赤い靴

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刊行日 2018/08/02 | 掲載終了日 2018/07/31

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内容紹介

この復讐を終えるまでは、死ねない――。

悲劇に取り憑かれた魂の救済を描ききった、まごうことなき著者最高傑作。

母を惨殺された絶望と憎悪を背負い、山犬のように育った少女が、復讐の二文字を魂に刻みつけ、その後の過酷な時間を生き抜き、ついに復讐相手へとたどりつくが、そこで予想もしない出来事に翻弄されることになる---。

この復讐を終えるまでは、死ねない――。

悲劇に取り憑かれた魂の救済を描ききった、まごうことなき著者最高傑作。

母を惨殺された絶望と憎悪を背負い、山犬のように育った少女が、復讐の二文字を魂に刻みつけ、その後の過酷な時間を生き抜き、ついに復讐相手へとたどりつくが、そこで予想もしない出来事に翻弄されることになる---。


おすすめコメント

編集者として、この物語が誕生する瞬間に立ち会えたことを幸福に思います。

「いったいこの物語は、私をどこへつれていくのだろう」……本作を読み始めたみなさんは、同様の感覚に囚われ、同時に強い期待を抱かれることでしょう。そして、その期待は読後に深い感動へと変化しているはずです。

葵という比類なき美しさと透明感を持った主人公がとる思いがけない行動と発言のひとつひとつに「どのような困難が立ちはだかったとしても、人は必ず一歩を踏み出すことができる」という著者のメッセージが込められていると私は思います。

読んでくださった方誰もが、きっと満足してくださる……それほどの傑作だと確信しています。ぜひともご一読のほど、よろしくお願い申し上げます。

編集者として、この物語が誕生する瞬間に立ち会えたことを幸福に思います。

「いったいこの物語は、私をどこへつれていくのだろう」……本作を読み始めたみなさんは、同様の感覚に囚われ、同時に強い期待を抱かれることでしょう。そして、その期待は読後に深い感動へと変化しているはずです。

葵という比類なき美しさと透明感を持った主人公がとる思いがけない行動と発言のひとつひとつに「どのような困難が立ちはだかったとしても、...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784591159965
本体価格 ¥1,700 (JPY)

関連リンク


NetGalley会員レビュー

すごい。ただ凄い。
この始まりからあのラスト、、、想像できなかったし、こんな終わり方があるんだとただただ圧倒されました。
全てにおいて明確な真相がわからないままなのにすっきりとした読了感。『読者に委ねます。』というレベルがとてつもなく高い読物で今、凄い不思議な感覚です。
椎名という担当医の覚書だからこその話だとしみじみ納得しました。
これが他の人の目線だともっとはっきりした真相がなければ終われないし、終わったとしたら読後モヤモヤが残るだけの話になってたように思う。葵を中心に回っているがほとんど彼女の心のうちは見えない。山の中での生活のみでしか見えてこない。『つもりで終わらせてしまう』性格も明確に記されていないが、きっと後半のどこかしらにそういう所もあったんだろうなぁと思う。
いろんな所に伏線がありつつも物語の中ではっきりとは回収しない。それでも読後の爽快感がある。
すごく緻密に計算された物語だとただただ感服です。
読み終わった後に思い返すといろいろ新たに想像が膨らむ。再読もぜひしたい。
たくさん語りたくなる作品だし、もっともっと感想はあるけれど、結局『スゴい』という稚拙な感想が一番しっくりくる凄い作品でした。

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主人公葵(さやか)の逃亡、山中生活、復讐劇とその後が克明に描かれて、興味深く読み進められた。・・・プロローグ・エピローグを新米精神科医椎名が主人公葵を診察で観察描写し、事件が始まり、その後で締めくくる構成。7歳の葵は、母の翠と、北軽井沢別荘に過ごしに来て、母を惨殺されてしまい、そこから逃げ出し、山中で、老人櫂と狼?(犬)と出会い復讐のための、野生生活を始める・・・物語の最終、下山して復讐劇に転じるのだが、思わぬ事態に、思わぬ相手に、思わぬ人間構成に・・・赤:権力、暴力、血・・・白:誠実、平静、普段生活を現しているのかと思われる。・・・復讐劇に転じる17歳になった大人びた美女、葵(あおい)が、"赤い靴"を身に纏った瞬間が、ゾクッとしました!・・・楽しめた!

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鬼を退治するという復讐のみ考え生きる少女。
うつくしくも妖艶な姿は、まるで赤い靴を履いて踊り続けているよう。
足を切り落とされるのは本当は誰なんだろう?
あの人の本当の姿とは一体?
各章に散らばっていた点が一つの線になる瞬間、いいしれぬ恐怖と感嘆のため息が出る。

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読み終えたときに思わず感嘆のため息が出た。
研修医椎名が語る「葵」という人物が欲しいものとして漏らした「赤い靴」という言葉から、母親とお手伝いの惨殺事件、山中での謎の男との過酷な生活、そして山を下りてからの復讐劇。一体この物語の終着点はどこなんだろうと考えながら読み進めた。惨殺事件や、犯人の正体、そして思わぬ展開に思わず息をのみました。
「猫弁シリーズ」が大好きでうちにもありますが、そのほんわかとしていたミステリーと同じ方が書いたとは思えないような重く、深い作品でした。
最終的にこの作品は「愛」を問う作品なのかな、と私は考えました。母親からのちょっと歪な「愛」、お手伝いさんからの包まれるような愛、櫂からの自立を促す実験のような「愛」、そして笹山からの「愛」など、たくさんの種類の「愛情」が描かれていた作品だったと思います。
葵は最終的に「愛」を見つけられたのでしょうか。特殊な人間に育ったので、なかなかそこが難しいところだなと思います。
とても心に残る作品でした。

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最後のページを閉じてからも、しばらく考え事をしてしまった。読み応えのある一冊です。

みんながそれぞれの事情を持っている。その事情や欲に負けた悪い人間たちと、それに巻き込まれ流されるしかなかった罪のない人たちが複雑に絡んでいる。
少なからず誰にでもある心の中の汚い部分。
お金のため、名誉のため、私欲にまみれた人間が犯した罪。誰かのために生きることを選んだ人間の強さと心の美しさ。それぞれの対比が印象的です。

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猫弁、あずかりやさんを思うと同じ作家さんだとは思えないほど読み始めは違います。心を壊した少女を診る研修医のプロローグが繋がる先は…。バースデープレゼントに父親から赤い靴を貰った少女が巻き込まれる悲劇、逃げ出した彼女の運命。鬼は誰だったのか、鬼退治はできるのか。後半、人間関係とからくりが見え始めると最早本を置くことはできません。重く陰鬱な中、モノトーンにパッと映える赤い靴と鮮血が印象的です。壮絶なラストシーン、そして全てをはっきり描き出すのではない、でも泣きたくなるほど気持ちの伝わってくるエピローグがとても良かったです。今後の彼女に綺麗な色がついていくことを信じます。

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主人公の少女は7歳の誕生日に目の前で母親を惨殺され、犯人から逃げるように山中で見知らぬ老人と謎めいた暮らしを始めた。そして、少女は鬼退治という復讐を決心し物語は始まっていく。 彼女の行く末が気になり一気読み。哀しいけれどよかった。

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主人公の葵は7歳の誕生日に目の前で母親を惨殺され、犯人から逃亡し山中に迷い込み、そのまま謎の男性・櫂との生活を始める。彼女は櫂から与えられる知識を驚く程の能力で吸収していく、全ては鬼退治という名前の復讐のために……。赤い靴を履いた女の子が踊りをやめられなかったように、葵は復讐に囚われている。彼女の復讐の行く末が気になって大山さんが紡ぎ出す物語に引き込まれ一気読みでした。哀しい話だけど読後感は悪くなく面白かった!

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圧倒される読後感に包まれました。心を閉ざした少女の秘密めいた過去が明らかにされていく。それは想像を絶する、長い長い物語。彼女の容姿そのもののように、色や温度を感じない世界の中で、靴や鬼を表現する「赤」が、一際鮮やかに浮かび上がる。彼女の視点からは語られてはいないけれど、過去から解き放たれた彼女の心の声を確かに感じ取れた、そんな清々しいラストだった。

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鬼から逃げ延びた7歳の少女。
隔絶された山の中で出会った老人は少女にとって神なのか?悪魔なのか?
生きるための体と知恵を授かり、赤い靴を履いた少女は鬼退治へと向かう。

復讐のためだけに生きる少女。
復讐を成し遂げたとき、彼女は生まれ変わり自分の人生を取り戻す。

装丁の鮮やかな赤と白。
読後にイメージがガラッと変わる。

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とある一人の女性患者に関する精神科医の覚書から紐解かれていく物語。

7歳の誕生日にお父さまから赤い靴をプレゼントされた少女。
夜に新しい履物をおろしてはいけないと注意されたのに、我慢できずに履いてしまった。
その直後、突然彼女の家にやってきた黒い鬼にお母さまは斧で殺されてしまった。
いけないと言われたのに、私が赤い靴を履いてしまったから・・・。
少女は取り返しのつかない後悔とともにお母さまの命を奪った鬼を退治することを決意する。

ときに悪魔のように残酷で、ときに英雄のように清廉でたくましく、
少女の人生が壮絶であればあるほどにその美しさは際立った。

復讐は決して正義ではない。そして、復讐により終えるものなど何もない。
それでも、無垢で美しい少女が背負う使命はあまりにも過酷で、
気がつけば読み手は復讐者である彼女に同調し、その罪を許している。

復讐心を糧として生きてきた彼女はそれを遂げてしまったときどうなるのだろう。
読みながら一本の糸が張り詰めるように緊張していた。
彼女が笑うことのできる結末だけを求めて、一心不乱に読みすすめた。
最後にはおそらく読み手の誰もが望んでいたものを手に入れることができた。
よかった。この本が読むことができて、読み終えることができて、彼女が本当の自分を取り戻すことができて、本当によかった。

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複雑に絡まった糸を少しずつ解いていくような復讐劇で先が読めない展開に引き込まれました。

普段読み慣れてる大抵のミステリーでは納得いくまで説明が行き渡っているので読んだ後はすっきりするのですが、この本は「事実に基づくフィクション」として書かれているような曖昧模糊さがあるのがなんともここに登場している人々が本当に存在しているのかもしれないとも思わせます。

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