九宝ギンコの奇怪特報
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2026/08/31 | 掲載終了日 2026/09/27
文芸小説 | ミステリー/サスペンス | 時代小説
ハッシュタグ:#九宝ギンコの奇怪特報 #NetGalleyJP
内容紹介
それは市井の噂か真の怪異か――
上等だ。妖怪記事を足掛かりに、成り上がってやる。
日々代わり映えのない記事の執筆に飽き飽きしていた、産業情報新聞社につとめる九宝ギンコは、連日新聞社に寄せられる妖怪絡みの取材依頼の中に、見覚えのある名前を見つける。
「花園藤吉郎」。それは、とある事件で世間を騒がせた名だった。
届けられた便箋には「自殺した女中が、鬼火に化けて出る」とあり、ギンコは取材を決意する。
取材のさなか、声聞師と言われ、日下狂四郎と名乗る男と出会う。
この男、何やらただ者ではないようだが…
窮地の婦人記者・ギンコと襤褸着の切れ者・日下狂四郎が
人を惑わす事件の真相を暴き出す、明治浪漫ミステリー
装画:平沢下戸 https://x.com/hiranoji
【著者プロフィール】
1991年生まれ。福井県在住。恐らく懐古主義者。古いものに触れることが多くなった。時代についていけなくなりつつあるのかもしれない。「妖怪記」で第3回黒猫ミステリー賞特別賞を受賞。『日下狂四郎の奇奇怪解』と改題して作家デビュー。
出版社からの備考・コメント
・読み終わりましたら是非NetGalleyへレビューを投稿ください!
・いただいたコメントは各種販促活動に使用させていただく場合がございます。
※すべてのリクエストにお応えできない場合がございます。予めご了承ください。
【書店員の皆さまへ】
書籍のご注文や拡材をご希望の書店さまは、恐れ入りますが<産業編集センター出版部>まで直接お問合せをお願いいたします。
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784863115019 |
| 本体価格 | ¥1,800 (JPY) |
| ページ数 | 326 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
メディア/ジャーナリスト 2102146
非常に面白く読ませていただきました。登場人物のキャラ立ちが良く、ギンコの痛快な価値観が、時代背景とよくマッチしており、作品の魅力が引き立っていたように思います。同一世界線の作者前作が未読であるため、機会があればそちらも手に取り、狂四郎の活躍を楽しみたいと思いました。
レビュアー 979530
怪異謎解き系ミステリー。どっちかと言うとパズラー寄りの1冊でした。謎解きが結構明治時代らしい感じで面白いのと、グイグイとストーリーを牽引する九宝ギンコの前向きで向こう見ずなキャラがページをどんどん繰らせる1冊。特に会話が軽妙でそのあたりは本当にお気に入り。特に九宝ギンコは探偵のような斜に構えた態度がないので、(職業が記者である)アンニュイなキャラが嫌いな人には本当に好きになれる主人公ではないでしょうか。夾竹桃を使った鬼火って話が、人間の妄念を描ききったあげくゾッとするような話になってて好きです。
レビュアー 513020
弱小新聞の記者・九宝ギンコは婦人系記事を生業としていた。経営危機を囁かれなか特種を求め向かった先で胡散臭い山師のような男と出会う・・・。
近代化がようやく馴染み始めた明治中後期。かつての支配階級であった士族が過去のプライドにしがみつき落ちぶれていく様が描かれる一方、特異な過去がありつつも平民として、一女性として生き抜く逞しさを見せるギンコの姿は新時代の象徴にも見える。そんな中でどの時代でも存在するような裏稼業が引き起こす事件はスリリングであり謎めいている。
また各事件、そういった過去の柵、今の柵さえも推理の糧として昇華し解き進める様は悲哀を含みつつも爽快だ。
時代の変容途中を充分に楽しめる推理譚。
教育関係者 645139
《妖怪を騙る者は、いかにしてそうなったのか。怪異を暴けば、時代と人間が見えてくる》
『序章 投錨』
明治35年の東京。新聞が一般化してきても、女性記者の仕事は、まだまだ料理などの穴埋め的な記事ばかりだったのだろう。
ギンコは和洋折衷というより、和洋入り乱れたハイカラかぶれのスタイル。さらに、それに負けない才能を持ち、英語はもちろん何か国語もこなしてしまう。
自分の記事で世間に訴えるのだと意気込んで記者になったそんなギンコにとって、今の仕事は体を縛られたような息苦しさだったはず。
それが、柿本主任の気まぐれで妖怪の記事を書くことになるとは。
気丈な才女と妖怪。
あまりに不釣り合いで、呆れてしまった。
でも、そこにチャンスを見出したのは、ギンコの才女たる所以なのかもしれない。
⸻
『第一話 鬼火』
毎夜現れる鬼火について取材に赴くギンコ。
それが、ぼろぼろの服を着て、食うや食わずの声聞師・狂四郎との邂逅につながったのか。
結局、狂四郎とともに真相を追うギンコ。
そこで、まだ江戸時代の身分意識を引きずっている人々のエゴとその生き様を知り、読んでいるこちらまで当時の世相と生きづらさを感じることになるとは。
その一方で、この事件をのし上がる絶好の機会にしたいというギンコの気持ちも、わからなくはなかった。
そして、これを自分の持ち味にするつもりであることも。
でも、毎回このような記事が書けるとは限らない。
ならば、頭が切れて、よく気づき、さらには安くこき使える者を必要と考えるのも当然か。
って、いるじゃないか。
ちょうど。
なるほど。
これがギンコと狂四郎の馴れ初めであり、バディの始まりだったのか。
⸻
『第二話 神隠し』
今度は、衆人環視の中で起きた神隠し。
しかも、目撃者によって言い分が違うという不可思議さ。
今度こそ本当に妖怪絡みなのか、と思ってしまった。
でも、西洋志向のギンコは、最初からそのつもりではないらしい。
近代化の途上にあるこの時代にあって、ずいぶん先を見ている。
そして、蕎麦を餌にしてやすやすと駆り出される狂四郎には頭を抱えてしまった。でも、礼儀をまったく知らないとギンコが馬鹿にしていた狂四郎が、あそこまできちんとした物腰を見せるとは。
その様子が読んでいて小気味よかった。
それだけに、幼い顔立ちの狂四郎がどんな過去を持つのか、知りたくなってしまった。
そして、狂四郎の観察眼とギンコの推理力が導き出されたもの。それは確かに、目撃者それぞれの証言が食い違ってしまうトリックだったとは。
しかも、この文明開化の時代だからこそ成立するもの。
思わず唸ってしまった。
これにて一件落着――と気持ちよく終われないものが、いくつか残ってしまったことが気になった。
「姦淫聖書」とギンコが呼んだ、狂四郎の持つ『NOT』とは何なのだろう。
さらに、裏で糸を引いていた山師「鬼の三吉」とは一体何者なのか。
妖怪譚にふさわしいその不吉な名前が、読んでいて心の中にズシンと落ちてきた。
⸻
『第三話 一反木綿』
世相に乗り遅れたカブキ者、旧弊久兵衛。
殺害を予告されたと堂々と乗り込んできた彼は、やはり殺されてしまう。
それも、刃物で刺されただけではない。
一反木綿が人を窒息死させるのように、顔を布でぐるぐる巻きにされて。
大掛かりな実験までして、いかに殺されたのかを証明しようとするギンコ。
そこには、真実に迫ろうとする記者の気迫を感じざるを得なかった。
それによってあらわになる、久兵衛と彼を取り巻く人々の心情。
顔を覆った布=一反木綿の謎は、そんな人の心の不思議さまで実感させることになった。
ギンコの目指すものは、明らかに変わってきている。
ならば、狂四郎は?
⸻
『第四話 鬼の三吉』
小さな密室に閉じ込められてしまうギンコ。
狂四郎につきまとう影。
ここで『NOT』が出てくるとは。
さらに、「妖怪犯罪」とは何なのか。
ギンコと狂四郎、それぞれが秘めていた思いが露わになる。
その思いは異なっていたが、その根には、ご一新による世相の大きな変化があるのが感じられた。
それを二人はどう乗り越えていくのか。
そして、二人はどうなるのか。
明治35年。
新しい時代はすでに始まっている。
それでも、人の意識や生き方までが一斉に新しくなるわけではない。
時代を変えようとする者と、その変化の中で取り残された者。
ギンコと狂四郎という二人の歩む先を、これから見ていきたい。
書店関係者 1449757
当時の歴史について詳しくはないですが、女性でありながら働くということは相当強くあらねばならないのだと思っています。九宝ギンコは頭も回り、将来も考えた上で今の仕事を続けていて、その強さがとても素敵でした。
1話目の人の想いが重なりあって、少しずつずれていって悪い方向に進んでしまったのがとても悲しかったです。
書店関係者 1816442
明治時代×怪異×ミステリーという組み合わせがもう大好きで、最初から最後までめちゃくちゃ面白かったです!!
「鬼火が出る」という妖怪めいた噂から始まって、それが本物の怪異なのか、それとも人間の仕業なのか……と真相を追っていく展開にどんどん引き込まれました。
そして何より、九宝ギンコが本当に好き!!
頭の回転が速くて行動力もあって、危ないところにもグイグイ飛び込んでいく向こう見ずなところが最高に格好良かったです!
ちょっと冷めた探偵タイプではなく、「特種を掴んで成り上がってやる!」という野心を持って前へ前へ突き進んでいくので、読んでいるこちらまでワクワクしました。
女性が働くことが今よりずっと難しかったであろう明治という時代に、自分の将来をしっかり考えて、記者として逞しく生きているギンコが本当に素敵です。
そんなギンコと、胡散臭いのにめちゃくちゃ切れ者な日下狂四郎の組み合わせも大好きでした!
二人の会話がとにかく軽妙で楽しくて、事件の謎ももちろん気になるのに、二人のやり取りをもっと読みたい!という気持ちでもページをどんどんめくってしまいます。
謎解きに明治時代ならではの文化や価値観が絡んでくるところもすごく面白かったです。
特に夾竹桃を使った鬼火のお話が印象的で、怪異らしい不気味さから始まりながら、最後には人間の妄念や執着の怖さへ繋がっていくのがゾクッとして大好きでした……!
妖怪より人間のほうが怖いじゃん……!と思わされる真相もたまりません。
昔の価値観にしがみつく人々がいる一方で、新しい時代を自分の力で生きていこうとするギンコの姿も印象的でした。
怪異の不気味さ、謎が解けていく爽快感、明治という時代の空気、そして魅力的なキャラクターたち。
好きなものがぎゅっと詰まっていて、めちゃくちゃ好みの一冊でした!!
ギンコと狂四郎のコンビが本当にお気に入りなので、この二人が次はどんな怪事件に首を突っ込んで、どんなふうに真相を暴いてくれるのか、まだまだずっと追いかけたいです!
続きも読みたい!!と思えるくらい大好きでした!