欲望する「ことば」

「社会記号」とマーケティング

この作品は、現在アーカイブされています。

ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。

出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。

1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのEメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2017/12/15 | 掲載終了日 2018/01/31

ぜひ次のハッシュタグを付けてSNS等へご投稿ください:#欲望する「ことば」 #NetGalleyJP


内容紹介

それは音もなく世界を変える。

女子力、加齢臭、草食男子、美魔女、おひとりさま、イクメン、スーパーフード、インスタ映え……。これら、どこからともなく現れて、ある日気づいたら一般化ていたことばを、著者は「社会記号」と呼ぶ。それは世界の見え方を一変させ、私たちの思考や生活、ひいてはマーケットを支配していくという。では、「ことば」はなぜどのように生まれ、どんなプロセスを経て社会に定着していくのか。そして、なぜ人は新しい「ことば」を求めるのか。

本書は、マーケティングのプロと学術研究者がタッグを組み、それぞれの視点で「社会記号」について考察。人々の潜在的な欲望をあぶり出し、世の中を構築し直す、知っているようで知らない「ことば」のダイナミクスに迫る。


●目次

はじめに 社会記号が世の中を動かす(嶋浩一郎)

第一章 ハリトシス・加齢臭・癒し・女子――社会記号の持つ力(松井剛)

第二章 いかに社会記号は発見されるか――ことばと欲望の考察(嶋浩一郎)

第三章 ことばが私たちの現実をつくる――社会記号の機能と種類(松井剛)

第四章 メディアが社会記号とブランドを結びつける――PRの現場から(嶋浩一郎)

第五章 なぜ人は社会記号を求めるのか――その社会的要請(松井剛)

第六章 対談 誰が社会記号をつくるのか(嶋浩一郎・松井剛)

おわりに 社会記号をクリティカルに捉える消費者になるには?(松井剛)


●著者プロフィール

嶋浩一郎(しま こういちろう)

1968年生まれ。上智大学卒。博報堂ケトル共同CEO。PR視点で企業コミニケーションを手掛ける。本屋大賞実行委員会理事。東京・下北沢に本屋B&Bを運営。著書に『嶋浩一郎のアイデアのつくり方』など


松井剛(まつい たけし)

1972年生まれ。一橋大学教授。博士(商学)。専門はマーケティング、消費者行動論、文化社会学など。著書に『ことばとマーケティング――「癒し」ブームの消費社会史』、共編著に『1からの消費者行動』など






それは音もなく世界を変える。

女子力、加齢臭、草食男子、美魔女、おひとりさま、イクメン、スーパーフード、インスタ映え……。これら、どこからともなく現れて、ある日気づいたら一般化ていたことばを、著者は「社会記号」と呼ぶ。それは世界の見え方を一変させ、私たちの思考や生活、ひいてはマーケットを支配していくという。では、「ことば」はなぜどのように生まれ、どんなプロセスを経て社会に定着していくのか。そして、な...


出版情報

発行形態 文庫・新書
ISBN 9784087210118
本体価格 ¥740 (JPY)

NetGalley会員レビュー

とにかく知っている流行り言葉などがたくさん例に挙げられて、分かりやすく生まれた背景、ビジネスへの繋がりなどが書いてあり、読んでいてとても面白かった。
実は著者は本屋大賞の立ち上げにも関わっている人らしく、私は本屋大賞毎回注目しているので実はこんなところでも活躍されている人なんだなとも思った。

このレビューは参考になりましたか?

本書をカテゴライズするなら「社会言語学」という分野だったかな(違ったらすみません)と思いますが、全国の公立図書館は、この学問領域をこれから学ぼうとする一般市民のために、本書を開架に並べた方が良いと思います。

第一に、本書は理論一辺倒の本ではありません。
「社会言語学」の本はいかにも「お勉強!!」という感じで、学者の書き上げる本が多い印象でしたが、本書は「現場の人」も執筆しています。そのため、理論に加え、流行語・社会記号が生まれる「瞬間」と「現場」も詳細に語られ、社会言語学を知らないビギナーには大変実感を持って理解することができます。

第二に、平易な言葉で読者に語りかけています。
現場の方の「経験」のみでなく、理論もうまくかけ合わさって本書は成り立っていますが、その理論を語る際にお勉強感はありません。専門用語をできる限り平易な言葉で置き換えているからです。また、著者の文章の運びに工夫という点もあります。

第三に、(ちょっと変な観点ですが)巻末の「主要参考資料」が好きでした。
本来ならこれはなんでもないページのはずですし、本書に引用される書籍やサイトの単純な紹介でしかないのですが、この本から次の段階へ進みたい人にとって参考になる本が少々混じっていました。そういう本が1冊もないと「ワンストップ」になって残念で、かといって大量に挙げられても「どこから手をつけたらいいの…」と途方に暮れます。個人的には、読者の「その先も知りたい・学びたい」を刺激するにはこの分量がちょうど良い、と思います。

以上の理由から、一般市民が社会言語学を少しでも知りたいと思った時のために、全国の図書館は本書を開架に置くと良いのでは、と個人的に思います。かつ、本書を借りる読者も、結局のところ、この本を後で買ってしまうんだろうな、となんとなく思います。というのも、手元に置いて長きにわたり読み続け、そして考え続けたいと思えるテーマと文章だからだと思います。
つまり、この分野を学ぼうとする人たちにとって、本書はより良い「第一歩」となると思います。

このレビューは参考になりましたか?