かわりに噓
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刊行日 2026/07/21 | 掲載終了日 2026/07/22
ハッシュタグ:#かわりに噓 #NetGalleyJP
内容紹介
★★第69回メフィスト賞受賞作!!★★
私の心配事は、7割が現実になる。
スマホに700件の心配事をメモしている大学生、夏目は、
同居していた祖母が亡くなり、親戚に追われて住処を失う。
そこへ「うちくる?」と手を差しのべたのは、東京のおば、宇曽川。
背に腹はかえられないと、宇曽川と同居することにした夏目だったが、
その家には、「決して開けてはいけない扉」があって――。
読んだらきっと癖になる、
圧倒的センスの言葉の渦に巻き込まれてください。
------------------------------------------
著者/鈴木七月(すずき・なつき)
1994年生まれ。大阪大学文学部卒業。2025年、「かわりに噓」で第69回メフィスト賞受賞。2026年7月、同作でデビュー。
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065443668 |
| 本体価格 | ¥1,650 (JPY) |
| ページ数 | 215 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
メディア/ジャーナリスト 2102938
極度の心配性な大学生が、引っ越し先の家で奇妙な現象に直面し、その謎を解明すべく、街に伝わる都市伝説の謎に迫っていく物語。文章がとても若々しく、あっという間に読み進めてしまった。平成生まれの人に刺さる懐かしいネタが多く、全体的にユーモア溢れる文章で、つい笑ってしまう場面がたくさんあった。千理の性格がすごく好きです。
書店関係者 2103841
メフィスト賞受賞作とのこと、おめでとうございます。新人作家さんと思えないほど文章が上手くておもしろく、応援したくなりました。
眼科の使い捨てのコンタクトレンズのオバケ、天井裏のカピバラなど細かいところの設定や比喩がひとつひとつすごく楽しかったです。
キャラクターにみんな個性があって、読めば読むほど愛着がわいてきました。
親戚や主人公の母親はネガティブな存在ですが、比喩やセリフがおもしろいので読んでいて嫌な気になりません。
お金を分けて去ろうとする母親を追いかけて主人公が「贈与税はかからないよね?」と確認するくだり笑ってしまいました。
本来なら「お母さん置いてかないで、私これからひとりで心細いよ」となって泣けるシーンのはずなのに、ここで笑わせてくるんだ、と楽しいビックリでした。
あと個人的に好きだったのは、メガネ紛失のくだりで店長から「できるだけ心遣いを」と言われて、
「はい。……はい、とか返事してすみません、よくわからないんですけど……」と聞き返すところです。
お客様からクレームがきてシリアスな場面なのに、困惑が伝わってきて笑ってしまいました。
ひとつ難を言えば、長編にしてはストーリーに動きがなく、小さめのネタをずっと小出しにされているように思えて、
中盤あたりで少し飽きてしまったことです。
思わせ振りな出来事がたくさん起こるので、死体を出すなりおばさんの本性を暴くなり、事件や謎解きが読めるのかなと期待していましたが、そうではなく、どこに向かって何を楽しむストーリーなのか途中で見失ってしまいました。
ラストでこれまでの嘘や伏線がすべて回収されるのかと思いきや、オチがちょっと中途半端かなと感じました。
レビュアー 1661930
「かわりに嘘」を読み終わりました。メガネの上にハズキルーペをかけて、必死に細かい字を追いかけました。途中、話の前後というか時間的流れがあれ?と思う箇所がありましたが、楽しく読めました。年代的にはもっと若い年代の方がターゲットなのでしょうが、自分もなんとなくその中にいるような、若返った感覚で読み続けました。嘘を言わずにまっすぐ思うことを伝える強さ、もっとの優しさ、そんな言葉が頭の中で浮かびました。
毎回、読ませてもらって言うのもなんですが、文字を大きくする機能が備わっていればと思います。年々視力が文字の小ささに負けてしまいそうになっています。ありがとうございました。
図書館関係者 1038994
冒頭からドン引き。心配事をメモして統計とっているだと!?なんてヤバい主人公なんだ。
一緒に暮らす人も怪しさマックスだし、C町で小学校の同級生と再会なんて宝くじに当たるくらいの確率だし、メガネ屋さんとか不動産屋さんも。もう終始まともな人が出てこないのでは?ぐらい周りもぶっ飛んだ設定。
実演販売の人との掛け合いも、ちょこちょこ出てくる懐かしい言葉も楽しかった。
終始楽しく、怪しく、読み終わりました。
心配性の主人公と飄々とした東京のおばさんとの対比も見所。
レビュアー 897572
少し不思議でポップな空気感が印象的な作品でした!
登場人物同士のテンポのよい会話や軽妙なやり取りが心地いいのと、どこか現実から少し浮遊したような世界観もあって、伊坂幸太郎作品を思わせる雰囲気を感じました。
ストーリーそのものを追いかけるというよりも、作品全体に流れる空気やテンポを味わいながら読むことで、より魅力が伝わりそうです。
レビュアー 1045834
マックにスマイル0円ってあった頃、
何かの罰ゲームで、ロッテリアに行って
「スマイルください!」ってやったのを
思い出しましたよ。
本作も学生や大人たちの
自由な遊び心が充満しているんです!
主人公は極度の心配性という女子大生。
祖母の死で住む家を失った彼女が
身を寄せた先で、怪しすぎる
「ナニカ」の存在に振り回されます。
楽しさがキャパを超えて溢れ出す!
町の変人大集合ですね。
ネガティブな妄想スイッチが一瞬で入る
主人公も相当変わっていますが、
脇役陣はさらに凄い。
特に不動産屋の営業トークが
振り切れ過ぎていたせいで大声出して
笑っちゃいましたよ。
これスピンオフもいけますって!
そして最大の謎の真相には抱腹絶倒。
笑い死にさせる気ですか?
あ、心配性がうつったかも!
さて、真面目な話、書き出しの
相続手続きに目をらんらんとさせる
異常な親族たちにグイっと引き込まれました。
どうなっちゃうの~と思わせ掴みバッチリ。
”東京のおばさん”もエピソードの宝庫で
さらに心を持っていかれます。
しっかり者すぎる小学生や
個性的なバイト先の人々も楽しさを増幅。
回想シーンではユニーク教師の話が
友人の奮闘を含め最強でしたよ。
さらにカリスマ販売員の口八丁もヤバい。
まるで面白さのデパート兼
ショッピングモールのよう。
さすがメフィスト賞受賞作。
この作品のヒットも確信しましたよ。
(対象年齢は12歳半以上かな?)
レビュアー 946550
設定がとってもいいですね。極度の心配性。スマホに書いた心配事リストの七割が現実になる? 登場する人たちがみんな個性的で、最読み進めるうちに彼らの不器用な優しさやユーモアが見えてきて、どんどん好きになってしまいます。不思議な都市伝説や、ちょっと怖い謎解きのような要素もあって、次はどうなるんだろうとワクワクしながら一気に読んでしまいました。
書店関係者 1068733
夏目さんの周りには個性が強すぎる人たちがいっぱいで毎日が刺激的ですね。
心配事の7割が起こってしまう、という心配事がありすぎて厄介事を引き寄せてしまう、なんとも不憫な性格です。
お世話ににってるお家で起こる不思議な出来事、わかってみれば、なんだ!と思うことでも心配性の夏目さんには本当に怖いものですね。
心配事0円のサービスが面白かったです。
不動産屋さんの勧める物件も珍妙なものばかりだし、これからも夏目さんの心配事メモは減ることが無いかも⋯⋯!?
レビュアー 2000432
「かわりに嘘」略したらカワウソすぎるな、と思っていたので作中で「やっぱりカワウソじゃないか」となる場面があり、思わずクスッと笑ってしまった。
こういったユーモア溢れる表現が多く、和やかな気持ちで一気に読んでしまった。
個性溢れる登場人物たちは、(一部を覗いて)みんな親切でいい人たち。錦C町、住みたい街すぎる。
軽妙な筆致で主人公の心情がいちいち面白い。
時に柔らかく、時に鋭さもある独特の比喩表現が癖になる。今後の作品も楽しみです。
図書館関係者 841977
心配事を思いつく天才の夏目。最初はファンタジーなのかと思うくらい突飛な設定がいくつも出てきて、心配事の多い夏目の妄想じゃないかとか、錦C町がパラレルワールドかなにかなのかとか思いながら読んでいましたが、終盤になるにつれて、不思議や謎が分かって来ると、それまでの緊張感が緩んで、なんだかほっこりしました。祖母が亡くなって、あまり良い人とは思えない親戚に追い出されてしまった夏目でしたが、宇曽川さんに出会えて良かった。宇曽川さんも、夏目に出会えて良かった。個性的な錦C町の人々も魅力的で、機会があればまたこの街の様子をのぞき見したいなと思いました。
レビュアー 951966
この方はこの作品がデビュー作なんですね。
なので当然ですが初読み作家さんになります。
祖母がなくなり突如東京のおばさん宇曽川ひかりと同居することになる夏目。心配症な夏目は不安になることをメモしていく。その数700超!!
心配ごとの9割は起こらないとよくいうが夏目の体感では7割は起きることらしく。
パン屋でのバイトを通じて始めた悩み事相談等、事件らしい事件は起きないが新しい家を探そうとするときに訪れる不動産仲介業者「おどろきハウス」の物件は本当にぶっ飛んだものだらけでしたね。
レビュアー 781279
夏目は同居していた祖母が亡くなり、親戚の宇曽川の家に居候することに。
登場人物たちがみんな一筋縄ではいかなくて、キャラがすごくいいです。
なんでやねんとツッコミたくなる人、どこからツッコんだらんだらいいのか分からない人。個性豊かすぎて何度笑ったか分かりません。
夏目の心配事のリストの多さや、絶対に起こらないであろうことから、起こりそうなことまでのメモも、なんだか可愛いです。
嘘って時には人を傷つけることもあるけれど、笑える嘘だったり、ありえないほどの大きな嘘だったり、そうやって人を繋げることもあるんだなとも思いました。
居候のつもりがいつのまにか、錦C町の家が自分の家のようになっていくところが好きです。錦C町のおもしろ物件も見てみたいし、個性豊かな町の人たちが最高でした。
レビュアー 1469440
あなた、どなた?
どこから来たの?これまで何してました?
それは主人公夏目さんにも、
著者鈴木七月さんにも言ってます。
ことばの奇才、ツッコミどころの多々、ノリノリ会話、
大阪から来たの?わかる気がします。
初めましての緊張を和らげる、初めの1歩は
「手の平の上へ、新しい友だちとして入ってくる」
些細な時間を
「ほんの十数秒 除夜の鐘が全部鳴り終わるぐらい」
やっぱり言葉だった..
感性の飛沫がパチパチ飛び交う。
かと思えば
暗い気持ちの表し方を国語の「少年の日の思い出」を用いる。
守備範囲 広っ。
家族構成や住まいやとか、特筆事項が多いなか、
「スマホのリマインダーに自分が思いついた心配事を
死ぬほど登録している」という習性の思い付きが、
物語を走らせる、
血縁とか地縁とか、
そんなのどうでもいいじゃんねーとでも言いたげな彼等の日々。
大事件は起こらないが、
「心配 ¥0円」と掲示するサンドイッチ屋があり
メガネ屋さんの二階は「暗闇フィットネス」がある。
ウオータースライダー付の部屋に住みたくなったら、
人生、どん底と感じたら、
是非、錦C町駅周辺へ。
味のある大人、揃えてます。
ふだん、本を読まないひとの今年の1冊に推したい。
レビュアー 545029
こんなこと、あんなことが起こってほしくないことを書き連ねて、実際に起こってしまったらチェックする。そしてその確率を分析する。ありそうで、なさそうな物語。下宿先のミステリアスなドアとつながる物語がとても新鮮で面白かったです。
レビュアー 750665
今回のメフィスト賞は異例の5作品同時受賞と話題(私の周りの極狭いサークルだけかも知れませんが…)でしたが、私はなかでも鈴木七月さんの作品が一番興味深く輝いて見えた、だから、こんなに早く読ませていただき感謝感激です。ストーリーはネタバレになるので記せませんが、不思議な感覚の世界ですね。この作品はミステリーなのか、エンターテイメントなのか?著者は主人公の夏目さんを使って巧みに遊んでいるような気がします。きっと著者ご本人は夏目さんの遠い親戚で棲家を無くした彼女を居候させることにした宇曽川女史に近いのではないかなと思ったりしています。まだ、著者の情報とか少ないので勝手な想像ばかりで申し訳ない…。次作が楽しみですね。
出版事業関係者 2014287
テーマの核心がなんであるかは、最後まで読まないと判然とせず、そこがまた面白かった。独特の読み応えで、見たことない世界を見させていただきつつ、まとまりもあって読後が良かった。人の着想は不思議さがあるが、元のルートや原点にたどり着くことは多くない。物語として読むと、こんなことが発端なのかと刺激をもらった。世の中の見方にも影響がでそうである。
物件紹介の大川という人物の話が個人的には面白かった。
よく不動産屋に思うのだが、あれだけ親しく話しかけておいて、その後、会うことも話すこともほぼ0パーセントに近い。
営業の極意のような商売だなと、言ってしまえばなんでも言えてしまう。契約がゴールになることが多い、、のに上手に乗せられてしまう。生活の核となる場所だからこそ、その技術が必要で、慎重になりすぎる人の心理上、そういうビジネスモデルなのだろう。
間違いなく潰れるが、実在してほしいと思ってしまった節であった。フィクションなのはわかっていつつも、ワクワクできるぎりぎりの設定だなと思って個人的に一番すきなキャラクターだった。
確率の逆転劇、面白かったです。
レビュアー 513020
同居していた祖母が亡くなり家をでることになった夏目。途方に暮れている中手を差し伸べてくれたのは親戚でややクセありの・・・。
呼吸をするが如く嘘を吐かれ、嘘にまみれた中での生活は、当人の必死さ、困惑度合いは別にして悲壮感が漂わないないのは新鮮だ。それは嘘の内容が他愛のないものであると同時に、夏目の心配性の滑稽さをより強調しているからであろう。まさに嘘がある意味会話の潤滑油になる側面を証しているかのようだ。さらには超個性的な面々が加わり、普段の市井の暮らしながら異世界に迷い込んだ雰囲気を醸し出し、可笑しさを助長する。
心配リストの増減に一喜一憂しながらも、自覚ない豊かな日々を送る群像劇。
終始不思議ワールド。語彙の遊び。大声で笑うではなく、ジワジワとクスリ。新感覚の読み物。癖しかない登場人物の皆様、物語の舞台である錦C町。お洒落なラブストーリーではないが安定の呼吸で読み進められる。引越し先は錦C町も悪くないなと現実世界でも試してみたくなりました。
レビュアー 1446986
超心配性な大学生の女の子が、なんやかんやで住んでいた家を出されてしまい、ちょっと変わった叔母の家で居候をスタート。錦糸町に似た町で色々な人と関わりながら、心配しながら暮らしていく。「私の心配事の7割は現実になる」が多分本当にそうなんだろうけど、他のアレは?とか気になる事がちりばめられてて、少し伊坂幸太郎みがある。『これメフィスト賞なの?』は「逆鱗」に続いて。
レビュアー 2115522
『かわりに嘘』
メフィスト賞受賞のデビュー作、読了しました。
まずTODOリストでは無く心配事リストを作成している主人公という設定が斬新で惹き込まれました。
序盤は、主人公が作っているパラレルワールドなのかな?とか妄想の中なのでは?とか思いながら読んでいました。中盤あたりからは、クスッと笑える小ネタが多く、不思議と文章に引き込まれて、この小ネタはこのことだなとか、思いながら読んでいました。中盤までの引き込み力はすごくテンポ良く読んでいました。
ですが、終盤にかけて小ネタが続いていき大きな動きが無く中弛みというか飽きを感じてしまいました。
開けてはいけない扉の真実もちょっぴり拍子抜けしてしまいました。『心配事の7割が現実になる』ということから、心配事が現実になっていく方向に動くのだろうなあと推測していたためです。
斬新な設定だったわりに、話が小さく収まったなという印象を受けました。
所々に出てくる言葉のシャワーはとっても面白くもあり、懐かしくもありました。
今後の作品に期待していきたい作家さんです。
先行読みありがとうございました。
レビュアー 1025593
心配事の七割は発生する。
ゆえに、心配事リストに常に書き加え、実際に起きた時には実行済みとチェックを入れておく。
同居していた祖母が亡くなり、おばと暮らすことになる大学生。
さらっと嘘を吐くおばなので、あかずのドアの存在が気になって仕方ない。
言い回しやネタがおもしろくて、くすくす笑いながら読みました。
「パペットマペットみたいなブランド」は特にツボ!
レビュアー 531340
主人公も周りの人も全員面白く、現実にいなそうでいそうな……塩梅が絶妙で、ぐいぐい引き込まれました。すごい事件は起きないのに、続きが気になる小説です。
スマホのメモ機能の使い方は秀逸で、是非真似したいと思いました。
出版事業関係者 1720651
なんだこれ……おもしろいじゃないか!というのが、最初の感想。
メフィスト賞がまたひとり、すごい作家さんを業界に放ちましたね。見つけてくれてありがとう。
ネットミームやメタ表現とはひと味ちがう、古くて新しいクセになるおもしろさがあります。
ユーモアが卓越している上にハチャメチャなのになぜか身近に感じてしまいながら最後まで楽しく読みました
書店関係者 1052272
7/23発売 かわりに嘘/鈴木七月 講談社
【要約】
嘘が重なり日常が非日常に、心配性の女子大生が体験する不可思議な物語。
居候先の叔母の家も、バイト先のパン屋で起こる出来事も、滑らかに出てくる言葉の数々に翻弄されていき…。
嘘と真実、日常と非日常、そのはざまが感じれる新感覚な一冊
#読了
【感想】
絶妙な一冊ですね。読みやすくて、明瞭に伝わっているのに
日常なの?非日常なの?嘘なの?本当なの?
ずっと翻弄されてました。
はっきりしないことがはっきりしているような
常に隙間を覗いているような、不思議な一冊でした。
それなりにスッキリしたので、もやもやではないですが、
読んだ後も、もにょもにょする(笑)。こんな後味はめったに味わえないかも。
新感覚な一冊を楽しみました。
素敵な物語をありがとうございます。
レビュアー 2092300
日常系ミステリでほっこりしつつ読めた。
加納朋子とか瀬尾まいことかの雰囲気を感じる。
登場人物に不思議な人は多いが、嫌な人がいないので読みやすい。
小ボケや最近のミームも盛りだくさんでクスッとしながらサクサク読み進められた。
絶妙に続きそうな終わり方で、次回作も楽しみ。
出版事業関係者 489563
全ページが面白い。
著者の鈴木七月さんは、お笑い芸人さんですか?
1日中、ツッコミ(もしくはボケ?)を入れながら歩いてるんですか?
もしくは、岸田奈美さんが新人作家に扮してメフィスト賞取りにいらしたんですか?
「ここ、マダガスカル」とか
「ここが私のアナザースカイ」とか、
息を吐くようにに小ネタとしてぶっ込んできて
私と同じレベルなのね鈴木七月さんは、、と
勝手に同族意識を持って親しみを感じてるわよ
ごめんなさい。
バイト仲間の南海、良い子やし好き。
叔母さんで家主で、嘘つきな宇曽川(うそがわ)さんも好きやけど
いつもキラッキラのジャケット着ている
眼鏡屋のおじさんも、パワースポットみたいで好きだなと思った。
レビュアー 1049450
ミステリーなのかホラーなのかコメディーなのか、よくわからないまま読み進めていき、なんだかよくわからないまま読了する形となった。
でも、これはいい意味での「なんだかよくわからない」で、読み終わってから思い返し、じわじわ来る。
登場人物がみんな個性的で、こんな変な人たちでも、コミュニティに受け入れられてて、なんだかんだで楽しく生きてる感じがいいなあ、と。
意味のある話か、と問われれば、これを読んだからと言って人生が開けるとか、目の前が明るくなったとか、そういうことはないのだけれど、こういう軽い感じの、楽しく、少し個性的な日常をふわっと書かれた物語を、するっと読むのだって、楽しく有意義な時間だと思う。
レビュアー 944833
とても面白かったです。
金子玲介『死んだ山田と教室』を読んだ際にも感じましたが、純文学系の素養のある書き手がお引越ししてエンタメに挑んだ、という印象。家族を(安心できる関係性や場所を)持つことのできないできた女性が、家族を得るまでのお話、なのだけれど、あくまでコミカルに、他愛ないといってもいいような愉快なエピソードの連続するなかでさりげなく実現しているところが巧みで、読んでいてとても楽しかったです。
レビュアー 2099875
何か大きな事件が起きるわけではないのに、最後までずっと楽しく読めました。
ぶっ飛んだ街の人たちと、ひとり冷静に心配事を繰り出す主人公。そのギャップが絶妙で、「そんなことある?」と何度も笑ってしまいました。
何気ない会話や言葉選びがとにかく面白くて、著者のキレッキレの文章の世界に浸る時間が楽しかったです。難しく考えることも、重くてつらくなることもなく、ただ読書を楽しめる一冊でした。
もっとこの街を見ていたいと思える終わり方で、続編にも期待したいです。鈴木七月さんの次の作品も、今からとても楽しみです。
レビュアー 1454448
メフィスト賞のため、心配事が7割現実になる。という設定を活かしたミステリかと思っていたが、そうではなく主人公の日常を描いた作品だった。
上記の点で、期待とは若干ずれていたが、作者のユーモアのセンスと筆力で日常のエピソードを面白く読めました。
個人的には、心配事の設定に関するエピソードより主人公の困難であったり、周りのキャラクターのエピソードの方がメインにあったように感じました。
魅力的なキャラクターがたくさん登場したので、続編として、続きが読みたいと思えました。期待してます。
教育関係者 645139
《謎が、人と人を近づける。こんなに明るく、あたたかいミステリが現れた》
これほどポカポカしたミステリがあるとは。
夏目は極度の心配症。
将来起こるかもしれない事態を、片端からリマインダーに記録しなければ気が済まない。
そんな夏目が急遽転がり込んだのは、遠い親戚の宇曽川が一人で暮らす家。
そこには、「開けてはいけないドア」があった。
「開けてはいけない」とは、なんという甘美な響きだろう。
その向こうに何があるのか。恐怖か、歓喜か、それとも思いもよらない何かか。
ミステリやファンタジーを読む者の心を惹きつけてやまない、最上級のパワーワード。
そして、夏目がアルバイトを始めたパン屋のサービスが「心配 ¥0」。
パンを買った客の心配ごとを聞き、アドバイスまでする。
これもまた、とんでもなく魅力的なパワーワード。
そこへ持ち込まれるのは、生きていく中でふと生まれる、ささやかな悩みや奇問難問。
それを担当するのは、夏目と、同じくアルバイト仲間の南海。
二人は真剣に聞き、必死に考える。
その相談の一つひとつが、錦C町の人々を少しずつ結びつけていく。
顔は知っているけれど、深くは知らない人。
近くにいるのに、どこか遠かった人。
そんな人たちの距離が、謎をきっかけに少しずつ近づいていく。
やがて、その悩みの中から謎の「晴男」が現れる。
公園のポストに手紙を入れると、真夜中に千本ノックをして、その日を晴れにしてくれる二人組。
子どもから大人まで、誰もが願ったことのある「晴れてほしい」という思い。
それを、少しおかしく、でもまっすぐに体現する存在。
「あけてはいけないドア」
「心配 ¥0」
「晴男」
どれも強い言葉だ。
けれど、この物語で本当に素晴らしいのは、その言葉の強さそのものではない。
それらを入口にして、人と人の輪が広がっていくこと。
少しずつ薄くなっている人間関係。
隣に誰がいるのか、誰が何に困っているのか、知らないままでも暮らせてしまう日々。
けれどこの町では、謎が人を呼び、心配ごとが人をつなぎ、いつの間にか誰かが誰かを気にかけている。
その様子が、とても微笑ましく、少しうらやましかった。
意外なつながりが明らかになるたび、ちょっと寂しくなり、でもその分だけ心が温かくなる。
ミステリなのに、誰かを追い詰めるのではなく、人の輪をほどよく結び直していく。
その明るさが、この作品のいちばんの魅力だと思う。
さらに、錦C町での自立を目指す夏目が遭遇する、様々な超格安物件も楽しい。
ミステリではない。ホラーでもない。ファンタジーでもない。
でも、ありえないような理由で信じられないほどの格安になっている物件ばかり。
それらを笑いながら読んだ。
生きていく中でふと生まれた、ささやかな悩み。
それが明るい光で照らされるミステリ。
人々が大きな輪になっていくミステリ。
そんなミステリがあってもいい。
そんなミステリに巡り会えてよかった。
こんな人たちに囲まれているのだから、夏目の心配ごとリマインダーも、きっと少なくなっていく。
明るい気持ちで、そんな確信を持つことができた。
こんなに楽しいメフィスト賞、また読んでみたい。
レビュアー 588110
祖母を亡くし帰る場所を失った大学生・夏目が遠い親戚の宇曽川ひかりに声をかけられ錦C町で暮らすことに。親戚中では変な噂を立てまくられている宇曽川だが、たしかに彼女の家では変なことが起こっていて……? 心配性のひと言で片付けるにはかなりユニークな夏目の饒舌な一人称がツボでつるっと読めた。メフィスト賞受賞作品ゆえに話のジャンルが分からず、それゆえに最後まで展開が読めないのもドキドキして楽しい。話の筋もあるにはあるのだが、夏目の考えている内容そのものが常におもしろく、それだけでずっと読んでいられる。やることなすこと冗談なのか本気なのか分からない人々が入れ替わり立ち替わり現れ、最後にある場所で大団円を迎える様は爽快だった。鈴木七月先生の今後の作品にも注目したい。
レビュアー 1114213
「書いたことが七割、現実になる」
スマホに700件もの心配事をメモする大学生の夏目。
ならずものの両親は家を出ていき、唯一の身内であった祖母がなくなり、親戚に家を追われてしまう。
そんな夏目に手を差し伸べたのはシステムエンジニアとして働く東京の叔母。
ひとり暮らしの叔母の家には開けてはならない扉があった。
メフィスト賞らしからぬ純文学みをも感じされられる一冊。
図書館関係者 584759
心配ごとの7割が現実になると言い、事前の危機回避に役立てるため、リマインダーに詳細なメモを記録し続けている夏目は、一事が万事心配性だ。住んでいる家には開かずの扉があり、それについて一緒に住むおばの宇曽川はテキトーな嘘ばかり言い、夏目は怯え戸惑うばかり。でも商店街の人々も、一緒にバイトする南海(みなみ)も、バイト先のサンドイッチ店に来るお客さんたちも、みな調子よくて、よく喋り、何だか明るくて楽しい雰囲気。いろんな人がいて、いろんな事情があって、それでも皆生きているなら楽しく行こうぜ!と笑い飛ばすかのように、最後までテンポよく面白い1冊!
レビュアー 2092399
若手作家ならではの愉快な想像力により、小説の導入部の吸引力は非常に素晴らしい。好奇心をそそる展開のおかげで、これから繰り広げられる物語に期待を膨らませ、一気に引き込まれてしまう。特に作家の個性が際立っていると感じたのは、多様でウィットに富んだ比喩表現だ。中盤以降に登場する不動産のユニークな物件設定を読むときは、思わず吹き出してしまった。サプライズに満ちた決して平凡ではない物件描写を見ていると、新人作家の奇抜で可愛らしい想像力に感嘆させられる。
後半に入り、ついに小説のタイトルである『かわりに嘘』が秘めた本当の意味に気づかされることになる。正直なところ、序盤にテンポの速い明確な事件中心のプロットを期待していたため、中盤のゆったりとした詳細な日常描写には少しもどかしさを感じることもあった。しかし、このささやかな日常の中の仕掛けも、結局はすべて計算された伏線だったのだ。
散らばっていたピースが後半になって複雑に絡み合い、一つの完璧な絵へとつながっていく。淡々としていて少し素朴な味わいがありつつも、コミカルなキャラクターたちのおかげで決して退屈とは言えない妙な魅力を放つ小説だ。
一見、奇妙な騒動劇の連続のように思えるが、最終的には心をじんわりと温めてくれる癒やし小説である。穏やかな感動を好む読者にぜひお薦めしたい。
レビュアー 1246685
第69回メフィスト賞受賞のデビュー作 。
ヒロインは、心配性の大学生・夏目。
スマホのリマインダーは1000件近く、その内容は、起きたら嫌なこと、心配事。
そしてその7割は現実になるという。
祖母が亡くなり、行き場のなくなった彼女、おばがうちに来ればと言ってくれる。
正体不明な東京のおばさん、親戚から聞かされていた怪しい噂の数々。
転居先、おばが住む元・眼科医院の建物、「あかずの扉」の存在。夜中の足音、ものが無くなる…「死体隠蔽」の噂まであって…
とこう書くとホラーでしかないのですが、ミステリーでも、ホラーでもない不思議な作品。
バイト仲間の幼馴染の南海、生意気な小学生・千理、ネガティブ志向の夏目の視点をひっくり返してくる二人のキャラがとても良い。
「晴れ男」事件の展開も面白く、ユーモラスで不思議な世界観がとても良かったです。
次作がとても楽しみです。
レビュアー 752611
心配性すぎる女子大生、夏目の奇妙な日々。祖母が亡くなり、家を親戚に追い出され、同居に誘ってくれた変わり者扱いされている親戚、宇曽川宅に居候することになった夏目。その宇曽川宅が謎ありの家で終始不安と恐怖に駆られる。バイト先で偶然再開した元同級生のしゃべくりが楽しい。心配事はスマホのリマインダーに打ち込み、はや700件越え。夏目、変な奴。だが、それに負けない周囲のクセ強めの人々が絶妙なオーラで、次々起こる心配事相談に吹きながら読み進む。晴れ男に、開かずの部屋、その他のエピソードが絶妙に絡んでいくのもお見事。心配事⇄嘘の塩梅がよくて、仄明るさが漂うラストも好きです。