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カバー画像: 風が吹いたり、花が散ったり

風が吹いたり、花が散ったり

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レビュー投稿者

レビュアー 1045834

なんて美しい物語なんだろう。
読み終わった瞬間、ため息が漏れました。

明日を生きる力をくれる一冊だと思います。

本作は、過ちを犯してしまった少年が、
負い目を隠しながら目の不自由な少女の伴走者になり、
マラソン走破の手助けをするストーリー。

仕事編と競技編に大別できますが、
特に職場がらみのエピソードが琴線に触れたな~。

なかでも愛ちゃんが感情を爆発させる場面には
読んでいるこちらまで力が入りましたよ。

いよっしゃあああ!って叫びたくなるほどに。

胡散臭さしかなかった場所が
何にも代えがたい居場所になっていき、
関わり合う気のなかった人々が、
大切な仲間になっていく。

こんなの見せられたら
揺さぶられないわけないじゃん!

競技パートの不器用な若者たちのあがきも
惹き込む力が抜群で、両パートが交わって生まれる
シナジーがさらにヤバイい!

まさか本を読んでいるさなかに、
居ても立っても居られなくなるなんて!

こんな小説があったのかという驚き。
こんな作家がいたのかという喜び。

さんざんに心を揺り動かされて
今は満ち足りた気持ちでいっぱいです。

この作品に出会うきっかけをくれた
全てに感謝します。

(対象年齢は13歳以上かな?)

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。