さまよえる永遠
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刊行日 2026/10/22 | 掲載終了日 2026/10/28
ハッシュタグ:#さまよえる永遠 #NetGalleyJP
出版情報
| 発行形態 | ハードカバー |
| ISBN | 9784488025700 |
| 本体価格 | ¥0 (JPY) |
閲覧オプション
NetGalley会員レビュー
図書館関係者 1694122
設定がとんでもない世界で最初大変戸惑いました。が、そこさえ超えることができたら面白い新感覚ミステリーを味わうことができます。冒頭部で出てくる、とんでもない方向になってしまっている頭や身体をもとに戻すというくだりが、最初読んだ時は「げげっ嫌なもの読んでしまった!」でしたが、再読では笑ってしまうほど。普段読まないタイプの本でしたので、こちらで出会えてよかったです。これ、読み進めるうちにやみつきになりますね。
書店関係者 2183554
事件の謎解きとともに生きること死ぬことへの問いを投げかけられ、ミステリとしての完成度だけでなく文学的味わいがあり深い余韻が残ります。
不死の世界だからこその事件に、それを理解させる心情とロジックは衝撃に胸を突かれ、心を震わせます。
書店関係者 940038
不死は究極の幸福や救いのように思えるのに、そうではない。その逆説に夢中にさせられます。
壮大な世界観と精緻な謎解き、そして「生きる」という根源的な問い。不死だからこその苦悩や葛藤が描かれているところにも強く惹き込まれます。
不死者が当たり前に存在する世界だからこそ成立する謎の数々にも唸らされ、巧みに張り巡らされた謎が鮮やかにつながっていく展開には脱帽。シオンの心の叫び、喪失、希望は、不死者のいない私たちにもまっすぐ響きます。
書店関係者 1816442
「不死」が当たり前に存在する世界で起こるミステリーって、もう設定だけでめちゃくちゃ惹かれました!!
主人公のシオン自身も不死で、さまざまな国を旅しながら不可思議な事件に出会っていくのですが、とにかく世界観がすごいです!
ゴーストと人間が一緒に暮らす国や、骸骨兵が守っている砂の国など、それぞれの土地にまったく違う文化やルールがあって、「次はどんな国なの!?」とワクワクしながら読み進めました。
そして何より面白いのが、「不死」という設定がただのファンタジー要素ではなく、ミステリーの謎そのものに深く関わっているところ!
普通の世界なら成立しないような事件も、不死の人間が存在することで可能になってしまう。
その特殊な条件を使った謎や逆説に「なるほど、そういうこと!?」と何度も驚かされました!
ファンタジーとして壮大な世界を冒険する楽しさがありながら、しっかり頭を使うミステリーでもあるのが最高です。
そして「死なない」という、一見すると夢のような力について考えさせられるところも印象的でした。
不死だからこそ生まれる謎や苦しみがあって、設定を知れば知るほど世界の奥深さに引き込まれていきます。
独特な世界観も、特殊設定を生かした謎解きも大好き!
シオンと一緒に不思議な新大陸を旅しているような気分になれる、ファンタジーとミステリーの美味しいところがぎゅっと詰まった一冊でした!!
書店関係者 681228
ラスト一行のあまりの重さと気高さに、私はずっと心が震えっぱなしです。不死者になってしまった…だけで済む話ではないのは誰もが分かっていることですが、こんなにも生々しい苦しみを描かれるとは想像していなかった自分の甘さに苦く笑いました。シオンの味わった絶望や諦めがあまりにも苦しく、彼女の両親側の気持ちも想像して目眩がしそうでした。可愛く愛おしい娘が背負ってしまったものの重さ…。
けれどこの小説の深さはそこだけではなく、ミステリーとしての面白さもあるところです。シオンの謎解きにドキドキしていました。この小説の深さは10代の少年少女にも是非味わってほしい!
教育関係者 645139
《死なない身体を得たとき、心まで生き続けられるのだろうか》
死なない人の在り方を、ここまで掘り下げた特殊設定ミステリがあったろうか。
主人公のシオンは、死んでも生き返る「不死者」。
見た目は若い女性だが、歳をとることさえなく、差別を恐れて孤独に存在し続ける。
そして、他にも様々な不死や半不死の存在がいる。
そんな世界で、どのようなミステリが起きるのだろうか。
興味津々で読み始めた。
⸻
『第1章 ゴーストはお菓子箱の中で踊る』
死んで魂がエーテル体になったのが、「ゴースト」。
人間の従者「サーヴァント」を従えた独自の社会構造を形成し、それは一般にも認められている。
シオンが目にする、カーディナルホテルでのゴーストやサーヴァントたちの暮らし。それを興味深く読み進めていく。
そして、「ゴースト」と「人間」が共に生きるために構築された社会構造に圧倒された。
そこでゴーストのトップ、カーディナルから殺人事件の解決を依頼されるシオン。
その解決の糸口が、ゴーストと人間との共通点と差異がもたらす微妙な関係にあったとは。
まさに唸らされた。
そして、不死においては、どうやって心を生かし続けるのかを考えていた。
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『第2話 骸骨兵は砂漠の国で笑う』
ランカル王の復活を千年待ち続けている存在。
それが半不死の骸骨兵たち。
その気さくで陽気なやり取り、ツッコミの様子に思わず笑ってしまった。
「骨折り損でも叶えよう。骨だけに」
だなんて。
そして、彼らの存在を危うくする事態に、シオンは自ら立ち上がる。
でも、解決してよかったのだろうか?
そう思いながら、不死において、いかに意志を保ち続けるのかを考えていた。
⸻
『第3話 胡蝶は夢の外で羽ばたく』
モルフォウ教団は、宗教というよりも、不老不死を目指すための研究機関に近い団体。
その信者ノゾミの体に聖痕が現れ、不死者になる過程にあることがわかる。
子どもの頃からずっと孤独だったシオンにとって、それが願ってもない喜びだったのは間違いない。
それも、知り合いならばなおさら。
しかし、ノゾミは不死者になる直前に殺される。
モルフォウ教団の施設内で。
シオンが見出した真実は、不死者と人の狭間に揺れる思いと、それゆえの固い決意だったとは。
不死者は生き続ける。
でも、その心はどうなのか。
第1話を思い返しながら考えていた。
そしてシオンも、やはり考えていたのか。
⸻
『第4話 不死者は旅路の先で』
不死者は不死なのに、いつの間にか姿を消していく。
その先にあるのが、最後にたどり着く町エルピス。
死ぬことができるという「楽園」から追放された不死者。
「死なないのだから」と盾にされ、裁判では犯人が無罪とされる。
家族も知り合いも先立ち、歳をとらないから一箇所に留まれない。
地球が滅んでも存在していくだろう。
でも、心は摩耗していく。
体は決して変わらないが、心は変わっていくのだから。
そこでやっと気づいた。
ゴーストのトップ、カーディナルが、なぜあの命題をシオンに示したのか。
不死者しかいないエルピスで過去から起き続けている、不死者身体盗難事件。
それについて、シオンがたどり着いた真実。
それは「犯罪」なのか、「救い」なのか。
その問いは、イモータルな不死者だけに向けられたものではない。
モータルな私たちにとっても、心について問いかけてくるものだった。
「死に至る病」ではなく、
「絶望に至る病」について。
類を見ない特殊な設定のミステリ。
その連作短編が、シオンの旅路が、これほどまでに深い思索へ至るとは。
しばらくは考えに浸り、そこから滲み出てくる様々な思いを味わってみよう。