大江戸フューチャーズ
稲葉大樹
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刊行日 2026/05/18 | 掲載終了日 2026/05/20
ハッシュタグ:#大江戸フューチャーズ #NetGalleyJP
内容紹介
☆☆第67回メフィスト賞受賞作!!☆☆
『時代小説の常識が、壊れます!』
八代将軍・徳川吉宗とタッグを組んだのは、謎の忍者集団「今猿(コンサル)」!?
メフィスト賞に新たな歴史を刻む、前代未聞の幕府再生プロジェクト始動!
♢♢♢
徳川幕府、倒産寸前!
吉宗が直面したのは、膨れ上がった巨大な固定費と、理想論ばかりで数字の読めない老中たち。
吉宗は未曾有の危機を打開するため伝説の忍者集団を雇用する。
その名も今猿(コンサル)ーー。
「まず大奥をリストラですね」
現状の見える化、凄絶なコストカット、年貢のインセンティブ設計 、貨幣改鋳、そして先物取引(フューチャーズ)。
大名やライバル忍者集団たちとの衝突を乗り越え、吉宗は国家再生を成し遂げられるのか?
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著/稲葉大樹(いなば・たいき)
1977年生まれ、静岡県出身。早稲田大学大学院理工学研究科修了。本作で第67回メフィスト賞受賞。
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おすすめコメント
≪担当編集者コメント≫
暴れん坊将軍でおなじみの徳川吉宗が、知恵(ルビ:ロジカルシンキング)と勇気(ルビ:パッション)で江戸を救う。
歴史の知識は一切不要です。
現役コンサルタントの著者によるメフィスト賞受賞作は、ビジネス書よりためになり、SF小説より刺激的です。
「おもしろければ、何でもあり」にふさわしい、一気読み必至の傑作。刮目してご覧あれ!
≪担当編集者コメント≫
暴れん坊将軍でおなじみの徳川吉宗が、知恵(ルビ:ロジカルシンキング)と勇気(ルビ:パッション)で江戸を救う。
歴史の知識は一切不要です。
現役コンサルタントの著者によるメフィスト賞受賞作は、ビジネス書よりためになり、SF小説より刺激的です。
「おもしろければ、何でもあり」にふさわしい、一気読み必至の傑作。刮目してご覧あれ!
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065435076 |
| 本体価格 | ¥1,750 (JPY) |
| ページ数 | 253 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
今猿の文字読み方はコンサルと表紙絵の目力。もう読むしかないでしょう〜!からのページを捲る手が進む進む。キャラの強烈さ。江戸時代と令和、時空を越えても所詮同じ人間。諸問題って意外と同じなのね〜との感慨。面白かった!
書店関係者 1052272
大江戸フューチャーズ/稲葉大樹 講談社
【要約】
ユーモア満載な物語なのに、歴史学でもビジネス本でも通じるかつてない一冊。
幕府の赤字を建て直すため、8代将軍吉宗が今猿(コンサル)を雇い、
カタカナのビジネス用語に戸惑いながら改革。
史実の「享保の改革」が現代風に理解できた
#読了
【感想】
「過去の歴史に学ぶ」のかつてない表現、これはたまげました。
物語としても、歴史学としても、ビジネスとしても成り立っている
バランスが凄い。
江戸時代の中興の祖とも言われる、
8代将軍吉宗が行った享保の改革
定免法や上米令に新田開発の推進
足高の制や目安箱の設置
大奥の整備から、洋書輸入の一部解禁まで
この物語では、まるで未来から来た人が導いた奇跡のよう
思わず錯覚してしまった(笑)けど、実際に吉宗がやったことだからね。
改めて、徳川吉宗の偉業を感じてしまった。
物語として、暴れん坊将軍の方の色を出したり、
ライバル登場や、ちょっと恋するキュンなところまで
キャラクターがいい味だしていたり、
ラストのミステリーな展開もとっても良かった
物語としてもビジネス本としても楽しめる。
こんなバランスが良いのは初めてで驚きました。
素敵な物語をありがとうございます。
レビュアー 1582019
えっ、これ時代小説!? いきなりキャッシュとか言い出したが!? という驚きから始まる不思議な読書体験。
江戸世界観の財政立て直しシミュレーションゲームとかケーススタディを見ている気分。
ルッキズムとかインセンティブとかバブルとかフィジビリとか作中人物が当たり前のようにわかってて日常トークでぽんぽん出てくる。面白い。
今猿は阿片に例えられているけど、AIにも似てるな、と思いました。
歴史の知識やビジネス知識があると最高に楽しめるのではないでしょうか。知識のある方におすすめしてみたい一冊です。
レビュアー 781279
吉宗が直面する、倒産寸前の徳川幕府
吉宗が頼るのはコンサル(今猿)
アジェンダ、大奥リストラ、アサイン……あれ?これビジネス書でしたっけ??と思うような言葉が飛び交います。
さすがメフィスト賞受賞作というだけあって、ただただ面白いです。
時代小説とか、ビジネス書、何の枠にもはまらない唯一無二の小説です。
暴れん坊将軍のイメージが強い吉宗が実は、陰キャで、甘えん坊将軍で、まさかの性癖まで大奥で暴露されたり、そんなクスッと笑えるような場面もあります。
吉宗が幕府をどう立て直すのかだけでなく、人間がどう生きるのかという問題に吉宗が正面から向き合っていく物語だと思いました。
さあ、倒産寸前の幕府はいったいどう立て直していくのか?
難しいことを考えずに楽しみましょう。
書店関係者 681228
待って待って、脳がバグるんですけど。この吉宗公、ネクタイとスリーピースのシックなスーツ(素材は安め)着てそうなんですけど。そう言いたくなる時代小説…えっこれ時代小説…なのか?ですよね??ビジネス用語、ネットやSNSで見たような言葉が沢山出てくる徳川吉宗公ことヨシさんの幕府大改革経営戦略(コンサル…じゃなかった今猿を添えて)の読み応えたるや。我々が歴史の授業で習ったあれやこれやが…ああ、そういう○○と現代用語で解説されると、なんだか現代も昔も人って…いやあ面白かったです。
レビュアー 1030740
元禄バブルが崩壊し、資金ショートの幕府経営。物価高で実質所得減。元禄バブルから失われた「20年」なんか現代とえらく似てないか。有識者会議で「今猿」と共に政策を打ち、大奥リストラ・コメ政策・金融政策とすすむ。今猿はコンサル。出てくる言葉に時代考証なんてものはからっきし無い(笑) 吉宗の緊縮財政に対し、尾張宗春は規制緩和と経済活性化。名古屋人としては当然宗春推し。ケインズに先駆けること200年。恐慌時の公共投資をすでに行っていた。愛知のモノづくり、芸どころ名古屋の基だ。信長が天下を取ってれば300年、宗春が将軍なら100年、日本は先に行っていたぞ。
書店関係者 1787718
江戸時代の財政改革が現代用語で見事に解説!
なるほどこういうことだったのか……。
ふたつの時代の経済が、これでしっかり理解できた!
ような気になる!(笑)
いつの時代も庶民の生活を守りながらの政治は難しい……。
レビュアー 513020
直系が絶え急遽将軍職を継ぐことになった徳川吉宗。逼迫していた財政を立ち直すべく手を組んだ相手は・・・
当時なかった若しくは入ってなかった言葉を使うことで、現代風にアレンジしておりコミカルに見えるが、尾張徳川家との軋轢や、士農工商身分制度といった史実とされることがより実感を伴いリアルに感じられる。また吉宗の政治、民に対する想いがダイレクトに伝わり、目指す価値観は違えど現代の政治家なんかよりずいぶんましじゃないかと思えるほどだ。
現代にも通ずる組織論を含み、より江戸期が身近になり歴史は地続きなんだと実感できる現代風施策史。
レビュアー 1446986
徳川吉宗が今猿(コンサル)を雇って幕府の経済状況改善に努める話。思い切り歴史小説に少し現代ぽい言動を入れるのかと思ったら、カタカナや現代言葉のオンパレード。町田康的な路線かと思ったけど、多分違う。「徳川家康が総理大臣になったら」的な小説の程をしたビジネス書、自己啓発書の小説割合高めな本だ。普段歴史小説読まないという人には読みやすくなるのかも。
教育関係者 645139
《この発想、反則。だが、歴史の芯は外さない。
徳川吉宗×現代経営コンサル。
享保の改革が、まさかのビジネス時代小説として立ち上がる》
第8代将軍・徳川吉宗は、享保の改革を行い、「幕府中興の英主」とまで言われている。
その吉宗を描く時代小説。
そう思って読み始めたところ、その放胆な発想に度肝を抜かれた。
話し言葉は現代語。
年号は西暦。
通貨は円に換算。
腹心の家臣は吉宗を気安く「ヨシくん」と呼び、改革について相談する場所は江戸城内の「会議室」。
さらに、吉宗に雇われ、幕府立て直しのブレインとなるのは、伊具ら「今猿(コンサル)」たち。
アジェンダ、リストラ、ルッキズム、イールドカーブ・コントロール。
そんな現代経営用語が、享保の改革の場で当たり前のように飛び交う。
まるで、現代というフィルターを通して三百年前の江戸を見ているようだった。
けれど本書が凄いのは、決して受け狙いの安直な現代化に走っていないところだ。
当時の文化、政治形態、人間関係をしっかり踏まえた上で、財政再建、新田開発、官僚制度改革、大奥の縮小、目安箱の設置など、享保の改革がどう進められていったのかを、「今猿」という大胆なフィクションによって、現代的な視点から鋭く描き出していく。
一見笑える。けれど、軽くはない。
これは吉宗と今猿たちの幕府再建小説であると同時に、改革というものが人をどこまで連れて行ってしまうのかを描いた物語でもある。
これは時代小説なのか。
それともビジネス小説なのか。
いや、そのどちらでもあり、どちらにも収まらない。
こんな発想の小説は、これまで読んだことがない。
だからこそ、刮目して読んだ。
⸻
『第1章 大江戸ターニングアラウンド』
徳川幕府立て直しのため、実績を買われて紀伊藩主から将軍に抜擢された吉宗、通称ヨシさん。
具体的な企画を立てるのは、「今猿」の伊具。
こうして、幕府の〈ターニングアラウンド=業績回復〉への道が始まる。
だが、伊具によって数値をもとに示された幕府の財政事情に、呆気にとられてしまった。
現代なら即倒産。
当時の封建制度の中でさえ、このままでは先がない。
ここから本当に立て直せるのか。
最初に挑むのは「大奥リストラプラン」。
伊具を中心に、その計画を“現代的”に具体化させていく場面の緻密さに息を飲んだ。
ただ、吉宗は伊具のプランに押し流されているようにも見える。
今ひとつ将軍らしくない。
それでも、この大リストラについて大奥の承認を得るため、吉宗自らが頭を下げた場面で、その決意を見直すことになった。
⸻
『第2章 大江戸イールドカーブ・コントロール』
改革第2弾が始まる。
まず家禄制から役職手当への変更。
次に年貢制度改革へ。
伊具が提示してくる“現代的な”改革案とその手法。
それは、封建時代に生きる吉宗には、おそらく発想そのものがなかったものだろう。
イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)は、その最たるものだったのではないか。
それだけに、実績を上げ続ける伊具に対して、吉宗がマイナスの感情を抱くのではないかと、読みながらヒヤヒヤした。
しかし吉宗は、その嫉妬を向上心へとつなげていく。
現代ビジネス用語を理解し、使いこなそうとする。
その姿に、やはり器の大きさを感じた。
⸻
『第3章 大江戸フューチャーボーイ』
とうとう吉宗は、伊具をリードして提案まで行うようになる。
今や二人は、志を同じくする改革遂行者だ。
そして、幕府の再生をほぼ成し遂げたことを誇示するのが、日光での大イベント「吉宗リユニオン」。
「日光社参」の現代語訳がそれか!
と思わずこけたあと、あらためてその言葉選びのセンスに感心してしまった。
さらに改革を続ける中、大奥をリストラされた伊咲が、伊具の補佐として就任する。
才を発揮し、数字を使いこなしていく伊咲の姿に、吉宗は感慨深さだけではなく、どこか心中穏やかではないものも感じていたのかもしれない。
国家も個人も、外圧には弱い。
それに対処する中で、儒学に染まりきっていた吉宗は、理念を天下に知らしめるだけでは人心をつかめないことに気づいていく。
昔も今も、真の為政者に問われるのは、人の心をどう把握するかだ。
だからこそ、敵対していた徳川宗春が唱える「温知政要」の考えを取り入れ、民間イベントとのコラボによる水神祭など、倹約一辺倒からの脱却を図っていく流れには唸らされた。
けれど、なおもままならないのが米価安である。
吉宗は社会的合理性を優先した。
しかし、経済的合理性には勝てなかった。
いくらユニークで才能ある集団「大江戸フューチャーズ」でも、幕藩体制が成立してから百年の歴史を持つ大阪・堂島フューチャーズには、敗北するしかなかったのか。
⸻
『第4章 大江戸バズーカ』
米価安の問題は、吉宗の代では十分な解決を見ることがなかった。
その気になれば、最初のころのように改革を引っ張り続けることもできたはずの伊具。
けれど彼は、こう語る。
「私の仕事は『正しい』ことではなく、正しさにたどり着けるように導くこと」
さらに吉宗も、次期将軍となる長男・家重にこう告げる。
「便利すぎて依存しすぎると自分たちで物事を考えなくなる」
この、時代を変えようとしたバズーカである2人がたどり着いた言葉。
それは、現代にもそのまま通用する。
人が社会をつくり、そしてまた、人がその社会を変えていく。
この小説はその営みを、あえて徹底的に現代的な言葉で描いていた。
いや、現在のメタファーとして描いていた。
だからこそ、二人の言葉はとても重く響いた。
⸻
伊咲が才能を開花させ、ついに至った到達点。
それは、マズローの「欲求の5段階仮説」のさらに先にある、「自己超越の欲求」だったのだろう。
彼女は今猿の一員として伊具に導かれながら、やがてその導きすら超えていく。
吉宗以上に“将軍”として社会を見渡し、この仕組みそのものを変えようとしたのかもしれない。
だが、その広すぎる視野と強すぎる使命感は、彼女自身を追い込んでしまう。
それは、あまりにも悲しいことだった。
レビュアー 1159091
時代小説の中でも、本書は非常に読みやすい一冊だ。
時代小説と聞くと、当時特有の言葉が並んで読みにくいのではないか、当時の知識がなければ内容を追えないのではないか。そんな不安を抱く人も多いだろう。しかし、その心配は無用だった。
本書は、8代将軍徳川吉宗が「今猿(コンサル)」という現代知識を持つ経営コンサルタント忍者集団とともに、破綻寸前の幕府を立て直すという物語だ。この「今猿」が現代の経営知識を武器に改革を進めるのだが、彼らの隠語として「アサイン」「アジェンダ」といったビジネス用語が随所に登場する。また、金・銀・米という3つの指標を「円」に統一し、読者が余計な換算に頭を使わなくて済む工夫が徹底されている。山田風太郎を超えるほどのカタカナ語の多さには思わず驚いたが、おかげで現代人でも実にスムーズに読み進められる。時代小説へのハードルをここまで下げた作品はそうそうないだろう。
内容は享保の改革に沿って展開する。予備知識がなくても話の流れは非常に分かりやすく、読み終えるころには吉宗が何をなし遂げたのかが自然と頭に入っている。著者によれば今猿以外はほぼ史実に忠実とのことで、娯楽として楽しみながら歴史の勉強にもなるという一石二鳥の読書体験が得られる。また、登場人物の描写が生き生きとしており、読みながら実写映像が頭に浮かぶほどだ。現代的なビジネス論を駆使しながら幕府改革に挑む吉宗を、ぜひ実写で見てみたいと強く思った。
構成面では場面転換が多く、テンポよく話が進む。その分、物語への没入感はやや薄れる場面もあったが、逆に言えば通勤・通学中に少しずつ読み進めるのには最適だ。また、ある場面で現代の漫画のパロディが挟まれるのだが、これは正直なところかなり寒かった。現代知識を扱う作品ゆえにこうした遊びを盛り込みたい気持ちは理解できるが、もう少し抑えてほしかったというのが本音だ。
とはいえ全体としては大変面白く、満足度の高い一冊だった。時代小説が苦手な人にこそ、ぜひ手に取ってみてほしい。
レビュアー 946550
時代小説と現代のビジネスコンサルティングが融合するとは!
その発想にびっくり、言葉遊びにくすくす。
非常に斬新でワクワクするエンターテインメント作品でした。
硬直した巨大組織をどう立て直すか。江戸幕府。まさにそうですよね。なるほど。主人公たちがしがらみや古い価値観に悩みながらも、泥臭く奮闘する姿は、現代のビジネスパーソンも共感することでしょう。
読み応え抜群。歴史好きはもちろん、お仕事小説が好きな方にも強くおすすめしたいですね。