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内容紹介
高校のクラスメイトである、謎めいた美少女水品さんが、ある日主人公駒田を怪しいアルバイトに誘う。雑誌を買って電車に乗るだけ。駒田が15分で1万円だというその仕事の真の意味に気づいた時……。心に傷を抱える二人が出会い、未来を変えていく、ミステリータッチの青春ストーリー!
高校のクラスメイトである、謎めいた美少女水品さんが、ある日主人公駒田を怪しいアルバイトに誘う。雑誌を買って電車に乗るだけ。駒田が15分で1万円だというその仕事の真の意味に気づいた時……。心に傷を抱える二人が出会い、未来を変えていく、ミステリータッチの青春ストーリー!
出版社からの備考・コメント
第7回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作
第7回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作
おすすめコメント
どういうことなのか、展開にひきこまれてどんどん読めます。謎めいていて、かつ、ピュアな水品さんがかわいい! 二人が起こす変化に、最後は胸が熱くなります。
どういうことなのか、展開にひきこまれてどんどん読めます。謎めいていて、かつ、ピュアな水品さんがかわいい! 二人が起こす変化に、最後は胸が熱くなります。
NetGalley会員レビュー

私のおすすめ度
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作者のメッセージがはっきりと表れていて、とても考えさせられる小説でした。 「インスタ映え」「BAE」「ツイッターでバズる」SNSが盛んになるにつれて、自分が名前を出さずとも「インフルエンサーになる」「注目される」ことが簡単になってきました。許可なく人や物の写真を撮ったり、動画を撮ったりしてSNSにアップする人、世界中に溢れています。やってる本人に悪気はなくても拡散されていくうちに「悪意」に代わっていく。 主人公の男の子も父親がなんとも珍しい亡くなり方をしてからかわれた過去を持つ。そしてヒロインの女の子も、過去のある事件によって笑うことができなくなった。 はじめはその衝撃的な父親の亡くなり方や、後から出てくるからかわれたあだ名に「秀逸」とちょっとくすっとしてしまうのですが、やっぱりそれがすごく主人公を傷つけたということで、そこを少し反省したり。 「日常の小さな奇跡を起こす」という仕事もちょっとしたミステリーに溢れていて面白かったです。物語を通して、作者のメッセージがとても上手に描かれていたと思います。 とてもライトな語り口ですいすいと読み進めることができるのですが、最後、真相がわかった時に少しだけ時が止まりました。 私も気づかぬうちにそんなことをしたりしていないだろうか。とか。 そういえば最近災害があった時に、Twitterは救助を求めるうえでとても役に立つ手段でもあったけれど、同時に被害にあっている方を興味本位で映してアップし、その画像が拡散されたりして傷つけていただろうなあとも。 誰もがスマホを持っている時代、そういうことが容易にできています。良識のある人が言ってもなくなることはなかなかない。こういった若者向けの小説でメッセージを送ることは、もしかしたらとてもいい手段なのかもしれないと思いました。 SNSだけじゃなくて、主人公の男の子が傷ついてしまったように「面白い」「秀逸」だと思ってもそういった何気ない一言が人をものすごく傷つけてしまうことがある。自分の発言にも注意しなければとも思いましたが、誰かが言ったときに、「そこでたしなめてあげる」ことができればと思いました。人は簡単に傷つくことができますが、その傷を治すのはとても時間がかかるし、擦り傷でも治らないこともある。 新人賞受賞ということで、まだ書き始めたばかりの新作家さんかもしれませんが、これからもこういったメッセージ性のあるものを書いていってほしいなと思いました。そして是非学校の図書館とかにも置いてほしいなと思います。 ティーンエイジャーの少年少女に是非読んでもらいたい本です。 |
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読みやすさと続きが気になるのバランスがよくて1日で読んでしまいました。 故あってクラスで陰キャポジションである男子高校生駒田くんが、不登校気味のクラスの美少女水品さんに巻き込まれて展開していく青春ストーリー! ミステリーではあるけれど、人が死なない日常物です。米澤穂信の『氷菓』シリーズや、初野晴『ハルチカ』シリーズが好きな方は楽しめると思います。何よりヒロインの水品さんが可愛い。駒田くんも何だかんだで健気で全うに生きていていじらしいのです。 理不尽なことに対して正義感を振りかざしたくても、自分なんかが、、って、弱気になることは多いです。そうするには何か資格が必要で、そしてただ誰も傷つけずに生きてるだけではその資格に足りない気がどうしてもしてしまう。そんなモヤモヤを抱えている子に一歩寄り添ってくれるような物語でした。オススメです。 |
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重いテーマをライトな語り口で、ミステリーの要素を絡めて上手く表現されているのが一番の魅力。終始引き込まれて300ページがあっという間だった。次作もぜひ読んでみたい。 人の悪意や悪意に対抗する手段について、まさかこんなに深く考えさせられるとは…。人の不幸は蜜の味、このありふれた悪意に満ちた世界に生きていることを自覚させられる。一方で救いや希望の物語でもあり、キャラの魅力もあって読後感は爽やか。幸せそうな人を妬ましく思うよりも、微笑ましく思える、“まっとうでマトモな人”でありたいと素直に感じた。 この素敵な物語をぜひ多くの人に知って欲しい。 |
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タイトルのインパクが強く、いったいどんなストーリー?と惹かれました。主人公の駒田くんは目立たない男子高校生なのですぎ、何気ないつぶやき、心の声、がいい味出してます❗️登場人物の個性もハッキリしていて、うちに秘めている想いが徐々にわかってくるので、どんどん読み進めることができました。 |
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それぞれに家族のことで傷を抱えた子供たち。 「あなたのせいじゃないよ」って声をかけたくなる。 傷付けるのも人だけど、救ってくれるのも人。 人と出会うことの素晴らしさを真摯に描いた一冊。 |
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隣りの席の、不登校気味の美少女・水品さんから突然怪しいバイトを紹介された僕・駒田。 「雑誌を買って、電車に乗るだけで一万円」 「都心で、お洒落なカフェへの行き方を尋ねたら一万円」 「女子中学生をナンパして、ハンバーガーを奢ったら一万円」 不可思議なミッションに隠された謎と嘘と秘密とが明かされるとき、水品さんの発言の真意が見えてくる―― 「私が笑ったら、死にますから」 とても印象的な、けれどどこか文法的(文脈的?)に引っ掛かりを覚える魅力的なタイトルに惹かれてゲラを申請させて頂きました。 非常に真摯な、明確に「これが書きたかったのだ」という、強い想いを感じる一作でした。 クライマックスの水品さんには「いいぞもっとやれ」と思う反面、自分もまた今の今まで“そっち側“の人間だったのではないか、と自省させられました。 どうすれば、人の痛みに寄り添う事が出来るのか。 どうすれば、人は痛みを乗り越えていけるのか。 「人はひとりではいられないのだ」と言わんばかりに、爽やかで微笑ましいラストもとても好ましく、気持ちよく読み終える事が出来ました。 |
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ミステリーのようにハラハラしながら、ジュブナイル小説のように甘酸っぱさを感じながら、あっという間に読み進めてしまいました。物語の奥行きや登場人物の背景がしっかりと表現されていながらもサクサクと読み進められるライトさがあり、読みながら物語の情景を「思い浮かべる」「考える」というよりは「自分の中にスッと入ってくる」感覚を覚えました。 私は普段こういうジャンルの本をあまり読まないのですが、NetGalleyを利用し始めた事を切っ掛けに本作品、及び作者の隙名こと氏を知り、一読・レビュー投稿に至りました。書店員でもなく出版関係の人間でもなく、ただの一読者としてレビューをSNSに連携させて投稿していた私はTwitterを通して知ったのですが、作者さんと手軽に繋がりをもって声を届けられるのは良い時代だなぁと思います。 さて、先ほどSNSを引き合いにして「手軽に繋がりをもって」と述べましたが、この物語のなかでは『大きな不幸に際した人間に対する、周りの人間の持つ悪意がいとも簡単に人から人へと繋がって増幅し、当人の心を大きく歪めてしまう』シーンがあります。これはある登場人物の性格を形作る大きな要因となるシーンであるのですが、これはまさしくインターネットやSNSが普及した現代社会に蔓延る病理であるだけに、大きく刺さりました。凄惨な事故現場で興味本意で撮った写真を広め、ネットの掲示板で娯楽のように人の不幸について書き込み、それらを漁りながら「カワイソウ」と口では言いながらも心が痛むことはない。古今東西、人間ならば誰しも陥ってしまう心理であるのかもしれませんが、その悪意が広まるスピードが異常に早く、且つ強く留まり続けるようになってしまったのが今の世の中であり、とても悲しい事です……。広めるならば、まさにこのNetGalleyのレビューのように、いろんな人が幸せになれるようなものがいいよなぁ、と強く思います。 |
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明るく楽しいキャラクターが活躍する「日常の謎」系ライトミステリー……かと思ったら、後半はかなり闇の深い話でした。 テクノロジーが進歩して、なんでも「娯楽」にできるようになった今、なにを「娯楽」と扱うかは個人に任されるようになってきています。 価値観というものは人それぞれなので、なにを楽しむかの自由は認められるべきだと思うのですが、今の社会を見ていると、個人が使える技術の進歩に人のモラルや想像力が追いついていないのかなと思うことがあります。 本作はそこに切り込んだものでした。 キャラ同士のラノベっぽいライトな掛け合いや序盤から中盤にかけての引き込みも楽しく、飽きずに読み進めることができました。 表紙がライトノベルっぽくて最初は避けてしまったのですが、こういう表紙に抵抗のない人にもある人にも、たくさんの人に読んでほしい作品です。 (※イラスト自体はとても素敵だと思います) |
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高校生の目立たないけど普通な感性の男の子が主人公だ。 教室の隣の席は、無表情で無口で、なかなか登校しない美少女だ。 彼らの出会いから始まる物語は爽やかで、読み手を少し裏切るだろう。 笑顔の裏に、人はそれぞれの苦手や傷を隠す。 同時に、人の幸も不幸も、冷笑したり嘲笑したり、暇つぶしのコンテンツにしてしまう御時世だ。 おもしろがる笑いが、人の傷を二重三重に傷つけることになることへの想像力を、説教臭くならずに、物語としてぽんと目の前に置いて見せたところがすごい。 それでいて、爽やかでコミカルで、健康的な成長の物語だ。決して重くなりすぎない。痛々しくもない。 主人公たちのまっとうな感覚と出会えたことが、私にとっては希望となる。 ぜひ、主人公と同年代の人たちにも、もっと年上の人たちにも、このタイトルはどういう意味だろう?と首をひねってもらいたい。 |
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タイトルのインパクトが大きくて、読む前はどんな物語なのか想像がつかなかったけれど…。 "15分で一万円"という謎のバイトを持ちかけられた主人公。その高額報酬のバイトの内容とは? 不思議なバイトのタネ明かし&サプライズとユーモアたっぷりなミステリー小説かと思いましたが読み進めていくうちに、衝撃の展開が!!! そして、水品さんの「私が笑ったら、死にますから」という言葉の本当の意味とは?それが明かされたとき、男子高校生らしい明るい口調で語るミステリー小説のようにみえていたこの本は実は現代社会の"問題提起"なのだと思いました。誰の周りにも"悪気がないフリ"をする人間はきっといる…。そして防ぎようがない"不幸"がもし自分の身に起こったら…。と思いながら読み進めるうちに腹が立ち、同時に胸が痛くなりました。 今も、これからも、誰しもに起こりうる問題だからこそ、一人ひとりが深く考えるべきことなのだと気付かされました。スマホ世代の人には特に読んでほしいと思いました。 |
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地味ポジション希望の高校生 駒田くんは、父親の影響で人の死なないミステリー作家を目指している。ある日、隣の席の儚げな美少女 水品さんから怪しげな高額バイトに誘われた。 今後の展開に期待が高まるシチュエーションの中で、スマホ世代が抱える問題が、ミステリータッチで読みやすく書かれている。冴えない駒田くんの意外に鋭い推理をみたり、水品さんのキャラに微笑んだりしているうち、いつのまにか話しに引き込まれていく。 この怖楽しい本を手に取ったことで、今までしていた事が悪いことだったと知り、他人の痛みを感じ、また人の温かさを感じたりして、それぞれの心の中に大切な何かが貯まっていくといいな。続編を読みたいと思う一冊。 |
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面白い。序盤は軽いタッチでテンポよく、登場人物、話の展開も魅力的で物語に引き込まれていき、さくさく読めました。 さえない男子高校生が抱えた生い立ち。ふとしたきっかけで話すこととなった女子高生・水品さんも、何かを抱えている。話を読み進めていく中で明らかとなる、理不尽な悪意。タイトルの意味も、読み進めていく中で理解できます。 ニュース等で誰もが一度は抱いたことがあるだろう違和感。いつ自分が当事者となるかわからない、不謹慎では済ませられないその違和感に、正面から向き合った作品だと思います。 自分一人では抗うことはできなくても、家族、友人、理解してくれる大切な人がいれば、立ち向かうことができる。終盤で水品さんがとった行動は、大切な出会いがなければできなかったものだと思います。 ミステリー感は薄く、メッセージ性は高い作品ですが、あたたかく、微笑ましく、見守っていきたくなるような物語でした。ありがとうございました。 |
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心に傷を抱える若者の再生を綴った新人賞特別賞受賞作品 日常ミステリーを書きたい冴えない高校生の駒田とクラスメイトで病弱美少女の水品さん。 何の接点も持たない二人をつないだのは水品さんに誘われた短時間高収入のアルバイトだった。 日常の謎をもとめていた駒田は興味本位であやしげなアルバイトを承諾してしまう。 私が笑ったら死にますから~で始まるトリッキーなタイトルと彼女が持ちかけたアルバイトの謎が明らかになるとき、物語は単なる日常ミステリーから社会派小説へと表情を変える。 私が笑ったら死ぬと宣言する水品さんが笑顔を封印した理由に胸が張り裂けそうになる。 彼女が体験するトラウマは決して小説のみならず、現実社会でも大きな問題として存在する。 あるサイトではその問題を「社会の疫病」とも表現していた。 彼らのトラウマの原因となったものを私たち大人は距離を置くことでしか対処出来ない。 正しくはないかもしれないけれど、何の武器も持たない高校生が折り合いを付ける唯一の方法として選んだ選択肢は間違っていなかったと思う。 現代社会の問題に対し、二人の若者もとい作者が提示した解決策が斬新。 未来への希望も見られ青春小説の良いところが存分に発揮された物語だった。 |
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―― この世界は残酷で、理不尽で、それでもきっと救いもある。大切な痛みと温かさに気付かされる物語 ―― 出会いは偶然で読んだのは必然だ。たまたまNetGalleyを始め、Twitterでお勧めされているのを見て興味を持った。著者の人柄にも惹かれたが、一番の理由は口コミだ。いつからだろう?何かを買う前にネットで評判を調べるようになったのは。家電、化粧品、薬剤、そして書籍とありとあらゆるモノの口コミがネットには溢れている。顔も知らぬ何処かの誰かと、私達は緩い繋がりを持つようになってしまった。 この作品は、そんな時代だからこそ起こりうるテーマに向き合っている。「これが書きたい」という作者のメッセージが見事に表現されており、読みながら何度も何度も考えさせられた。ある場面では息を忘れ、胸が締め付けられた。だが見事なのは、それが決して鼻に付かない構成と文章力だろう。少年と少女の成長を描きながら、難しい問題に真っ直ぐに向き合い、なおかつ物語として自然と心に染み入ってくる。デビュー作とは思えない完成度で、尊敬の念に堪えない。 物語は水品さんに誘われた怪しげなアルバイトから始まる。主人公はごく普通の冴えない高校生の少年。不思議なタイトルで目を惹かれ、日常ミステリーとして疑問や推理を思い浮かべながら、するりと物語に引き込まれていく。時が経つのを忘れ、気がついたら読み終えている。面白いと無邪気に笑える軽さや薄さなのではなく、見知らぬ家への訪問一つとっても、読みながらその光景が浮かんでくるからなのだろう。文章の色を感じながら、登場人物達の心情を想像しながら、自然と物語の中に取り込まれ、彼らを見守っていた。 描かれるのは時代劇でもファンタジーでもない、現実社会でも起こりうる話である。 顔も知らぬ何処かの誰かの向こうに、ちゃんと人が居ることを改めて考えさせられる。 この世界は、理不尽で、残酷で、遣る瀬無い気持ちになる事だらけで、それでもきっと救いもある。 大切な誰かだったり、たった一つの言葉だったり、小さな奇跡だったり。 これは冷たさも温かさもある、「普通の世界」が描かれた物語。 心に傷を抱いた少年と少女が出会い、過去に立ち向かって乗り越えていく物語。 他人の痛み、温かさ、大切さを感じ、心が様々な感情で揺さぶられ、最後に暖かな読後感が生まれる。 主人公と同世代の中高生から大人まで、幅広い世代に是非読んで欲しい名作である。 願わくば、学校の図書室に置いてほしい一冊だ。 |
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冴えない男子高校生が、ある日美少女に声をかけられた。その内容が〝15分で1万円のアルバイト〟とは、どういうこと?キャラの濃い美女も登場で、意外な展開に目が離せません。 |
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水品さんが、この一冊が世に出たことで、バタフライエフェクトのように世界はさざめく、優しく…。奇跡は?読んでいて泣けてきて、読後、表紙の水品さんの背景の青空が沁みてくる。すごく読みやすくて、すごく面白くて、すごくミステリーで、すごく深い、すごく好きだ、水品さん! 特に、社会派な面があるところが刺さりました。普段本を読まない人や、若い人や、年配の人まで、幅広い年代の人たちに届けたい、熱い想いを共有したくなる、魅力的な作品! |
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ストーリーに出てくる一人一人が何かしらの過去を背負っている。 水品さんは、兄が通り魔によって重傷を負わされ意識が戻らない。刺される瞬間も見ていた。楽しく笑って過ごしていた日常が全て無くなった。 駒田くんも父が不自然な死を経験する。 そんな2人が手伝っている「スポットライト」という会社。これまた珍しい仕事で依頼主が希望した人に小さな奇跡や小さな幸せを感じさるというもの。偶然と思わせて実は綿密に練られていた必然を計算し、それを遂行していく。 依頼主が願う幸せとは?奇跡とは? そして、どういう計画で幸せや奇跡を感じさせるのか! 水品さんが笑うとなぜ死んでしまうのか?水品さんと駒田くんはどうなるのか? ストーリー展開のテンポがとても読みやすくて、先が気になる! 最後はニヤニヤして読んじゃう! サクサク読めちゃう作品。何より!!!終わりがいい!!!!!悲しい「死」で始まるが 終わりは爽やかに「幸」で終わる。こんな作品久しぶりです!オススメ☆彡 |
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明るく前向きになれる。 辛いことはたくさんあるのだけれど、小さな奇跡を信じて人というのは強くなれるのではないのかと思いました。 これからもみんなの笑顔が増える世の中になりますように。 |
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最初は軽い雰囲気でしたが、途中からsnsなど現実的でちょっとドキッとしました。 読みやすく、一気に読むことができました。 |
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タイトルを見ただけではどんな作品か想像もつかず。主人公は冴えない普通の高校生。対するは、美人でミステリアスなクラスメイト。王道でベタなストーリーになりそうなところを、個性的な脇役、なかなかにブラックな展開が、ストーリーを引き締めていて、読みやすくてスラスラと読めました。そして、SNSにおける人間の本質や本音、闇の部分など、考えさせられたし、後味も良くて面白かったです。先日 事前注文書をいただいたので、作品を読む前でしたが、インスピレーションで注文していましたが、正解でした。 |
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世の中は無数の悪意であふれている。 それは本人に自覚がないまま、ただ面白いとか、驚いたとか、そんな理由で撒き散らされる。それによって傷つく人の事などお構いなしに。 「私が笑ったら、死にますから」と言う水品さん。彼女がそう思うようになった出来事の理不尽さにショックを受けた。 「ちょっとしたいいこと」がみんなに起これば、みんなが幸せで優しい気持ちでいられる。そしたら世の中の悪意は少しは減って、誰かが笑えなくなるようなこともなくなるんじゃないだろうか。 悪意は簡単にはなくならない。だけど、少しでも、と願わずにはいられない。 |
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落下した亀が頭に直撃するというあまりにも不運な事故で父親を亡くした過去を持つ、ミステリー作家志望の高校生、駒田悟理はあまり学校に来ない病弱なクラスメートの水品さんから唐突に、15分で一万円もらえるアルバイトに興味はないかと持ち掛けられる。その怪しいバイトには意外な真実が隠されていた、というコミカルな雰囲気で始まる物語ですが、読み終えた時、こんな始まり方をしたとは思えないような読後感を味合うことになります。 優しい嘘は善か偽善か、あるいは悪か? 世の中が勧善懲悪で進まないことに気付いた頃、自分自身に問いかけたことがある。少年期から青年期へと移行する多感な時期のことでしたが、これは決して私だけではなく、意外と多くの人が考えることじゃないかなと思います。そして出す答えは人によっても違うと思います。本書はこういった問題に強く踏み込む青春小説です。軽快なテンポで綴られてはいますが、決して扱っている内容は軽くなく、誰しもが持ちうる人間の嫌な部分がしっかりと書かれています。この作品が持つ繊細な感覚は多感な時期に読むと、特に刺さると思います。奇跡という言葉が嘘くさく感じるようになった時に、読んで欲しい一冊です。これまで小説と縁のなかった(特に十代前半くらいの)人の、読書の入口にはとてもいいのではないかと思いました。 ただ前半からミステリーの雰囲気を強く醸し出しているものの、ミステリー部分が物足りなく感じられたり、コミカルな場面からシリアスな部分への移り変わりが唐突だったりなど、消化不良に感じる面があったのも事実ですが、それでも青春小説としてとても好ましく思えました。登場人物の考え方に納得しづらい部分もあり、手放しで絶賛することはできないですが、作者の次の作品も読んでみたいな、とそんな好感を抱きました。 |
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病弱であまり学校にこない女の子から15分で1万円のアルバイトを持ちかけられた主人公。「私が笑ったら、死にますから」という女の子の謎が解けたとき、ああああ…と思った。日常のテレビニュースを観てても感じる映像の違和感。カードをめくるように重い真実が明らかにされ、悪意とも思っていない悪意にみんな思い当たるはずだ。 |
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美少女で病弱なのかあまり学校に来ない水品さんとひょんな事からバイトを紹介されて彼女に「私が笑ったら、死にますから」と言われるまでは青春ドラマっぽい展開で彼女がどうしてこんなことを言うのかが気になるだけだった。 その謎が解けたとき、ニュースでさえ視聴者の動画を当てにしてる場面が多くなった。「SNSが蔓延している社会であなたは正しく想像力を働かせながらアプリや言葉を使えてるか」と痛烈に問いかけられた。他人は画面越しのフィクションではなくよく見れば自分の目の前にいるのをいつも意識しないといけないんだ。 |
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そもそも、こちらの作家や作品は全く知らなかった。 知るきっかけとなったのは、SNS。 こちらの作品を知るきっかけとしては、ぴったりだったのかもしれない。 SNSには、このようなご縁を作る、良い面もあるということ。 【現代社会への問題提起】 表紙や内容紹介から、ミステリータッチのライトノベルなのかなと思い、気軽に読み始めたが、読み進むごとに最初の印象が覆されていく。軽いタッチで読みやすくも、現代社会への問題提起であろうメッセージを強く感じたからだ。 「今」を共有するサービスを使う事が、日常化している現代。 TVのニュースにも、視聴者提供の写真や動画も多く見られる。 「自分がされて嫌な事は、相手にもしてはいけない」 そのような事を、小さな頃に言われた経験はないだろうか。 何を共有するか? 何のために? 今一度、それを思い出してほしい。 【まっとうでマトモな人】 水品さんは言う。 「まっとうでマトモな人は、案外少ない」と。 これは、その通りなのかもしれない。 自分は、果たしてそうだろうか? まっとうでマトモでありたい。そう思った。 【多くの方に、届きますように】 現実を目の当たりにするも、最後はあたたかな気持ちで読み終えた。 謎めいた美少女の水品さん、クラスメイトで主人公の駒田くん。 2人は、おそらく自分で意識しているよりも魅力的。 出会ってからは、良い影響をお互いにもたらしたのであろう。 表紙や冒頭の文章から判断せずに、年代を問わず、多くの人に読んでほしい作品。次回作も期待したい。 |
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軽いタッチで読みやすい文章だなと読み進めていましたが、内容はしっかり。。。 あまり読書をしない人にも読みやすく心に響くものがあると思います。 なかなか読めなくて、結局紙ベースで読了。レビューが遅くなりすみません。 |
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「私が笑ったら、死にますから」? え!誰が?そして、それは一体なぜ? 彼女の笑顔が死ぬほど魅力的ということの比喩? それとも、彼女を笑わせると何者かに狙撃されてしまうとか? もしや、彼女は笑うと死んでしまう奇病か何かを患っているの? このインパクトたっぷりのタイトルに好奇心をかきたてられながら読んだ。 自称・地味で平凡な男子高校生の主人公・駒田とタイトルの「私」こと水品さん、そして二人の秘密のアルバイト先の上司ホイミさんの3人が変わりばえのしない日常にほんの小さな奇跡を起こす物語。 だけど、本当に奇跡を求めているのは彼女らだったのだ。 物語がすすむにつれ明かされていく彼・彼女たちの過去と未来を見届けるのにページをめくる手が止まらなかった。 一見するとライトな物語なのだが、駒田・水品さんの口を通して語られるのは現代ならではの人々の無意識で無関心な悪意。 自分が被害者に、または加害者になり得る機会はそこら中に転がっている。 目の前で事故が起きたとき、火災が起きたとき、警察が出動するような事件に遭遇したとき、それが自分に無関係であればカメラを向ける人、投稿する人も決して少なくないのだろう。 無関係な人々にとってはネタでしかなくても、被害者にとってはそれは悲劇以外のなにものでもないのに。 ニュース番組で事件や事故の映像が記録されているというのはそういうことだ、と当然のことに今更ながら思い至って反省した。 「人の痛みを理解すること」、そんなありふれたメッセージがこの物語には込められている。 それは人として当たり前のことで、小学生の頃から言われてきたでしょ? でも、自分では出来ていると思っているそれはもしかしたら「人の痛みを理解したフリ」をしているだけなのかもしれない。 だってそれはそんな簡単なことじゃなくて、もっとしんどくて、真摯なものだから。 爽やかで初々しいボーイ・ミーツ・ガール的青春ストーリーと思いきや、そんなまっすぐな思いもこもった1冊だった。 |
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駒田と水品、ふたりはそれぞれ身内が残酷な事件に巻き込まれ、事件とは無関係な者たちのむきだしの好奇心によって傷つけられた過去を持つ。 水品は、ゴシップ感覚で人の不幸を消費している者たちに対して、疑問と皮肉を投げかける。水品と彼女を囲む者たちの立場が逆転した瞬間、トラウマを乗り越えた水品の清々しさと痛々しさは、強烈なインパクトを残す。 世界を変える力はないふたりが、不幸にまみれた世界を生き抜くための、たくましさを手に入れていく物語。 |
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なんとまぁ不思議なタイトルである。 しかし読了すると、このタイトルがなんとふさわしいことか、とわかる。 人の不幸は蜜の味。 私たちは、カメラ付きスマホを蜜蜂の針のように、他者へ向けているのだろうか。 いや針を向けている意識はないだろう。だって蜜蜂が刺す時は自分の命を賭けているから。むしろ蜜を集めるが如く、気楽にカメラモードを起動させている。 食べたもの、行った場所の美しい風景、楽しんでいる自分達。 カメラを向けるのは自分の生活を彩る対象がほとんどだ。 冴えない高校生である主人公の僕。 彼の目を通して、周囲の人たちの心の動きを描き出す筆力は、軽妙にみせながらも深い。そして的確だ。 誰でも心のなかにある、独善的な思考と、なにかを面白がる気持ち。 その明暗部分は、どこか気づきながらも無意識に線引きしているのがきっと私たちだ。 笑いながら泣きながら、水品さんとぼくから目が離せない一冊。 |
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作者のメッセージがはっきりと表れていて、とても考えさせられる小説でした。 「インスタ映え」「BAE」「ツイッターでバズる」SNSが盛んになるにつれて、自分が名前を出さずとも「インフルエンサーになる」「注目される」ことが簡単になってきました。許可なく人や物の写真を撮ったり、動画を撮ったりしてSNSにアップする人、世界中に溢れています。やってる本人に悪気はなくても拡散されていくうちに「悪意」に代わっていく。 主人公の男の子も父親がなんとも珍しい亡くなり方をしてからかわれた過去を持つ。そしてヒロインの女の子も、過去のある事件によって笑うことができなくなった。 はじめはその衝撃的な父親の亡くなり方や、後から出てくるからかわれたあだ名に「秀逸」とちょっとくすっとしてしまうのですが、やっぱりそれがすごく主人公を傷つけたということで、そこを少し反省したり。 「日常の小さな奇跡を起こす」という仕事もちょっとしたミステリーに溢れていて面白かったです。物語を通して、作者のメッセージがとても上手に描かれていたと思います。 とてもライトな語り口ですいすいと読み進めることができるのですが、最後、真相がわかった時に少しだけ時が止まりました。 私も気づかぬうちにそんなことをしたりしていないだろうか。とか。 そういえば最近災害があった時に、Twitterは救助を求めるうえでとても役に立つ手段でもあったけれど、同時に被害にあっている方を興味本位で映してアップし、その画像が拡散されたりして傷つけていただろうなあとも。 誰もがスマホを持っている時代、そういうことが容易にできています。良識のある人が言ってもなくなることはなかなかない。こういった若者向けの小説でメッセージを送ることは、もしかしたらとてもいい手段なのかもしれないと思いました。 SNSだけじゃなくて、主人公の男の子が傷ついてしまったように「面白い」「秀逸」だと思ってもそういった何気ない一言が人をものすごく傷つけてしまうことがある。自分の発言にも注意しなければとも思いましたが、誰かが言ったときに、「そこでたしなめてあげる」ことができればと思いました。人は簡単に傷つくことができますが、その傷を治すのはとても時間がかかるし、擦り傷でも治らないこともある。 新人賞受賞ということで、まだ書き始めたばかりの新作家さんかもしれませんが、これからもこういったメッセージ性のあるものを書いていってほしいなと思いました。そして是非学校の図書館とかにも置いてほしいなと思います。 ティーンエイジャーの少年少女に是非読んでもらいたい本です。 |
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読みやすさと続きが気になるのバランスがよくて1日で読んでしまいました。 故あってクラスで陰キャポジションである男子高校生駒田くんが、不登校気味のクラスの美少女水品さんに巻き込まれて展開していく青春ストーリー! ミステリーではあるけれど、人が死なない日常物です。米澤穂信の『氷菓』シリーズや、初野晴『ハルチカ』シリーズが好きな方は楽しめると思います。何よりヒロインの水品さんが可愛い。駒田くんも何だかんだで健気で全うに生きていていじらしいのです。 理不尽なことに対して正義感を振りかざしたくても、自分なんかが、、って、弱気になることは多いです。そうするには何か資格が必要で、そしてただ誰も傷つけずに生きてるだけではその資格に足りない気がどうしてもしてしまう。そんなモヤモヤを抱えている子に一歩寄り添ってくれるような物語でした。オススメです。 |
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重いテーマをライトな語り口で、ミステリーの要素を絡めて上手く表現されているのが一番の魅力。終始引き込まれて300ページがあっという間だった。次作もぜひ読んでみたい。 人の悪意や悪意に対抗する手段について、まさかこんなに深く考えさせられるとは…。人の不幸は蜜の味、このありふれた悪意に満ちた世界に生きていることを自覚させられる。一方で救いや希望の物語でもあり、キャラの魅力もあって読後感は爽やか。幸せそうな人を妬ましく思うよりも、微笑ましく思える、“まっとうでマトモな人”でありたいと素直に感じた。 この素敵な物語をぜひ多くの人に知って欲しい。 |
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タイトルのインパクが強く、いったいどんなストーリー?と惹かれました。主人公の駒田くんは目立たない男子高校生なのですぎ、何気ないつぶやき、心の声、がいい味出してます❗️登場人物の個性もハッキリしていて、うちに秘めている想いが徐々にわかってくるので、どんどん読み進めることができました。 |
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それぞれに家族のことで傷を抱えた子供たち。 「あなたのせいじゃないよ」って声をかけたくなる。 傷付けるのも人だけど、救ってくれるのも人。 人と出会うことの素晴らしさを真摯に描いた一冊。 |
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隣りの席の、不登校気味の美少女・水品さんから突然怪しいバイトを紹介された僕・駒田。 「雑誌を買って、電車に乗るだけで一万円」 「都心で、お洒落なカフェへの行き方を尋ねたら一万円」 「女子中学生をナンパして、ハンバーガーを奢ったら一万円」 不可思議なミッションに隠された謎と嘘と秘密とが明かされるとき、水品さんの発言の真意が見えてくる―― 「私が笑ったら、死にますから」 とても印象的な、けれどどこか文法的(文脈的?)に引っ掛かりを覚える魅力的なタイトルに惹かれてゲラを申請させて頂きました。 非常に真摯な、明確に「これが書きたかったのだ」という、強い想いを感じる一作でした。 クライマックスの水品さんには「いいぞもっとやれ」と思う反面、自分もまた今の今まで“そっち側“の人間だったのではないか、と自省させられました。 どうすれば、人の痛みに寄り添う事が出来るのか。 どうすれば、人は痛みを乗り越えていけるのか。 「人はひとりではいられないのだ」と言わんばかりに、爽やかで微笑ましいラストもとても好ましく、気持ちよく読み終える事が出来ました。 |
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ミステリーのようにハラハラしながら、ジュブナイル小説のように甘酸っぱさを感じながら、あっという間に読み進めてしまいました。物語の奥行きや登場人物の背景がしっかりと表現されていながらもサクサクと読み進められるライトさがあり、読みながら物語の情景を「思い浮かべる」「考える」というよりは「自分の中にスッと入ってくる」感覚を覚えました。 私は普段こういうジャンルの本をあまり読まないのですが、NetGalleyを利用し始めた事を切っ掛けに本作品、及び作者の隙名こと氏を知り、一読・レビュー投稿に至りました。書店員でもなく出版関係の人間でもなく、ただの一読者としてレビューをSNSに連携させて投稿していた私はTwitterを通して知ったのですが、作者さんと手軽に繋がりをもって声を届けられるのは良い時代だなぁと思います。 さて、先ほどSNSを引き合いにして「手軽に繋がりをもって」と述べましたが、この物語のなかでは『大きな不幸に際した人間に対する、周りの人間の持つ悪意がいとも簡単に人から人へと繋がって増幅し、当人の心を大きく歪めてしまう』シーンがあります。これはある登場人物の性格を形作る大きな要因となるシーンであるのですが、これはまさしくインターネットやSNSが普及した現代社会に蔓延る病理であるだけに、大きく刺さりました。凄惨な事故現場で興味本意で撮った写真を広め、ネットの掲示板で娯楽のように人の不幸について書き込み、それらを漁りながら「カワイソウ」と口では言いながらも心が痛むことはない。古今東西、人間ならば誰しも陥ってしまう心理であるのかもしれませんが、その悪意が広まるスピードが異常に早く、且つ強く留まり続けるようになってしまったのが今の世の中であり、とても悲しい事です……。広めるならば、まさにこのNetGalleyのレビューのように、いろんな人が幸せになれるようなものがいいよなぁ、と強く思います。 |
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明るく楽しいキャラクターが活躍する「日常の謎」系ライトミステリー……かと思ったら、後半はかなり闇の深い話でした。 テクノロジーが進歩して、なんでも「娯楽」にできるようになった今、なにを「娯楽」と扱うかは個人に任されるようになってきています。 価値観というものは人それぞれなので、なにを楽しむかの自由は認められるべきだと思うのですが、今の社会を見ていると、個人が使える技術の進歩に人のモラルや想像力が追いついていないのかなと思うことがあります。 本作はそこに切り込んだものでした。 キャラ同士のラノベっぽいライトな掛け合いや序盤から中盤にかけての引き込みも楽しく、飽きずに読み進めることができました。 表紙がライトノベルっぽくて最初は避けてしまったのですが、こういう表紙に抵抗のない人にもある人にも、たくさんの人に読んでほしい作品です。 (※イラスト自体はとても素敵だと思います) |
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高校生の目立たないけど普通な感性の男の子が主人公だ。 教室の隣の席は、無表情で無口で、なかなか登校しない美少女だ。 彼らの出会いから始まる物語は爽やかで、読み手を少し裏切るだろう。 笑顔の裏に、人はそれぞれの苦手や傷を隠す。 同時に、人の幸も不幸も、冷笑したり嘲笑したり、暇つぶしのコンテンツにしてしまう御時世だ。 おもしろがる笑いが、人の傷を二重三重に傷つけることになることへの想像力を、説教臭くならずに、物語としてぽんと目の前に置いて見せたところがすごい。 それでいて、爽やかでコミカルで、健康的な成長の物語だ。決して重くなりすぎない。痛々しくもない。 主人公たちのまっとうな感覚と出会えたことが、私にとっては希望となる。 ぜひ、主人公と同年代の人たちにも、もっと年上の人たちにも、このタイトルはどういう意味だろう?と首をひねってもらいたい。 |
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タイトルのインパクトが大きくて、読む前はどんな物語なのか想像がつかなかったけれど…。 "15分で一万円"という謎のバイトを持ちかけられた主人公。その高額報酬のバイトの内容とは? 不思議なバイトのタネ明かし&サプライズとユーモアたっぷりなミステリー小説かと思いましたが読み進めていくうちに、衝撃の展開が!!! そして、水品さんの「私が笑ったら、死にますから」という言葉の本当の意味とは?それが明かされたとき、男子高校生らしい明るい口調で語るミステリー小説のようにみえていたこの本は実は現代社会の"問題提起"なのだと思いました。誰の周りにも"悪気がないフリ"をする人間はきっといる…。そして防ぎようがない"不幸"がもし自分の身に起こったら…。と思いながら読み進めるうちに腹が立ち、同時に胸が痛くなりました。 今も、これからも、誰しもに起こりうる問題だからこそ、一人ひとりが深く考えるべきことなのだと気付かされました。スマホ世代の人には特に読んでほしいと思いました。 |
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地味ポジション希望の高校生 駒田くんは、父親の影響で人の死なないミステリー作家を目指している。ある日、隣の席の儚げな美少女 水品さんから怪しげな高額バイトに誘われた。 今後の展開に期待が高まるシチュエーションの中で、スマホ世代が抱える問題が、ミステリータッチで読みやすく書かれている。冴えない駒田くんの意外に鋭い推理をみたり、水品さんのキャラに微笑んだりしているうち、いつのまにか話しに引き込まれていく。 この怖楽しい本を手に取ったことで、今までしていた事が悪いことだったと知り、他人の痛みを感じ、また人の温かさを感じたりして、それぞれの心の中に大切な何かが貯まっていくといいな。続編を読みたいと思う一冊。 |
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面白い。序盤は軽いタッチでテンポよく、登場人物、話の展開も魅力的で物語に引き込まれていき、さくさく読めました。 さえない男子高校生が抱えた生い立ち。ふとしたきっかけで話すこととなった女子高生・水品さんも、何かを抱えている。話を読み進めていく中で明らかとなる、理不尽な悪意。タイトルの意味も、読み進めていく中で理解できます。 ニュース等で誰もが一度は抱いたことがあるだろう違和感。いつ自分が当事者となるかわからない、不謹慎では済ませられないその違和感に、正面から向き合った作品だと思います。 自分一人では抗うことはできなくても、家族、友人、理解してくれる大切な人がいれば、立ち向かうことができる。終盤で水品さんがとった行動は、大切な出会いがなければできなかったものだと思います。 ミステリー感は薄く、メッセージ性は高い作品ですが、あたたかく、微笑ましく、見守っていきたくなるような物語でした。ありがとうございました。 |
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心に傷を抱える若者の再生を綴った新人賞特別賞受賞作品 日常ミステリーを書きたい冴えない高校生の駒田とクラスメイトで病弱美少女の水品さん。 何の接点も持たない二人をつないだのは水品さんに誘われた短時間高収入のアルバイトだった。 日常の謎をもとめていた駒田は興味本位であやしげなアルバイトを承諾してしまう。 私が笑ったら死にますから~で始まるトリッキーなタイトルと彼女が持ちかけたアルバイトの謎が明らかになるとき、物語は単なる日常ミステリーから社会派小説へと表情を変える。 私が笑ったら死ぬと宣言する水品さんが笑顔を封印した理由に胸が張り裂けそうになる。 彼女が体験するトラウマは決して小説のみならず、現実社会でも大きな問題として存在する。 あるサイトではその問題を「社会の疫病」とも表現していた。 彼らのトラウマの原因となったものを私たち大人は距離を置くことでしか対処出来ない。 正しくはないかもしれないけれど、何の武器も持たない高校生が折り合いを付ける唯一の方法として選んだ選択肢は間違っていなかったと思う。 現代社会の問題に対し、二人の若者もとい作者が提示した解決策が斬新。 未来への希望も見られ青春小説の良いところが存分に発揮された物語だった。 |
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―― この世界は残酷で、理不尽で、それでもきっと救いもある。大切な痛みと温かさに気付かされる物語 ―― 出会いは偶然で読んだのは必然だ。たまたまNetGalleyを始め、Twitterでお勧めされているのを見て興味を持った。著者の人柄にも惹かれたが、一番の理由は口コミだ。いつからだろう?何かを買う前にネットで評判を調べるようになったのは。家電、化粧品、薬剤、そして書籍とありとあらゆるモノの口コミがネットには溢れている。顔も知らぬ何処かの誰かと、私達は緩い繋がりを持つようになってしまった。 この作品は、そんな時代だからこそ起こりうるテーマに向き合っている。「これが書きたい」という作者のメッセージが見事に表現されており、読みながら何度も何度も考えさせられた。ある場面では息を忘れ、胸が締め付けられた。だが見事なのは、それが決して鼻に付かない構成と文章力だろう。少年と少女の成長を描きながら、難しい問題に真っ直ぐに向き合い、なおかつ物語として自然と心に染み入ってくる。デビュー作とは思えない完成度で、尊敬の念に堪えない。 物語は水品さんに誘われた怪しげなアルバイトから始まる。主人公はごく普通の冴えない高校生の少年。不思議なタイトルで目を惹かれ、日常ミステリーとして疑問や推理を思い浮かべながら、するりと物語に引き込まれていく。時が経つのを忘れ、気がついたら読み終えている。面白いと無邪気に笑える軽さや薄さなのではなく、見知らぬ家への訪問一つとっても、読みながらその光景が浮かんでくるからなのだろう。文章の色を感じながら、登場人物達の心情を想像しながら、自然と物語の中に取り込まれ、彼らを見守っていた。 描かれるのは時代劇でもファンタジーでもない、現実社会でも起こりうる話である。 顔も知らぬ何処かの誰かの向こうに、ちゃんと人が居ることを改めて考えさせられる。 この世界は、理不尽で、残酷で、遣る瀬無い気持ちになる事だらけで、それでもきっと救いもある。 大切な誰かだったり、たった一つの言葉だったり、小さな奇跡だったり。 これは冷たさも温かさもある、「普通の世界」が描かれた物語。 心に傷を抱いた少年と少女が出会い、過去に立ち向かって乗り越えていく物語。 他人の痛み、温かさ、大切さを感じ、心が様々な感情で揺さぶられ、最後に暖かな読後感が生まれる。 主人公と同世代の中高生から大人まで、幅広い世代に是非読んで欲しい名作である。 願わくば、学校の図書室に置いてほしい一冊だ。 |
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冴えない男子高校生が、ある日美少女に声をかけられた。その内容が〝15分で1万円のアルバイト〟とは、どういうこと?キャラの濃い美女も登場で、意外な展開に目が離せません。 |
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水品さんが、この一冊が世に出たことで、バタフライエフェクトのように世界はさざめく、優しく…。奇跡は?読んでいて泣けてきて、読後、表紙の水品さんの背景の青空が沁みてくる。すごく読みやすくて、すごく面白くて、すごくミステリーで、すごく深い、すごく好きだ、水品さん! 特に、社会派な面があるところが刺さりました。普段本を読まない人や、若い人や、年配の人まで、幅広い年代の人たちに届けたい、熱い想いを共有したくなる、魅力的な作品! |
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ストーリーに出てくる一人一人が何かしらの過去を背負っている。 水品さんは、兄が通り魔によって重傷を負わされ意識が戻らない。刺される瞬間も見ていた。楽しく笑って過ごしていた日常が全て無くなった。 駒田くんも父が不自然な死を経験する。 そんな2人が手伝っている「スポットライト」という会社。これまた珍しい仕事で依頼主が希望した人に小さな奇跡や小さな幸せを感じさるというもの。偶然と思わせて実は綿密に練られていた必然を計算し、それを遂行していく。 依頼主が願う幸せとは?奇跡とは? そして、どういう計画で幸せや奇跡を感じさせるのか! 水品さんが笑うとなぜ死んでしまうのか?水品さんと駒田くんはどうなるのか? ストーリー展開のテンポがとても読みやすくて、先が気になる! 最後はニヤニヤして読んじゃう! サクサク読めちゃう作品。何より!!!終わりがいい!!!!!悲しい「死」で始まるが 終わりは爽やかに「幸」で終わる。こんな作品久しぶりです!オススメ☆彡 |
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明るく前向きになれる。 辛いことはたくさんあるのだけれど、小さな奇跡を信じて人というのは強くなれるのではないのかと思いました。 これからもみんなの笑顔が増える世の中になりますように。 |
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最初は軽い雰囲気でしたが、途中からsnsなど現実的でちょっとドキッとしました。 読みやすく、一気に読むことができました。 |
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タイトルを見ただけではどんな作品か想像もつかず。主人公は冴えない普通の高校生。対するは、美人でミステリアスなクラスメイト。王道でベタなストーリーになりそうなところを、個性的な脇役、なかなかにブラックな展開が、ストーリーを引き締めていて、読みやすくてスラスラと読めました。そして、SNSにおける人間の本質や本音、闇の部分など、考えさせられたし、後味も良くて面白かったです。先日 事前注文書をいただいたので、作品を読む前でしたが、インスピレーションで注文していましたが、正解でした。 |
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世の中は無数の悪意であふれている。 それは本人に自覚がないまま、ただ面白いとか、驚いたとか、そんな理由で撒き散らされる。それによって傷つく人の事などお構いなしに。 「私が笑ったら、死にますから」と言う水品さん。彼女がそう思うようになった出来事の理不尽さにショックを受けた。 「ちょっとしたいいこと」がみんなに起これば、みんなが幸せで優しい気持ちでいられる。そしたら世の中の悪意は少しは減って、誰かが笑えなくなるようなこともなくなるんじゃないだろうか。 悪意は簡単にはなくならない。だけど、少しでも、と願わずにはいられない。 |
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落下した亀が頭に直撃するというあまりにも不運な事故で父親を亡くした過去を持つ、ミステリー作家志望の高校生、駒田悟理はあまり学校に来ない病弱なクラスメートの水品さんから唐突に、15分で一万円もらえるアルバイトに興味はないかと持ち掛けられる。その怪しいバイトには意外な真実が隠されていた、というコミカルな雰囲気で始まる物語ですが、読み終えた時、こんな始まり方をしたとは思えないような読後感を味合うことになります。 優しい嘘は善か偽善か、あるいは悪か? 世の中が勧善懲悪で進まないことに気付いた頃、自分自身に問いかけたことがある。少年期から青年期へと移行する多感な時期のことでしたが、これは決して私だけではなく、意外と多くの人が考えることじゃないかなと思います。そして出す答えは人によっても違うと思います。本書はこういった問題に強く踏み込む青春小説です。軽快なテンポで綴られてはいますが、決して扱っている内容は軽くなく、誰しもが持ちうる人間の嫌な部分がしっかりと書かれています。この作品が持つ繊細な感覚は多感な時期に読むと、特に刺さると思います。奇跡という言葉が嘘くさく感じるようになった時に、読んで欲しい一冊です。これまで小説と縁のなかった(特に十代前半くらいの)人の、読書の入口にはとてもいいのではないかと思いました。 ただ前半からミステリーの雰囲気を強く醸し出しているものの、ミステリー部分が物足りなく感じられたり、コミカルな場面からシリアスな部分への移り変わりが唐突だったりなど、消化不良に感じる面があったのも事実ですが、それでも青春小説としてとても好ましく思えました。登場人物の考え方に納得しづらい部分もあり、手放しで絶賛することはできないですが、作者の次の作品も読んでみたいな、とそんな好感を抱きました。 |
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病弱であまり学校にこない女の子から15分で1万円のアルバイトを持ちかけられた主人公。「私が笑ったら、死にますから」という女の子の謎が解けたとき、ああああ…と思った。日常のテレビニュースを観てても感じる映像の違和感。カードをめくるように重い真実が明らかにされ、悪意とも思っていない悪意にみんな思い当たるはずだ。 |
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美少女で病弱なのかあまり学校に来ない水品さんとひょんな事からバイトを紹介されて彼女に「私が笑ったら、死にますから」と言われるまでは青春ドラマっぽい展開で彼女がどうしてこんなことを言うのかが気になるだけだった。 その謎が解けたとき、ニュースでさえ視聴者の動画を当てにしてる場面が多くなった。「SNSが蔓延している社会であなたは正しく想像力を働かせながらアプリや言葉を使えてるか」と痛烈に問いかけられた。他人は画面越しのフィクションではなくよく見れば自分の目の前にいるのをいつも意識しないといけないんだ。 |
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そもそも、こちらの作家や作品は全く知らなかった。 知るきっかけとなったのは、SNS。 こちらの作品を知るきっかけとしては、ぴったりだったのかもしれない。 SNSには、このようなご縁を作る、良い面もあるということ。 【現代社会への問題提起】 表紙や内容紹介から、ミステリータッチのライトノベルなのかなと思い、気軽に読み始めたが、読み進むごとに最初の印象が覆されていく。軽いタッチで読みやすくも、現代社会への問題提起であろうメッセージを強く感じたからだ。 「今」を共有するサービスを使う事が、日常化している現代。 TVのニュースにも、視聴者提供の写真や動画も多く見られる。 「自分がされて嫌な事は、相手にもしてはいけない」 そのような事を、小さな頃に言われた経験はないだろうか。 何を共有するか? 何のために? 今一度、それを思い出してほしい。 【まっとうでマトモな人】 水品さんは言う。 「まっとうでマトモな人は、案外少ない」と。 これは、その通りなのかもしれない。 自分は、果たしてそうだろうか? まっとうでマトモでありたい。そう思った。 【多くの方に、届きますように】 現実を目の当たりにするも、最後はあたたかな気持ちで読み終えた。 謎めいた美少女の水品さん、クラスメイトで主人公の駒田くん。 2人は、おそらく自分で意識しているよりも魅力的。 出会ってからは、良い影響をお互いにもたらしたのであろう。 表紙や冒頭の文章から判断せずに、年代を問わず、多くの人に読んでほしい作品。次回作も期待したい。 |
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軽いタッチで読みやすい文章だなと読み進めていましたが、内容はしっかり。。。 あまり読書をしない人にも読みやすく心に響くものがあると思います。 なかなか読めなくて、結局紙ベースで読了。レビューが遅くなりすみません。 |
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「私が笑ったら、死にますから」? え!誰が?そして、それは一体なぜ? 彼女の笑顔が死ぬほど魅力的ということの比喩? それとも、彼女を笑わせると何者かに狙撃されてしまうとか? もしや、彼女は笑うと死んでしまう奇病か何かを患っているの? このインパクトたっぷりのタイトルに好奇心をかきたてられながら読んだ。 自称・地味で平凡な男子高校生の主人公・駒田とタイトルの「私」こと水品さん、そして二人の秘密のアルバイト先の上司ホイミさんの3人が変わりばえのしない日常にほんの小さな奇跡を起こす物語。 だけど、本当に奇跡を求めているのは彼女らだったのだ。 物語がすすむにつれ明かされていく彼・彼女たちの過去と未来を見届けるのにページをめくる手が止まらなかった。 一見するとライトな物語なのだが、駒田・水品さんの口を通して語られるのは現代ならではの人々の無意識で無関心な悪意。 自分が被害者に、または加害者になり得る機会はそこら中に転がっている。 目の前で事故が起きたとき、火災が起きたとき、警察が出動するような事件に遭遇したとき、それが自分に無関係であればカメラを向ける人、投稿する人も決して少なくないのだろう。 無関係な人々にとってはネタでしかなくても、被害者にとってはそれは悲劇以外のなにものでもないのに。 ニュース番組で事件や事故の映像が記録されているというのはそういうことだ、と当然のことに今更ながら思い至って反省した。 「人の痛みを理解すること」、そんなありふれたメッセージがこの物語には込められている。 それは人として当たり前のことで、小学生の頃から言われてきたでしょ? でも、自分では出来ていると思っているそれはもしかしたら「人の痛みを理解したフリ」をしているだけなのかもしれない。 だってそれはそんな簡単なことじゃなくて、もっとしんどくて、真摯なものだから。 爽やかで初々しいボーイ・ミーツ・ガール的青春ストーリーと思いきや、そんなまっすぐな思いもこもった1冊だった。 |
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駒田と水品、ふたりはそれぞれ身内が残酷な事件に巻き込まれ、事件とは無関係な者たちのむきだしの好奇心によって傷つけられた過去を持つ。 水品は、ゴシップ感覚で人の不幸を消費している者たちに対して、疑問と皮肉を投げかける。水品と彼女を囲む者たちの立場が逆転した瞬間、トラウマを乗り越えた水品の清々しさと痛々しさは、強烈なインパクトを残す。 世界を変える力はないふたりが、不幸にまみれた世界を生き抜くための、たくましさを手に入れていく物語。 |
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なんとまぁ不思議なタイトルである。 しかし読了すると、このタイトルがなんとふさわしいことか、とわかる。 人の不幸は蜜の味。 私たちは、カメラ付きスマホを蜜蜂の針のように、他者へ向けているのだろうか。 いや針を向けている意識はないだろう。だって蜜蜂が刺す時は自分の命を賭けているから。むしろ蜜を集めるが如く、気楽にカメラモードを起動させている。 食べたもの、行った場所の美しい風景、楽しんでいる自分達。 カメラを向けるのは自分の生活を彩る対象がほとんどだ。 冴えない高校生である主人公の僕。 彼の目を通して、周囲の人たちの心の動きを描き出す筆力は、軽妙にみせながらも深い。そして的確だ。 誰でも心のなかにある、独善的な思考と、なにかを面白がる気持ち。 その明暗部分は、どこか気づきながらも無意識に線引きしているのがきっと私たちだ。 笑いながら泣きながら、水品さんとぼくから目が離せない一冊。 |
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