三鬼
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刊行日 2026/06/23 | 掲載終了日 2026/06/25
ハッシュタグ:#三鬼 #NetGalleyJP
内容紹介
髙橋源一郎さん、穂村弘さん、円城塔さん、絶賛!
異能の俳人・西東三鬼が、戦争のさなか、
国家と言葉のせめぎ合いの中で、とんでもない経験をしたことは有名だ。
でも、それをこんなスゴい小説にしちまうなんて、読んでて震えたぜ。
っていうか、おれが書きたかったんだけど……。
――高橋源一郎
戦争に雪崩込んでゆく最悪の時代にも、きらきらと夢を見続けてしまう。
不屈のトリックスター魂に痺れました。
――穂村 弘
『ゼウスガーデン衰亡史』を読んで以来、この小説を待っていました。
――円城 塔
大戦前夜の日本と南洋を疾駆する、天才俳人の流転の運命。
史実とフィクションを融合させた、ノンストップ・歴史エンターテインメント!
国家はなぜ、俳句を危険視したのか?
昭和15年、「京大俳句事件」発生。治安維持法違反で同人が一斉検挙されるなか、新興俳句のカリスマ・西東三鬼(さいとう・さんき)は、
思わぬ運命に巻き込まれていく。
「特高警察」×「日本陸軍」、
「インド独立運動」×「シンガポール華僑」×「イギリス総督府」、
「東南アジア盛衰史」×「俳句王国の興亡」……
戦争の影が迫る日本と国際都市シンガポールを舞台に、
弾圧を強める特高警察と南方進出をもくろむ陸軍の間で、
前代未聞の逃走劇が幕を開ける――!
〈時代の転換点〉を描く、著者17年ぶりの新作小説
※校了前のゲラの為、刊行時には内容が変更になる可能性があります。
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著者/小林恭二(こばやし・きょうじ)
1957年、兵庫県生まれ。作家。専修大学文学部教授。東京大学文学部美学芸術学専修課程卒業。在学中は「東大学生俳句会」の同人として活躍。84年、 『電話男』で第3回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。歴史やSFを取り込んだメタフィクション的な作風で注目され、98年、『カブキの日』で第11回三島由紀夫賞を受賞。他の小説に『小説伝・純愛伝』『ゼウスガーデン衰亡史』『宇田川心中』などのほか、『俳句という楽しみ』『短歌パラダイス』ほか俳句・短歌に関する著書も多数。本作は17年ぶりの新作小説となる。
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065437902 |
| 本体価格 | ¥0 (JPY) |
| ページ数 | 366 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
レビュアー 1073494
短歌もどきですが、少々嗜んでいるので
多少近しい関係にある俳句にも関心はあり
その俳句を書いたことで特高に目を向けられ最終的には逮捕までされる
昨今でも言論の自由について報じられることがあります
戦争に突入していく時代は異様なまでの取り締まり
その中でも衝撃だったのは、小林多喜二について
その主犯格とされる安倍基一と三鬼のやり取り
圧を抑えた脅しは本当に怖かった
中年ドンファン
魅力的な男性だったのだろう
穂村弘さんのトリックスターという評されていますが
言い得て妙だなと思いました
書店関係者 2103841
面白かったです。戦争のさなかの戦局と、俳句の世界の戦況(高浜虚子のホトトギス派閥と、そこから離反した新興派の争い)が対比されたりリンクされたりしながら話が進むのが、皮肉だなあと思いました。
正岡子規から始まる近代俳句の歴史はむかし習ったきりでうろ覚えでしたので勉強になりました。
主人公の西東三鬼はとても魅力的で、これは女の人に人気だろうなあと納得しました。
歯医者という顔もあるので、相手の口を見て「歯槽膿漏だな」と思うシーンがリアルで面白かったです。
つねに尾行されているのに句会に行ったりダンスホールに行ったり、その度胸に笑ってしまいました。
シンガポールに行く途中の空港で、チェックインに手間取る特高を見かねて三鬼が案内してやるシーンも何ともユーモラスでした。
中盤のシンガプーラや斎藤家のご先祖のお話は、主人公のストーリーからかなり離れているように感じられ読むのに手間取りましたが、物語後半のための厚みになっていたと思います。
後半は主人公と高浜虚子との対話が印象的でした。人はわからないものを恐れ憎む、俳句はわからないからこそ憎まれ標的にされたというのが腑に落ちました。
レビュアー 781279
私は俳句については明るくなく、西東三鬼という人物を知らなかったのですが、とても面白かったです。
なぜ、国家が俳句を危険視したのか?今の時代では考えられないような時代があり、治安維持法により検挙されたということにも驚きでした。
昭和15年という時節、危険視された俳句、ダンス、恋、国を跨いでの逃走劇と三鬼は運命に翻弄されていきます。
三鬼と関わる人たちも個性的で、特に口は悪いけれど面倒見がいい波郷が好きです。
三鬼が中年のドンファンとして描かれるだけあって、とってもチャーミングだなとも思います。奥様が最初に出ていってしまった気持ちも分かるし、三鬼に恋し続ける市子のいじらしさが可愛いです。
どこまでが史実で、どこからがフィクションなのかという境目がわからないのですが、三鬼が生きた時代が確かにあった、俳句が危険視されたという時代があったのだということが強く印象に残りました。
三鬼が書いた小説もいつか読んでみたいです。
レビュアー 513020
情勢きな臭い昭和15年。西東三鬼は不審な者たちから監視、尾行されていた・・・。
古典文学の一面を持ちながらも、今もなお多くの人々に膾炙し、気軽にも楽しめる側面をもつ俳句に、ある意味反逆、ある意味楔を打ち込むような動きをした西東三鬼の波瀾に満ちた前半生が描かれる。
時流のきな臭さもあいまって緊張感が伴って推移するが、そこに海外の空気や三鬼の軽妙な言動が清涼のように中和し染み入ってくる。しかしそこには支流が本流・王道に対する叛逆心も垣間見えるのが痛快だ。
尾行の真相が陰鬱であっけにとられる中、最後の選択にさまざまな情感、思惑が込められたような半生記。
書店関係者 1340786
とても魅力的でユーモラスな主人公。特攻に目をつけられ、追われる中でもどこか飄々としていて肝が据わっている様が面白かったです。三鬼を取り巻く登場人物も個性に溢れ、特に石田波郷の漢気と癖のある性格が好きになりました。波乱万丈の人生である事は確かですが、荒波の中で人生を楽しみ尽くした男であると感じました。
レビュアー 750665
著者の小林恭二さんは私が大学に入学してすぐ、当時新進気鋭の若手作家を輩出した『海燕』新人文学賞を受賞されデビューされたので若い頃はよく読ませていただきましたが、最近全く聞かないなぁと思っていたところ、17年ぶりの新作だったのですね。それが長編の大作であり、戦中戦後を駆け抜けた天才俳人•西東三鬼の謎に満ちた戦中の足跡を軸とした物語なのだから、このボリュームでも一気に読み終えてしまった。国家も社会も文学も斜めからみる、自分勝手であり、その反面情に厚い一面もある三鬼の中年ドンファンぶりに思わず拍手を送りたくなる作品です。
レビュアー 544897
西東三鬼という俳人は、この本を読むまで知らなかった。しかも、戦時中、俳句を書いていることで特高に目をつけられ逮捕までされたなんて。戦争というものが、こういうものまで潰そうとするとは驚きでもあったし、現在の日本でもそんな空気が押し寄せつつあることに怖さも感じる。その弾圧の中で、女性とダンスに明け暮れ、シンガポールやタイを飛び回る三鬼の姿に憧れも感じた。市子とのラブロマンスも素敵だ。