チーム・テスならだいじょうぶ
カービー・ラーソン&クイン・ワイアット、杉田七重
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刊行日 2025/06/30 | 掲載終了日 2026/05/31
ハッシュタグ:#チームテスならだいじょうぶ #NetGalleyJP
内容紹介
第72回青少年読書感想文全国コンクール
課題図書 中学校の部
中2で転校してきたテスは、友だちづくりがちょっと苦手。でも得意のお菓子づくりの腕前を発揮して、ゴキゲンな仲間ができる。学校生活がぐんと楽しくなるが、だれにも言えないお腹の痛みがどんどんひどくなってきていた。
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ベストセラー作家で、ニューベリー賞オナー賞を受賞した『ハティのはてしない空』(鈴木出版)の著者カービー・ラーソンが、娘でデビュー作家のクイン・ワイアットと、クローン病とともに生きるとはどういうことかを探った、感動的でユーモアあふれるみずみずしい青春ストーリーです。クイン・ワイアット自身の個人的な経験にインスパイアされたこの物語は、心を支えてくれる仲間チーム・テスとの友情や、体を支えてくれる医療チームへの信頼を描き、他者の助けを借りることの重要性を伝えます。
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「つらいことはある。でも生きていける。わたしたちの人生は、たったひとつのことで決まったりしないから」
しっかりと前を向き、輝く未来に向かって進んでいくテスを心から応援したくなる作品です。
出版情報
| ISBN | 9784790234463 |
| 本体価格 | ¥1,700 (JPY) |
| ページ数 | 350 |
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NetGalley会員レビュー
教育関係者 645139
《友だちは、テスのための“チーム”になった。》
なんと生き生きしていることか。
言葉が、仕草が、そして思いが飛び跳ねている。
ありのままに、あるがままに。
すべてを受け入れようとしながら。
これは、実体験をもとにしているだけじゃない。
原文が素晴らしいだけじゃない。
訳文もまた、とても素敵なのだ。
中学2年でノースレイク中学校に転校してきたテス。
父を亡くしたこともあり、人と交わるのが苦手になってしまっていたのは、人一倍多感なテスなら仕方がないことだったのだろう。
一方で、彼女のまわりには、個性豊かで生き生きとしたクラスメイトたちがいる。
エリー、エメット、ディランたち。
テスの得意なお菓子づくりが、そんなクラスメイトとのあいだに橋をかけていく様子は、読んでいてわくわくしてくる。
各章の最後に添えられた「テスのベイキングメモ」も、なんとも美味しそう。
それだけに、テスの不調が気になった。
お腹の中でだんだん暴れていく“ハリネズミ”。
それでもテスは、ママにも、妹のグレイシーにも、友だちにも、その辛さを見せようとしない。
それは、パパの経験があるからだろうか。
出るはずのない、パパのスマホに電話し続けるテスだから。
だからこそ、テスの苦しみがひどくなり、学校で限界に達した場面では、気が気ではなかった。
長くつきあっていくことになる病、クローン病。
自分がその病気だったと知った時のテスの様子、そしてママやエリーへの態度が、ありのままに描かれていくことに胸を突かれる。
エリーたちには、自分からは言い出せないテス。
点滴治療中の、さりげないやり取りからにじんでくる必死さ。
それだけに、スマホのイヤホンから流れてきたエリーたちの声には胸が詰まった。
これからは、ただの友人ではない。
みんなは、テスのためのチームとなったのだ。
その意味の違いを考えただけで、胸が熱くなった。
まず初めはトリクシーの散歩。担当はエリー。
クラスメイトに加えて、4歳のグレイシーまでが参加する。
テスを取り囲んでの真剣なやり取りの中に、思いやりがある。
そして忘れてはいないもの、ユーモアがある。
まさに、「チーム・テス」。
そして、とうとう2日間にわたる、8人によるベイクオフが始まる。
テスにとっては、何ものにも代えがたいコンテスト。今は亡きパパと共に挑んだ1回目。
そして今度は、自分ひとりで挑む2回目。
しかも、いつ発作が起きるかわからないクローン病を抱えての挑戦。
豊かな感性を内に向けるテスだけに、気持ちが潰れてしまうのではないかと、読んでいて何度も心配になった。
でも、「チーム・テス」やママたちがいてくれた。
自分たちからすすんで手を繋ぎ、テスを支えようとする人々がいた。
そう、〈チーム・テスならだいじょうぶ〉。
そして、ハーレーやサイモンら、テスと競う7人の挑戦者たちの様子もまた、鮮やかに描かれていく。
互いに交わす言葉が、競争心から生まれるものではなく、連帯感さえ感じさせるのが微笑ましい。
読んでいて思わず食べたくなるような、みんなの料理の手さばき。
そんな中でダブルミントの香りが漂ったのは、きっとテスのパパも応援に来ていたからだろう。
痛みに堪え、人には悟らせない。
今までと同じように振る舞いながら、料理に取り組むテス。
でも、とうとう限界を超える。
その時、動いたのはチーム・テスだけではなかった。
対戦相手のフローラも、審査員たちも動く。
私が私である理由は、一つだけである必要はない。
それは料理と同じだ。 さまざまな素材が合わさることによって、一つのものができあがる。
その中にクローン病があったとしても、それもまた、今のテスを形づくる大切な素材の一つ。
だから、最終章のテスの作文は涙なしでは読めなかった。
こうして辿り着いた、ありのままの今の自分を語る作文。
それは、テスが自分を受け入れ、そして世界ともう一度つながっていくための言葉だった。
だから、冒頭にあった言葉を最後に置きたい。
“変わらない真実はただひとつ。なんだって変わるってこと”