本文へスキップ
#ブランクストーリーズ 表紙

#ブランクストーリーズ

ログインまたは新規登録するとリクエスト可能か確認できます。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。


1

KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。

2

Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。

刊行日 2026/11/10 | 掲載終了日 2026/11/10


ハッシュタグ:#ブランクストーリーズ #NetGalleyJP


内容紹介

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『#ブランクストーリーズ』 作者 神戸遥真先生

サイン本プレゼント企画を実施します!

11月刊行の本作品を読んで、レビューをご投稿いただいた方の中から抽選で3名様に、サイン本をプレゼントいたします!

ゲラを読んで、サイン本をもらおう!詳細は「販促プラン」をご覧ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうして私は女の子じゃなかったんだろう。どうしてあの子は男の子じゃなかったんだろう。どうしてこんなにも「性別」にふりまわされるんだろう――

10歳までに性別が決まらない架空の世界を舞台に、思春期のジェンダーやアイデンティティを描くSF連作短編集。

この世界では、子どもは男女の区別のない「中性」として生まれ、10歳になると「性別検査」を受け、男女いずれかに振り分けられる。第二次性徴を促す薬を服用してその性別で生きる者もいれば、本人や家族の希望で、男女ではなく、中性のまま成長し、第三の性として生きる者もいる。

男女が生まれつき決まっていた時代を知る祖父母世代、制度の変化を経験した親世代、そしてその狭間で揺れる子どもたち。男であること、女であることに、どんな意味や価値があるのか。それぞれの立場や価値観が交差するなか、「自分らしさ」とは何かを問いかける七つの物語。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『#ブランクストーリーズ』 作者 神戸遥真先生

サイン本プレゼント企画を実施します!

11月刊行の本作品を読んで、レビューをご投稿いただいた方の中から抽選で3名様に、サイン本をプレゼントいたします!

ゲラを読んで、サイン本をもらおう!詳細は「販促プラン」をご覧ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうして私は...


出版社からの備考・コメント

【ご注意下さい】
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。
刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございます。ご了承下さい。

【ご注意下さい】
ここに掲載している作品データは刊行前のものです。
刊行までに内容の修正があり、仕様の変更がある場合もございます。ご了承下さい。


おすすめコメント

神戸遥真/千葉県出身。

「恋ポテ」シリーズで第45回日本児童文芸家協会s賞、『笹森くんのスカート』で令和5年児童福祉文化賞を受賞。その他の著書に『日下部くんには日傘が似合う』『視線の先のきみと』『透明なぼくらのレモンとキス』「ぼくのまつり縫い」シリーズ、「カーテンコールはきみと」シリーズなど、児童書、YA、ライト文芸など著書多数。

神戸遥真/千葉県出身。

「恋ポテ」シリーズで第45回日本児童文芸家協会s賞、『笹森くんのスカート』で令和5年児童福祉文化賞を受賞。その他の著書に『日下部くんには日傘が似合う』『視線の先のきみと』『透明なぼくらのレモンとキス』「ぼくのまつり縫い」シリーズ、「カーテンコールはきみと」シリーズなど、児童書、YA、ライト文芸など著書多数。


販促プラン

『#ブランクストーリーズ』 作者神戸遥真先生サイン本プレゼント企画!

本作品にレビューをご投稿いただいた方の中から、抽選で3名様に著者サイン本をプレゼントいたします!

【レビュー投稿締切】2026年11月10日(火)

ープレゼント要項ー

●レビューをご投稿くださった方の中から3名様に

●いただいたレビューは、ネットギャリーサイトで公開させていただきます。

●オビ・POP・ポスターなどの販促物、および紙媒体やSNSの広告などに掲載する許可をいただける方を優先させていただきます。(掲載の際は、一部抜粋させていただく場合がございます)

●当選者様にご連絡をするため、NetGalley登録メールアドレスを出版社に開示設定している方が対象となります。

●当選者様には、弊社よりメールにてお知らせさせていただきます。

●発送の都合上、国内在住の方を対象とさせていただきます。

発売前の本をいち早く読んで、サイン本を手に入れよう。みなさまの素敵なレビューをお待ちしております!


『#ブランクストーリーズ』 作者神戸遥真先生サイン本プレゼント企画!

本作品にレビューをご投稿いただいた方の中から、抽選で3名様に著者サイン本をプレゼントいたします!

【レビュー投稿締切】2026年11月10日(火)

ープレゼント要項ー

●レビューをご投稿くださった方の中から3名様に

●いただいたレビューは、ネットギャリーサイトで公開させていただきます。

●オビ・POP・ポスターなどの販促物、および紙媒体やS...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784863895126
本体価格 ¥1,500 (JPY)
ページ数 224

閲覧オプション

NetGalley Reader (PDF)
NetGalley Shelf App (PDF)
ダウンロード (PDF)

NetGalley会員レビュー

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

性別を二分する!なんて恐ろしい設定。
ジェンダーレスが叫ばれた今の世の中に逆行する未来のストーリー。
10歳になってからの性別決め、促進剤…
副作用に耐えながら身体が形成されていく
こんなものに縛られたくない
今の時代に生まれて良かった
自我の尊重、性別のエゴ、読めば読むほど、どんな自分でも自分を愛したくなる
普段多様性をテーマに数多く執筆している作家さんだからこその想いも感じる

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

神戸さん、初読みの作家さん。

カテゴリーはYAになっていたのですが、近未来SFという設定が『ここはこどものいない国』の子ども視点のようにも感じられて、気になって読んでみました。

めちゃくちゃ面白かった。

生まれた時には性別がなく、10歳になると「性別判定」を受けて性別が決まる。その後5年間、分化促進剤を服用し、男女それぞれの体になっていく世界を描いた全7話の連作短編集。

「百合になれなかった私たちの初恋」
男と判定された紘貴は、誰にも内緒でロリータの女装をしていた。幼馴染の岬はずっと紘貴が好き。そして紘貴にも「岬ちゃんと一緒がよかった」という想いがある。章タイトルまで絶妙。

「絶滅危惧種同士 仲よくなんて無理」
10歳を待たず、生まれた時から性別が決まっている「先祖返り」と呼ばれる少数派。小学校でいじめに遭った紀香は、中学受験をして過去を知らない場所で再スタートする。SNSで「先祖返り」の仲間を見つけるが、そこにも違和感が……。

「この憧れをぼくは自分で手放した」
分化促進剤の副作用に悩み、服用回数を減らした「ぼく」。体は楽になり、生活も順調になる中、自然派の親を持つ乃亜と出会う。

「人生は不可逆だと気がついて笑える」
前話に登場した中性の乃亜が、親元から離され、女性として生き始める。全寮制での暮らし。女性として生きることを決めても、体は未分化のまま。乃亜に理解者や友人ができたことが、読んでいて嬉しかった。

「理不尽も事情もすべて慈しむ覚悟」
大学生になった乃亜。彼女のすべてを受け入れ、「おれは乃亜がいい」と言ってくれる男性と出会う。そして、まさかの妊娠。二人は結婚することに。両性具有なら単為生殖ができるという噂まで現れ、心が揺れる。

「ネットの噂は噂だけど噂なのかな」
女の子になりたかった佑月。でも判定は男だった。幼馴染の二人は佑月の希望を叶えるため、分化促進剤を交換して服用することに。この設定も面白い。
中性は戸籍の性別欄が空欄のまま。SNSには「#0Stories」というタグで中性の人たちのつぶやきがあり、二人はそれを集めて本を作ることに。

「こんな人生最良の日はありません」
最初の物語に登場した紘貴と岬が再登場。その後も愛を育て、結婚することに。花嫁が二人の結婚式。紘貴の性別を操作したあの母も、ただ唖然とするだけでは終わらない。凄い方でした。

前半、中高生が主人公の物語では「今の小中学生はこんなYAを読むんだな」と思っていたのですが、思春期を過ぎ、大学、恋愛、妊娠、結婚へと物語が広がっていくにつれ、これはYAというカテゴリーだけに収めておくのはもったいないと感じました。

性別とは何か。自分で選ぶとはどういうことか。
そして、誰かを好きになること、家族になること。

近未来SFの設定を楽しみながら、今の私たちにもつながることを考えさせられる一冊でした。
YAというカテゴリーにとらわれず、多くの人に読んでもらいたい。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

ここは10歳まで性別が決まらない架空の世界。
「性別検査」を受けたときから「男」「女」のいずれかに分けられ、第二次性徴を促すために薬を服用するという。
私はこの物語では世代的に、男女が生まれつき決まっていた祖父母世代だ。「男らしく」「女らしく」そんな言葉が子供の頃から当たり前に飛び交っていた。その世代から大きく性別が変化したとしたら、移行期にはどれほどの混乱があっただろう。

でも「性別検査」で一番影響を受けるのは子どもたちだ。
ある日、「あなたは男です」「あなたは女です」そんな診断を受けてどんな気持ちになるだろう。
昨日まで性別なんて関係なく遊んでいたのに、その日を境に言葉遣いさえ変えなくてはいけない。好きな服さえ着ることもできなくなる。そしてこの世界には「男」でも「女」でもなく「中性」という選択をする人もいる。
連作短編SFとして、物語は繋がって展開していく。
思春期の悩みや、自分らしさとは?と悩む彼らを通して、祖父母世代である私は頭の固さを自覚した。
架空の世界でなくても、性別や自分らしさについて悩む人たちはたくさんいる。だからこそ、私はニュートラルに世界を捉えたい。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

《10歳で性別が決まる世界。そこに映るのは、私たちの今だった》

人は中性として生まれ、10歳での性別検査を受けて性別が分けられるようになった世界。
生まれた時から性別がある、読み手と同じ「旧世代」が祖父の世代として残っている、ほんの少しだけ未来の物語。

⸻

『第1話 百合になれなかった私たちの初恋』

性別がない中性の時はみな一緒に遊んでいても、10歳で性が決まると交友関係も変わっていくものなのか。
そして高校生の頃には、「旧世代」と同じ性的特徴や社会性を持ち、恋愛などもしていく。
ちょうど岬のように。

ただ、性別は医師の診断で決定され、自分のセクシュアリティに基づくものではない。そして性が決まったら変えられない。
それなら、自分の性について疑問を持つようになる者が出てくるのも当然のことだろう。
ちょうど紘貴のように。

男の子になった紘貴に恋する岬。
女の子として岬と仲良くなりたかった紘貴。

そのすれ違い自体は、まさに「旧世代」にもあることだと思った。いや、中性を経験してきただけに、紘貴の気持ちはよりつらかっただろう。

それを察して自分の想いを隠す岬もまた、あまりにもけなげだった。

そんな2人に訪れる危機。
それを招いたのも、跳ね除けたのも、ジェンダーだとは。

でもそれによって、紘貴は自分の体と、岬は自分の気持ちと向き合い、互いに認め合うことができただろう。

そして、それによって結ばれた絆はきっと揺るがない。

「かわいいは最強」
性を超えた2人の合言葉を読んで、そう信じた。

⸻

『第2話 絶滅危惧種同士 仲よくなんて無理』

生まれた時から性別を持っていた人を〝先祖返り〟と呼ぶとは。さらに、症例扱いとは。

それこそ、ジェンダー・バイアスではないのか。

10歳になって、マジョリティである中性が性別を持つようになれば、そのような偏見はなくなるはずなのだろう。
でも、それはマジョリティ側の見方。

〝先祖返り〟にとっては、生まれながらに性別を持っていたことによる疎外感や、周りの中性が〝同性〟となった後の境界線を意識してしまうはずだ。

だから、〝先祖返り〟たちが交流することになるのは当然のことだろう。
マジョリティと向き合うには、〝絶滅危惧種〟をステイタスシンボルとして、支え合う仲間が必要だから。

まさに、中学生の紀香がそうだった。

そして、初めての〝先祖返り〟たちのオフ会。

でもそこで、〝先祖返り〟にも様々な人がいると知ったことは、紀香にとってショックだっただろう。

それでも、それを越えてもっと大切なこと、もっと広い視野を持つことができたのでほっとした。
更に、その手助けをしたのが、岬と紘貴だったとは。

中性でも、〝先祖返り〟でも、悩みがあるのは同じ。
大切なのは、それを分かち合うことなのか。

それは、「旧世代」の自分たちでも同じはずだと感じた。

⸻

『第3話 この憧れをぼくは自分で手放した』

あえて分化促進剤を飲まず、中性のまま大人になる人たちもいる。
未分化こそ自然の摂理だとして。

一方、分化促進剤の副作用に苦しむ人もいる。
ホルモン剤なのだから、そのような人もいるだろう。でも、男性か女性になるために、義務として飲み続けている。

中性として生きる乃亜と、
男の子と判定されたものの、分化促進剤の激しい副作用に悩む陽。

ルックスは中性的で、一応女子扱いだが一人称は「ボク」の乃亜に、陽は憧れた。

縛られない中性としての、自覚と自負に共感したのだろうか。
人形のような美しさに囚われたのだろうか。
自分が持ちえないものを持っていることに、惹かれたのだろうか。

その憧れが表面的なものだったとは、考えたくない。

それどころか、いっときの迷いとして片付けてしまわないことを願った。

だって、中性のまま大人に向かう乃亜の、男性としての理解者であってほしかったから。

それが、真のジェンダーへの理解につながるのだと信じたいから。

⸻

『第4話 人生は不可逆だと気づいて笑える』

親は子どもを慈しんで育てる。
そのもとで育った子どもは、親の考えを正しいと信じていくだろう。

でも、だんだんと成長して自分の意思を持った時、親の姿はどうに映るのだろう。

それも、親の意思により、自分がやり直しのできない中性の道を歩かされていたと気づいた時は。

乃亜は、分化促進剤を飲み始めていた。
ただ、他の子より5年も遅く。だから手遅れかもしれない。

そんな不安が、性を超越した容姿と毅然たる態度に加え、人を寄せ付けない雰囲気までまとわせてしまったのか。

さらに、全寮制高校の女子寮で暮らすことになれば、様々な憶測が飛び交うことは避けられないはず。

いくら乃亜であっても、このままでは心が折れてしまう。

〝今の乃亜〟を、「私」を「私」として受け入れ、不安も喜びも分かち合える相手が必要なのに。

そんな相手がいるのだろうか。

⸻

『第5話 理不尽も事情もすべて慈しむ覚悟』

辛い過去を背負っていても、それを分かち合う相手がいれば、ありのままの自分を受け入れられる。
明るく前向きに歩んでいける。

そんな相手に巡り会うことができれば。

一方、真逆の相手と巡り会って自分の愚かさに気づくこともある。
相手を傷つけていたことに気づいても、相手にも許されず、自分自身も許すことができず、ずっと引きずっていく。

それが、辛さを分かち合える相手に巡り会うことができるまで続く。

大学卒業間近の乃亜。
明るく、世話好きで、彼氏に子犬のような表情を見せる乃亜を見て驚きを隠せなかったが、同時に心底ほっとしていた。

その彼氏は、琉生。
そう。男の子という〝先祖返り〟として生まれ、小学生の時はそれを隠すストレスから紀香をいじめていた琉生。

そんな琉生が、中性である乃亜をこれほどまでに大切にするとは。

2人とも、みんなと違うことの辛さに倦んでいた。
だからこそ、惹かれ合い、支え合う関係になれたのだろう。

恋人で、仲間で、理解者。

ただ、琉生の心にただ一つ残ったしこりが気になった。

それは、愛ゆえの独占欲なのかもしれない。
でも、辛い過去を引きずる、〝先祖返り〟と中性同士の強い結びつきだからこそ、心配になった。

それによって視界を狭めてしまわないように、と願わずにはいられなかった。

⸻

『第6話 ネットの噂は噂だけど噂なのかな』

性別検査で決まった性別を、分化促進剤を交換することで逆転できるとしたら?

だとしたら、分化促進剤は定まった性別を促進するものではなく、性別を決定するためのものということになってしまう。

それを知ってしまったら、この社会に対して疑問を抱いてしまうだろう。

小学生時代に分化促進剤を交換し、性別を逆にした倫と佑月。
高校生になったふたりが、中性に関するインターネット上の書き込みに興味を持つのは、当然の成り行きだったろう。

ただ、倫と佑月はそれに完全に染まり切らず、嘘か真実かを決めつけないスタンスを取った。
そのバランス感覚にほっとしてしまった。

ところが、2人が目指した次のステップには、心底驚いた。
そこまでの行動力を持つとは。

真実かもしれない。
虚偽かもしれない。

でも、それを決めつけず、別の方法を取った倫と佑月のこれからを知りたくなった。

⸻

『第7話 こんな人生最良の日はありません』

中性の子どもが増えてきた頃は、まさに混乱期だったろう。
それは、親たちが混乱するだけでなく、今の親世代にあたる当時の子どもたちまでが振り回されるということ。

どちらかの性に決まることは、その後の人生を大きく変える。その軋轢も、混乱期にはさらに強かったはず。
だから、大人になってからもそれを引きずる人がいただろう。

そして時がたち、10歳までは中性であることが社会のスタンダードとなっていても、心と体の性のずれに悩む者がいる。

いや、中性という子ども時代を過ごした分、最初から性別を持って生まれる場合よりも、それに悩む人は多いかもしれない。

そんな世代の違いを見せつけられたのが、紘貴と岬の結婚式だった。

性別に関係なく「私」を「私」として受け入れてくれた岬。そんな彼女と結婚する紘貴。

そのスピーチは、これからの世代を象徴するものとして息を飲んだ。

それに困惑しながらも、「人生最良の日」と胸を張る、混乱期を生きてきた紘貴の母に驚いた。

我が子が男性であることにすべてを捧げてきた母。
そんな母が、息子の心の性を知り、それでもなおそう言い切っている。

そこに、混乱期を生き抜いてきた強さと苦しみを見た。

そしてこれから何を目指そうとしているのか、しばらくの間、様々な考えが頭の中をよぎっていった。

⸻

第三の性の存在。
これだけで、男女社会の今を生きている私たちの心、体、性差に関わる問題まで浮き彫りにするとは。

YA世代向けの小説として、その世代には共感と、自分自身を見つめ直すきっかけをもたらすだろう。
さらに大人が読めば、自分や家族、社会を捉え直すきっかけになるだろう。

著者の神戸遥真先生の作品は、児童文学からYA文学、ライトノベル等、縁あってたくさん読む機会があった。

本作は、そのテーマ性、切り込み方、そして様々な視点を含め、これまで読んだ中でも屈指の作品だと感じた。

紙本が出たら、改めてじっくりと読んでみたい。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

「10歳になるまで性別が決まらない世界」という設定が、まずものすごく印象的でした。
この世界では、子どもは男の子でも女の子でもない「中性」として生まれて、10歳になると性別検査を受け、そこで男女どちらかに振り分けられる。
そして判定された性別に合わせて分化促進剤を飲み、第二次性徴を起こして身体を変化させていく……。
最初は「自分で性別を選べる世界なのかな?」と思ったのですが、読めば読むほど、そんな単純な話ではありませんでした。
むしろ10歳というまだ幼い時期に「あなたはこちらの性別です」と決められて、その後の身体や人生まで大きく左右されてしまうことが、私はすごく怖かったです。
もちろん中性のまま、第三の性として生きていく選択肢もあります。
でも、制度として選択肢が用意されているからといって、本当に誰もが自由に選べるわけではないんですよね。
本人の気持ちだけではなく、親の希望や周囲からの視線、昔から残っている価値観など、いろんなものが絡んでくる。
「自分の性別なのに、自分の気持ちだけでは決められないんだ……」という理不尽さが苦しかったです。
特に分化促進剤によって、副作用に耐えながら身体が少しずつ形成されていく描写にはゾッとしました。
自分自身はどうしたいのかという気持ちより、「男だから」「女だから」という枠に身体まで合わせなければならない。
こんなものに縛られたくないよ〜!と思ってしまいました。
そして面白かったのが、この世界には、生まれたときから男女の性別が決まっていた時代を知っている祖父母世代、制度が変わっていく途中を経験した親世代、そして現在の制度の中で生きる子どもたちがいること。
同じ「性別」について考えていても、世代によって当たり前だと思っていることが全然違います。
だから誰か一人が完全に正しい、間違っている、という簡単な話にはならないんですよね。
親は子どものためを思って選択しているつもりでも、それが子ども本人の望む人生とは限らない。
逆に、自分で選んだはずなのに、あとから迷ったり後悔したりすることもある。
人生って、一度選んだものを全部簡単に元通りにはできないんだよなぁ……と考えさせられました。
特に乃亜の物語は、読み進めるほど気になる存在になりました。
中性として登場した乃亜が親元から離され、全寮制の環境で女性として生き始める。
女性として生きることを決めても、身体はまだ未分化のままで、その間で揺れている乃亜を見ていると、「女として生きると決めたら、それで全部解決!」とはならないんだなと思います。
だからこそ、乃亜のことを理解してくれる人や友達ができたときは、私まで嬉しくなりました。
そして大学生になった乃亜の物語では、恋愛や結婚、さらには妊娠まで描かれていてびっくり。
乃亜の事情も身体も含めて、「おれは乃亜がいい」と言ってくれる人と出会えたことが、とても素敵でした。
男だから好き、女だから好き、中性だからどうこうではなくて、「乃亜だから好き」。
すごくシンプルな言葉なのに、この作品をここまで読んできたからこそ、余計に響きました。
一方で、妊娠したことで新たな問題や不安も生まれてくる。
さらに両性具有なら単為生殖ができる、なんて噂まで出てきて、「え、どういうこと!?」と私まで乃亜と一緒に揺さぶられました。
この作品、SFらしい設定が面白いだけじゃなく、その設定を使って人の気持ちを描いているところがすごく好きです。
女の子になりたかったのに、性別検査では男性と判定された佑月のお話も印象に残りました。
自分たちの望む性別になるため、幼馴染同士で分化促進剤を交換して飲んでしまうという展開にはびっくり!
そこまでしてでも「自分が思う自分になりたい」という気持ちを考えると、性別を決める制度があることと、自分自身が納得してその性別を生きることは全然違うんだと思いました。
さらに、中性の人は戸籍の性別欄が空欄のままで、SNSには「#0Stories」というタグで中性の人たちの言葉が投稿されているという設定も面白かったです。
制度上ではたった一つの「空欄」でも、その中には一人ひとり違う人生がある。
その声を集めて本にしようとする展開も、この物語にすごく合っていると思いました。
そして最初に登場した紘貴と岬が再登場したときは、「あ〜!この二人!」と嬉しくなりました。
その後もちゃんと愛を育てていて、ついには結婚。
花嫁が二人の結婚式というのも、とっても素敵でした!
最初の物語を知っているからこそ、二人がここまでたどり着いたことが嬉しくて、幸せになってね〜!という気持ちになりました。
そして紘貴の性別を操作した母親も、最後までただの「理解のない親」というだけでは終わらない。
このお母さん、すごいな……!と思わされました。
前半は中高生くらいの子どもたちが中心なので、最初は「今の小中学生は、こんなに深いテーマのYAを読むんだなぁ」と思いながら読んでいました。
でも物語が進むにつれて、思春期だけではなく、大学、恋愛、妊娠、結婚、親子関係へとどんどんテーマが広がっていきます。
読み終わる頃には「これ、YAだけにしておくのもったいなくない?」と思いました。
性別ってなんだろう。
「自分で選ぶ」って、本当はどういうことなんだろう。
自分らしく生きるって、どんなことなんだろう。
そして、誰かを好きになることや、家族になることに、性別はどこまで関係するんだろう。
読めば読むほどいろんな疑問が出てくるのですが、不思議と最後には「どんな自分でも、ちゃんと自分で大切にしてあげたいな」という気持ちになりました。
「男だから」「女だから」という言葉だけでは説明できないものが、人間にはたくさんある。
誰を好きになるのかも、どんな自分でいたいのかも、その人自身のものなんですよね。
架空の未来を描いたSFなのに、考えさせられるのは今を生きている私たちにも繋がっていることばかりでした。
普段から多様性をテーマに作品を書かれている作家さんだからこそ、単純に「こうするのが正解」と答えを決めるのではなく、いろんな立場の人の気持ちを丁寧に描いているところも良かったです。
SFとして「そんな世界があったらどうなるんだろう?」と楽しめる一方で、自分自身のことまでじっくり考えさせられる。
可愛らしい青春のお話でもあり、恋愛のお話でもあり、家族のお話でもあり、そして「私は私としてどう生きたい?」と問いかけてくる一冊でした。
YAだから若い人向け子供向けなどと決めつけず、今を生きる老若男女にたくさん読んでもらいたいです!
きっと読む人の性別、年齢や立場によって、心に引っかかる登場人物や言葉も変わるんだろうなと思いました。
そして私も、どんな自分であっても「これが私!」って、ちゃんと自分のことを愛してあげたいです。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

すごい、の一言に尽きます。ものすごく面白い小説でした、是非話題になって多くの人に手にとってもらいたい。ここは10歳になるまで性別が決まらない世界…だけど、決してファンタジーとだけとらえて読む小説ではありませんでした。登場する彼らの心情描写がとても生々しくて、ジェンダーの話題が少し前よりも更に敏感に繊細になっている今の時代、どう自分が捉えるのかを考えながら頁を捲りました。登場人物それぞれに悩みや痛みを抱えていて、ラスト以外はそれぞれの主人公が子どもたちばかりなので、親目線で彼らが自分の子ならばと想像しながらどっぷりと感情移入しました。そしてここからのラストがこれですよ…あああ~、私は彼女に対して…否定しきれない。彼女を酷いとも思うし、一人の人間としても親としてもそれは違うだろ、とも思うのですが、その心情を読まさせられてしまったら…しんどいです。本当に凄い小説です。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

第6話に登場する「#0 Stories」の0(ゼロ)は、性別がブランクの人たちの呼称です。中性、どっちつかず、ということで差別を受けたり、いじめられたり、罵声を浴びせられたり、どうしてそういう人がいるのでしょうね。

 何か変わった人がいて、それを自分が理解できないということだけで相手を非難しようとするのって、実に愚かです。でも、いつの時代にも必ずこういう人がいます。でもね、罵声を上げているこの人はまだ自分に正直なだけって思えます。第7話の母親の方がずっと気持ち悪い。こういう偽善者ってホントに嫌だ。

 この物語は、ほとんどの子どもが中性として生まれるという世界の話なのだけど、身体と心の性別が一致しない人。生れつきの性別がはっきりしない人、どちらでもないと考える人、ここで語られる性別の話は、現実の世界でも起きていることばかりなのです。こうやって、みんなで性別について考えることの大事さを伝えてくれて、「ありがとう」と思いました。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

生まれた時は誰もが無性(未分化)で、10歳になると性別検査を受け、15歳までに男性か女性へと変化していく・・・そんな世界を舞台にした物語。SF設定でありながら、今の日本や世界で語られている性のあり方へのまなざしとどこか重なっているように感じました。

最近も、あるスポーツ選手が自身の性について告白し話題になりましたが、そのニュースを思い出しながら読むと、物語のテーマがより身近に迫ってきます。

決められたルールや周囲の視線に傷つきながらも、登場人物たちは仲間との出会いや対話を通して、自分自身として生きる意味を模索していきます。
「男か女か」という区分ではなく、社会から押しつけられた分類を越えて、自分の心と身体に向き合おうとする姿がとても印象的でした。

性別という枠組みを揺さぶりながら、青春の痛みと希望を丁寧に描いた作品。新しい形の青春小説だと感じました。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars

ボーヴォワールの「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」
という言葉。
この小説はこの言葉に含まれている選び取る自由ささえも、医療という
名のもとに他者が決めてしまうという世界を描いている。

性の多様性を「認めよう」と言われつつ、シスジェンダーを主流とした現代への、痛烈なパンチ力のある一冊だ。


まず、ヒトが性別を持たずに生まれてくる世界であること。
さらにそちらが主流となると「有性で誕生した」存在は「先祖返り」
とされ、いじめられたりする。マイノリティの逆転現象だ。
その場合のマイノリティは、周りが自分たちに追いつくことでその立場は
マジョリティの一員となって心の中の問題となって残る。

岬と絋貴が、悩みながらも「その人自身」として認めてそこに性別は関係ないとして人生を歩む姿にエールを送りたい。

5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
5 stars
このレビューは参考になりましたか?