エンディングドレス

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刊行日 2018/06/07 | 掲載終了日 2018/06/22

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内容紹介

32歳の若さで夫に先立たれてしまった麻緒(あさお)は、自らも死ぬ準備をするうち、

刺繍洋品店で小さなポスターを見つける。

 

<終末の洋裁教室>

講師 小針ゆふ子  毎週日曜午後一時から

 春ははじまりの季節。

 さあ、死に支度をはじめましょう。

 あなただけの死に装束を、手づくりで。

 

死に装束=エンディングドレスを縫う教室。

人生最後に着る服を自分でつくるということに、興味が湧いた。

教室へ足を運んだ麻緒が出会ったのは、ミステリアスな先生と、3人の陽気なおばあさん。

聞けば、エンディングドレスを縫う前に、いくつかの課題があるという。

 

はたちの時にいちばん気に入っていた服

十五歳の時に憧れていた服

自分以外のだれかのための服

自己紹介代わりの一着……

 

先生やおばあさんトリオの助けを借りながら、麻緒は洋服づくりに無心で取り組んでいく。

夫の弦一郎に、命にかかわる持病があることはずっと知っていた。

それでも二人は、一緒にいることを選んだ。

洋服の思い出が、忘れていた想いや出来事を次々に引き出して――。

 

あつい涙があふれる! 再生のその先を描く、希望に満ちた傑作長編

 

―――

 

今はもう手元にはない、昔大好きでよく着ていた服を思い出した。

その手触りや着心地は、恐がりな自分をどんなに励ましてくれただろう。

人は生まれることも死ぬことも自分では選べないけれど、

何を纏って生きるかは選択することができる。

――山本文緒(作家)

32歳の若さで夫に先立たれてしまった麻緒(あさお)は、自らも死ぬ準備をするうち、

刺繍洋品店で小さなポスターを見つける。

 

<終末の洋裁教室>

講師 小針ゆふ子  毎週日曜午後一時から

 春ははじまりの季節。

 さあ、死に支度をはじめましょう。

 あなただけの死に装束を、手づくりで。

 

死に装束=エンディングドレスを縫う教室。

人生最後に着る服を自分でつくるということに、興味が湧いた。

教室へ足を運んだ麻緒が出会っ...


おすすめコメント

著者の蛭田亜紗子さん会心の一作です。

蛭田さんは実際に洋裁が大好きで、よくご自身の洋服も手作りされています。

服をつくること・まとうことと、生きることはなんだか似ているなあと読んでいてしみじみ思いました。

 

主人公が自死を考えているとは思えない、不思議と暗さのない淡々としたトーンで始まる

冒頭のキャッチ―さは見事です! ぜひ冒頭だけでも読んでみていただきたいです。

それからゲラ作業中でも、何度読んでも涙が出てきてしまうシーンがありました。

悲しい涙ではなく、ある登場人物の優しさにどうしても泣けてきてしまいます。

すがすがしい読後感を、ぜひ味わっていただきたいです。

著者の蛭田亜紗子さん会心の一作です。

蛭田さんは実際に洋裁が大好きで、よくご自身の洋服も手作りされています。

服をつくること・まとうことと、生きることはなんだか似ているなあと読んでいてしみじみ思いました。

 

主人公が自死を考えているとは思えない、不思議と暗さのない淡々としたトーンで始まる

冒頭のキャッチ―さは見事です! ぜひ冒頭だけでも読んでみていただきたいです。

それからゲラ作業中でも、何度読んでも涙が出...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784591155103
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

内容紹介を読んだとき"死に装束"を作るとは....?と、そのテーマに興味をそそられました。
愛する夫に先立たれ、そして自分がした選択をとても後悔し、自殺の準備をする主人公。亡くなった夫との回想シーンにズキズキと胸が痛みました。ページを夢中で読んでいるのに、読むのが苦しいほど主人公に感情移入している自分に気づきました。
洋裁教室の先生やおばあさんたちとの心のこもったやり取りや、主人公の心の変化にぽろぽろと涙がこぼれました。
胸が痛いようなストーリーの始まりも、読み終わる頃には"生"と"死"をあたたかく受け入れていくような、優しい優しいお話でした。

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夫と二人暮らしで、会えなかった二つの命があった私と重なり合って涙が溢れてきました。久しぶりにミシン出してみようかな。自分と向き合うということ、大切なものを丁寧に扱うことに気づかせてもらえました。

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登場人物のバックグラウンドを服を作りながら振り返るというのは面白い。登場人物一人一人がきちんと作り込まれていて、どの人も身近に感じることができる。231ページの言葉が心に沁みた。

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「エンディングドレスを縫う」その目的のために集まった、個性豊かな女性たち。
年齢は様々だが、それぞれ傷付いた過去をもつ。主人公の麻緒は若くして死ぬことを求めている。
ページをめくりながら、傷付いたことのない人なんていないんだよなぁ、と思う。
それでも、生きていれば手を差し伸べてくれる人はいるし、傷付いた過去があるからこそ、救える人がいるのかもしれない。
良いことも悪いことも全部ひっくるめて、生きるって尊いことだな。
胸にしみいるように感じた。

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洋服の好きな人におすすめ。
昨今、断捨離やフェミニズムの煽りを受けることも多いファッション。
おしゃれをすることは悪いことではない。そんな当たり前のことをじっくりと肯定してくれる。

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夫を失い未来を描けなくなった麻緒。
自ら命を絶つための準備を着々と進める中で、死に装束を作る教室の張り紙を見つける。
思考を止めた麻緒は、出される課題に向き合ううちに夫の思いに気づく。

残される者と残してゆく者。
どちらがつらいなんて比べられない。
だが、その日のために準備できるのは幸せなことだなと思う。

未来に進むためのエンディングドレス。
人生最後を飾る自分のエンディングドレスはまだ思い描けない。

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最愛の夫を亡くし自分も死のうと準備を始めた女性がふと目に留めた、死に装束を作る教室の貼り紙。そこで他の生徒と課題に取り組むうちに少しずつ気持ちに変化が起こる。人を救うのは、人だ。辛いものを背負ったとき、ほんのすこし一歩前を見ることでもう少し生きられるのかもしれない。

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32歳の若さで夫を亡くした麻緒は生きる気力を失い死ぬ準備をするうちに「終末の洋裁教室」のポスターを見つける。自らの死に装束を縫うために教室に通うことにした麻緒、先生に出された「はたちの時に気に入っていた洋服」や「十五歳の時に憧れていた洋服」といった課題を作るうち、夫との想い出に触れ哀しみに沈んでいた時には気付くことができなかったことに気付く。麻緒の夫に対する愛情が強いだけに、過去の想い出には切なさがつきまとい、胸が締め付けられるようでした。一緒に死に装束を作るおばあさんトリオや先生とのエピソードも印象的でとても素敵な物語でした。

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本当なら最期のその日まで共に歩むはずの最愛の人を途中で亡くしてしまう。
それは想像を絶する喪失感なのだろう。
主人公の麻緒もまた最愛の夫を病気で亡くし、彼のいない人生に絶望し自殺を図ろうとする。
しかし、身辺整理の最中、とある洋裁教室のポスターと出会う。
それはエンディングドレスをつくる教室。
ウェディングドレスではなくて、エンディングドレスだ。
それは文字通り死に装束のことで麻緒は何かに引きこまれるかのように入会し、とりあえず自殺はエンディングドレスを作ってから、になった。
辛い現実から逃れたくて死を望んだけれど、きっと本当は死にたくはなかった。
そんな無意識が麻緒を洋裁教室へ導いたのかもしれない。
そして、そこでの日々は死と向き合うことで生を見つめ直すことだった。
服にはそれを着た人の想いや思い出が宿る。それを着て過ごした日々の思い出が。
ひとつひとつの服をいちから紡ぐことはそれらの記憶を想うこと。
一着作るたび夫を想い、何度も苦しみ、そうして悲しみを少しずつ乗り越えていく麻緒の姿に生きる人間の強さを感じた。

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こんな洋裁教室あったら、すぐさま通いたい!
エンディングドレス をすぐさま作りたいわけではないけれど、小針先生の教室でじっくり自分を見つめ直して、ちゃんと準備したいって思った。いつか来るその時のために。

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心温まる物語でした。
登場人物がとても魅力的です。
ひとつひとつの描写が丁寧で、生地選びから完成した服のお披露目のシーンまで、その光景が目の前に広がるようでした。
洋裁にはまったく詳しくないですが、読んでいて顔がほころびました。
「服を一着完成させるごとに、わたしはばらばらになった自分のパーツを縫い合わせるように立ち直っていた」というセリフが心に残りました。誰のセリフかは、ぜひ読んでみて下さい。

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前半は読んでいてとても辛かったです。少しずつ、少しずつ読みました。夫に先立たれた麻緒の気持ちがしみてきて何度も涙がこぼれました。エンディングドレスを縫う。少しずつ時間をかけて、エンディングドレスを縫う前にいろいろなお題の物を縫う。麻緒が前向きになったのはとてもよかったですが、このタイミングで前向きになれるのかと、私はあまりそこは共感できませんでした。少しずつ立ち直る、少しずつ前向きになっていく、光が少しずつ差し込むような素敵な話でした。

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女による女のためのR−18文学賞大賞受賞者の新作は、意外な文章から始まります。“最初にしたのは、健康保険証の裏の臓器提供意思表示欄に丸をつけることだった。”読み進めていくにつれ、主人公が何のためにしているのかわかっていきます。ショックでした。身辺整理の一環で、死に装束をつくる洋裁教室に通うことになりますが、課題をこなすために、思い出を探る主人公の姿は、治りかけの傷のかさぶたを、わざと剥がそうとしているようでとても痛々しい。主人公の選ぶ未来に、目が離せませんでした。

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先立った夫の後を追うべく、準備を始める32歳の麻緒。ふと目にした『終末の洋裁教室』にエンディングドレスを縫うため通い始める。課題をこなしていくうち、食べ物が美味しいこと、季節がめぐってくること、笑えること等々、生きる活力を見いだしていく。悲しい涙、あったかい涙を流しながら、一歩ずつ前に進んでいく元気をもらえた。

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32歳の若さで未亡人になった麻緒。夫の死を受け入れられず、後を追う計画をたてる麻緒に、発作的に死ねない彼女の性格が垣間見える。
一着仕上げるごとに夫との思い出が挿入され、もうその人はいないのだと言うことに胸が締め付けられるが、麻緒自身は少しずつ回復していく。
無意識に死を先延ばしにして回復を待つ、というのも強さのうち。あんなに死ぬことばかり考えていた麻緒が、割とあっさり未来を考え始めたことに驚いたが、それが『バラバラになった自分を拾い集められた』ということなのかも。

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死装束を作るために終末の洋裁教室に通い始めた麻緒が主人公のお話。序盤は麻緒の思い詰めた感が重くて苦戦。小針先生の課題をクリアしていくごとに麻緒にも教室の生徒さんにも変化が生じていき・・・あっという間に読了。一つの作品が出来上がるまでの工程が丁寧に描かれていて私も久々に何か作りたくなりました。

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