海月の骨
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刊行日 2026/08/17 | 掲載終了日 2026/08/19
ハッシュタグ:#海月の骨 #NetGalleyJP
内容紹介
\\本書プレゼント企画!//
☆☆小説現代長編新人賞から鮮烈デビュー 注目の新鋭・待望の第二作!☆☆
損壊遺体を直す納棺師を描いた『アフターブルー』で読書界隈騒然。
次なる舞台は「特殊遺品整理課」。
看取られなかった人生に、最後に寄り添う人がいる――。
特殊清掃の最前線。
二人の遺品整理士は部屋を片づけ、「生きた証」を見届ける。
「部屋には、そこで生きた人の人生が詰まってる」
異臭を放つ孤独死の現場を清掃し、遺された物を処分する【特殊遺品整理課】。
床を覆う無数のゴミ、家族との写真、子どもの工作品、謝罪を綴ったノート、お揃いの食器――。
清掃が終われば、そこで生きた人の痕跡は一つ残らず消えてしまう。
現場を担う水生と鳴海は、遺された部屋を手掛かりに、誰にも看取られず逝った見知らぬ他人の人生を想像する。
なぜ孤独な最期を迎えたのか。
遺された品々は何を語るのか。
故人の生きた証と向き合う日々はやがて、傷を抱えた孤独な二人の「今」をも変えていく。
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『海月の骨』にレビューを投稿してくださった方の中から抽選で5名様に本書をプレゼントいたします!!
詳細は販促情報をご確認ください。
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著者/朝宮 夕(あさみや・ゆう)
神奈川県出身。小説初執筆・初応募にして第19回小説現代長編新人賞を受賞した『アフターブルー』(応募時タイトルは「薄明のさきに」)で2025年デビュー。
出版社からの備考・コメント
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販促プラン
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※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※
ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。
★★★
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恐れ入りますが<講談社 書籍営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。
出版情報
| ISBN | 9784065440254 |
| 本体価格 | ¥2,000 (JPY) |
| ページ数 | 193 |
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NetGalley会員レビュー
レビュアー 781279
前作『アフターブルー』は衝撃的だった。
今作は「特殊遺品整理課」を舞台にした作品だ。
なぜこんなにも心を抉ってくるのだろう。一気に読み通すことが苦しくて、章を読み終えたら休憩してまた読んでいた。
前作もそうだが、今作も人の死に重さを感じる。
ここに生きていた人がいた。その生きた証を整理しながら、どんな人が生きていたのかと、登場人物たちとともに思いを巡らしていた。
また今作の主軸となる水生には、なんと声をかけたらいいいか分からないほど、気持ちを引っ張られた。
水生にはいつ帰ってくるのか分からない母親と、離れ離れになりたくない弟たちがいる。どうしてこんなにも、頑張れるのだろうか。
大家さんのおかげもあるが、大家さんから違和感を感じながらも彼にはとても大切な人だった。
母親が吐き捨てた「あんたなんか、産まなきゃよかった」という言葉を聞いた時、どうしようもない感情があふれ水生を抱きしめたくなった。親不孝だなんて思わないよ、許さなくて良いんだよと彼に言ってあげたかった。
「特殊遺品整理課」で働く彼らはいったい何を見つけ、心に何を残していくのかぜひ知ってほしい。
多くのものを遺したまま孤独死し最期の片付けにより、遺したものからその人を思ってくれるだけでも、亡くなった人も弔われるのではないだろうか。
心に傷を負っているのは水生だけではない。
いつも水生を気にかけ現場でともに働く鳴海も心に傷を持っている。彼らの背負っているものがいつか整理され、心の傷の修復に繋がっていけばと願わずにはいられない。
『アフターブルー』を読んでいなくても、全く問題なく読めるが、今作を読んで心動かされた人にはぜひ『アフターブルー』もおすすめしたい。
レビュアー 1469440
「どうして」
何度も答う。相手は答えを返してくれない。亡くなっているから。
「ぜんぶいらない」
就職全滅だった彼に、畳み掛けるように依頼者は言い放つ。
「満たしたくなるんだろうなあ」
ここで、その台詞。はじめから読み直した。
ひとは死ぬのだ。いつか必ず不意に。
家に人生詰め込んで。
雑草という名の草はないことを思い出した。
貧困、ゴミ屋敷、シングルマザー、親ガチャ、認知症、孤独死。
平成から令和の時代をを象徴するような単語が
その若者のすべてにあった。
彼等の舞台は「整理」とは名ばかり、ゴミ分別が主務のような現場だ。
生死の現場は直視できないほどの惨状。それでも
人生に触れられると、いい仕事だと、先輩のようになりたいと
語る同士がいる。
「特殊遺品整理課」で働く二十歳そこそこの日常と家族の物語。
「この仕事に、楽しいとかありますか」
逆境にもしぶとく生き抜く、雑草を思った。
大きな遺品を受け取った。
レビュアー 897572
「アフターブルー」が大好きだったので、本作もとても楽しみに読みました。物語は直接の続編ではありませんが、「アフターブルー」とのつながりを感じられる場面が多々あり、思わず嬉しくなりました。
遺品整理という過酷な仕事を通して描かれる人生のままならなさや、故人や遺族に真摯に向き合う登場人物たちの姿が印象的です。壊れてしまいそうなほど張り詰めた主人公の感情にも胸が締めつけられました。
静謐で澄んだ空気をまとった文章がとても心地よく、引き続き朝宮さんの作品は追いかけ続けたいと思いました!
書店関係者 2141668
私たちはいつからこんなにも人に頼ることが下手になってしまったのだろう。
読後、ついつい「大丈夫です」と口にしてしまう自分やあの人のことを思ってしまった。
作中の主人公である水生、彼の先輩である鳴海の生い立ちを考えれば
「大丈夫です」
それも無理のないことかもしれない。
本来最も信頼できるはずの人から拒絶されることはあまりにも痛い。人と関わって生きていく上で、疲れることや傷付くことは切り離して考えることは出来ないが、私たちはきっと他者と関わらず生きることはきっと難しい。
前作『アフターブルー』に引き続き、容赦なく死を描く筆致は、コントラスト鮮やかに"生きる"ことを考えさせてくれる。
線引きの「大丈夫です」は時に必要なものかも知れないけれど、それよりも大切な何かを水生や鳴海が伝えてくれているように思う。
生きるって大変だ。生きることに不器用な人にほど、きっと刺さる物語。
多くの方に読んで届いて欲しい作品だと心から思いました。
レビュアー 2122700
とても良かった。初読みの作家さんだったけれど、これが2作目と知って、思わずデビュー作も読みたくなった。
舞台は、孤独死の現場を清掃し、遺品整理を行う【特殊遺品整理課】、通称【特課】。身寄りがなかったり、家族と疎遠だったりする故人の遺品は、「全部捨ててください」と依頼されることも少なくない。
けれど、その一つひとつの遺品には、その人が生きてきた時間や大切にしてきた思い出が詰まっている。故人がどんな人生を送り、どんな最期を迎えたのか。明確な答えが語られるわけではないからこそ想像が広がり、特課の人たちがどんな思いで仕事と向き合っているのかが丁寧に描かれていて、とても心に残った。
生と死を扱う重いテーマでありながら、文章は読みやすく、読後感は驚くほどあたたかい。
読めて本当に良かったと思える一冊だった。
図書館関係者 1038994
死。そればかりが埋め尽くす作品。苦しくなるけど、重いだけじゃなく読了後は希望も見えてくる。
生きにくい生活環境に置かれた彼らだからこその感じ方がある。
許すことなんてできなくても良いんだと安心させてくれる。
自分の大切なものも、死後はただのゴミになるなら終活を始めようかと思ってしまった。
ヤングケアラー、孤独死など痛々しい程に令和の問題に迫ってくる。
前作も読んでみたい
レビュアー 2099875
特殊清掃や遺品整理の現場が想像以上に生々しく描かれていて、吐き気すら覚えるほどでした。死後しばらく発見されなかった部屋の凄惨さと、孤独死の現実に震えました。
大切なものを失っても、日々は続いていく。
傷を抱えながら頑張っている水生の心情が苦しく、胸が締め付けられました。
感情を抑えて生きてきた水生が、周りの人との関わりや仕事を通して、少しずつ変わっていく。その姿を見ているうちに、自分まで救われていくようでした。
鳴海の言葉はとても心に染みて、読後は少し心が軽くなるような物語でした。
レビュアー 1246685
デビュー作『アフターブルー』が素晴らしかった朝宮さんの第2作。
あの『アフターブルー』の続編とは思ってもいませんでした。
一気読みでした。
納棺師、遺体修復士とは他部署の【特殊遺品整理課】の物語。
孤独死した人の部屋を片付ける。
新人の水生は、弟二人と暮らす。
母親からのネグレスト、頼みの綱だった1Fの大家の老女との毎日の様子。
描写がとても丁寧で良かったです。
中学生の次男、反抗期らしい態度と大人っぽい判断力、出来過ぎる少年に反対に危うさを感じてしまいました。
水生の教育係の鳴海。彼自身も抱えていた家族の問題。
現場で淡々と作業をする彼が抱えていたものが解ってくるラスト、苦しかったですが、集めていた遺品を手放す気持ちになれたこと、良かったです。
アフターブルーの東雲との新人同士の会話、ファンには嬉しいシーン。
前作と比べてしまうと、すこし小粒感がありましたが、言葉の選び方、心情の表現が巧い作家さんで、これがさらに楽しみです。
図書館関係者 841977
「アフターブルー」に登場するのと同じ会社で違う部署が舞台になった作品でした。特殊清掃や遺品整理がテーマだということで、読むのを躊躇する気持ちもありましたが、「アフターブルー」を書かれた著者の作品なら、自分が持っている「孤独死」のイメージとは違った角度から世界を見せてくれるのではないかと思い、本を開きました。もちろん、依頼を受けた部屋の遺体の痕跡や、惨状は文字を追うのが正直つらい部分もありましたが、亡くなった方が生前どのように生きて日々を過ごしていたのか、残されたものからくみ取ろうとする鳴海の様子や、そんな鳴海に疑問を持ちながらも、影響を受け、ただ収入を得るためだけ、決められたことをこなすだけだった水生の仕事への姿勢の変化も興味深く読みました。また、水生の背景にある家庭環境や、大家さんとの交流、普段は明るく楽観的な鳴海が抱えていたものなど、登場人物にも厚みが持たせられていて、読みごたえがありました。水生はもっといろいろな人に関わって、いろいろなことを感じてほしいと思いました。
レビュアー 1422226
『アフターブルー』で納棺師という仕事、特に事故などで生前の顔が激しく損傷された状態から復元する2課に所属する納棺師5人のそれぞれの思いを描かれていましたが、今回は事故死や孤独死をされた家に残った遺品整理を担当する【特殊遺品整理課】通称「特課」に所属する水生のお話。
20歳の水生は父親は何処にいるか分からず母親も家を出て気まぐれに帰ってくるような生活環境で、異父弟2人の世話をするヤングケアラー。
夢も希望もないような毎日に生きる目的意識もないのは当然でただただひたすら「特課」の仕事をしているが、同僚の先輩鳴海と仕事をしながらいろんな状況における遺品整理を担当する。
こんなにも剥き出しになった人の死と直面することが自分自身経験したことがないので、ページを捲るたびにつらい思いをしたけどこれは現実に何処かで起きていることであって、決して架空の話ではないことを実感する。
今回も知らずいたらよかったと思いながらもこれを知ったからこそ今の自分の生活が決して当たり前でなく恵まれた状況にあることを痛感する。
「特課」に所属してる他メンバーのことも知りたいのでスピンオフ作品を是非。
次作も楽しみにしてます。
レビュアー 750665
『アフターブルー』で小説現代長編新人賞を受賞されデビューした著者の第二作は、前作の納棺師に続き遺品整理を生業とする組織に属する複雑な家庭を支える青年のストーリー。前作同様、ジェットコースター的な盛り上がりはなく、淡々と時間が過ぎていく中でじわっと「人」として考えさせられる物語です。それにしてもこのタイトル。「海月の骨」とは、『枕草子』第98段の「中納言まいりたまひて」にて、定子の産んだ皇子の将来の即位を予祝する意のシャレと解されており、「長生きすれば見られるかもしれない奇蹟・幸運」の成句と解されているのですが、主人公にとっての予祝という意味合いなのだろうか?朝宮夕さん、次はどんな物語を書いてくれるのだろうか。
レビュアー 513020
特殊遺品整理課で働く水生。孤独な生の終着点に多く接しながら自分のこれまでを振り返り・・・。
ネグレクトの環境で生き抜いてきた主人公の目は色を喪い像を見つめながらも焦点を喪っているいるようで痛々しいが、さまざまな生の終着点と接し、亡くなった当人、家族、周囲の同僚の想いをに触れ徐々に色を取り戻していくようだ。取り戻す過程でも気づいていいなかった痛みを新たに感じることはあれども、それこそが生を取り返すことそのものであることをも証明しているかのよう。それは他者からには理解が得られないとしても、当人のとっての真摯な思いが込められたものに実際に触れる事での追体験を水を吸い込むかの如くのようでもある。
さらなる痛みを体験しながらも、死を見つめて生を体得していく逆説のような物語。
書店関係者 472079
孤独死で亡くなった人々の部屋を整理する二人の遺品整理士。
残された大量の遺品から、この世から飛び立っていった人々の人生が滲み出てくるようです。
しかし、そんな中で遺族たちの反応に思わず目を疑ってしまいました。
親族が亡くなったとは思えない反応に、とまどいが止まりません。
けれども、物語を読み進めるにつれ、その考えは少しずつ変わっていきました。
孤独死の現場に初めて赴き見た「外の視線」と、故人と月日を積み重ねてきた「中の視線」。
その二つの視点の重みは全く違うということに、痛切に気づかされたのです。
「ひとりで亡くなって可哀そう」
「なぜ、こんな状態になってしまったのだろう」
そうした気持ちが、いかに自分勝手であったのかという気持ちが心の奥底から湧き上がってきました。
また、それと同時に、分かり合えなくても、自分の想いを言葉で伝えていくことを諦めたくないという感情が芽生えました。
お互いを完璧に分かり合うことは難しい。
時に断絶し、離散してしまうかもしれない。
しかし、それでも相手に向き合い言葉を紡いでいく大切さが、静かに肌に沁みました。
私にとって本作は、呼吸ができなかった心身が息を吹き返していくような再生のヒューマン小説でした。
厳しい現実の中で、迷い悩みながら見つけた確かなこたえが、胸の中でやわらかに輝いています。
レビュアー 1923192
ゴミか思い出かは、その人にしか分からない。
思い出は、お金がたくさんあっても買えない。
学生の時に、見て見ぬふりをすることはイジメと一緒と何回も聞いたのに、親とでも誰とでも自ら線引きすることが上手くなっていた。
気付いていても声を掛けて、お節介を焼くことはしない。
そういう世界が、孤独死を招くという言葉に凄く傷付いた。
『ちょっと踏み込む』
気になったら、ん?と違和感を感じたら、ちょっと踏み込む。
大丈夫?と聞いても大丈夫としか答えないから、勘違いでも、自分なら言って欲しいことを聞いてみる。
今日から、一言でも声を掛けようと思った。
主人公の水生と先輩の鳴海、話中に出てくるみんなが外見から見えないものを抱えている。
それは誰でもそう。
みんな自分じゃないのに、想像力が足りない最近に嫌気がしていたけれど、自分も無意識に、その世界に加担しているのかもしれないと感じた。
特別遺品整理という話で、全く明るい話じゃないし、どちらかといえば、気が滅入るような話の数々だけど読み終えたら、じんわりと温かくなる話で読めて良かった。
書店関係者 571250
葬祭関係の会社に就職して半年の水生悠浬は生きるために仕事をしている、と言わんばかりに淡々と日々を過ごす。
父親が違う年の離れた2人の弟、血の繋がりはないけどなにかと悠浬たちを気にかけてくれる大家のおばあちゃん、そして、いつ帰ってくるのか分からない育児放棄まっただ中な母親。自分の環境が普通ではないことを承知しつつも守りたいもののために踏ん張る姿が切なくて、彼らの平穏を何度も願わずにはいられなかった。
仕事でゴミを片付け、遺品を整理するなかで少しずつ変化し感情のバリエーションが増える悠浬から目が離せなくて、片付ける過程で故人の生きてきた証を感じているであろう姿に静かに重なるように、おばあちゃんがP44で「みんな、なにかしら溜め込んでいるのよね」といっていた言葉がゆっくり沁みてきます。
人は脆くて強いから、どんなに傷つけられても、信じるにあたいする存在をまた見つけることが出来るんですね。
孤独死、家族との疎遠、親子関係。複雑に絡まる縦と横の糸のような繋がり。家族なのに、家族だから。終始重いテーマの中でも人間捨てたもんじゃないと思える温かい交流やちょっとの正しいお節介
49歳になった今なら「どうしたの?」「大丈夫?」の声かけができる気がする。将来自分が年齢を重ね、困り事ができた時、あの時のお節介ババアだったなと、誰かが私を気にかけてくれたらそれこそ素敵な物語の続きになりそう。
図書館関係者 603863
「アフター・ブルー」が良かったので、期待して読ませていただきました。
続編(というか別の部署を舞台にした物語)で、雰囲気や作品の作り方は共通しています。
いわゆる特殊清掃の現場は、単にゴミが多いというだけではなく、もっとずっとハードで生々しく、夏に読むのはキツいと思う人もありそうです。
無邪気に万人に薦められる作品とは言えないように感じます。
でも、誰かがそういう仕事をしてくれないと世の中が回らないという側面もあり、特殊清掃を依頼する人々の描写は現場の壮絶さよりも更に心を冷えさせるものだったりして、人間が生きていくってどういうことだろう?と考えさせられました。
ラストは主人公の成長や先輩との心のつながりが描かれて、少しだけホッとします。
難しい題材を意欲的にとりあげて提示してくれる作家さんだな、と尊敬の念を持ちました。
今後のご活躍にも期待します。
書店関係者 993596
今作も大切な一冊となった。読了して「捨てられないものが沢山ある」人は「捨てられた、あるいは残された」、「過去に大事なものを捨てる決断をした」経験があるのかもしれないと解釈した。世間ではゴミ屋敷と言われる家の遺品から汲み取るものがあることに驚きと発見があった。
『アフターブルー』と緩い繋がりはあるが、どちらから読んでもOKだった。また新しい仕事があることを知ることができて良かった。
P.82 「大丈夫」って言ったから、救われなかった。
P.102 世の中はからのひとまとまり
P.182 家には、生きていた人の人生が詰まってるって。 が特に心に残った。
ツライ場面も多いけど、それを上回る読書の楽しさが沢山あった。朝宮さんが次はどんな世界を見せてくれるのか今から楽しみだ!
レビュアー 483617
「自分の家が普通かどうかなんて他所を見ないとわからない」この言葉がこの小説全体を表しているように思う。主人公の青年は孤独死後の遺品整理という職に就き、家に帰ればふたりの弟と三人暮らし。母親はふらりと帰っては来てはがわずかばかりのお金を置いていなってしまう。読者から見れば全く普通ではないが、その環境しか知らない者にはよくわからない、気がつかない。職場の先輩たちや仕事を通じて世の中に順応し、いろいろ世話をやいてくれる大家のおばあちゃんから人の情を得て、人の在り方を知っていく物語と感じた。
書店関係者 681228
人一人一人の存在とは、人生とは、家族とは。とても重く、あまりにも重たくて、胸の中に残ったものが喉から出てきそうになるほどに重くて…けれど、それでもそれだけではない僅かな光もある。そういう小説でした。この胸の重たさを、痛みをどう表せば良いのでしょうか。読んでいる間、ずっとずっと自分自身の家族の笑顔を思い浮かべていました。何が何でもあの笑顔たちを守りたい。どうか、守らせてほしい。心底そう思いました。
「アフターブルー」をまだ読めていないので読みます。
教育関係者 468529
自分の一生がどんな形で終わるのか誰も、知らない。
私がまたは伴侶が孤独死しない保証もなく、また今後認知症にならないと断言もできない。
自分は生きている。自分が大切にしている身の回りのモノたち。
いつしかこの世とお別れが来た時にこれらは、生きた証つまり物言わぬ私の「命の痕跡」となるのだ。
それを考えると、少しぞっとする。
二人の遺品整理士は、生きた証を見届けながら部屋を片付ける。
主人公水生は、母親からのネグレクトを受け、弟たちと暮らしている。大家さんは彼らの庇護者。ところが・・・。
水生の先輩鳴海は、瓢々と作業を進めつつ感情を言葉にする。
生きた証を認めながら、その人の人生を肯定しながら、自分自身とも向き合っている鳴海。
その姿に水生も少しずつ感情を言葉にし、自分を肯定していけるようになる。
とはいえ、重い。いきなりハッピーエンドが迎えられるような現実はない。
が、しかし兄弟とともに青空を見上げている気持ちを得て、明日に向かおうという気持ちになる作品だった。
レビュアー 1469380
『アフターブルー』で決して綺麗とはいえない死を繊細に描いた朝宮夕さんが紡ぐ、「特殊遺品整理課」という納棺師とは近いようで遠い舞台。今回はその要素に孤独死という重いテーマと、誰もがやりたがらないであろう死の痕跡が残る部屋の掃除という特殊な仕事が丁寧に描かれています。お仕事小説でもあり、生死についてや人とわかりあえることの難しさを考えさせられる内容でした。
納棺師とは違いご遺体が運ばれた後の部屋の清掃が舞台なので、どういった人が亡くなったかは残された物を見て想像するしかない。
身内が遺品を整理するのとはわけが違い、発見されるのが遅かったため異臭や遺体の一部さえ残る部屋を掃除することは、普通のハウスクリーニングとは違い大変な苦痛を伴うと思います。
悲しいけれどそういった面でみると、感情を無にすることができる鳴海と水生は適任なのかもしれない。
他人の傷を想像することはできても、自分の傷には蓋をしているふたりは生育環境のせいでゴミに慣れてしまっていて、淡々と掃除をする様子が痛々しい。しかし故人に肩入れしすぎても、こういった清掃をするのは心身ともに疲弊してしまうのかもしれない。
それが悲しくもあり、そういった割り切れる感情をもてる人がいるから成り立つ仕事かもしれません。
故人を想い続ける人もいれば、故人を亡くしても心が痛まない人がいる。
様々な理由で孤独死してしまった故人の思いに触れるたび、世の中のきれいごとではない現実を突きつけられたようでした。
タイトルにはありえない物事のたとえという意味がありますが、それが指すのはふたりの生育環境なのか、誰にも見つけれ貰えず亡くなってしまった故人のことなのか。
悲しい意味かもしれないけれど、この物語を読んだあとは、ふたりにありえないほどの幸福が訪れるという意味だったらいいなと感じました。
どんなにつらくても今後も生き続けなければならない鳴海と水生。生きた証である「箱」に、これからは明るく楽しい未来が詰め込まれ、ふたりには幸福な未来が待っているようにと願うばかりです。
教育関係者 897563
重いテーマだけど、スルスル読めました。
遺品整理のお仕事があるのは知っていたけど、
その仕事内容については未知の世界だったので、読むことができたのは良かったです。
ここに出てくる家はどれもこれもありえないほどひどくて現実味がないけど、
実は結構あるのかもしれない、と思わせてくれます。
遺品にも生きてきた証があること、
故人に思いを馳せる登場人物たち。
読んで良かったと思います。アフターブルーは未読なので、こちらも読んでみようかと思いました。
ただ、かなり読んでてきつい描写もあるので、
人におすすめできるか、というと躊躇してしまいます。
書店関係者 1670311
前作の『アフターブルー』では、最後の別れが叶った遺族の想いと、それを叶える納棺師の想いに、心を奪われました。
本作も、敬遠されるであろう特殊清掃も請け負う遺品整理士と、遺族の想いに触れましたが、見えるものが違った気がします。
恐らく信念や誇りを持って従事する方がいる一方で、「生きられるのなら」「仕事なんてなんでもよかった」と過酷な仕事を受け入れている、受け入れざるをえない人物を描くことで、より心の深い部分と、社会問題が浮き彫りになったように思います。
遺族の想いも、孤独死という、不慮の事故とは違う意味で意識していなかった死に対する複雑さを感じました。
それを表しているのがモノ。
遺すのか捨てるのか…。なぜ遺したくないのか。
そしてモノは別のことも問いかけてくる。
ゴミなのか、何よりも大切なものなのか…。
そこに潜む人間の心理。
考えさせられることの多い、他人のことを知りたいと思わされる物語でした。
書店関係者 940038
孤独死、遺品整理、特殊清掃という題材や言葉から想像する以上に、本書は優しさに溢れています。
片づけられ、処分され、やがて何もなかったようになる部屋。その消えていく人生を想像していく水生と鳴海の姿は、死者を悼むだけではなく、彼ら自身の孤独や傷をも照らし出していきます。亡くなった人の人生を、「なかったこと」にしない。その想いに強く心を揺さぶられ、何度も涙がこぼれました。
そして、朝宮夕先生の作品に描かれる、どれほど切なく苦しい物語の先にも、最後には確かな希望の光が差し込むような読後感が大好きです。
涙で滲んだ視界の向こうに、美しい光が見える。そんな一冊です。
レビュアー 2092399
「彼らの死には、『大丈夫?』と声をかけてくれる人が、たった一人もいなかった」
特殊清掃と遺品整理という過酷な仕事を通じて出会った、心に傷を抱える二人の青年の物語である。
惨憺たる死の現場を単に記録・消費するにとどまらず、青年たちがそこで自らの人生を重ね合わせ、互いの心の隙間を埋めながら、長年ため込んできた悲しみを淡々と削ぎ落としていく過程が実に見事だ。
見捨てない隣人や、時には首を突っ込みすぎるほど「最近どう? 大丈夫?」と気遣う同僚たちが交わす何気ない挨拶。それらが織りなす光景を通じて、孤立した誰かに「差し伸べられた手」がいかに価値あるものなのかを、深い余韻とともに突きつける。
凄惨な現実の先にある「人と人とのつながり」の尊さを描き切った、紛れもない至高のヒューマンドラマである。
レビュアー 2049408
朝宮夕さん、デビュー作の「アフターブルー」でとんでもない作家さんが誕生したと驚きました。
そんな朝宮さんの新作、あっという間にその世界に引き込まれて読了でした。
前作と繋がる部分もありながらもまた違う視線から「死」について
深く考えさせられるようなお話でした。
「特殊遺品整理課」なんて聞いたこともなければ想像もしたことのないような、
でもそんな人たちがいるからこそ、救われている人もいる。
それは遺族でもあり、そこで働く自分たちでもある。
もし自分が孤独死をしたら、残された家族はその「生きた証」を受け取ってくれるのだろうか。
もし家族が孤独死をしたら、自分はその「生きた証」を受け取れるのだろうか。
どこまで持っていられるのだろう。いつまで抱えていられるのだろう。
考え出すとキリがない。
それを当事者じゃなくて、第三者が抱える必要はあるのか。
どこまでも思考の海に沈んでしまいそうになります。
この気持ちも、誰かに少しだけ託せるといいですね。
レビュアー 862530
アフターブルーの続編。
アフターブルーは損傷の激しいご遺体の復元処置を行う納棺師の話でしたが、海月の骨はゴミ屋敷や孤独死など特殊な現場を清掃して遺品を処分する遺品整理士の話です。
遺品整理は“人生に触れられる仕事”というような言葉が出てくるのですが、とても印象的でした。
前作に出てきた新人の東雲くんも少しだけ登場して、懐かしい気持ちになりました。
レビュアー 1821913
🧹 誰にも看取られず逝った、その人の「生きた証」に触れる物語 📖
圧倒的なリアリティで描かれる特殊清掃と遺品整理の現場。決して綺麗事ばかりではなく、思わず目を背けたくなるほど生々しい描写に胸が締め付けられます。
今作で扱われるのは、「ゴミ屋敷」「シングルマザー」「親ガチャ」「孤独死」といった、現代社会の重いテーマ。決して他人事ではないリアルな苦悩が突き刺さります。
前作『アフターブルー』(朝宮先生の衝撃的デビュー作!)未読でも十分に楽しめますが、既読者ならニヤリとできる繋がりや別部署の視点が描かれており、ファン必読の一冊!✨
「遺品整理は、人生に触れられる仕事」——その重みと温かさに、ページをめくる手が止まらず今回も一気読みでした📖💫
書店関係者 1480369
前作『アフターブルー』では、遺された人たちが前を向けるよう、損傷の激しい遺体を修復し最後の別れができるようにと奮闘する人たちが描かれていた。今作では亡くなった人の部屋を片付ける「特殊遺品整理課」が舞台となっている。
孤独死した人の部屋には、その人が最後に見た景色、大切にしていたもの、日々の暮らしの面影が残っている。人は誰しもいつか必ず訪れる死に向かって生きているんだということを改めて感じさせられた。まだ若い主人公の水生は、家に寄り付かない母に代わって2人の弟たちを養いながら亡くなった人の部屋を片付ける。弟たちとや支えてくれる大家さんの他愛もない会話には温かい日常がにじみ出ていて、その分、ゴミや悪臭や孤独感に溢れた現場に胸が痛む。
家族との絆や、自分は何のために今を生き、明日を迎えようとするのかを考えさせられた。今自分がいなくなったら、私の部屋は何を物語るだろう。
レビュアー 746064
特殊清掃員(遺品整理士)の仕事内容を知り、こんな大変な仕事があることを知りました。その新人の主人公が先輩たちと業務をこなしていく中で自身の家族環境と重ね合わせながら変化していく心模様が深く考えさせられました。誰とも接しずに亡くなる孤独死のケースがつらい。特に家族四人が一軒家に住んでいて2階の主人たる男性が孤独死は現代社会の複雑さを象徴している。家族とは?孤独死のひとの人生を現場から感じ取ることが出来る仕事。もっと知られてほしい。孤独死が増えない社会を願う。
図書館関係者 601014
特殊清掃についての小説は初めてではなかったので、
仕事についての表現はどこか既視感を覚えつつも、
主人公はじめ、(それこそ特殊な)その仕事に、
何故ついているのか、続けているのか、
というところにこの物語の肝があるように思った。
自分の家が「普通じゃない」ことに気付くころには、
「普通じゃない」とはじかれる、ということに気付いているから、
そこからがさらに苦しいのが続いていくのだけれど、
「おばあちゃん」の存在とか、そんな救いがどこかにあると、
自分も気付けるようでありたいと思います。
レビュアー 1446986
「アフターブルー」の著者の新作で、今度は遺品整理ってどんだけ死にまつわる話書くんやって思ったら同じ会社か、シリーズなんかな。鳴海は前作にも出てたのか、全く覚えてない。ただ死にまつわる話ではなく遺品整理業だからまあ当然しんどい話だけど、主人公や他の人も中々しんどく…現実にこうした境遇に近い人はいるんだろうけど。貧困、ネグレクト、独居老人、孤独死、しんどいけど現実の話で、救われる部分もあるけど全て解決するわけでもない、やっぱり現実のシビアな話。
メディア/ジャーナリスト 2102938
心に傷を抱える遺品整理士たちが、部屋を片づけながら、人知れず亡くなった人たちの「生きた証」や人生の痕跡を見届けていくヒューマンドラマ。小説現代長編新人賞受賞作『アフターブルー』で注目の新鋭、待望の第二作。特殊遺品整理課という珍しい職業にスポットライトが当たっており、遺品整理の仕事を通して心に傷を抱える主人公が成長していく姿に感動した。
図書館関係者 831903
あまりに生々しい表現に、
何度も本を閉じそうになった。
けれど、著者の前作”アフターブルー”と同様に、
途中で本を閉じることはできなかった。
なぜだろう。
それは、
目を背けたくなるような描写とともに、
いや、それ以上に、
人々の心情やその一生懸命な日々が、
そこで本を閉じてお終いにしてしまえないほど、
鮮やかに描かれているからだ。
一人でも多くの人に読んでもらいたい1冊。
レビュアー 1111935
異臭を放つ孤独死の現場を清掃し、遺された物を処分する「特殊遺品整理課」
遺された物から、その人の人生を垣間見る。
これも壮絶で生々しい場面も多くてリアルで、つらい場面もあったり。
働く人たちの人生も、いろいろあって考えさせられました。
読んでよかった❗✨