藻屑蟹

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刊行日 2018/03/20 | 掲載終了日 2018/06/11

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内容紹介

選考委員、激賞!

62歳、住所不定、無職の大型新人、第1回大藪春彦新人賞を受賞し、鮮烈デビュー!



今野敏 選評(抜粋)
内容の濃さで群を抜いていた。この短い作品の中で、登場人物の印象を変えてみせている。これはなかなかの筆力だ。迷いなく受賞作に推した。

馳星周 選評(抜粋)
記念すべき第一回の受賞作がこのように完成度の高いものであることは、故大藪春彦氏も喜んでいるのではないだろうか。

徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋)
世に出さなければならないという使命感を抱くほど、作品力は群を抜いていました。

受賞の言葉(抜粋)
書き続ければ報われると知った。たとえ将来、路上に帰らざるを得ないほど困窮しても、日銭仕事に執筆の時間を犠牲にするくらいなら、わたしは何の躊躇もなく路上に帰ります。その覚悟を受賞の言葉としたい。


あらすじ
二十七歳で人生を諦めた男。彼は原発事故の模様をテレビで見ていた。これから何かが変わる、そう信じて。しかし待っていたのは何も変わらない毎日と、除染作業員、原発避難民たちが街に住み始めたことよる苛立ちだった。
六年後、彼は金を得るために、高校時代の友人・純也の伝手で除染作業員となる。しかし、それは純也のある計画のために利用されているだけだった……。
選考会で満場一致にて受賞にいたった第一回大藪春彦新人賞受賞作!


※受賞作のほか、選評および受賞の言葉を収録


選考委員、激賞!

62歳、住所不定、無職の大型新人、第1回大藪春彦新人賞を受賞し、鮮烈デビュー!



今野敏 選評(抜粋)
内容の濃さで群を抜いていた。この短い作品の中で、登場人物の印象を変えてみせている。これはなかなかの筆力だ。迷いなく受賞作に推した。

馳星周 選評(抜粋)
記念すべき第一回の受賞作がこのように完成度の高いものであることは、故大藪春彦氏も喜んでいるのではないだろうか。

徳間書店文芸編集部編集長 ...


出版社からの備考・コメント

ISBNはダミーです。
EPUBファイルにつき、Kindleでもご利用頂けます

ISBNはダミーです。
EPUBファイルにつき、Kindleでもご利用頂けます


おすすめコメント

電子書籍にて刊行後、話題沸騰の大藪春彦新人賞受賞作「藻屑蟹」です。この機会にぜひ!


赤松利市の書き下ろし新作『鯖』(2018年7月21日刊行予定)のゲラもどうぞよろしくお願い申し上げます。

電子書籍にて刊行後、話題沸騰の大藪春彦新人賞受賞作「藻屑蟹」です。この機会にぜひ!


赤松利市の書き下ろし新作『鯖』(2018年7月21日刊行予定)のゲラもどうぞよろしくお願い申し上げます。


出版情報

発行形態 電子書籍
ISBN 9784190000000
本体価格

NetGalley会員レビュー

「六十二歳、住所不定無職 鮮烈なるデビュー」まず、このコピーにノックアウト。選評委員のコメントで、著者の「筆力」への凄まじい褒めっぷりに期待が高まる。そして、それに返答するかのような受賞のことばで、著者が語る書くことへの覚悟に、もうグッと込み上げてくるものがあり、本編を読む前に困ってしまった。

自分の時間を切り売りすることで日々をしのいでいる主人公。何もかも持っている好青年風の友人に、原発避難民に、お金という物体に、自身の生活に、揺れ動く感情は、とんでもなく切実で、簡単に言葉になんてできない。だからこそひどく引き込まれる。
そして、積み重なった言葉にできない感情が昇華されていくような、心地よいラストシーン。

読後、筆者の覚悟がさらに胸に迫ってきます。

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こんなに短い小説で、これだけ大きな衝撃を受けたのは初めて。

原発被害を他とは違う見方で描いている。
正直、目を背けたくなる。
こんな事、本当にあるの?と何度も思ってしまうくらいの衝撃。

人間の欲や本性がありのままに描かれています。

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何故だろう、読後、芥川の羅生門の下人を思い出した。
原発事故による放射能汚染は、人の心も変えてしまったのか。いやもともと人の持つ心の一面を、欲望を浮き出しやすい状況に追い込んでしまっているのかもしれない。そして、一見美しく見える自然でさえもが、汚れてしまっているのだ。それは爽やかな笑顔の裏で....という主人公の友人もまた同じだ。
原子炉建屋からのあのキノコ雲は、白煙は、まさにパンドラの箱が開いた瞬間だったのだ。
ではその底に希望は残っているのか。炉の底で燃料棒から溶け落ちたウランが、希望をも溶かしてしまっているのか?
この小説を最後まで読むと、それはわかる。
原発事故に際しては、様々な立場の人を生み出してしまったがどんな立ち位置の人にも、心に響くだろう一冊。

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あっという間に読み終えてしまった。
どう展開していくかが掴めず、読み手はとりあえず次のページをめくるしかない。
さあ、どうなるどうなる、と。
原発事故という悲劇を下手に悲劇的に、美しく語りはしない。
汚いものは汚い、とまざまざと見せつけられる。
そして、その汚さは誰もがもつ人間の性の一部なのだ。

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とにかく、先ず読んでほしい。これは読者が各々悩む種類の作品・かなりの問題を含んだ作品であることは間違いない。この作品のどこからどこまでがフィクションで、どこからが現実問題を提議しているのかわからないので、読んでいてとても不安になった。今、遠い出来事になりつつある福島の原発問題に対して再び、注目を集め物議を醸す爆弾になり得る作品だし、短編ながらかなり重量を感じるというか、とにかく後味の引く作品だ。

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衝撃だった。原発事故をテーマにしつつもベクトルが全然違う。短いけれどよくできた作品でした。ラストシーンももの悲しさ、滑稽さ、スッキリさが混ざったような不思議な感覚を覚えた。

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今まで読んできたのは東日本大震災の復興の陽の部分だけだったんだなと鳩尾に一発重たいパンチをもらったみたいな衝撃を感じました。

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個人的には閉塞感を感じ、重苦しくてキツかったです。
文字化けではないですが、うまく再生(表記)されない部分があり、読みにくい所も不安感を煽ってくれた一因かもしれません。
でも、間違いなく衝撃的な作品でした。
普段手を伸ばさないようなタイプの作品ですが、たまにはこういうのも読書の醍醐味かもしれません。
それほど長くないので、試しにご一読あれ(^-^)/

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阪神・淡路大震災。僕は被災地のど真ん中にいた。
通電した電飾だけが灯った商店街。人通りがないだけに真ん中しか歩けなかった。
警官は3人一組で巡回し、一人歩きの僕に声をかけてくる。「はい、気をつけます」
信じられないような風聞がまことしやかに流れていた。いや真だったのかもしれないが信じたくはなかった。
「藻屑蟹」の描く世界も同じだ。震災はある意味戦争なんだ。生き残るためには鬼畜になる必要もあったのだ。信じたくはないが、これも現実だった。多くの読者が読み進めながら不快に思い、目をそらしたくなるかもしれない現実。しかしそれは書き手も同じだ。
「たとえ将来、路上に帰らざるを得ないほど困窮しても」書き続けると達観した赤松利市氏だからこそ、震災被害を美化することも現実から目を背けることもなく書き切ったのだと思う。短い作品だがこれ以上書く必要もないし、むしろ書けなかったのではないか。
読後1.17希望の灯りの碑文『震災が残してくれたもの やさしさ 思いやり 絆 仲間』がふっと心をよぎった。
#藻屑蟹 #NetGalleyJP

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