シュレディンガーの密室
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刊行日 2026/08/17 | 掲載終了日 2026/08/17
ハッシュタグ:#シュレディンガーの密室 #NetGalleyJP
内容紹介
扉を開いた瞬間、二人の生死が確定する——。「究極の選択」の物語(ミステリ)。
21世紀本格の絶望。
——島田荘司
この書を先んじて推薦できることを至福に思う。「いいから、読みなさい」
——竹本健治
♢♢♢
フリーライターの朝倉匠は取材のため妹・美羽の職場である蓮田医学生物研究所を訪れる。
当地で出会った少女・円香は保護者で研究所の出資者・大門の腎臓移植用のドナーとして生育された疑惑があった。
発熱した円香と付き添いの美羽は、空気の流れが一方向の陰圧室に隔離される。直後、豪雨により土砂災害が発生。陰圧室の外——1階フロアは実験用ボンベから漏れ出した硫化水素が充満する死の空間(デッドゾーン)と化した。無理に部屋に突入すれば硫化水素が流れ込み、弱った二人は死ぬ。しかし、一刻も早く臓器を回収せねば、今度は大門が危ない。そんなとき、密室の“外”で殺人事件が発生し——
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著者/麻根重次(あさね・じゅうじ)
1986年生まれ。長野県安曇野市在住。信州大学大学院で進化生物学を専攻し、その後現在まで公務員として勤務。2023年、『赤の女王の殺人』で島田荘司選 第16回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。奇想×本格ミステリの『千年のフーダニット』でミステリファンの話題を呼ぶ。
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065440902 |
| 本体価格 | ¥1,850 (JPY) |
| ページ数 | 318 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
書店関係者 1034604
タイトルを見た瞬間、「これは読んでおかねば」と思った。そう来たかと思わせるラストには思わず感嘆した。殺人事件を扱ったエンタメミステリーを楽しんで読むことが多いが、本書は遺された者に寄り添う姿勢がとても誠実で、深く印象に残った。
書店関係者 1052272
8/19発売 シュレディンガーの密室/麻根重次 講談社
【要約】
驚きと興奮が止まらない、まさに開くよシュレディンガー♪
山奥の実験施設で地震、実験室に閉じ込められた2人を助けたいが、
周りは硫化水素で扉を開けると死が確定してしまう…。
且つ救助を待つ間に施設では殺人事件も発生し…
#読了
【感想】
硫化水素の中に閉じ込められた2人にハラハラしつつも、
施設で次々起こる殺人事件。
そして、名探偵がトリックと犯人を暴いたか・・・
と思ってからの、怒濤の急展開と、切なくも救われるラスト
・・・って思ったよ!
・・・あー!これ以上は言えない。読んで下さい。
かつてない、どんでん返しですよ。
はい、唱和しましょう。シュレディンガー最高!
素敵な物語をありがとうございます。
教育関係者 645139
《観測されるまで、真実は存在しない》
「シュレディンガーの猫」と言えば、「観測するまで状態が確定しない〈重ね合わせ〉の状態」に関する、有名な思考実験。
それを現実に起こりうる状況として構築しただけでも驚きなのに、さらに群像劇として、人間のドラマとして成立させるとは。
コールドスリープによって千年後から殺人犯を追う『千年のフーダニット』を書いた著者でなければ、考えつくとは思えない作品だった。
⸻
『第1章 シュレディンガーの猫』
文字通り〝それ〟を、ミステリの舞台としてしまうとは。
密室に女性が2人。周囲は致死濃度の硫化水素に満たされている。密室内は減圧されているため、扉を開けた途端、硫化水素が吹き込んでくる。
連絡は最初に一度あっただけで、その後の状況は不明。
それを取り囲む障壁の外には、所長、社員、出資者である社長など。そして、閉じ込められた一人の兄。
さらにそれだけではない。
この事態を引き起こした土砂崩れによって、研究所は少なくとも3日間孤立。山中のため、電波も届かない。
中から出られず、外から状況も分からない「シュレディンガーの密室」。
そして、その密室を内部に抱えた「クローズド・サークル」。
内からも外からも、手が縛られている。
このようなシチュエーションがありうるとは。
⸻
『第2章 開けられない密室』
ここから、人間のドラマが始まる。
「シュレディンガーの密室」に対して、まずは中を観測しようとする様子見派。
それに対するのは、直ちに扉を開けようとする突入派。中にいる一人が肝臓移植のドナーであり、たとえ死亡していても、早く運び出せば肝臓を摘出できる可能性があるからだ。
それぞれの立場、関係、意思によって、両派の間を行きつ戻りつする者たち。
最終的には、4対4。
しかし翌朝、突入派の一人が死体で見つかるとは。
それまで重なり合っていた可能性だけでなく、これからの展開まで、完全な闇に閉ざされたように感じた。
⸻
『第3章 生と死』
「シュレディンガーの密室」の中にいる2人が生きていれば、救出の可能性は残されている。
しかし、そのためには誰かを選び、誰かを見捨てる決断が必要になる。
自分を犠牲にして、婚約者を、妹を、ドナーとなる人を助け、もう一人を見捨てるのか。
それはまさに、心理的な「シュレディンガーの猫」。
その悪魔的ともいえる選択の組み合わせに、戦慄を禁じ得なかった。
さらに連続殺人事件によって、突入派と様子見派のパワーバランスが崩れていく。
誰が、なぜ?
もう、先の展開がまったく見えない。
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『第4章 落ちた研究者』
今度は、閉じ込められたドナー・円香の来歴が明らかになり、突入することの意味そのものが倫理的に問われていく。
「シュレディンガーの密室」の外で行われる、内外の人々の命に関わるシーソーゲーム。
それでも、密室の中の状態は依然として不明。
中を観測する手段を模索する見守り派と、たとえ死んでいても身体を回収したい突入派。
時間的な制約に焦る突入派の行動を押し留めているのは、様子見派が多数であること、そして、この中の誰が殺人犯なのか分からないこと。
だが、この段階で、その力関係まで崩れることになるとは。
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『第5章 収束する運命』
様子見派の匠が示した推理。
それは、誰も考えもしなかったものだった。
しかし、その推理が、人数では劣勢だった突入派を有利にすることになるとは。
そしてついに、犠牲を伴いながら「シュレディンガーの密室」が開かれる。
可能性の〈重ね合わせ〉が収束した結果、そこに現れた真実は、登場人物たちだけでなく、読み手にとってもまったく予想していないものだった。
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『終章 観測の結末』
「シュレディンガーの密室」の重ね合わせが収束した今、突入派と様子見派、それぞれの選択に託されていた意図が明らかになっていく。
その中で、真相は二転、三転していく。
確かに、救出のやり方は正しかったとは言えないだろう。
それでも、そこに臨んだ動機だけは認めてあげたい。だからこそ、あそこまでやり遂げたのだから。
ただ、運命の皮肉さには、表情を歪めるしかなかった。
人の運命を司る神とは、そこまで気まぐれなのか。
でも、これだけは言えると思った。
「シュレディンガーの猫」では、神がサイコロを振る。
でも、「シュレディンガーの密室」は、人の意思の強さを量る。
そうして、意思が最も強かったのは、誰だったのだろうか。
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このシチュエーションを作り上げるための取材と構想力。
刻一刻と変化する人々の関係を描き切るストーリーテリング。
そして、次々と明かされていく意外な真実。
本来は思考実験であるはずのものを、群像劇によるミステリとして成立させた著者に、心から敬意を表します。
出版事業関係者 869218
シュレディンガーと名のつくミステリーは今までも読んだことがありましたが、本作こそシュレディンガーと名乗るに相応しい作品だと思いました。もちろんシュレディンガーとあるのである程度わかってしまうこともあるかもしれないけれど、シュレディンガーなんてその意味を知っている人なんか少ないだろうからこの置かれた状況に対し緊張感を持つことが多いんじゃないかと思う。『方舟』とかを連想させるような先の読めない展開だったけど、読み終えた時には日差しが差し込むような、実はまだ闇の中にいるような絶妙さがまた面白みがあったなあ。これでいいんだろうか。まぁでもいいんだろうなというモヤモヤしないけど濁りがある終わり方は割と好きでした。
書店関係者 412917
館の見取り図を見るとワクワクしちゃうタイプのミステリ好きです。
あれ?意外と普通の建物じゃない.....?とか思いながら読み始めてしまって申し訳ございませんでした。
種類豊富な密室だらけでめちゃくちゃ面白かったです!