母校
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刊行日 2026/08/31 | 掲載終了日 2026/09/02
ハッシュタグ:#母校 #NetGalleyJP
内容紹介
水面下で何かが進行している。この学校、なんか変。
「名もなきモヤモヤ」を見える化する異色作家、今度の舞台は社会の縮図「学校」。
「教師も生徒も保護者も、自分がどういう状況に置かれているのか、わかっていないと思いますね」
「要求をのまなければ生徒に危害を加える」
発端は、市内にあるすべての高校に届いた脅迫状だった。警察は捜査に乗り出すが、一校だけ脅迫状が届いていない高校があった。
なぜその高校だけ届かなかったのか?
刑事が探るうち、その高校で行われている不気味な「教育」が明らかになっていく。
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著者/佐野広実(さの・ひろみ)
1961年横浜生まれ。1999年「島村匠」名義で第6回松本清張賞を受賞。2020年『わたしが消える』で第66回江戸川乱歩賞を受賞。受賞第一作の『誰かがこの町で』と、続く『シャドウワーク』は連続ドラマ化、映画化され話題になった。他の著書に『氾濫の家』『サブ・ウェイ』など。
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おすすめコメント
≪担当編集者コメント≫
突然ですが、皆さんは「学校」好きでしたか?
キラキラの学校生活を送られた方も、「思い出したくもない」という方も、きっといらっしゃると思います。
学校という場はある意味「閉鎖空間」。
その中で、誰かの意図によるねじ曲がった教育が行われていたとしたら。
神奈川県のある県立高校で次々に起こる異常な事態。
外からは見えなかったそれらの内実が、1通の脅迫状で徐々に明るみに。
「嘘でしょ、いくらなんでも学校でそんなことが」
そう言いたくなりますが、著者の佐野広実さんは、なんと元高校教師なのです。怖い‥‥!
『誰かがこの町で』『シャドウワーク』と昨年から映像化が相次ぐ注目作家の「不穏シリーズ」最新作です!
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065441848 |
| 本体価格 | ¥2,400 (JPY) |
| ページ数 | 509 |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
レビュアー 897572
「誰かがこの町で」がとても印象に残っていたので、本作も楽しみに読ませていただきました。
舞台は誰もが身近に感じる「学校」。閉ざされた空間だからこそ生まれる不穏な空気が終始漂い、ページをめくる手が止まりませんでした。
もし本当にこんなことが学校で起きていたら…と思うと恐ろしく、じわじわと追い詰められるような緊張感があります。特に子どもたちが巻き込まれていく展開には胸が痛み、最後まで目が離せませんでした!
静かに不安を積み重ねていくようなサスペンスを堪能できる一冊でした。
図書館関係者 1038994
元高校教師が書くとリアル。キラキラした高校の話ではなく、モヤモヤしたどす黒い高校の話。
はっきりと命令されたわけではないのに、忖度して悪事を重ねていく仲間たち。ページをめくる度に、どこまでも追いかけられる恐怖を味わう。
張本人は人間の皮を被った悪魔のように、冷淡冷血なイメージ。ラストもなぜ?が残る。
卑劣な組織はやっぱり変わらないと諦めさえ感じる。
レビュアー 781279
『誰かがこの町で』があまりにも不穏で後味の悪さが忘れられない。
今作の舞台は、高校。
市内のすべての高校に脅迫状が届いたが、一校だけ脅迫状が届かなかったという。
その高校が母校である刑事が高校を訪れ、違和感を覚えるがはっきりしないなにがおかしいのか最初は思いが至らない。
その高校でいったい何が起きているのか?違和感の正体はなにか?
どんどん深みにはまっていくのに、真実が知りたくて500ページ以上あるのに一気読みしてしまった。
母校には私自身深い思い入れはない。ただ勉強と部活のために行っていただけだ。もちろん校長の名前も覚えていない。
しかし体育会系の部活であったため、顧問の言うことが絶対だった。
今なら許されないことも多々あった。でも当時はその異常さに気づくこともなかった。
教育という名前を使えば、はじめは違和感を感じたとしても受け入れてしまう。それが学校なのかもしれない。
一通の脅迫状から少しずつ密室の内部が見えてくる。
さすが「不穏シリーズ」というだけあって、ああ⋯⋯という言葉にできない思いが残った。この言葉にできない違和感がクセになり、この不穏さを求めてしまうのだろう。
メディア/ジャーナリスト 448563
母校は戦場だ。
何かの映画の惹句のようだが、この本を読んでそんな感想を持った。
デスゲームの古典「バトル・ロワイヤル」では、生徒たちは生き残りをかけて戦った。
この本でも、生徒たちは戦う。まあ陰謀論と言われればそうだが、もしかするとこんな未来が来てもおかしくはないというリアリティはある。
学校は聖域ではない。そこには欲望も、憎しみも、そして殺意もある。
そんな小説だ。
息が詰まる。憤る。学校という舞台で渦巻く登場人物達。腐ったみかんは連鎖する。
落丁箇所 186ページ10行目
そうでしたか。ヒトラーはもういないでしょうねくだりの2行前。すみません。ページの手控えを忘れました。
読み応え充分!売れますように!
レビュアー 750665
江戸川乱歩賞作家の佐野広実さんの新刊は、歪んだ教育現場で起こっていた信じられない度重なる謎に満ちた生徒などの死を題材とした長編です。ネタバレになるので詳細は書けませんが、カリスマ校長に振り回される教師、事務長、そして生徒等…。そして謎を追いかけるその高校の卒業生でもある刑事。本当の悪は誰なのか?裏切られた者、信じられない者、信じたい者…様々な思いが複雑に交錯する物語です。
レビュアー 946550
とある高校を舞台に、驚くべき展開、そして息苦しくも引き込まれるサスペンス。ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。
過去に事故とされた出来事の不審な影や、突然届いた一通の手紙から崩れていく偽りの平穏。パズルのピースが組み合わさるような謎解きの緊迫感にどきどきしました。
かといって、救いのない内容かというとそうではなく。日常の描写がしっかりと描かれていて、それが読み手の救い、優しさになっています。
テレビドラマになると、これは相当に面白くなりそうです。なんとかプッシュしたいですね!
レビュアー 513020
新しい校長が赴任し3年が経ち、校内の雰囲気が大きく変わった県立長澤高校。そこに一通の脅迫状が・・・。
教え導き諭す場でありながら、社会の縮図でもある「学校」の負の側面が赤裸々に綴られる。いじめ、差別、、排除、トップによる思想統一、秘密主義と、どこかの企業や、小さな地方自治体の内部を見せられているようだ。特に「自由な発想」の美名に隠された「誘導、支配」は不気味で虫唾が奔ってしまう。またそれを暴いていくのが、被害側は勿論、「治安維持」の力の為にはある程度の「意思統一、集団力」が必要に捉えられている権力側でもある「警察」であることがとても皮肉に思えてしまう。
さらには脅迫状が届きながらも要求内容が明かされていないまま推移し、異常な緊張感を孕んでいくようだ。
母校への懐古、哀愁といった感情からかけ離れたような気さえしてしまう学校教育への問題提起を孕んだ作品。
レビュアー 1923192
『母校』という言葉は、大体、その時代に良い思い出がある人が使う言葉だと思っている。
私は、大学以外の学校生活に良い思い出を思い出せない人間だから、母校という言葉を使ったことがあったかなとタイトルを見た時に、ふと考えた。
佐野さんの作品は、『誰かがこの町で』『氾濫の家』と、人間誰しも抱えている後ろ暗さが、表面に出てしまった人間を描いた作品を描くのが上手な方だと感じていて、好きで楽しみにしていた。
私は凄く好きな作品だった。
受け取る言葉の表裏に何の疑問を持たず、言われた通りに動くことは楽なのかもしれないけれど、何も考えずに動くことの怖さに気付かない集団を外から見た時の怖さが素晴らしかった。
学校を出たら社会。
感じる・考えることをしなくなったら、搾取されるばかり。
ただ暗いだけではなく、その中でも繋がりが上手く描かれていて、気分良く読み終えた。
外から見たら立派な作りの進学校、中から見たら牢獄のような学校の装丁も、素敵。
レビュアー 2122700
今回の舞台となる高校は、あまりにも残酷な「社会の縮図」のようだった。
「学校や教師は、生徒を守り導いてくれるもの」。そんな先入観があるからこそ、どこかおかしいと感じても、気づけばどんどん深みにはまっていく。
一見もっともらしいことを言っているようで、その実、自分の思い通りにしようとしている。その姿がじわじわと不気味で、恐ろしく感じられた。
もちろん、ほとんどの学校や教師は素晴らしい存在だと思う。それでも、「もしかしたら、こんな学校もあるのではないか」と思わされるほどのリアルさがある。作者自身が元教師だということも、そのリアリティをさらに強めているように感じた。
決してハッピーエンドではない。それどころか、どこかすっきりしないラストまで含めて、最後まで漂う嫌な空気が抜群に面白い。
読後までじわりと不穏さが残る一冊だった。