PIXAR<ピクサー>

世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話

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刊行日 2019/02/22 | 掲載終了日 2022/03/08

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内容紹介

ジョブズが自腹で支えていた赤字時代、 『トイ・ストーリー』のメガヒット、 株式公開、ディズニーによる買収…… 小さなクリエイティブ集団を ディズニーに並ぶ一大アニメーションスタジオに育てあげたファイナンス戦略!

アマゾンベストブック of 2016 (ビジネス&リーダーシップ部門) フォーチュンが選ぶフェイブリットブックof 2016

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784866511139
本体価格 ¥1,700 (JPY)

NetGalley会員レビュー

申し訳ありません。正直、最初に本書を見たとき「よくある企業の成功物語か」と思っていました。
ピクサーといえば、有名なアニメーション制作会社であると同時に、凋落したジョブズが再生するための礎となった会社という程度の認識でした。クリエイティブ的な面でピクサーを取り上げた書籍はいくつか出版されているし、ピクサー成功の物語についてもすでに出版されている。なぜ今またそうした本を出版するのだろう、と半ば冷めた目で見ていました。
それでも、私が本書を読もうと思ったのには理由がふたつあります。1つは「お金の話」だと書かれていた点。そしてもうひとつは、文響社営業担当の方から、『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』『「死」とは何か』の次に、今、会社として押し出していきたいと考えていると聞いていたからです。

結論から言って、本書は素晴らしい物語でした。
物語は1本の電話から始まります。登場人物であり、この物語の主人公でもあるローレンス・レビーのもとに、スティーブ・ジョブズからピクサーの立て直しに力を貸して欲しいと話が持ちかけられます。当時のピクサーは、よく知られるように素晴らしいクリエイティブの才能を持った人たちの集団でしたが、経営難に即していて不足する費用をジョブズからなんとか賄っている状態でした。そんな状況を打開すべく、ローレンスは頼られます。
そこからローレンスはピクサーという会社を導いていくのですが、これがまた一筋縄ではいかない。ジョブズというこだわりの強い人物と、ピクサーの面々というこれまたこだわりの強い人物たちの間で板挟みになりながら、企業としてお金になるものを掘り出していかなくてはいけない。落としどころを探りながら、ピクサーを再生させていくこの物語は、結末がわかっていてもハラハラさせられ続け、ページをめくる指が止められませんでした。
そして本書は単なる「企業の成功物語」にとどまりません。「生きる」ということに深い示唆を与えてくれる物語でもあるのです。ピクサーという会社を成功に導く物語は、いつしかローレンス自身の生き方にも影響を与えていくようになります。それはジョブズやピクサーの面々、その他本書に登場するさまざまな人物たちとの関わりの中で生まれていきます。

本書を読んでマズローの欲求5段階説を思い起こしました。その中で、クリエイティブな要素は最も高次なものとして扱われますが、それは企業にも当てはまるのではないかと思います(著者は本書の中でそれを、仏教の中道という概念で解します)。資本という蓄積がなければ、クリエイティヴィティは十分に発揮できないでしょう。本書は経営者や財務担当者はもちろん、クリエイティブに生きていきたいと願うすべての人に読んで欲しい1冊です。

本書は「お金」に関するビジネス書でもありますが、それ以上に生きるということ、働くということ、どう働いていけばいいのか、ということに深い示唆を与えてくれる物語です。それと同時に、人と人と関係を細やかに描いたノンフィクションでもあります。本書のクライマックスにさしかかる頃、目頭が熱くなるのを抑えられませんでした。一人でも多くの人に手に取ってもらいたい、素晴らしい作品です。

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