函館元町 カフェ道すがらの珈琲日誌(仮)
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刊行日 2026/11/06 | 掲載終了日 2026/11/05
ハッシュタグ:#函館元町カフェ道すがらの珈琲日誌 #NetGalleyJP
内容紹介
北海道・函館で生まれ育った28歳の青年・湊は、地元の会社に勤めながら週末は伯父が営むカフェを手伝っていた。ある日、伯父から東京で暮らすのでカフェを任せたいと言われる。幼い頃に父が亡くなった彼にとって伯父は父親のような存在。他人とのコミュニケーションが得意ではなかった湊だが、一人で伯父の店を守っていこうと決意する。そうしたなか、お店の常連客や函館の観光地を巡る女子大生、乳飲み子を抱えた母親など、これまでとは違う立場になってお客さまと接していくうちに湊の中にも変化が生じていく――。そして伯父がなぜ長年大切にしてきたお店を残して東京に旅立ったのか、その理由も明らかに……。
昨年、「日本ど真ん中書店大賞2025 特別賞」を受賞するなど、「食」を題材にした小説で定評のある著者が、自身の出身地である地元・函館を舞台に、青年の成長と心に沁みわたる言葉の力を描いた連作短編集
出版情報
| 発行形態 | 文庫・新書 |
| ISBN | 9784569906188 |
| 本体価格 | ¥900 (JPY) |
| ページ数 | 256 |
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レビュアー 1469440
異なる三つの情が動きだす。
「函館どつく前行き」
市電が馴染む街並を思い出させる。
八幡坂や大三坂の街路樹の紅葉
空気は清々しく澄みタコが美味い雪の頃
あの手この手で旅情を搔き立てる。
朝の一杯にグアテマラ。
木古内産のよく熟れたトマト、
北斗産の艶のあるニンジン、
函館産の採れたてのナス、
旨味たっぷりのきのこ、ほくほく食感のジャガイモ、
ほろほろになるまで煮込んだ鶏もも肉
カレーのあとに深煎りマンデリン
其処に居る漁師が捕るイカ。
此処で食べたい!
食の欲情があれもこれもとと押し寄せる。
友人がいたら、空気が読めていたら、
夢を諦めてなければ
もしも望みが叶っていたら
「仕事するなら、この人の下がいい」と
思える人に出会うことはなかったろう。
居心地が人を招き、慈しむ言葉が呼応する。
慕情が時間と距離を結びつける。
坂の途中のカフェの前で幼い子どもを抱いて
躊躇しているひとがいたら
声をかけます。
無性に人の作ったご飯が食べたくなってません?
図書館関係者 1038994
料理とコーヒーのマリアージュ
人と接するのが苦手な主人公でも、伯父から継いだカフェをしっかり経営している
丁寧に入れるコーヒーだけではなく、新しいメニューにも挑戦。新たに出会ったお客様のために。誰かを思って誰かのために起こす行動なんてあっただろうか
優しさに包まれながらコーヒーを飲む
素敵な読後
書店関係者 1816442
函館の美しい景色と美味しそうな食事、そして人と人との温かな繋がりが詰まった物語でした!
父親のように慕ってきた伯父から、大切なカフェを任された湊。
人とのコミュニケーションが得意ではない彼が、それでも「自分がこの店を守る」と決意する姿を応援したくなりました。
これまでは伯父のお店を手伝う立場だった湊が、常連客や旅行中の女子大生、乳飲み子を抱えた母親など、さまざまな人と自分自身で向き合うようになり、少しずつ変わっていくところがとても素敵です。
人との出会いによって、自分の居場所や生き方まで少しずつ広がっていくんだなぁと温かい気持ちになりました。
そして、伯父がなぜ大切にしてきたカフェを湊に残して東京へ向かったのか、その理由もとても気になります。
函館の坂道や市電、美しい街並みの描写も素敵で、本当に函館を旅しているような気分になれるのも魅力的!
さらに、地元の野菜をたっぷり使った料理や、ほろほろの鶏肉が入ったカレー、美味しいコーヒーなど、とにかく食べ物の描写が美味しそうで、「私もこのカフェに行きたい!」と思ってしまいました。
美味しいごはんと温かな居場所、そこに集まる人たちの優しさに、心までほっと満たされる物語でした。
図書館関係者 1170607
自分に自信がなかったり、自分が何をするべきなのかが見通せなかったり、人間誰しもあるよね〜と思いながら読んだ。
伯父から喫茶店を譲り受けた楠見湊、そして伯父の代からの常連さんに新しいお客さんの物語は穏やかだった。
特に大きな何かがあるわけではなく、淡々と過ぎていく日常に何かが転がっていてそれに気づくか気づかないかは自分次第。
伯父からすすめられ日誌を書くことで、小さなことにも気づいたり、物事を少しずつ俯瞰してみたりすることができるようになり、一歩ずつ歩みを勧めている湊を応援したくなった。
自分が支えられて生きていることを自覚している湊はとても魅力的だと私は思った。
函館の風景を想像し、カフェ道すがらを想像し、穏やかな気持ちで読んだ。函館、いつか行ってみたいなぁ…