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誤訳するこの世界で僕は 表紙

誤訳するこの世界で僕は

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刊行日 2026/09/29 | 掲載終了日 2026/09/24


ハッシュタグ:#誤訳するこの世界で僕は #NetGalleyJP


内容紹介

「誤訳」するのは「この世界」か「僕」か。タイトルからすでに、あいまいさ(=誤訳の余地)は始まっている。読み違えることで(そして時にわかり合うことで)物語は生まれ、世界は広がる。人生は不完全な(だからこそしばしば面白い)伝達ゲームであることを示してくれる本。

――柴田元幸

♢

英国の海辺の町に留学した僕。
間借り先の人情味あふれる大家さんには秘められた過去があるようだ。
変わりゆく社会を背景に個性豊かな人々との日々を描く、
あたたかくて少し苦くてさわやかな青春小説。


------------------------------------------
著者/ブレイディみかこ(ぶれいでぃ・みかこ)
ライター、作家。1965年福岡県生まれ。高校卒業後、音楽好きが高じてアルバイトと渡英を繰り返し、1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年『子どもたちの階級闘争』(みすず書房)で第16回新潮ドキュメント賞、2019年『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮文庫)で第73回毎日出版文化賞特別賞、第2回Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞などを受賞。他に『他者の靴を履く』(文春文庫)、『ブロークン・ブリテンに聞け』(講談社文庫)、『両手にトカレフ』(ポプラ文庫)、『リスペクト』(筑摩書房)、『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『それはどこでも起こり得る』(文藝春秋)など著書多数。

「誤訳」するのは「この世界」か「僕」か。タイトルからすでに、あいまいさ(=誤訳の余地)は始まっている。読み違えることで(そして時にわかり合うことで)物語は生まれ、世界は広がる。人生は不完全な(だからこそしばしば面白い)伝達ゲームであることを示してくれる本。

――柴田元幸

♢

英国の海辺の町に留学した僕。
間借り先の人情味あふれる大家さんには秘められた過去があるようだ。
変わりゆく社会を背景に個...


出版社からの備考・コメント

★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
 空白ページは削除して公開しております。<br>
<b>発売前の大切なゲラをご提供させていただいております。弊社では、下記のような方からのリクエストをお待ちしております。</b>
○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビューを書いてくださる方
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★校了前の仮データを元に作成しています。刊行時には内容が若干異なる場合がありますがご了承ください。
 空白ページは削除して公開しております。<br>
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○発売に向けて、一緒に作品と著者を応援していただける方
○NetGalleyへレビュ...


おすすめコメント

≪担当編集者コメント≫
社会の現実を鋭く見つめながら、ぬくもりあるユーモアを交えた時評やエッセイ、小説など幅広い執筆活動を続けてきたブレイディみかこさん。最新作となる本書は、ブレイディさんが暮らすブライトンを舞台に、語学留学した「僕」の成長を描く青春小説です。
「誤訳」とは人との関わりの中でも日々起きること。いまこの時代に「人とつきあうということ」をやさしくとらえなおす傑作です。


≪担当編集者コメント≫
社会の現実を鋭く見つめながら、ぬくもりあるユーモアを交えた時評やエッセイ、小説など幅広い執筆活動を続けてきたブレイディみかこさん。最新作となる本書は、ブレイディさんが暮らすブライトンを舞台に、語学留学した「僕」の成長を描く青春小説です。
「誤訳」とは人との関わりの中でも日々起きること。いまこの時代に「人とつきあうということ」をやさしくとらえなおす傑作です。



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著者・担当編集者ともに楽しみにお待ちしております。
また、適したメディアやお持ちのSNSにもレビューを投稿いただき、多くの方に本を拡げていただけますと幸いです。
※発売前作品のため、ネタバレになるレビューはくれぐれもお控えくださいませ※

ご協力の程、何卒宜しくお願いいたします。

★★★

作品の拡材や指定配本をご希望の書店様は
恐れ入りますが<講談社 書籍営業部>まで直接お問合せをお願いいたします。


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恐れ入りますが&...


出版情報

ISBN 9784065448038
本体価格 ¥0 (JPY)
ページ数 249

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ブレイディさんが暮らしているイギリスのブライトンが舞台なだけあって、登場人物の息遣いまで聞こえてきそうなほどリアルに感じました。
内容にはとても惹かれ、おもしろく読ませていただいたのですが僭越ながら一点だけ。日本からイギリスに語学留学し、流ちょうに英語を話す主人公であれば、敬体より常体のほうがしっくり来ると思いました。

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コロナ禍を経て英国へ留学した学生の僕
一括りにできないヨーロッパの多様性
そうきたか!異国留学記の各章のオチ
だがしかし、本書が私を落としたのは、
本を閉じても、昼夜を経ても、妙齢の男性とすれ違うたびに、
こんな感じの方だったかしらと引き摺る、大家さん、彼方です。
肉をローストする大家さん
驚くほど絵がうまい大家さん
いつも何でもきれいに食べる大家さん
血液検査で引っかかった大家さん 
「人間ってのはなあ」と語る大家さん
彼方の「ふつう」ではじまるお話は道に迷いそうになったとき、
指標とさせていただきます。
大家さん、私にも言ってくれますか。
「今日この日を掴み取れ」って。
忘れらない人たちばかりだった。
夢のようなテレビのドキュメンタリーを観るような
旅先で偶然で居合わせたショートフィルム映画祭で
上映後直ぐに立ち上がれなくなるような
生まれた地域を離れる事なく生きているわたしには
異国の空気を纏う読書時間だった。
「コイのキケツヨー」ですって。誤訳で結構。
いいじゃないの幸せならば。

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「あたたかくて少し苦くてさわやかな青春小説。」紹介文のこの言葉と、著者がブレイディみかこさんであることが決め手で、この小説を読んでみた。
ずっと読んでいたいなと思うくらい面白くて、でもそこは著者の小説だから、英国ブライトンに住む人たちの様子や、考え方や、イギリス英語の言い回し、または社会状況について、いろいろと考えながら読める小説で、単なる留学生の話にならないところが、いい。
“僕”はコロナ禍に日本で大学生になり、考えていたような大学生活を送れず、それを取り戻すかのように英国に留学したけれど、そこで関わる人たちは皆、ユニークで個性的で、ちょっと偏っているような考え方の人たちのことも、それはそれとして尊重する関わり方をしていた。それについては、「いいな」と思う。いい距離感の“僕”と大家さんの関係性も良い。そして、意外に、白黒つけるようなことはあまりなくて、曖昧なままにおいておくものも多かったりする。
登場人物たちのこの後が、とても気になる。主人公の“僕”もそうだが、大家さんも、ジジも、この後“僕”との関わりは、いったい???あと、アキコさんも。
この小説は、ただ、ここで終わりなんだろうなと思うけど、小説の外でいいから、彼らの人生が良い方に続いていて欲しいと思ってしまった。

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心地よいカルチャーショックの連続!

主人公はコロナ禍で青春が損なわれた青年です。

変化を求め英国に移り住んだ彼が
刺激に満ちた人々との交流に邁進する中で
分かり合うことの難しさを知り
それを乗り越えた先にある喜びに
目覚めていくストーリーです。

日本では塞ぎこんでいた青年が
海を越え伸び伸びとしてゆくさまに吸い寄せられるぅ!

考えなしだったり考えすぎたりする彼の
数々の失敗にはこちらまで赤面しそうでしたよ。

そんな彼をほどよい距離感で
見守る大家さんの器の大きいこと!

お茶目で、公平で、前向きで、さらに面倒見がいい。
もう、惹かれすぎて人間の鑑だとすら思いました!

名ゼリフも多いんです。

文字にした言葉と語る言葉の決定的な違いは
しっかりと胸に刻みましたよ。

日本人から見るととびっきりの変わり者も
アチラではそう珍しくないんですね。

特に陰謀論に染まる人々の生き様が
リアルすぎてググッと引き込まれました。

まさかまさかの展開が来るんだもんな~。

作品のタイトルが告げているように
誤った言葉や態度の波紋に
クローズアップする側面がありますが、
そこからのリカバリーも見どころ。

失敗からどう学び、どう活かすか?

読者の血肉にもなる
味わい深いエピソードたちを
美味しくいただいちゃいません?

ストーリーを楽しみながら
国際感覚まで養えるお得な一冊ですよ~。

(対象年齢は13歳以上かな?)

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我々はどうしたって日本人側で読んでしまうので、国の違い、考え方の違い、自身の希薄さにドキドキしながら「僕」と共に面白い経験も苦い経験も様々に味わえてしまうのがこの本です。英国留学先のブライトンで大家さんはじめ多種多様な人々に出会い、時に面白く、時に苦い思いを沢山経験する「僕」。コロナ渦が10代の青春時代だった彼が大きく成長したかというと、それは彼にしか分からない。私からしたら難しい英語の試験をクリアする英語力を身につけただけでも絶賛なのだけれど。それでもきっと、彼は渡英する前にくらべたら人間としての厚みが増したのではないだろうか。唐突な別れも出会いも再会もあるなか、大家さんのような懐の深い先人に出会えたことはきっと彼の人生においても大きなことだったのでしょうね。

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大学進学と同時にコロナ禍に遭い、失ったものを取り戻すようにイギリスブライトンに留学した主人公。
大家さんの敷地の別棟に間借りをします。
大家さんは彼を「サン」と呼び、若いのにどこか初老感が漂う主人公と、昔はヤンチャしてたろう大家さんのフラットな関係のお喋りがとても面白い。
2人の間にあるのは世代間のギャップかと思っていたが、実はスマホ登場前と以後の違いで、人と直接話す、一緒に過ごすことの必要性の減少なのかもしれない。
主人公はブライトンでここに来なければ決して知ることのなかった気づきを体験していきます。
彼の長いアイドリングが終わって走り出すのを、心から応援したくなりました。

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ブレイディみかこさんの最新作、すごく良かった…!!『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ほか、数々の傑作エッセイを彷彿とさせる読み味なので、ブレイディみかこさんの小説を読んだ事のない方にもぜひおすすめしたい1冊。とりわけ、表紙にも描かれている「僕」と大家さんのやり取りが温かさとおかしみと味わいに満ちていて、たまらない。「僕」の留学先であるブライトンで暮らし、地べたで生きるという事について考え、発信し続けてきたブレイディみかこさんにしか描けない、今こそ読まれるべき小説だ。

私たちには、他者が発した言葉をそのままの意味で受け取る事は、きっとできない。受け取っているつもりでも、実はほんの少しズレていて、それでもその違いに気付かなかったり、あえて取り沙汰するほどの違いでもなかったりして、ちゃんと伝わったもの、分かり合えたものとしてコミュニケーションは続いていく。けれど、ふいに躓きが訪れる時がある。「そんなつもりじゃなかったのに」、「そんなふうに思っていたなんて」。誤って解釈したり、知識や理解が足らなかったりして、言葉のキャッチボールに失敗する。大暴投をする時もあれば、野球ボールのつもりで投げていたのがラグビーボールの時もある。そうやって、誰かと分かりあうことの難しさに気づかされる。言語や文化が違えば、なおさらだ。

日本語を母語とし、日本で生まれ育った「僕」が留学先のブライトンで出会うのは、異なる言語と文化、ルーツを持ち、一人一人違う経験をしてきた、年齢も性別も多様な人々だ。誰かと関わる中で、相手の言葉や振る舞いを「誤訳」してしまう事は痛みを伴うし、避けがたいものだ。けれど、それを恐れていては、私たちは一向に分かりあえないし、関わりあう事さえ叶わない。異なるものを遠ざけるのではなく、勇気をもって関わってこそ得られる喜びがある事を、この物語は教えてくれる。「誤訳」をして悩んだり傷付いたりしながらも、新たな言葉を、そして誰かの事を、知ろう、理解しようとする「僕」に、心からのエールを送りたい。

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イギリスのブライトンに留学した僕は大家さんの敷地内にある別当に住んでいます。
大家さんは日本が好きで、僕のことを「サン」と呼び、大家さんの住む母屋で紅茶を飲みながら色んな話をしたり、映画を観たりしながら交流を深めていきます。

思い描いていた大学時代をコロナ禍で過ごせなかった僕。
その欠けた時間を取り戻すかのように留学先で、色んな人と顔を合わせ話をします。
「誤訳」は英語と日本語の違いだけでなく、英語では違う意味があることを知らず僕は使ってしまいます。でも顔を合わせて話せるときは訂正もできるでしょう。だけどもう会えない相手だったらどうしますか?
スマホで簡単にメッセージが送れますが、やっぱり顔を見て話したほうがスムーズに話が進むのになと思ってしまいます。

最近日本でも「ご遠慮ください」という言葉が通じないという話も聞きます。それも「誤訳」なのでしょうね。
どんな国に生きて、どんな言葉を使っていても、別の意味として伝わってしまう言葉があるからこそ、誤訳は身近にあるんだと思います。

陰謀論についてリアルに書かれていてぞくっとしました。広義の意味では陰謀論も誤訳なのかもしれません。それを信じる人に対しての大家さんの態度が格好良かったです。
陰謀論を信じる人の言葉をどう聞き、自分の考えをきちんと伝えられる、やはり顔を合わせるからこそできることなのでしょう。

相手がいて会話があるからこそ「誤訳」が生じます。誤訳だと気付いたら直接その意味を聞き、本当に伝えたい言葉を口にできるように、私も人との関係を見直していきたいです。

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僕は大家さんの部屋へ遊びに行って、いろんな話をします。午後だったら紅茶とビスケットが出てくるし、朝ごはんを作ってもらったこともあります。話好きの優しい大家さんには友達も大勢います。

 僕の学校の友達とか、大家さんの友達や近所の人と話をしていると、とんでもない事がいろいろあることに驚きます。「ワクチン陰謀説」とか、「移民問題」とか、いろんなことを大声で議論したり、デモをしたりする人がいて、その中へ入っていけないなぁと思うばかりです。

 そんなことを大家さんに話すと、こんなことを言ってくれます。

『熱い紅茶とビスケットがあれば、たいていのことは忘れられる。』

『納得したから何かを信じるというより、信じたいことを信じることの方が多いからな、人間は。』


 普通の暮らしをしている人が、子供の将来を思って「とてもお金がかかる学校」へ入れたけど、政府が変わったことによって補助金が出なくなって、学費を払いきれなくなったのを目の当たりにして、これが現実なのかと驚くこともありました。

 日本での大学生時代、コロナ過で孤独に過ごしていた僕にとって、ブライトンの人たちとの関りは、うれしい気持ちと、ついていけないという気持ちでかき乱されます。

 みんな、自分の気持ちに正直で、こんなことを言っちゃいけないなんて遠慮はなくて、逆に、「そういうのは嫌だ」ということも自由で、これまで日本で培われてきた「黙ってやり過ごす」しか知らなかった僕は、いろんなことを考えます。


 友人や隣人たちと話すとき、タメグチになれない僕は、人との距離を常に感じているんじゃないかな。そんな中で、大家さんとは距離感がグッと近づいたのは、彼にとって大きな進歩なんだと思います。

 彼は日本に帰ってから、そのまま暮らしていくのか、それとも、また外の世界へ出ていくのかは分からないけど、ここで見たこと、聞いたことを、きっと一生忘れないでしょう。そして、表面上の言葉や姿から想像したこととは違う現実があるということを忘れないでしょう。そして、また、大家さんと一緒に紅茶を飲みたいなって思うんだろうなぁ。

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大家さんから教えてもらう古い時代のロックや映画を知りたくなります。大家さんが歌う日本の古い曲、でゅっでゅる⋯のエピソードでは大笑いしてしまいました。まさか、あの曲とは!主人公よりも大家さんが好きすぎて、大家さんもっと出てこないかなぁ⋯と、大家さんを追いかけて読んでしまいました。大家さんのその後が知りたいですし、昔の恋人とのお話も読んでみたいです。
語学留学はあこがれですが、主人公とともに、日本とは違う空気感や意識の違いを私も少し体験できた気持ちになりました。

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多様性という言葉だけでは言い表せないほど
心に響く作品でした。

主人公の僕や大家さんをはじめ
登場人物それぞれの価値観や生き方を
特別なものとしてではなく
一人ひとりの「その人らしさ」として描いているところが
とても印象的でした。

わかり合うことの難しさと温かさを
すくい上げた「誤訳」の物語。

そして、悩みながらも一歩ずつ進んでいく僕の姿に
エールを送りたくなりました。

年代を越えて、多くの方に手に取っていただきたい一冊です。

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タイトルの「誤訳」という言葉が、読み終わったあとには最初と全然違って見えてくるのがすごく良かったです!
言葉だけじゃなく、人の気持ちや考え方だって、完全に正しく伝えることなんてできない。
勘違いしたり、すれ違ったり、それでも少しずつ分かり合えたり。
そんな不完全さも含めて人と関わることなんだなと思えて、すごく心に残りました。
コロナ禍で思い描いていた大学生活を送れなかった「僕」が英国へ留学し、ブライトンでいろいろな人と出会っていく物語。
異国での青春小説として純粋に面白いのに、イギリスの文化や社会、多様な価値観についても自然と考えさせられて、ただの留学記では終わらないところが大好きです!
登場人物も本当にみんな個性的で、読んでいるうちにどんどん愛着が湧きました。
そして何より、大家さんがめちゃくちゃ好きです!!
料理をしたり、絵が上手だったり、きれいにご飯を食べたり、「人間ってのはなあ」と語り始めたり……。
ひとつひとつの姿が妙にリアルで愛おしくて、こんな大家さんと暮らしてみたい!と思ってしまいました。
「僕」と大家さんの、近すぎず遠すぎない距離感もすごく素敵です。
何でも白黒はっきりさせるのではなく、分からないことは分からないまま、曖昧なものは曖昧なまま残しておく。
それでも人は一緒にいられるし、ちゃんと相手を尊重することもできる。
その優しさが、この物語全体に流れているように感じました。
「今日この日を掴み取れ」という言葉も大好きです!
迷ったときや立ち止まりそうになったとき、ふと思い出したくなる言葉でした。
読み終わったのに、まだブライトンの空気の中にいるみたい。
「僕」も大家さんも、ジジも、アキコさんも、この先どうしているんだろう?とずっと考えてしまいます。
小説の外でもみんなの人生が続いていて、どうか幸せでいてほしい。
そう思えるくらい、忘れたくない人たちばかりでした。
誤訳して、勘違いして、すれ違って、それでも誰かと分かり合おうとする。
完璧じゃないからこそ、人と人との関わりってこんなにも面白くて愛おしいのかもしれません。
ずっと読んでいたかった!!と思えるくらい、本当に大好きな一冊です!

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語学留学でイギリスの田舎町に来ている僕は、気のいい大家さん、他様々な人々と会話し、イギリスを、他人を、そして自分を理解していく・・・。
世代、人種、性別、宗教・政治信条と様々に違う人々との交流による成長は、時に甘酸っぱく、時に切ない。さらには苦々しさも感じてしまう。それは大方の日本人がそうであるような自己主張の弱さ、コミュニケーション能力不足を証明しているようだからだ。それでも大家さんの過去のパンクな一面と今の好々爺然とした佇まいや、隣人のアナーキスティックな側面と娘想いの行動と、当たり前ながら同じ人でも色んな顔を持ち合わせることに気づきを得ることに安堵する。誤訳、正解を繰り返しながら成長していく姿は眩くもある。
遠く離れたイギリスでコロナ禍を経てEU離脱と激動の時代の真っただ中にありつつも、伝えるべき時に臆することなく自分を伝えることの大切さを切なさと共に教えてくれる成長青春譚。

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相手も自分も傷つきたくなくて、自分の中でぐるぐる考えてしまって、目の前の大切な誰かに対して踏み込めない。あの時、一声かけてみたら、もしかしたらもっと理解し合えたかも、もっと仲良くなれたかも…そんな後悔が数えきれないほどある。異なる文化や歴史的背景を持っていたら尚更だろう。自分とは異なる信念を持つ人を尊重しつつ、でもそれを否定も肯定もしない。でも落ち込んでたら、責めずに慰めるし励ます。大家さんみたいな距離感で人と交われたらと思った。

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等身大、そして今がそこにそのまま描かれている。
同じ言語を母語として育ったもの同士でも、なんか通じない…誤訳が生じることもあるというのに、それが他の国へ行ったらどうなのか?

と思って読んでいたら、違うのである、
人は人であり、環境は異なれど心に流れている感情は同じ。
それをどうとらえて自分なりに消化して、そして行動するか。
同じだけど異なる。それは言葉の壁で誤訳するのではない。

それぞれが、それぞれの考えをもって生きていて、その姿は理解を越えて爽快だ。そしてフィクションではなくきっとどこかで同じことが起きていそうな現実感で、惹きこまれた。

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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』に登場する、ブレイディみかこさんのお父さんと息子さんという、言葉が通じないけれど心が通じ合っている関係がとてもいいなと思っていたのだが、この作品の大家さんと主人公もとてもいい関係を築いていて、できればこの二人のやりとりをもっとずっと見ていたいと感じた。

英語で会話はできるものの、世代も違えばタイプも全然違うこの二人がなぜこんな心地よい関係を築けたのか。それはきっと、互いに思いやり、受け止める心の柔らかさがあったからだろう。同じ言語を話していたとしても、誤訳はしばしば起こりえる。誤訳を恐れて心を閉じてしまえば、それ以上の関係は育みようがない。どうせわかりあえないと諦める前に少しでも関わり合ってみることで、多少なりとも理解できることもある。恐れず知ろうとすることの大切さを教えられた気がした。

真面目で優しくて臆病な主人公の目線で、留学生気分を味わいながら読み進めた。ブライトンでの生活は、きっと彼のその後の人生において、大きな影響を及ぼすことだろう。ここまでで完結するのが潔い気もしなくはないが、できれば続編も読んでみたい。

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主人公が、語学留学先のイギリスブライトンで出会った、一癖も二癖もある人々と繰り広げる物語。
世の中にはいろんな考え方の人がいるんだなあ、と興味深く読んだ。
小説なのに、エッセイを読んでいるかのようなほどのリアリティを感じだ。
年齢も人種も違うのに、大家さんとは親子のような、親戚のおじさんのような、関わり方がとても’理想的だと思った。
大家さん、かっこよかった。

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誤訳というのかカン違いがたくさん出ていた気がする。マッチョでビルダーだった大家と、日本から来たまじめな留学生の物語。この二人が醸し出す温かい雰囲気が心地よかった。そこに陰謀論者の友達や、その家族たち。主人公の女友達たちが絡んでくる。

英国では、やたらと陰謀論者が多いようで、陰謀論者の祭典のようなものまであるのには驚きました。

主人公と大家の間では世代間ギャップがあるのですが、SNSとかを参考にし弱気になったり会話した気になる主人公に大家は言います。

書いた言葉ってのは、人が話す言葉と違って動かねえからな。ずっと張り付いたようにそこにあって、いつも同じ顔をしている。人と会って話す時は表情が変わるから、相手の意味するところがわかってくる。



このおっさんの感覚少しわかります。どうしても友達とのやり取りはラインとかで文字上になってしまう現在、昔のように電話で話していた時と比べて何か決定的に違うんです。言葉では説明できないけど、この大家のこれだと思います。

陰謀論者についてのコメントも面白い。

納得したから、何かを信じるというよりも、信じたいことを信じることのほうが多いからな、人間は。



陰謀論者って、ずっと僕はあほと思っていました。でも、この小説を読んで少しだけ彼らの気持ちが理解できました。

ダニエラってイタリアの女の子がいるのですが、意識高い系でこんなことを本気で信じ新興宗教団体の集会みたいなところに彼を連れて行ったり、本を読めと強制してきます。

身体はいらない、脳だけで繋がって生きたい。



ここまで極端ではないが、若い人の中に最近、身体的な接触を気持ち悪いと考える人たちが増えています。AIを恋人にしたいとか。リアル男なんてきもいだけとか。

この子は本を読めと迫ってくる。

本を読み考えが理解できるなら、自分を許容できる、という試金石のようなものですが、こんな思想は主人公は受け入れられない。

に対して、大家は親友やその家族が陰謀論者なのですが、変なネットの知識も信じていて、明らかに身体に悪い薬をこれは気持ちをすっきりさせるからと持ってきたりするのだが、大家はいらないとソレを突き返す。それでも関係性は崩れない。

人は他者と絶対に違う部分があり、自分の思考と同じにはなかなかなりえない。そういう中で、友達になるのは、そういう彼を認めることであり、自分はそれは許容できない。それも相手が認めることなのだとここには示されていて、これはすごい理想的な人間関係だと思いました。

本書の面白さは、日本とは異質な英国という社会において、違いがあり誤訳というかカン違いもあるが、それでも相手をリスペクトする。それでいて相手も自分をリスペクトしてくれる。そういう関係がいいと示しているところです。

☆☆☆☆

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低い視線から、世相を歯に衣着せぬ文章でぶった斬ってくれる物言いが素敵なみかこさん。

本作は、英国の海辺の町に留学した青年と、間借り先の大家さんとのやりとりから、英国の日常から垣間見える社会問題を小説という形式で描く。

主人公、僕は積極的に人と関わるタイプではなく、留学先でも、自分の気持ちをストレートに伝える事に躊躇しがちだ。

それは違う言語を母国語としているがゆえの「誤訳」を恐れているからでもある。
気になるガールフレンドともう少し踏み込んだ関係になりたいと思っても、「誤訳」によって伝わらないかもと臆してしまったり、文化の違いゆえ、はなから伝わらないと思い込んだり。

だが、様々な人生を経験してきた大家さんとの会話を通して、
「誤訳」とは人との関わりの中でも日々起きることと認識していく。

期間は短くとも、異文化社会に身を置き、様々な人と関わり、
考えが違うのは当たり前、不完全な世界であると認識することから、
狭く見ていた世界が広がっていくことを、僕は知る。

頑なだった青年が、少しずつ成長していく様を、自分の子供達の姿に重ねつつ読む。
同世代の若者が読むと、どう感じるのか聞いてみたい。

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イギリスのブライトン在住の筆者が書く「今のイギリス」。


主人公の僕は、日本のコロナ禍で大学生活をうまく過ごせずにイギリスのブライトンに留学した。
大家さんの敷地内の別棟にて過ごすことになった僕は、語学学校に通ってスペインやトルコなど他国の人たちとも交流していく。


表紙にも書かれているような大家さんとの日々。学校より大家さんとの交流の方が語学も、人生も学べていたのではないかと思う位です。
大家さんの適度に距離をとりながらのご近所付き合いは学びの宝庫です。同じ地区に住んでいても思想などは違うもので、僕は戸惑いながらも冷静に観察しています。

読み終えて気付いたのですが、大家さんは僕に対して外国人という目を向けていません。世代の違いはしょっちゅう口にしていましたが、僕のことを1人の地球の人間として接していました。「サン」と呼んでいるのも愛情が感じられます。

母国語である日本語でも、間違ってとらえてしまうことがあります。簡単な単語ほど誤って解釈してしまうものです。でも言葉よりもSNS の発信だけを見て「あーだ、こーだと」と思い巡らすのは間違っているようです。僕も「壮大な読み違え」というのを繰り返していました。

ヨーロッパだけではなく、世界的に問題になっている家賃高騰など現実社会の一端を見た僕。日本を離れる前と後では違う僕になっていることでしょう。そして私もこの本を読む前と後ではニュースの見方が変わったように思います。

紅茶とビスケットで気軽に集まり、困った時には助け合う。こんなご近所との付き合い方は今後都市で暮らす人も学ぶ必要性が出てくるかもしれません。

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ブレイディさんが実際に住んでいるイギリスが舞台なだけあり、最初「あれ?エッセイじゃないよね?」とびっくりするくらいリアルな描写に、小旅行している気持ちになれました。

あまり海外に馴染みがないし、これまでそこまで興味がなかったのですが、
日本語を扱う日本人同士でも伝わらないことがたくさんあるんだから、
海外に行けばもっとそれは増えるんだろうな。
でも、そんな不自由さも含めて、「人と関わること」の大切さや尊さを感じて、心に残る一冊になりました。

とにかく大家さんが素敵だわ〜ワイルド。

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