穂束栞は夜を視る3
仙郷の凶鍼
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2026/07/15 | 掲載終了日 2026/07/02
ハッシュタグ:#穂束栞は夜を視る3 #NetGalleyJP
内容紹介
【あらすじ】
仙とは人を超越した生き物だ。決して分かり合うことはない――
怪異を惹き寄せる特異体質を持つ穂束栞(ほづかしおり)は妖魔に襲われ、唯一の肉親だった祖父を亡くした。祖父に代わって栞を守るためにやってきた、弟子を名乗る道士・白銀(しろがね)と獰猛な大男・窮奇(きゅうき)。栞は二人の協力のもと、栞を狙う術士・霙(みぞれ)を退けることに成功した。
霙の襲撃の背後にいたのは、白銀の兄弟子・鍾馗(しょうき)だと判明する。白銀以上の才を持つ鍾馗に対抗するべく、栞たちは白銀の恩師の元に出向くことに。
『夜行堂奇譚』嗣人が放つ、呪力バトル×バディホラー第3弾!
装画:syo5
【著者プロフィール】
熊本県荒尾市出身、福岡県在住。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。2010年よりWeb上で夜行堂奇譚を執筆中。妻と娘2人と暮らす。著作に『夜行堂奇譚』『木山千景ノ怪顧録』『穂束栞は夜を視る』『カナエトメイ』『天神さまの花いちもんめ』(産業編集センター)、『文豪は鬼子と綴る』(竹書房)など。
出版社からの備考・コメント
・読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
・いただいたコメントは各種販促活動に使用させていただく場合がございます。
※すべてのリクエストにお応えできない場合がございます。予めご了承ください。
【書店員の皆さまへ】
書籍のご注文や拡材をご希望の書店さまは、恐れ入りますが<産業編集センター出版部>まで直接お問合せをお願いいたします。
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784863114944 |
| 本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
| ページ数 | 254 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
教育関係者 645139
《守られるだけの子どもでは、もういられない。9歳の栞を、彼らはどう見るのか》
いくら修羅場を生き延びてきたとはいえ、栞はまだ9歳だ。
華奢で、車に乗る時はまだチャイルドシートが必要な子ども。
気が強いとは言い難く、泣きべそなのも仕方ない。
白銀に子ども扱いされるのは嫌がる一方で、窮奇には甘えてしまう。そのあたりが、いかにも子どもらしくて可愛い。
一方で、やる時はやるという覚悟と、頑固者としての一面は頼もしくもある。
ただ、やはり危なっかしい。
さすがに、まだ9歳なのだから。
それに対して、代理パパである2人は相変わらず対照的だ。
白銀は、細々とした気遣いで理知的に栞の世話を焼く。
ただし飲兵衛で、部屋は散らかし放題。
窮奇は、敵には容赦ないが、栞には感覚的に世話をする。
まあ、銭湯大好きなのはいいとするか。
その2人が栞の期間限定代理パパをしている理由は、栞の祖父の意思を継ぎ、栞の体質が招く危険から彼女を守るため。
いや、それだけではないはずだ。
白銀と窮奇が栞に関わる理由には、まだ決定的な何かが隠されている。
でも、具体的に栞に何を求めているのかはわからない。
栞にも、読者にも。
だから、微笑ましい日々の中にも、かすかな違和感がついて回る。
それを知るのが、それと直面するのが、今から恐ろしい気がする。
そしてこの第3巻では、そんな栞が、ここまですることになるとは。
⸻
第3巻は、最初から緊張感がみなぎっていた。
昇仙間近である最強の道士・鍾馗が、自ら栞を捕らえに来るというのだから。
白銀と窮奇の2人がかりでも敵わないことがはっきりしているため、3人は逃避行へと移る。
あの、自信満々な白銀が即座に逃げを選ぶほどの存在なのか、鍾馗とは。
そして大阪で助けを求めたのは、なんと栞の祖父の元恋人である道士・玲月だった。
仙骨を持つために、さほど高齢には見えない玲月。
彼女は、ただ栞を保護するだけでは駄目だと判断し、道士としての訓練を始める。
栞も、震えを今回は武者震いに変えてやり抜こうとする。
その姿に、代理パパたちへ抱いていきた気持ちを感じる。
玲月の性格は、優しいとは言い難い。
けれど、栞が生き抜く将来を見通して行動する様子に、代理パパ2人とは異なる、親心の新たな側面を見た気がした。
ただ、その3人が集まっても敵わないという鍾馗とは、どれほどの者なのか。
そこからは、栞に掛けられる言葉や、栞についての言葉が印象に残っていった。
「夢はない」という栞に、料理を教えてくれる張春は、「ならば、なんにでもなれる」と言う。
そして夢を持ったなら、「自分の夢にどれだけ没頭できるか」で、それが叶うかどうかは決まると言い切る。
ならば、栞はこれからどんな夢を抱くことになるのだろうか。
白銀、窮奇、玲月の3人でも、やはり鍾馗1人に敵わなかった。
その時の、それぞれの栞に対する想いが、本当に“らしかった”。
白銀は、子どもは戦わせるべきではないと考える。
玲月は、栞に恐れの色が見えたら逃がすと決める。
でも、窮奇は違った。
人外だからこそ、子どもだという思い込みなく、栞をありのままに見られる。
だから窮奇は、もし自分たちが全滅すれば、栞は誰よりも自分を許さないと見抜く。
そして始まる総力戦。
⸻
これで、相手もまた大きく動かざるを得なくなった。
だからこれから、どのような手を打ってくるのだろうか。
それをただ、待つしかない。
白銀は、まだ栞に対して自分の本当の目的を話してはいない。
でも、栞はこう言いきった。
「何も話してくれなくても信じる!」
第3巻で描かれるのは、栞が強くなる物語ではない。
栞を子どもとして守ろうとする者たちが、栞自身の覚悟を見ざるを得なくなる物語だった。
だから、3人の行く末を最後まで見守っていきたい。