スウィートビター

人生はスイートとビターの繰り返し！

海外ドラマにハマったことのある方は多いのではないでしょうか？この本はまさにそのドラマを見ている感覚で読める本です。
読んでいるうちに海外ドラマを吹き替えで見ているような錯覚に陥ります。

ニューヨークで暮らし始めた主人公が、レストランでの仕事、そこで出会った個性豊かな同僚達、そして刺激的な恋。自分の居場所を探し、ワインと出会い知識を深め、彼女はニューヨークで何を学ぶのだろうか。

人生は甘く、そして苦い...。そんなふうに客観的に受け入れられるようになるには私もまだまだ経験が足りないけれど。主人公の若さゆえの暴走に対する少しのいらだちと、不器用な彼女を愛おしく思いました。

読ませていただくにあたり、Instagramで検索してみたところたくさんの方が読まれていて、その中にドラマでの登場人物の画像があり、それを見てから読んだらたくさん出てくる登場人物を整理しやすかったです。
人生はスイートとビターの繰り返し！

ワインが“ブーケ”へと昇華していくように、恋も仕事も段階を踏むものだ。
２２歳の若い主人公は欲望のままに轍を踏み、手痛い欺瞞の味を積極的に知る。
寝ても覚めてもハイだった頃の高揚と、幻を追いかけてきた寂寥とがラストに向け一気に鼻腔を突き刺してくる。
強かな彼女の熟成は、私に会心の笑みをもたらした。

※ブーケとはワインの熟成によって生まれる香り、熟成香のこと。

児童書以外の現代翻訳小説をあまり読まないので、新鮮でした。
私は作中にも何度か出てくるドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」が好きで、ニューヨークが舞台のこの小説を読みはじめたのですが、雰囲気は期待したものとは全然違いました。
主人公は22歳の若い女性で、彼女がニューヨークで大人になっていく一年を描いたシリアスな一冊。
彼女がいつかこんな切実な日々を笑い飛ばせるようになって、「セックス・アンド・ザ・シティ」のニューヨークに合流できるといいなと思いました。