が作品世界の雰囲気をうまくつくりだしていると思います。ミステリーとしての構造もそれと噛み合っていて、読み応えがありました。だからこそ、そこで完成された世界と読み手の相性みたいなものは強く出てしまう部分があり、耽美性のあるミステリーが好みな人にはお勧め度が高い作品ですね。

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