慶応四年、江戸炎上
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刊行日 2026/09/04 | 掲載終了日 2026/09/30
ハッシュタグ:#慶応四年江戸炎上 #NetGalleyJP
内容紹介
幕末の動乱に揺れる江戸。
新門辰五郎親方率いる町火消「を組」の若頭・零次は、早鐘の音に先導立って今日も火事場へ駆けつける。しかし、ある出来事で父と幼い妹を失い、孤児となった生い立ちを持つ零次は、命懸けで猛火に立ち向かいながらも、江戸を燃やしつくしたいという火消としての相剋を抱えていた。新政府軍と旧幕府軍の対立が深まるなか、将軍慶喜の警固のため、零次は大坂へ向かう新門親方に同行することに。そんなとき、江戸で薩摩御用盗が火付けをしているという噂が流れ「を組」の長屋に火が放たれた。大坂に上がった零次は、そこで他人の諍いのために死んでいく人々や、凄惨な戦場を目の当たりにし、江戸に戻るころには自分でも分からない心境の変化に気づきはじめる。
名もなき火消たちの矜持を描く、時代活劇。
【著者略歴】
神尾水無子(かみお・みなこ)
東京都出身。2023年「我拶もん」で第36回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『我拶もん』『鴉揚羽の仕業』(文庫書下ろし)がある。
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出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784087700695 |
| 本体価格 | ¥2 (JPY) |
| ページ数 | 232 |
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NetGalley会員レビュー
書店関係者 1816442
火を消すために命を懸けているのに、心のどこかでは「江戸なんて燃えてしまえばいい」と願っている。
そんな零次の矛盾した感情が、とにかく切なくて苦しかったです。
父と幼い妹を失い、深い傷を抱えながら町火消「を組」の若頭として猛火に飛び込んでいく零次。
自分から大切なものを奪った「火」は憎い存在のはずなのに、その火と向き合うことが彼の生きる道にもなっているところが、とても印象に残りました。
そして火事場の描写がものすごい!
「火焔」「火龍」「劫火」など、日本語ならではの美しい言葉で描かれる炎は恐ろしいのにどこか妖しく、目の前で江戸の町が燃えているような迫力がありました。
火事と喧嘩は江戸の華と言いますが、その裏側には、命懸けで町や人を守っていた名もなき火消たちがいたんですよね。
炎の中へ飛び込み、自分たちの町は自分たちで守るという彼らの意地と矜持が本当に格好良かったです!
さらに舞台は幕末。
新門辰五郎や徳川慶喜といった実在の人物、鳥羽・伏見の戦いなどの史実が物語に絡んでくることで、零次たちの人生が大きな歴史の流れに飲み込まれていく感覚にも圧倒されました。
昨日まで普通に暮らしていた人たちが、誰かの争いによって傷つき、命を落としていく。
実際の戦場を目にした零次の中で、それまで抱えていた怒りや憎しみが少しずつ変化していく姿が切なかったです。
「江戸を燃やしたい」と願っていた青年が、激動の時代と炎の中で何を見つけるのか。
火消としての意地、幕末の動乱、そして傷を抱えた人間の再生が重なって、胸が熱くなりました。
歴史の表舞台に立つ英雄ではなく、江戸の町を守ろうと命を懸けた人々に光を当てているところも大好きです!
炎の熱まで伝わってきそうな迫力と、零次の痛みや葛藤が心に残る、とても熱くて美しい時代活劇でした!!