炎上! 一〇〇円ライター始末記

マスコミ業界誌裏道渡世

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刊行日 2018/02/20 | 掲載終了日 2018/03/15

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内容紹介

大卒で上京、コワオモテで知られた出版・広告業界誌稼業に就く。以来三〇年に及ぶマスコミ業界誌裏道渡世を暴露。森達也氏絶賛!!

「ひりひりする。メディアなら歯を食いしばってでも名前を晒すべき。でもそれは痛い。つらい。申し訳ない。そして滑稽だ。ひとつだけ言えること。ここには『終わりかけたあの時代』がある」

1988年に盛岡の大学を卒業して、何のツテもないまま東京に出てきた岩本太郎はひょんな偶然から、当時赤坂にあった社長がコワオモテで有名な出版・広告業界誌を発行する会社に入社する。それが今日に至るまでの約30年に及ぶ記者稼業の始まりであった。その会社の名前は、東京アドエージ。聞くところによると、『噂の真相』を創刊した岡留安則も同社のOBだったという。その後も『宣伝会議』『創』『GALAC』などで活躍。そんな岩本太郎がマスコミ業界誌裏道渡世を暴露する!

岩本太郎いわく「私は評論家ではない。私は使い捨て100円ライターである」。

思えば私が業界誌の記者となったのは、日本社会がバブルの狂騒に湧き、溢れ返らんばかりの広告需要を背景に出版界でも新たな雑誌が次から次へ、ほぼ毎月のように創刊されていた時代だった。それがバブル崩壊に直面し、阪神・淡路大震災やオウム事件などで日本社会が曲がり角を迎えた頃にフリーライターとして独立したわけだが、それは同時にそれまでフリーライターという業種の主な存立基盤になっていた雑誌業界が崩壊へと向かい始めた時期でもあった。本書の中でも書いた通り、それはやがて私の仕事先となっていた雑誌でも原稿料支払いの悪化という形で顕在化し、代わって台頭してきたのがネットメディア、およびそこで活躍(?)する一円ライターたちだった。――「あとがき」より


◇目次◇

序にかえて 今井照容

第1部 伝説の業界誌と、ライター事始め

1 かくて吾輩はフリーライターになりき

気が付いたらフリーライターだった/どったんばったんの日々/ダイハードな佐川急便配達員による突入事件など/会社を辞めてバックパッカーに/北海道でのお葬式/Mさんとの電話/かくしてバックパッカーは結局フリーライターとなりけり

2 東京アドエージ、その終焉と「出版人」の始まり

出版記念会──上司・今井照容氏のこと/「社長」が亡くなった──赤石憲彦氏急逝の前後/御通夜──〝鬼の赤石〟の死に顔/お葬式、終了。その後──問われる〝私の仕事〟/春の転機──祝・今井さん受賞&退職(?)/付録◎新teru0702 の日記 by 今井照容

3 東京アドエージの奇妙な社内と、忘れ得ぬ人々

ある日突然、何も言わずに姿を消した女性社員/〝兄貴分〟の同期生・野中さんとの会話/電撃結婚‼/社長室に五輪真弓が流れた結婚式当日/急転直下の寿退社(?)劇、そしてなぜか「編集長」に/【追記】野中さんのその後と、「A」との出会い

4 『宣伝会議』と私の一九九五年

5 苦節二〇年?目に振り返る、原点の頃

その日の夜は畳の上に敷いたシュラフで寝た/日曜日の新聞には求人広告がたくさん載っている/どこか殺気を帯びたその男性は、口調は丁寧だった/三月三一日は私の会社員生活「入学式」と「終業式」か/

6 岩本太郎の「非常な日常」前史


第2部 炎上! 一〇〇円ライターはつらいよ

7 連載打切、フジサンケイBi社員編集の狼狽

長期連載『マスメディア構造改革』、突如休止のご挨拶/載らなかった原稿(連載「マスメディア構造改革」)/「産経とは真逆の人たちなんですよね」/「産経がこの人たちを応援してるととられるんじゃないかと」/「それまでの間、連載はお休みということにして」

8 ゴーストライター秘(悲)話─発注元はなぜ支払から逃げるのか

9 『創』名物編集長との長い長い一件

自分で言うのも何だけど、主力のライターだったとは思う/ネットに押されて『マス読』売れ行き減少、原稿料遅配が発生/単行本『YUYA』の大失敗から創出版がおかしくなってきた/編集長との意識の食い違いが顕在化してきた二〇〇二年/「そんなの取り上げてくれる商業メディアなんかないよ」/「もっと金になることをやんなよ」/「金になる仕事」をしても原稿料が振り込まれない/原稿料は遅れないでください、と言うと篠田編集長は何と答えたか/柳美里さん事件を見ると、いろんなことが思い出されてしまう/経営状況や編集長はともあれ、意外と楽しく働いていた仲間たち/篠田編集長と『噂眞』岡留/「子供の教育費にも事欠いているのに、気に入らない原稿を載せるわけにはいかない」/「これは『創』批判だ!掲載拒否!」/長い付き合いは、別れる時にも骨が折れる

10 「放懇」と『GALAC』

正直気が重いが「放送批評懇談会」について書こう/「放懇」は、スポンサーである放送局をも厳しく批判できる団体・メディアだった/正会員となり「出版編集委員会」つまり編集部に所属する/〝ライター岩本太郎〟を育ててくれた雑誌『GALAC』/『GALAC』編集委員に再任。新編集部に響き始めた不協和音/編集長の任期は残り一期、「次の編集長は」の声/特集は「躍動する放送ウーマンたち」か、「ストップ!オヤジ体質」か/編集長の任期延長〝残留工作〟と「最後はこっちに」という楽観/剽窃事件、編集部機能不全……ため息をつきながら洞爺湖へ/一転、銀座の地下室への〝保健室登校〟に/「企画と労力は頂戴しますが、口出しは無用です」?/そして〝鬱〟の日々へ

11 八ヶ岳山麓奇譚──白装束に会いに行く

「ガードレールの鉄片」と「白装束」/二〇〇三年GW、「白装束」へ会いに行った/「マグニチュード15にも耐えられる設計」/「発売日までに地球がなくなるから」/第一〇惑星は破壊された──完結編


エピローグ 赤坂見附の陽のもとに──あれから二年

太郎のユーラシア漫遊記◎章末コラム

①ベトナム/②北朝鮮、カンボジア/③中国・南京/④タイ・バンコク/⑤イラン



◇著者略歴◇

1964年 名古屋市生まれ。9歳からは静岡市に育つ。

1988年 岩手大学人文社会科学部地域文化コース(比較言語学専攻)卒業。

同年 東京に引っ越し、㈱東京アドエージに入社。出版・広告業界誌の編集者として5年間勤務。

1993年 東京アドエージを退職し、半年間の海外放浪旅行後、㈱宣伝会議新社(現㈱宣伝会議)に入社。月刊誌『宣伝会議』編集者として約1年半勤務。

1995年 宣伝会議を退職し、フリーライターとして独立。

以後、『創』『GALAC』『週刊金曜日』など、主にメディア批評の雑誌を舞台に取材・執筆。マスメディアのほか独立系メディアの動向、オウム真理教やヘイトスピーチなどの社会問題の取材にも取り組む。

2013年からは㈱出版人「特派記者」として同社発行の業界誌でも取材・執筆中。

共著に『ドキュメントオウム真理教』(創出版 1999年)『町にオウムがやって来た』(リベルタ出版 2001年)『格安!B級快適生活術/都市の裏ワザ本』(筑摩書房 2010年)。


大卒で上京、コワオモテで知られた出版・広告業界誌稼業に就く。以来三〇年に及ぶマスコミ業界誌裏道渡世を暴露。森達也氏絶賛!!

「ひりひりする。メディアなら歯を食いしばってでも名前を晒すべき。でもそれは痛い。つらい。申し訳ない。そして滑稽だ。ひとつだけ言えること。ここには『終わりかけたあの時代』がある」

1988年に盛岡の大学を卒業して、何のツテもないまま東京に出てきた岩本太郎はひょんな偶然から、当時...


出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784908927027
本体価格 ¥2,000 (JPY)

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NetGalley会員レビュー

冗長なのに、つい読んでしまう。 時に著者の言葉に突っ込みを入れながら、その言い分を聞いてしまう。 ああ、そうか。「忖度」がないんだ。 読み進めながら、そう気づく。 著者は自社の都合で批評が手ぬるくなることに我慢ができず、上司らと衝突を繰り返す。 私自身は、本書に書いてある著者の考えに全面的には同意できない。言葉を選ばずにいうならば、著者の考えは社会人としてはやや成熟が足りないようにも映る。私と同年齢であるにもかかわらず。 しかしだからこそ、「忖度」や如才のなさが生きる世界からドロップアウトし、生活保護を受けてでも自分の信念に従うさまが、潔く、清々しくもある。 すっかり著者のペースに乗せられ、200P、300P。 これまで知ることもなかった、出版広告業界関係者にとっては近い存在であったはずの“業界誌”やメディア批評誌。本書はそこで社員として、あるいはライターとして関わってきた著者にとっては、ある種のガス抜きでもあったのではないかと推測する。にもかかわらず、気がつけばそのあやしいエピソードの数々に惹きつけられ、出版業界の凋落の片鱗をそこに見つけるようになる。 本書は、本文の魅力(というより著者の魅力)もさることながら、各章末に添えられている【注釈】も秀逸。出版版・プリント版アンサイクロペディアといった趣きで興味深い。 とはいえ、文体の妙が最大の魅力である本書は、読んでみないことにはなかなか良さ伝わらないのが、もどかしくもあり。

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新聞やテレビ、どこでも買える雑誌がマスコミの上部構造だとしたら、著者の関わって来た世界は「下部構造」にほかならず、決して日の当たることのない場所だし、普通の人には一切かかわりのないセカイである。そこで七転八倒する著者が笑える。一歩、間違えればマスコミ「ブラック企業」の告発になるのだけれど、本書は、どこまでも明るい。皮肉ではなしに「自殺を禁じられた太宰治」なんだよね。もちろん、太宰とは違って文章は下手なんだけれど、味わいがある。

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