あの日からの或る日の絵とことば

3.11と子どもの本の作家たち

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刊行日 2019/03/06 | 掲載終了日 2019/03/28

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内容紹介

「あの日から」を生きる、すべての人へ。


――3.11と子どもの本の作家たち。

現代を代表する絵本作家たちが描く、震災をめぐる或る日の記憶。


*『翻訳できない世界のことば』のイラストブックシリーズ。

*現代を代表する絵本作家たちによる、絵とエッセイを収録。

*初のエッセイ書き下ろしとなる作家も多数。


【イラストとエッセイ】(五十音順) 阿部海太/荒井良二/飯野和好/石黒亜矢子/植田真/及川賢治/大畑いくの/加藤休ミ/軽部武宏/きくちちき/坂本千明/ささめやゆき/スズキコージ/高山なおみ/tupera tupera 亀山達矢/寺門孝之/中川学/中野真典/nakaban/長谷川義史/ハダタカヒト/原マスミ/樋口佳絵/穂村弘/牧野千穂/町田尚子/ミロコマチコ/村上慧/本橋成一/本秀康/ヨシタケシンスケ/吉田尚令


【編者より】(前書きより抄録) 僕は絵本編集者だ。2002年からこの仕事をしているのだが、2011年3月11日以降、出る絵本の傾向が変わったと感じるようになった。生命力にあふれたもの、逆に死をテーマにしたものも増え、以前なら「怖い」といって避けられたようなインパクトのある絵や物語を描く絵本作家も多くなった。 僕が日々感じる「楽しい」も「嬉しい」も「悲しい」も「寂しい」も、その根っこはあの日を境に大きく変わった。読者の中にも見えない、でも消えない感覚がうずき始めたのかもしれない。そして、絵本作家はそのことをより切実に抱え込んで、絵と言葉を紡ぎ始めたように思えるのだ。 § この本は32人の絵本作家による、ごくごく個人的なエピソードの集積で出来ている。それは一見あなたには関係ない、もしかしたら些細に思える、あの日にまつわる、ある日の物語。 しかし、読み進めるうちに、いつしか自分を重ねる瞬間がやってくるかも知れない。自分の物語を誰かに聞いて欲しい。近しい誰かの物語を知りたい。他の誰かが抱えているものを、気持ちを、共有することはきっと出来ない。それでも、みんなあの日から同じ地続きの日々を生きている。何かを乗り越えたりせず、ただただ抱えて生きている。 § あの日にまつわる、個人的な、他人にとっては些細な物語。そんな物語を沢山聞いてみたい。 どこからでも、この本を開けば、誰かのそんな瞬間の物語に出会う事ができる。そしてそれを、心強く思う日があるかも知れない。 あの日からの絵と言葉の物語は、僕やあなたと同じ日々を歩んでいるはずだ。



「あの日から」を生きる、すべての人へ。


――3.11と子どもの本の作家たち。

現代を代表する絵本作家たちが描く、震災をめぐる或る日の記憶。


*『翻訳できない世界のことば』のイラストブックシリーズ。

*現代を代表する絵本作家たちによる、絵とエッセイを収録。

*初のエッセイ書き下ろしとなる作家も多数。


【イラストとエッセイ】(五十音順) 阿部海太/荒井良二/飯野和好/石黒...


出版社からの備考・コメント

※この画像は低解像度のものです。

※この画像は低解像度のものです。


出版情報

ISBN 9784422701202
本体価格 ¥1,700 (JPY)

NetGalley会員レビュー

野球少年の話に涙し、サルスベリの木が生えた空き家の絵に惹かれた。
あの日、家でずっと津波の映像をテレビで呆然と見ていた。
自分の中で何かが変わったとはいえ、それを体験として語るには、関わりが薄すぎると思っていた。
でも、この本は、それぞれのあの日に、被災者でない人がどうしていたか、力強い絵と穏やかな文章で綴ってある。
自ら語らずにいたからずっと心の奥底に沈殿していたことに気づかせてもらった。

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あの日から立ち止まってしまったままのこころ。
あの時の恐怖に震えが止まらなくなったからだ。
絵本作家たちが紡ぐことばやイラストはあの日を経た私たちの心と体をやさしく包む。
傷つき損なわれてしまったとしても「あなたはあなたのままでいい」と語りかけてくれるよう。
ただただ、誰かにそう言ってほしかったのだ。

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32人のあの日の話。唐突に起きたそれは、体験した人にも目にした人にも大きな衝撃を与えた。何気ない日常がどれほど幸せなことか、そしてその日常はどんなにか脆く崩れ去るものなのだと感じた。もちろん体験するのと目にするのとでは計り知れないほどの違いがある。今もなお家に戻れず、もしくは二度と家に戻れない人たちがいる。住めなくなった場所がある。目に見えるものも見えないものも様々なことが変わり、以前と同じには暮らせない。だからこそ、それぞれが感じたあの時のことを残すべきだと思う。悲しいけれど時が経てば風化が進む。しかし文字は残るのだから。

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絵本作家さんによる「あの日」の話。
詩であったり、日記やエッセイのようなかんじであったり、物語のようであったり、はたまた堅い文章であったり。
作家さんによって「あの日」という同じ日、同じ体験がこんなに違って表現されていてとてもよかったです。
それぞれの絵も抽象的であったり、絵本のようであったり、漫画のようであったり。

私はあの日、家に友人が泊まりに来ていた。
海外在住ということもあったがテレビの中の映像はまるで日本であるとは信じがたく、
関東出身の友人も一生懸命うちから実家へと連絡を取ろうとしていた。

誰にとっても、「忘れられない出来事」「忘れられない日」だったと思う。

今一度思い出し、あの日のことを想った。

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2011年3月11日。この日、私は生放送の最中で、次のゲストを迎える準備をしていました。東京の知人の「地震だ」というツイッター投稿が飛び込んできました。「地震だ」「かなり大きい」「まだ揺れている」「初めてだ」このような内容でした。
「東京で大きな地震みたい」
 スタッフとそんな言葉を交わしているうちにゲストが来たので、スタジオに入りました。スタジオから出てきた時には東日本の広い範囲で地震による被害が出ていること。津波が起きていること。原発事故の情報が入ってきていました。津波の映像はまるで映画のようで。あまりの出来事に現実感のない中、慌てて津波情報を入れたことを覚えています。
 私は被災者ではありませんが、あの日のことは一生忘れないと思います。毎日流れてくる情報に当てられ、テレビが見られなくなりました。遠く離れた場所に暮らす人間ですらそうなのに、被災なさった方はどれほどかと思うと、胸が締め付けられます。
 本書は32人の絵本作家があの日を振り返り、感じていることを素直に記しています。それぞれの場所で、それぞれの経験。見ているもの、感じていることは違いますが、1つだけ確実なことは「変わってしまった」ということでしょうか。
 変わってしまったことを消化しようとする方、まだ受け入れられない方、乗り越えようとしている方、それでも厳然とそこにある何かといる方。それぞれです。リアルな感情です。それは私たちも同じなのかもしれません。
 毎日起こる様々な出来事に、薄れてしまいそうになります。言葉にすることが少なくなっても、皆、あの日を心の何処かに抱えて生きている。本書から伝わってきます。傷は癒えず、問題は解決していませんが、確認し続けること、認識し続けることが重要なのかもしれません。それぞれの絵と文が、そう静かに訴えているように感じました。

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32人の絵本作家さんによる「あの日」の話。
私は被災者ではない ないからこそ
この 物語のような エッセイのような 詩のような
決して「楽しい」文章ではないけれど
でも忘れてはいけないこと。だと思う。

見開き1ページの絵 が 児童にも読むきっかけを作ってくれると思う。

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あの日、それぞれが体験したあの日。32人の絵本作家の方々が何をしていたか感じたか。絵と文でそれぞれの語り口で。
あの日に関しては語りたいこときっとみんなたくさんある。あの日を境に人生が変わった人も、あの日で人生が終わった人も数多くいるのだ。

あの地震の揺れのなか、これは大変なことになった、なっている、大変だと、揺れの大きさと自分の心のなかも、グラグラ揺れて、その後しばらくは何をしていても心ここに在らずだったけど、こうして様々な語り口で同じ日を語るのを読むと、蘇りもするし、落ち着きもする。そう、未だに不安がずっとあの揺れから続いている。
その思いが、自分だけではないと、わかる一冊。

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震源地からは離れた千葉県に住んでいますが、液状化で自宅が全壊しました。
あえて言えば「そのとき」はまだ良かったのです。ひずみは3年ほどたったころに、家族の中で一番柔らかい心を持っている人に現れました。家族の一人ひとりがみんな少しずつ無理をしていました。その人は一番がんばらなくていい立場でした。だから誰もが、その人にあからさまではない八つ当たりをしてしまっていたんです。蝕んでごめんねと言葉にするのはあまりに身勝手でできません。
大きすぎる不公平な災厄は、直接の被災者とは言えなくても、波紋のように人を当事者にしていきます。でもつい比較してしまって、こんなのは大したことじゃないと思おうとする気持ちが働くので、自分が重たい荷物を持ってしまったことに気づくのが遅れて、あっちこっち傷めたりします。
そんなふうに気づかないことにしてしまっていた荷物を、この絵本は肯定してくれます。重たかったよねと共感してくれます。
今だから、ほしい本です。読んでよかったです。

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