ライク・アウトサイダー
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刊行日 2026/07/27 | 掲載終了日 2026/07/24
ハッシュタグ:#ライクアウトサイダー #NetGalleyJP
内容紹介
売れないお笑い芸人が殺し屋から助かる条件は、彼を笑わせること!?
痛快な展開と軽妙な会話で進む、ノンストップ・サスペンス!
「殺し屋を笑わせないとぼく死ぬんです」
殺し屋に突如襲撃されたお笑いコンビのツッコミ・八条。必死の命乞いで出された交換条件は、「人生で一度も笑ったことがない」殺し屋を笑わせること!?
相方の白山を探すうちに、いつの間にか「伝説のネタ帳」をめぐる熾烈な争奪戦に巻き込まれてしまい――。
一切予測不可能! 常に笑いと死が隣り合わせのノンストップ・エンターテインメント!
笑ってはいけない人なんて、この世にはいない。
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著者/鯨井あめ(くじらい・あめ)
1998年生まれ。兵庫県豊岡市出身。兵庫県在住。2015年より小説サイトに短編・長編の投稿を開始。2017年に『文学フリマ短編小説賞』優秀賞を受賞。2020年、第14回小説現代長編新人賞受賞作『晴れ、時々くらげを呼ぶ』でデビュー。他の著書に『アイアムマイヒーロー!』『きらめきを落としても』『沙を噛め、肺魚』などがある。
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065439180 |
| 本体価格 | ¥2,300 (JPY) |
| ページ数 | 324 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
レビュアー 2122700
売れないお笑いコンビが、伝説のネタ帳をめぐる争奪戦に巻き込まれる。殺し屋、ヤクザ、情報屋、警察、政治家――それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語は予想外の方向へと展開していく。
何といっても、この作品の魅力はベースがお笑いであること。《ノット・サウスポー》の二人が繰り広げる軽快な掛け合いが心地よく、テンポよく読み進められる。
会話の応酬がスピーディーなので、場面によっては少し追いかけるように読む瞬間もあったが、それも作品の勢いの一つ。シリアスな場面でも思わずツッコミたくなるようなやり取りがあり、緊張感とユーモアが絶妙なアクセントになっている。
ハラハラしながらも、時折クスッと笑い
そして、最後の一文に思わず鳥肌がたった。
レビュアー 1821913
「ラブじゃなくてライクだぜ!」
この一言が、八条と白山の最強コンビの魅力を見事に表現しています。
彼らの絆と個性が光るこの物語は、まさに「伝説のネタ帳」とも呼べる一冊ではないだろうか?
漫才好きはもちろん、笑いとハラハラが詰まったストーリーに引き込まれること間違いなし!
読了後、まず思ったのは、彼らのコンビの最高さ。
予測不能な展開と緻密なキャラクター描写により、「誰が味方で、誰が敵なのか」が分からなくなる緊張感も魅力の1つ。
ページをめくる手が止まらない!!
一気読みしてしまう、そんな読書体験を味わえる📖
この本は、笑いとサスペンスが絶妙に融合した1冊。
皆さんもぜひ、八条と白山のコンビの魅力に触れてみませんか?
レビュアー 781279
売れないお笑い芸人の八条が、殺し屋から助かる条件は人生で一度も笑ったことのない殺し屋を笑わせること。相方探しや、伝説のネタ帳探しをしながら、八条はどんどん深みにはまっていく。
最高でした!
お笑い芸人の八条が、殺し屋をどう笑わせるのか、なぜ殺し屋は笑ったことがないのか?
八条の相方の失踪、伝説のネタ帳、お笑いの世界の話かと思ったら、“そうじゃない側”にいる人たちの思いが底が見えないほどの深い洞察力で描かれていました。
綺麗事では済まないけれど、誰もが平等で、誰だって笑っていい。そんな世界のはずなのに、性別、ルッキズム、マイノリティ、生い立ち、職業、人はいろんな線を引いてしまう。その線の向こう側に行けないそうじゃない側の人たち。
だけど、笑ってはいけない人なんていない。
私は彼らの会話に何度くすっとしたか分からない。
「ラブじゃなくてライクだぜ」
人の気持ちなんて、その人にしか分からないからこそ、この言葉すごく好きです。
笑って、考えさせられて、抉られて。鯨井先生の作品のなかで一番好きが更新されました。
図書館関係者 841977
「伝説のネタ帳」をめぐるハードボイルド系の小説なのかと思いながら読み始めましたが、ノット・サウスポーの2人が巻き込まれた事件の結末を追いつつ、社会問題や、正義や善悪に触れるメッセージ性の高い作品だと思いました。「当事者ではなくても、第三者ではある」ということに無自覚だったことに気づかされました。どうしても当事者じゃなかったら部外者だという意識の方が強いから。第三者の意識を持つことができれば、なにか少しでも変わるかもしれないと思いました。
レビュアー 1469380
目の前で漫才を見ているかのような会話劇が面白い。八条と白山のコンビはもちろん、佐藤と高橋の鉄オタコンビの会話も面白くて、シリアスなシーンのはずなのに笑ってしまいました。なんだかんだ面倒見がよくて優しい佐藤のキャラが一番好きです。
海外のアクション映画のようなスピード感もあって頭の中に映像が浮かぶようでした。
果たして殺し屋は笑っていいのか。それは読み終わっても結論はでなかったですし、なぜ笑ってはいけないのかという疑問を考え続けることが大事なんだなと感じました。
レビュアー 1114213
「時折不快になりながらも、ここまで笑って生きてきた。世界は楽しさで満たせるはずなのだ」
一ヶ月前に失踪した相方。
十二月の雨夜に僕は殺し屋に拉致される。
殺し屋は彼女の行方を探している。
そして笑わせられることを願っている。
漫才師と笑いを描いた飛躍作。
図書館関係者 1038994
終盤まで誰を信じていいのか分からなかった。もはや誰も信じられない中での戦いだった。疑心暗鬼になりながら騙し騙し真相に近づくスリル。
男尊女卑のような時代錯誤なおじさまたち。
文化祭後のような謎の一体感。
長年かけての復讐に巻き込まれた人々。
スピード感がある文体。なのに、なかなか謎が明かされていかないジレンマ。読者を惹き付ける。
表紙が内容に合いまくり!
ラブじゃなくて、ライク!なんていいフレーズ。愛じゃなくて好きはもう十分大好きだけど愛はちと重い。男女お笑いコンビの話かと思いきや出るわ出るわの痛快爽快悪党連中。ぎゃーどうなるののハラハラ感の中にも笑いが中心。笑いって大切ですね。
レビュアー 1377506
泣くとは思わなかった!
事前情報ほぼなし、初めましての作家さん。
どんな感じかな〜と思いながら読み始めて2ページ目で大好き!となりました。
いや、そもそも「1.殺し屋は笑いたい」というタイトルからして好みでした。
テンポの良い会話と、ダラけないけどちゃんと追ってくれるストーリー展開、興味深いキャラクター……。
読後感も良く、他の作品も読んでみたいと思います!
レビュアー 513020
唐突に殺し屋に襲われた若手お笑いコンビの八条司。失踪した相方白山礼奈の行方を問い質され・・・。
芽の出ない若手芸人が突然、大きな陰謀に巻き込まれ右往左往する様が描かれるが、流され陰謀の渦の中心に近づくにつれ、慌てふためく反応と裏腹に、中心を見つめる眼は至極に冷静になり、シニカルに映り、また凄味すら感じさせます。そこには差別、圧力、暴力といったさまざまな圧力が溢れており生き辛さを強調する一方、対抗する手段が「笑う・笑わせる」という一見無力な然し最強のものであることを体感提示してくるようだ。
痛みを彼我に隠すことなくさらけ出し、その上で理不尽に真っ向から挑む笑いの救世譚。
教育関係者 645139
《最低な世界で、それでも明るく笑うために》
何という剣呑なオープニング。
漫才コンビ〈ノット、サウスポー〉のツッコミ役・八条が、殺し屋エドから「笑わせないと殺す」と告げられる。
凄腕だが、一度も笑ったことがない。
そもそも、笑うとはどういうことなのかもわからない。
そんなエドは、真剣この上ない。
それほどまでに、笑いたいのか。
この出会いをきっかけに、八条は怒涛のような展開へと、文字通り飲み込まれていく。
そして読み手も巻き添えにされていく。
ヤクザが狙う、漫才のネタが書かれたノート『伝説のネタ帳』。
行方不明だったボケ役の白山。
伝説の漫才コンビ〈まさを・てるこ〉の片割れである照子。
警察の高橋監察官や、情報屋の佐藤。
ほか、さまざまな人々が絡み合い、もつれ合い、先の見えないまま物語は突進していく。
それぞれの気持ちや意図。
加害者と被害者の関係。
善意と悪意。
傷つける側と、傷つけられる側。
それらが交差し、入れ替わっていく様を目の当たりにして、強く感じたことがある。
人はみな、程度の差はあれアウトサイダーなのだ。
それを自覚できるか。
自覚したうえで、受け入れるのか。反発するのか。あるいは諦めるのか。
その選択が、生き様を決めていく。
人との関わり方を決めていく。
更には、そんな混沌の中で、見えてきたものがあった。
誰でも、明るく笑っていいということ。
そして、笑いには力があるということ。
笑いの輪に入ることは、こんなにも素晴らしいのだということ。
『伝説のネタ帳』を巡って、さまざまな感情がぶつかり合う。
怒り。傷。優しさ。嬉しさ。主体性。善意。寛容。迷い。尊厳。矜持。
その一つ一つをたどっていくと、笑えない理由まで見えてくる。
恐怖や罪悪感から逃れられないから、笑えない。
極限まで追い詰められた人は、最低なものでしか笑えなくなるが、そこに本当の楽しさなどない。
だから、白山は誰でも笑えるネタを作りたいのか。
そして人は傷ついたり、傷つけられたりする。
だから、そのどんな時であっても、人を救うための笑いを、八条は求めているのか。
けれど、そんな二人の思いを吹き飛ばすほどに、物語は勝手に加速していく。
それでも、八条と白山は諦めない。
自分たちの心が傷ついてしまっても。
それこそが、人が笑いを必要とする証なのだから。
その願いは、どんどん広がっていく。
そして、それはきっと届くはずだ。
エドのもとへと。
笑ってはいけない人なんて、いないのだから。
これは、自分の力ではどうにもできないことで溢れている世界に向けた、鯨井あめ先生の祈りなのだと思う。
レビュアー 1446986
「殺し屋」と「お笑い」って何だそれと思ったら、究極の「緊張と緩和」か。相方が突然失踪したお笑い芸人が殺し屋に狙われて、命を助けてもらう条件は殺し屋を笑わせること。そして「伝説のネタ帳」を巡るヤクザとの揉めごとに巻き込まれて…。完全にコントのあらすじなのにサスペンスとして成り立ってるのがすごい。笑い要素も普通に面白く楽しめた。漫才マンガとかもあるけど、普通にお笑いを芸人じゃない人も書けるのすごいな。
レビュアー 1479915
「お笑い芸人×殺し屋」というあらすじを最初に目にしたときは、正直コメディ色の強いドタバタ劇かと思っていた。しかし、ページを数枚めくっただけでその予想は気持ちよく裏切られた。
物語は、売れない漫才コンビ〈ノット、サウスポー〉の八条が、一度も笑ったことがない殺し屋・エドに「笑わせないと殺す」と脅されるという突拍子もない幕開けから始まる。失踪した相方・白山の行方と、ヤクザたちが血眼で探す『伝説のネタ帳』。そこに警察や情報屋が絡み合い、物語は予測不能なクライムサスペンスへと加速していく。
何より圧倒されるのは、会話劇のテンポの良さだ。銃口を突きつけられるような絶体絶命のシリアスな場面でも、反射的に飛び出すボケとツッコミ。まさに究極の「緊張と緩和」であり、頭の中に海外のアクション映画と漫才の舞台が同時に浮かんでくるような独特のグルーヴ感がある。
一方で、ただ面白いだけでは終わらないのがこの作品の深いところだ。「殺し屋は笑っていいのか?」「誰もが平等に笑えるネタとは何か?」という問いを通じて、理不尽で不寛容な現代社会に対する著者の温かくも力強いメッセージが浮かび上がってくる。作中に出てくる「ラブじゃなくてライクだぜ!」という言葉の通り、重すぎず、けれど決して見捨てない絶妙な距離感の絆に、読了後は思わず胸が熱くなった。
たくさん笑って、最後は少し泣かされる。一気読み必至の傑作エンターテインメント。