アウトライン
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刊行日 2026/10/19 | 掲載終了日 2026/10/16
ハッシュタグ:#アウトライン #NetGalleyJP
内容紹介
芥川賞&野間文芸新人賞受賞作『時の家』執筆につながった、「建築×文学」の原点。
建築を描いて人間を映し出す、新芥川賞作家・受賞後初の単行本!
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九段理江氏&石井千湖氏、推薦!
人間を学ばされたAIから、人間は何を学ばされるのだろう。
私の空隙と空洞を見つめた先にある聖域。
――九段理江
『アウトライン』に描かれているのは、
自分の価値や欲求を言語化せよという抑圧に静かに抗う人々。
スケルトンビル、落ちものパズル、家の解体現場……
言葉で形取った魅惑的な“空洞”が、思考と感情を解放する。
――石井千湖
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「アウトライン」
建材メーカーに勤めている優里は、建築が好きでこの業界に入ったにもかかわらず、デザインに対するセンスやこだわりがないことに悩んでいる。そんなある日、同僚と一緒に見に行ったある建物に不思議と心を惹かれるようになり……。
「欲求アレルギー」
生理的欲求や衝動を感じると蕁麻疹が出てしまうという特異体質を持つ福田。外出先で不測のアレルギー症状が出てしまったとき、帰宅を急ぐ道で聞こえてきたのは、重機が家屋を破壊する、地鳴りのような重低音だった。
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著者/鳥山まこと(とりやま・まこと)
1992年兵庫県宝塚市生まれ。2023年「あるもの」で第29回三田文學新人賞を受賞。2025年「時の家」で第47回野間文芸新人賞、2026年には第174回芥川龍之介賞を受賞。建築士でありながら、作家として執筆活動をしている。
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★★★
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出版情報
| ISBN | 9784065451663 |
| 本体価格 | ¥2,000 (JPY) |
| ページ数 | 186 |
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NetGalley会員レビュー
レビュアー 1469440
「表情は緩急ですから」
そのまま額装したい言葉に、
鳥山まことさんの元に帰ってきたと思う。
サイディング サンプル マット。
著者の職業でもある、建築を基調とした文章は
真っ直ぐを彷彿させる。
私にとって少しだけ非日常。
気持ちがすっと立つ単語が並ぶ。
一字一句を読み過ごさないと自分に覚悟を決める。
それだけ必要美。雑味がない。
その端整に導かれるように
「アウトライン」も「欲求アレルギー」も
すんすん読んだ。
はじめの頁から想像できないエンディングだった。
~システムの更新を開始します。
自分は何か悪いことでもしただろうか
目の前の不運を恨んだ~
心のト書きが、過不足なくそれでしかなく。
~崩れる音が鳴った。
瓦礫が重なり、地にくたばってゆく~
事象の変化が、ひとの心に見える。
スケルトンビルもチャットボックスも蕁麻疹もAIも
そこに生の息吹を挿入するのは、
体温を持つ人間なんだよなと思ったところで
そこは本書の意図ではない気がして。
とりあえず、ユンボのイラスト入りスタンプは
どこで手に入れられるのだろう。
それから、また戻ってみる。
レビュアー 781279
建てて壊し、また建ててと繰り返される。
建築だけでなく文学もその繰り返しなのかもしれない。
その調和が心地よくて二編とも面白かった。
『アウトライン』で初めてスケルトンビルという言葉を知った。日常的に当たり前になったAIとの会話。そのAIのような応答ができたらどれほど、快適で爽快だろうか。
だが人間同士のやりとりでは、互いの言葉に凹凸があるからこそ議論にもなるのだろう。AIが全て正しい答えを出してくれるわけではない。だからAIとのやり取りで著者と似た名前が登場したりする遊びもあり面白かった。
『欲求アレルギー』では欲求の衝動が出ると蕁麻疹が出るという主人公。その体質のせいで悩んでいるのに、上司からの「おもしろおかしく仕事しようよ」という言葉が辛い。
自分がなぜ生きているのか、やりたいことがないとダメなのか?とこちらまで息苦しくなる。
『アウトライン』の優里も、『欲求アレルギー』の福田の二人とも、うまく酸素が吸えていない。私もうまく酸素が吸えていない感覚になるときがあるからこそ、建築について全く分からなくても、物語になることで二人に共感し楽しめた。
レビュアー 1377506
やはり、好きです。
昨年『時の家』を読んだ時の衝撃が未だ忘れられず、新刊発売と知り大興奮しました。
でも、前作が好みだから今作も好みとは限らない……
そう思いながら読み始めましたが、すぐに思い直しました。好みです。
過不足なく並ぶ文字。これがいかに気持ちの良いことか。
静かに淡々と積み上げられていき、気がついたら全く違う景色を見させられている。
「アウトライン」ではつくり、「欲求アレルギー」では壊す。
とても良い本だと思いました。
これからも応援しています。
図書館関係者 1038994
1話目はAIに仕事を奪われるような感覚がして怖かった。スケルトンに対しての強すぎるのめり込みも全てが異常なくらい。
感情を抜きに淡々とこなす術を私も持ちたい。
2話目は解体のサウンドを聴いて欲求を抑えるという、ちょっと理解できない話。解体の騒音も揺れも嫌なものと認識していた私にとっても、新たな発見があり、違う目線で解体作業を見ることができそう。
今までに無い感覚を覚える作品だったがページをめくる手が止まらなかった。
レビュアー 2099875
とにかく文章表現の美しさに圧倒されました。
一文一文に無駄がなく、まるでアートを見ているような感覚。それでいて決して読みにくいわけではなく、情景や人物の感情が自然と頭の中に浮かんできて、気づけば一気に読み終えていました。
特に表題作「アウトライン」は共感する部分も多く、不安な気持ちや、その場に漂うしんどい空気感まで思い起こされるようでした。
普段はミステリーやホラーを読むことが多いため、難しいかなぁ…と楽しめるか少し不安もありましたが、むしろ普段とはまったく違う読書の楽しさを知ることができました。
文章にじっくり浸るような感覚に、何か新しいものが目覚めそうな読書体験でした。