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カバー画像: トモルの海

トモルの海

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レビュアー 1045834

生きているということは、
それだけで素晴らしいんだ。

そんなメッセージが直に伝わってきました。

主人公は野球好きの小学5年生。
祖母の暮らす町で、不思議な少女と出会った彼が、
夢と現実のはざまで、生涯忘れがたいような
とびきりの時間を過ごします。

大人たちの、何か大事なことを
隠すかのような違和感の残る言動や、
年上の少女にどこかついてまわる異質さへの
疑問が氷解していく終盤には、
完全に心を持っていかれました。

切なさが胸に迫る一方で、心にあかりを灯し、
明日への希望を感じさせてくれる一冊でもありますね。

これを読んだ子の胸には、命の尊さやありがたみが
しっかりと刻まれるのではないかと思います。

著者の祈りにも似た願い、
たくさんの親子に届いてほしいです。

(対象年齢は10歳半以上かな?)

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。