火定

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刊行日 2017/11/17 | 掲載終了日 2017/12/28

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内容紹介

パンデミックによって浮かび上がる、人間の光と闇。

これほどの絶望に、人は立ち向かえるのか。


時は天平、若き官人である蜂田名代は、光明皇后の兄・藤原四子(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)によって設立された施薬院の仕事に嫌気が差していた。

ある日、同輩に連れられて出かけた新羅到来物の市で、房前の家令・猪名部諸男に出会う。施薬院への悪態をつき、医師への憎しみをあらわにする諸男に対して反感を持つ名代だったが、高熱に倒れた遣新羅使の男の面倒をみると連れ帰った行為に興味も抱く。

そんな中、施薬院では、ひどい高熱が数日続いたあと、突如熱が下がるという不思議な病が次々と発生。医師である綱手は首をかしげるが、施薬院から早く逃げ出したい名代は気にも留めない。だが、それこそが都を阿鼻叫喚の事態へと陥らせた、“疫神” 豌豆瘡(天然痘)の前兆だったのだ。

病の蔓延を食い止めようとする医師たちと、偽りの神を祀り上げて混乱に乗じる者たち――。疫病の流行、政治・医療不信、偽神による詐欺……絶望的な状況で露わになる人間の「業」を圧倒的筆力で描き切った歴史長編。

パンデミックによって浮かび上がる、人間の光と闇。

これほどの絶望に、人は立ち向かえるのか。


時は天平、若き官人である蜂田名代は、光明皇后の兄・藤原四子(武智麻呂、房前、宇合、麻呂)によって設立された施薬院の仕事に嫌気が差していた。

ある日、同輩に連れられて出かけた新羅到来物の市で、房前の家令・猪名部諸男に出会う。施薬院への悪態をつき、医師への憎しみをあらわにする諸男に対して反感を持つ名代だったが、高熱に...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784569836584
本体価格 ¥0 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

歴史学者である著者の作品の魅力は「往時の街並みや情景を丁寧に、庶民の生活や風俗を豊かに描くことで、そこに繰り広げられる人間ドラマがいきいきと感じられること」や、「史実に基づきつつ、著者による解釈で語られる物語の意外性」ではないだろうか。時代背景やディテールを当時の事物で丹念に構築し、そこに著者の創造したストーリーが展開することで現在の史実につながる、という語りは「リアルとフィクションの境界差」を読者に楽しむように導いているようにも思える。ベースとなる史実に一定の知識を持つほど、著者の作品をより楽しめるように書かれているのだ。賛否はあるだろうが、「若冲」もそういう視点で読んで面白いと感じた。 人間ドラマを歴史上に描くエンターテイメント、という点では本作も期待を裏切らない。しかしベースとなる史実への知識が足りなかったのか、期待が高すぎたのか、若干の物足りなさが残った。 #火定 #NetGalleyJP

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時代物は少し苦手意識があったが、不思議とー気に読めた。 奈良時代の疫病流行に伴う、医師や市井の混乱、やる気のない助手を含む施薬院(病院)の苦悶と奮闘、そして各人の復讐を通した、人の弱さと復讐についての気付きを描いている。 宮城内での立場が低く出世も望めない施薬院を下にみる典薬療(高官用の病院)への嫉妬とやりにくさ 嫉妬から冤罪を仕組んで地位を奪った役人への恨み 人智を越えた災厄への無力感 各登場人物が戦いながら過ごす日々が重なりあって、物語の展開も面白かった。 綱手の姿勢から行き着いた、医者として最適な性格(心構え)が、非常に含蓄があって、深いと思った。 非常事態にあって、不安や噂に流されて暴動を起こしたり、自己防衛に走ったりするなか、 医師としてひたすら病人の治療に当たるが、内心はやはり多くの葛藤がある。 その葛藤を抱えてこそ、本当に人の治療に当たれるということが、心から分かった気がする。

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激流に飲み込まれるような物語の世界にイッキ読み、気づけば朝でした。 時代ものだから、医療ものだからなどと考える暇など与えないこれは、読まないと人生損するレベルの作品です。

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時は奈良時代、私が今まで読んできた時代小説は江戸時代のものが多いので最初は慣れない用語などに戸惑いましたが、物語に引き込まれるうちに気にならなくなりました。天然痘を発症する人が現れ、現在でいうパンデミックが平城京を襲います。治療法もなく壮絶な死を遂げる極限状態で、患者に献身的により添う医師もいれば、ある者は逃げ、暴動も起き社会は乱れる。大勢の人がむごたらしい死を迎えるが、治療法を模索する中で一筋の光が射しこむ。こうやって、人類は命を繋いできたのだと、病で命を落とした人も決して無駄な死ではなかったのだと思わせてくれる骨太な力作でした。

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すさまじい勢いで広がる疫病に立ち向かう医師、それを支える人々。かたや、己の欲望のために人々を惑わす輩にすがってしまう人々もいる。知識を持ち、強い意思を持って立ち向かうのは、容易なことではない。天平という時代背景を思うと、目を見開いて読んでしまいました。

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平城京の庶民救済施設・施薬院で働くも嫌気がさしている官人、蜂田名代。一方冤罪によってすべてを失った元侍医、猪名部諸男。そんな二人に降りかかったのは天然痘によるパンデミック。対処療法しかない時代、凄い勢いで広がります。どうしようもない悲しみや怒りを民衆はどこにぶつけるのか。逃げ出したいのが当たり前の状況で必死に戦う医師たちや、真っ先に犠牲になる弱者の姿を胸が潰れる思いで読み進めました。人間の強さと弱さ、そしてたくさんの犠牲の上での医学の進歩。たくさんの事がずっしりと心に残る作品で、とても良かったです。

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奈良時代の医療の現場、当時でもしっかりと確立された医療制度に驚いた。伝染病に襲われ都が壊れてゆく過程が圧倒的臨場感を持って描かれていて目を瞠る!伝染病も恐ろしいが、人間の心に巣食う闇にも焦点が充てられいる。その中でも医師たちが奮闘し、必死で伝染病と格闘する姿に心が震えた。肌が粟立つほどのインパクト!

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都を覆い尽くしていく病の闇。 荒れ狂う嵐に立ち向かうには、天平時代の素朴な医学はあまりにも無力だ。 それでも次々に倒れていく患者たちに出来得る限りの手助けをしようとする医師たち。そのひたむきな自己犠牲の姿勢に、素直に胸をうたれた。

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時代小説は苦手なのですが、このお話は読みやすく(内容はしんどいですが)、ページを捲る手が止まらなかったです。 現代ですらまだまだ様々な病と戦っている人びとがいるのですから、この時代の疫病に対する人の無力さは、 本当に絶望的で、それでもけして諦めず立ち向かう医師の姿に感動しました。

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