アイリス

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刊行日 2023/05/19 | 掲載終了日 2023/05/31

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内容紹介

祝祭のあとの、荒涼とした景色を知っている。そこには何もない。背後には禍々しく輝く過去の栄光──ひとつの映画が変えた監督と俳優の未来。人生の絶頂の、その先の物語。

祝祭のあとの、荒涼とした景色を知っている。そこには何もない。背後には禍々しく輝く過去の栄光──ひとつの映画が変えた監督と俳優の未来。人生の絶頂の、その先の物語。


出版社からの備考・コメント

【ネットギャリーをご利用の方へ大切なお願い】
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784488028930
本体価格 ¥1,600 (JPY)
ページ数 272

閲覧オプション

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NetGalley会員レビュー

伝説的な映画「アイリス」で兄妹として共演した二人。男は芸能を引退して普通の大学生に、女は華やかな女優の道を歩む。二人は男女の関係になるが、男は大学のクラスメイトとも関係を持ち、女は「アイリス」の監督と関係を持っている。
そんな物語を、前半は男を主人公に、後半は映画監督を主人公に描く。
なぜ二人の視点で物語を書き分けたのか。視点を分けることで物語に深みが出たのか。
小説としては嫌いではないし、気持ちよく読んだ。しかし創元社から出ている作品ということで期待した展開はそこになかったのは残念。
二人の視点で書き分けるのであれば、前半の物語の続きを新しい視点から後半部として描き繋げるみたいな構成があっても良かったのかも。同じ物語を2度読んだ感がちょっと強く、そこは残念。
でも個人的にはしっとりした文章は好き。

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ヒット映画の監督と俳優。10年前の栄光に囚われ、もがく人たちの心の葛藤を描いた芸術作品。
過去を越えたいけれど、越えられない苦しさ。それでいて、特別な過去「アイリス」は越えてはならないという不思議な自負。コントロール出来ない不安定な精神が生み出すジレンマに呑み込まれそうになる。静謐な美しさの中に垣間見える、純粋な欲望の迫力に圧倒される物語。

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一章と二章、二つの意味を持つ「アイリス」で、それぞれ、子役だった瞳介、監督の漆谷の視点で語られる。
美しい過去の記憶、美しい浮遊子。伝説の映画『アイリス』に囚われて生きる瞳介。そのきらめきに縛られて、身動きがとれない。毒親に搾取され続け、いじめに心削られる瞳介の諦念に心しめつけられる一章。
かつての名作を超える作品が撮れず、もがき続ける監督。彼が求め追い続けるものはかつての浮遊子ではなく…。
役者、監督、表現者としての渇きがひりひりと感じられる。創造するものだからこその失望も。
作品全体を通して感じるのは、色気のある文章を書く作家さんということだ。

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