デュー・ブレーカー

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刊行日 2018/08/02 | 掲載終了日 2018/12/10

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内容紹介

今年ノイシュタット国際文学賞を受賞し、将来のノーベル文学賞候補と目されるカリブ文学の旗手、E・ダンティカ。久しく邦訳が待望されていた二作目の短編集『デュー・ブレーカー』ついに刊行!

夫は、わたしの身内を苛んだ「デュー・ブレーカー」(朝露を蹴散らす者 = 拷問執行人)かもしれない。わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にしたこのささやかな幸せが失せる時が来てしまうのだろうか……。

9つの挿話が、まるでカリブの濃密な夜空に輝く星座のように配置されるとき、故国ハイチの社会的記憶が浮かび上がる。


今年ノイシュタット国際文学賞を受賞し、将来のノーベル文学賞候補と目されるカリブ文学の旗手、E・ダンティカ。久しく邦訳が待望されていた二作目の短編集『デュー・ブレーカー』ついに刊行!

夫は、わたしの身内を苛んだ「デュー・ブレーカー」(朝露を蹴散らす者 = 拷問執行人)かもしれない。わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にしたこのささや...


出版社からの備考・コメント

エドウィージ・ダンティカ:
1969年ハイチのポルトープランス生まれの女性作家。12歳のときニューヨークに移住。ブルックリンのハイチ系コミュニティで育つ。修士論文をベースに書いた『息吹、まなざし、記憶』でデビュー。『クリック? クラック!』で全米図書賞最終候補、『骨狩りのとき』で全米図書賞、『愛する者たちへ、別れのとき』で全米書評家協会賞を受賞。最近ではノーベル文学賞に次ぐ権威といわれるノイシュタット国際文学賞(2018年度)を受賞。デュバリエ独裁政権による民衆弾圧、隣国ドミニカによる虐殺などのハイチの暗い社会的記憶を、声高にではなく静謐で抒情的な筆致で描く作風が高く評価されている。

エドウィージ・ダンティカ:
1969年ハイチのポルトープランス生まれの女性作家。12歳のときニューヨークに移住。ブルックリンのハイチ系コミュニティで育つ。修士論文をベースに書いた『息吹、まなざし、記憶』でデビュー。『クリック? クラック!』で全米図書賞最終候補、『骨狩りのとき』で全米図書賞、『愛する者たちへ、別れのとき』で全米書評家協会賞を受賞。最近ではノーベル文学賞に次ぐ権威といわれるノイシュ...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784909542106
本体価格 ¥2,200 (JPY)

NetGalley会員レビュー

読み始めからいきなり心を掴まれる。思いがけず夢中になってしまった。
控えめだが重い過去を抱えた父が、あるとき急に姿を消した。父は一体どこにいったのか、実際にはどんな経験をしてきたのか。
ハイチの暗い歴史とともに興味深く、頁をめくるのがもどかしいほど。

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『クリック?クラック!』を読み、この作者の紡ぎ出す人々の姿にまた触れたくて読了。

表題のデュー・ブレーカーとは拷問処刑人のことだそうだ。ハイチで独裁者としての親子が君臨していた時代、国民を守るのではなく反政府的な活動をする人たちを連行し拷問し、死に至らしめていた過去を持つ男性と、その家族との関わり。

年代も前後しながら短編を読み進めていくと、またどこかで繋がっていることに気づく。過去をどう背負っていくのか、ハイチだけではなく移住先の国や土地で、引きずり、隠れ、追い、真実と向き合う、またはその真実に気づかないふりをする人々。過去を過去として流すのではなく、その人の影のようにずっとつきまとっている。それだけその過去が強烈で、拭い去れないものだからだ。

全てはあの政権下の、社会の犠牲者ともいえる人々の生きざまに、読む側も他人事ではないような灰色の不安のようなものを感じてしまった。

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