珠玉

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刊行日 2018/12/21 | 掲載終了日 2019/03/13

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内容紹介

ファッションデザイナーの歩が経営するブランドは地味と皮肉られ人気が無く、さらには相棒に見限られて経営困難な状況だった。歩自身も、「ファムファタル」と称され没後も語り継がれる歌姫だった祖母とは似ても似つかない容姿で、そのことから他人の美貌に辟易し、なるべく目立たぬように生きていた。そんなある日、ハーフのモデル・ジョージと出会う。自分が常に悩まされてきた外見を武器として使う彼の生き方をずるいと感じ、信用できずにいた。しかし、仕事を失ったジョージは歩の仕事を強引に手伝うようになり……。自らの弱さに目を瞑ってきた登場人物たちが一歩ずつ成長する姿を丁寧に描いた物語。

ファッションデザイナーの歩が経営するブランドは地味と皮肉られ人気が無く、さらには相棒に見限られて経営困難な状況だった。歩自身も、「ファムファタル」と称され没後も語り継がれる歌姫だった祖母とは似ても似つかない容姿で、そのことから他人の美貌に辟易し、なるべく目立たぬように生きていた。そんなある日、ハーフのモデル・ジョージと出会う。自分が常に悩まされてきた外見を武器として使う彼の生き方をずるいと感じ、信...


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784575241402
本体価格 ¥1,400 (JPY)

NetGalley会員レビュー

往年の大スターを祖母に持つ女性が、卑屈になっていた自分をある美青年との出会いをきっかけに変えていく物語。
自分の記憶の中の祖母と記録に残る大スターとしての祖母との違いに気づき、無意識に自分でつくっていた殻を打ち破り自分の世界を切り開いていく様子が前向きな気持ちにさせてくれる。また折に触れて挟まれるある視点が、「フェイク」と「本物」の境界なんて無いようなものなんだと示し自信を与えていく。
境遇や才能などで悩んでいる人におすすめです。必ず自分は変えられます!

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急に語り手が変わった時は、
「なんだ?何が始まったんだ…?」とドキドキ。
まさかアレの視点から物語が語られるとは…!
大人の女性がターゲットの物語としてはちょっと変わった語り手の登場に
最初は戸惑いましたが、最後はまんまと彼らにも泣かされました…。

自分という個性
自分が自分であるという自信
他者から認められることでそれを得たとしても、
それって本当の自分なんだろうか
みんな理想とする自分の居場所があって、認められたい、褒められたい…
生きることって、何て難しいんだろう。
それでも、生きることから逃げてしまったら、見られない景色がある。掴めない幸せがある。
だから、歩き続けるしかない。

ふわふわして、自分に自信がなくて、頼りなさげだった主人公が、
祖母の影から抜け出し、自分で自分を認めて、歩き出していく。
その強さに、私も背中を押されたし、同じように勇気をもらえる女性がたくさんいるだろう。
胸の中に潮が満ちていくような、美しいラストでした。

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あることがきっかけで、それまで見ていたものが、じつは全く見えていなかったのだと気付かされることは、少なくないのではないだろうか。本作の主人公、歩を通してハッとさせられた。
美貌で伝説の歌姫だった祖母(リズ)の存在に囚われていた歩が、ひとりの青年との出会いを通して起きる変化が丹念に綴られる。生前リズが肌身離さず身につけていた真珠が語る数々の言葉も趣き深い。
生まれつきの境遇や才能ゆえの苦しみについて向き合い、自身の中の違和感を突き詰める姿は、特別な境遇の生まれでない我が身にとっても、深く共感する。

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味方になってくれる人、自分を認めてくれる人、助けてくれる人、そういう存在があれば、人は輝くことができる。
自信がなくて、勝負することを避けて、逃げてきた二人。一人でも生きていける。だけど足りないものを補いあって、お互いを引っ張っていけば、もっと明るい方へ進むことができるのだろうと思う。
(ジョージがかっこよかった!もともと持っている美しさに自信と頼もしさが加わったら最強では。)

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物語の冒頭部分が、誰の視点で書かれているのかが分かりづらく読みにくい印象が残ってしまったのが残念でした。ストーリー的には、主人公の成長を描いているものの、心境の変化が突発的に感じ共感が出来なかった。

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