残火
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刊行日 2026/08/31 | 掲載終了日 2026/08/31
ハッシュタグ:#残火 #NetGalleyJP
内容紹介
十四年前に起きた産院放火殺人事件。その被害者遺族である柏崎肇ら男性三名が行方不明になった。家族から相談を受けた高尾署の強行犯捜査係・森垣里穂子は、柏崎らに仕事を依頼した不審な男・湊川潤を逮捕する。身元を照会すると、湊川は産院放火殺人事件の犯人の息子だった。湊川は誘拐への関与を認めるも監禁場所については口を割らず、加害者家族として歩んだ過酷な日々を一方的に語りだす。マスコミの攻撃、度重なる引っ越し、両親の離婚、淡い初恋と別れ。被害者遺族への逆恨みによる犯行なのか? 警察が湊川の目的を掴めぬうち、新たな火の手が上がった……。
出版社からの備考・コメント
・多くのレビューをお待ちしておりますが、物語の核心をつくような、所謂「ネタバレ」はお控えください。
・ネタバレ行為はネットギャリーのみならず、読書メーター、ブクログ、Twitter 等の多くの方が目にする場でも同様にお控えいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
・本作は校了前の大切なゲラデータを著訳者よりご提供いただいた上で公開をしています。本作の刊行を楽しみにお待ちいただいている、多くの読者のためにも、ご理解、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
・多くのリクエストをお待ちしておりますが、過去のフィードバック状況やレビュー内容からリクエストをお断りする場合がございます。予めご了承ください。
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おすすめコメント
担当編集より
事件が起き、犯人が捕まったとして、その後は?『トリカゴ』で無戸籍問題、『今日未明』で新聞記事の裏側を描いた辻堂さんが今回挑んだテーマは「加害者家族と被害者遺族」。事件は解決しても、家族や関係者の想像を絶するほど過酷な人生は続く。本作でその厳然たる事実を、改めて突きつけられました。
『トリカゴ』から約五年、刑事の使命も、躊躇いも、葛藤も描き切り、辻堂さんの警察小説はいっそう深みを増したように感じています。かつ本作は、わかりやすい答えのない現代社会を真摯に見つめた〝本格ミステリ〟です。終盤に事件をめぐる様相は一変し、私たちは慟哭の真実に直面します。ぜひご一読いただけますと幸いです。
出版情報
| 発行形態 | ソフトカバー |
| ISBN | 9784488029531 |
| 本体価格 | ¥2,000 (JPY) |
| ページ数 | 384 |
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閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
書店関係者 994443
タイトルの意味に納得しました。犯罪による遺族の苦しみと加害者家族の苦しみ、どちらも選べない重圧が一生付きまとう。
幸せが見えない恐ろしさに胸が苦しくなりました。
彼らにこの先に救いがあることを祈りたくなりました。
図書館関係者 2089198
加害者家族と被害者家族。どちらにも想像を絶する辛さがある。
そしてその辛さは、興味本位で事件を消費するマスコミや世間にも重大な責任がある。
まるでオセロのように度々ひっくり返される展開に、物語の行き着く先が気になり、一気読みしてしまいました。
彼らはこれからどうなっていくのか?
ミステリーとしてはあの結末でよいのだと思いますが、個人的には彼らの未来になんらかの救いがあってほしいと願ってしまいます。
書店関係者 1869099
なんというか、もうとにかく、読み応えがすごかった!!!
14年前の産院放火殺人事件の被害者家族が加害者の息子に誘拐される。
設定からして重たい物語なんだろうなぁとは思っていましたが、「何が善で何が悪か」「誰が被害者で誰が加害者か」、読みながらうーんと考え込んでしまうところが多かったです。
事件の真相を探る警察の動きや、犯人湊川への取り調べのシーン、事件の裏にあった過去の真相、読み進んで行くにつれて深い物語になって、最後まで夢中で読んでしまいました。
最後に明かされた真相はやるせなく哀しいもので、人間の愚かさや嫌な部分について思いをめぐらされました。
ミステリとしてそして警察小説として面白く、かつ人間とは・・・と考えさせられる。
どっしりとした骨太な一冊だと思います。
図書館関係者 603863
冒頭からラストまで、強い意志を持つ言葉が並び、緊迫感に満ちた読書体験ができた。
緩むところや無駄なところが無く、相当取材を重ねて勉強された上で自信を持って描かれたのだろうと思う。
まず、早々に逮捕された誘拐監禁事件の「犯人」が「加害者家族」であり、監禁された「被害者」のうち3人は14年前の放火事件の「被害者遺族」であるという構図が見事。
この「犯人」像の造形にも迫力があり、刑事たちの描写も細やかでビシッとはまっている。
事件に巻き込まれて監禁された4人目の「被害者」も、なかなか難しい立場だが、大変うまく描かれている。
巻き込まれた語り手と、女性刑事とが軸になり、それぞれが今回の「被害者」の男性3人と「犯人」の語りを読み解いていく展開、とても面白かった。
犯罪の被害者とは?加害者とは?という、根本的な問いを読者に突き付ける、スケールの大きな社会派小説!
とても感銘を受けた。★5つでは足りない。
書店関係者 1670311
加害者家族が被害者遺族を誘拐。
なぜ?逆恨みなのか、誘拐してどうしたいのか。
色々な視点から見て、事件を追う。
最中問われる「殺人事件の加害者家族と被害者遺族 一つ選べと言われたら、どちらになりたいか」
そんなの選べるわけがない。
実際はこの究極の選択すら与えられず、ある日突然このどちらかになる…想像しただけで胸が張り裂けそうになる。
最初から最後まで、真相と真実が明らかになるたび、そしてどこを切り取っても悲しさと苦しさが溢れている。
それを生み出してしまう、人間の愚かさと弱さを、これでもかと突きつけられました。
産院放火事件の被害者遺族三人が誘拐され地下室に閉じ込められる。周到な準備に並々ならぬものを感じつつ何がしたいのか分からずモヤモヤしていたらまさかの爆発が…そこから一気に加速していく展開に息を呑みました。ネット社会の今、加害者家族の苦しみはこれ程ものなのか。塀の中にいる本人よりも実際攻撃される家族の方が何倍も辛いのではと思わず同情してしまうくらいです。そして真の復讐、まさかの真相。善意という殺人という言葉に許せないけど納得できてしまう部分も。湊川の問いにはまだ答えられそうにありません。
図書館関係者 1694122
犯人は序盤で捕まり、え?これで解決?⋯なわけはなく、どんどん入り組んでいく感じ。なぜ、どうしてを知りたくて夢中で読みました。加害者家族に焦点を当てた東野圭吾氏の『手紙』も辛かったですが、この作品では加害者の息子が辛い日々の中で真相をつきとめ、自ら真犯人を追い詰めていくといったもの。真相はこれか!と思ったら、真相の真相があり驚きの結末。終盤はジェットコースターに乗せられているようでした。辛い読書ではありましたが、余韻の残る終わり方がよかったです。
書店関係者 544802
なかなかに、練られたミステリだった。
一つの事件の真相が二転三転し、結末はさらに追い打ちをかけられるほどの
非情さが待っていた。
読後は妙な脱力感を味わう。
14年前の産院放火殺人事件。
助産師、妊婦、新生児の3名が死亡し、犯人は産院の院長だった。
その被害者遺族の3名が何者かに誘拐され、監禁される。
その容疑者として逮捕されたのは、加害者の息子だった。
殺人事件の被害者家族と加害者家族。
立場は違えど、置かれた状況はどちらも苛酷だ。
平穏な日々を送ることはできなくなる。
世間の目の冷たさは加害者家族に向けられる。
代わりに罪を償う場面もあるだろう。
被害者家族からすれば、一族郎党憎しみの対象となる。
だが、加害者家族にも生きる権利はある。
彼等を抹殺する法はない。
当事者ではない人々の誹謗中傷は、無責任に両者を傷つけていく。
物語は加害者の息子の復讐劇と思いきや、許されない恋や、愛情の裏にある束縛や嫉妬、欲望を満たすための自己中心的な考えといった、あらゆる感情が絡み合い、捻れた末に引き起こされた犯罪へと展開していく。
単なる犯罪小説ではなく、大きな問いを読み手に投げかける深いミステリだった。
作家の進化を感じる一冊。