Blue

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刊行日 2019/04/19 | 掲載終了日 2019/04/19

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内容紹介


平成という時代があった。

平成が始まる日に生まれ、終わる日に死んだ一人の男がいた。名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。


平成15年12月、青梅で教員一家5人の刺殺事件が発生する。藤崎たち警察は、次女の篠原夏希(31)がほかの4人を惨殺した後、薬物摂取の心臓発作で亡くなったと推察するが、実は凶器に夏希以外の指紋があり、第三者がいたことがわかっている。事件はその後、夏希の驚愕の真実が明らかとなることで行き詰まっていく。

平成31年4月、あと少しで平成が終わる時、多摩ニュータウン団地の空き室で血まみれの男女の死体が発見される。殺されていた二人には子供がいて、彼らはネットカフェ難民だったことがわかるーー。


平成元年に生まれた男。平成15年に迷宮入りした殺人事件。平成が終わる直前に起きた殺人事件。それらが平成という時代の中でつながっていく。

平成が終わる今だからこそ、平成30年間の社会や文化の変化を描きながら、児童虐待、子どもの貧困、無戸籍児、モンスターマザーと、現代社会の問題に迫る、クライムノベルの決定版。


平成という時代があった。

平成が始まる日に生まれ、終わる日に死んだ一人の男がいた。名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。


平成15年12月、青梅で教員一家5人の刺殺事件が発生する。藤崎たち警察は、次女の篠原夏希(31)がほかの4人を惨殺した後、薬物摂取の心臓発作で亡くなったと推察するが、実は凶器に夏希以外の指紋があり、第三者がいたことがわかっている。事件はその後、夏希の驚愕の真実が明らかとなることで行き詰...


出版社からの備考・コメント

『絶叫』ドラマはWOWOWにて3/24よりスタート!

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おすすめコメント

『ロスト・ケア』で鮮烈のデビューを果たした葉真中顕さん。『絶叫』がドラマ化され、大注目のタイミングで大傑作の新刊が出ます。

テーマは平成。平成が終わろうとしている今、その内容に引き込まれること間違いなしです!

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テーマは平成。平成が終わろうとしている今、その内容に引き込まれること間違いなしです!


販促プラン

葉真中顕さんファンにはたまらない内容です。お名前を大きくアピールして売りこんでいきたいと思っております。

また平成の振り返りコーナーにも置いて頂ける内容です。一般文芸コーナーと共に、二ヶ所で展開して頂きたいと思っております。

葉真中顕さんファンにはたまらない内容です。お名前を大きくアピールして売りこんでいきたいと思っております。

また平成の振り返りコーナーにも置いて頂ける内容です。一般文芸コーナーと共に、二ヶ所で展開して頂きたいと思っております。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784334912734
本体価格 ¥0 (JPY)

NetGalley会員レビュー

さすが葉真中です!・・・ブルー!「子供は、親を選べません」・・青梅で一家4人と引き籠もり娘の計5人の惨殺事件から始まる。捜査期間を終え、この娘の殺人と自殺で幕を下ろすのだが、藤崎、沖田刑事は、米国から帰国した北見美保から、戸籍登録の無い子供、当時14歳だったであろうブルーこと青の存在を知る・・「絶叫」の女刑事、奥貫綾乃が後半登場し、新たなD団地での男女殺人事件の捜査に当たる。・・・平成の出来事に載せて、幾つものストーリーが、最終、ブルーに集結する!!・・・ベトナムのある村で撮影されたガジュマル樹木のある青い湖「運命の湖」の写真が作品の各所に現れ、キーワードになっています。・・・「絶叫」の続編とは言えないけど、それと同等以上作品でした!

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平和で安全な日本。という神話はもはや崩れているのかもしれない。確かに、他国と比べて銃や麻薬の犯罪は少ないかもしれないが、実態はどうだろう。普通と言われる家庭の中にこそ深い闇が潜み、その数が増えているのだとしたら。他人との関わりが希薄になり、個々の家庭の壁が厚くなると、もはやそこで何が起きているのかわからない。そんな日本になりつつあるのか。

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世界に一つだけの花、冬のソナタ、アテネ五輪、地下鉄サリン事件……平成という時代を色濃くするかのように頻繁に現れる、固有名詞。最初は過剰にさえ感じてしまったその大量の固有名詞やその平成の出来事に関する説明が、有機的に絡み合い、必要不可欠なものになってくる。
 途中、どれがテーマなのか分からなくなってくるほど情報は多く、感情移入できるような登場人物はほとんどいない(というよりわざと感情移入させないようにしている印象を受ける)。好きか、と問われれば素直に頷くことはできないが、読めて良かったという感覚は強く残る。
 平成という時代の中にいくつもの謎をちりばめ、平成という時代そのものを描ききり、《親子》や《罪と罰》という普遍的な物語として結実させる。おそらく好悪は大きく分かれると思う、それでも平成という時代はとんでもない作家を生み出したのではないか、と多くの読者に感じさせるだろうメッセージ性(問題提起の力、と言い換えてもいいかもしれない)の強さは好悪の感情を超えて伝わってくると思う。一読薦めたいと思う作品です。

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ものすごい作品でした。正に平成がぎゅっと詰まっていた。まだそこから先があるとは、そしてその先の読み応えと、読後のやり切れない思いは葉真中さんらしいとさえ思う。平成が輝いていた一瞬と、負の遺産として新しい時代に送り出していく数々の問題。私は歳は重ねているけれど平成の方を割りと多く生きているので、そんなに悪い時代でもなかったと思いたい。でも、ブルーにとって平成とは何だったんだろう。そしてどうして皆そんなに子供を愛せないんだろう。その疑問が持てる私は今幸せなんだろう。平成レトロと言われる時にきっとこの作品はまた違った魅力を放つ気がする。息の長い作品になりますように。

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葉真中顕さんは、「ロストケア」以来、読み続けている作家です。特に「絶叫」が大好きです。今回の「blue」は、「絶叫」に勝るとも劣らない作品でした。
平成は、戦争のない平和な時代として終わろうとしていると誰かが言っていました。そんな平和な時代に、親を選べなかった悲しい子供たちは、戦っていたのです。苦しんでいたのです。葉真中顕さんは、苦しみと悲しみに満ちた平成という時代を、実際の風物や事件や音楽を織り交ぜながら、二つの惨殺事件を中心に描いていきます。ブルーが戦っていたのは何だったのか。青いベトナムの湖が、新しい時代の希望を感じさせてくれます。まさに、平成が終わる今、書かれるべくして書かれた作品だと思いました。

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平成が終わる今、平成31年とその寂しさを凝縮した作品。平成を堪能した世代には感慨深く、感情移入し易い。無戸籍児や虐待など自分の力ではまだ何も選べない子供達を如何にして救うかを考えさせられた。生い立ち、環境に同情はすれど、それで何もかもが許される訳ではないと強く思った反面、本に引き込まれ監禁されたかの如くストックホルム症候群の様に犯人に親近感を抱かせられた。その描き方が巧みだと思った。女刑事の“世界の存続の為に生きている訳ではない”という言葉に、勝手なようで尤もだと酷く共感した。読み応えがあり、映像化に適してる、非常に面白い作品。紙の本でもう一度読みたいと思った

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平成を映した作品。
平成中期に起きた一家惨殺事件と末期に起きたカップル殺人事件を軸に平成の様々な出来事が描かれている。
事件を追う二人の刑事・藤崎文吾、奥貫綾乃は謎の人物「Blue」を追うのだが・・
平成とは昭和戦後の高度成長期に生まれた矛盾が可視化し、それでも矛盾のままありつづけた時代なのだと、つくづく感じた。バブル、リーマンショック、震災、薬物、児童虐待、貧困格差など負の側面を浮かび上がり、次代に引き継がれてしまったことを残念に思う。
色んな命題をきつく突き付けられた作品です。

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『平成という時代があった。
平成が始まる日に生まれ、終わる日に死んだ一人の男がいた。名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。』

 青梅で教員一家5人の刺殺事件が発生した。警察は犯人をこの家で引きこもっていた次女の犯行と発表したが、この事件を捜査していたある経験は、違う犯人がいる可能性を感じていたのです。

 犯人だとされた次女のことを調べていくと、新たな事実が分かってきます。そして彼女には青(ブルー)という名の子供がいたことが分かってくるのです。

 この物語には、家族に押しつぶされてしまった人、家族の愛を感じたことがない人、家族のために犠牲になってしまった人が登場してきます。子供を愛せない親、親を信じられない子。その連鎖が事件を生んだという悲しさが、物語全体を覆っています。

 最近、子供への虐待がやっと問題視されるようになりましたが、表面化しているのはホンの一部だけです。学校でもイジメも問題だけど、その根底にあるのは家族の在り方なんじゃないかと、この物語を読みながら何度も感じました。

 自分の不満のはけ口を子供に向けてしまう親。それを放置してしまう社会。子供を大事にする社会なんて建前は空しく響くだけです。

 家族以外からの愛はもちろん大事なことだけど、子供の心の奥に残ってしまった「親から愛されなかった」という悲しみを癒せるのは何なのでしょうか?

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平成のはじまりに生まれ、平成の終わりに死んだ男がいた。名をブルーという。 平成は戦争のない平和な時代ではあったが、親を選べない子供たちにとっては悲しく苦しい時代であった。 そんな時代を実在の音楽や事件を織り交ぜつつある、二つの殺人事件を中心に描く。 著者らしい社会問題を題材にした重く悲しい物語であった。 戦争がなかった代わりに生まれた新たな戦争から子供たちは逃れる術はあるのだろうか。読み応えのある作品で満足度が高い。

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平成が始まった時に生まれ、平成の終わりとともに消えた、平成を駆け抜けた、しかし存在していないブルー。
色んな人物のモノローグが交錯し、初めは全体的にぼんやりとしているが、どんどん読む手が止まらなくなってくる。
そして合間合間に挟まれた、平成を象徴する歌や出来事。
平成がもうすぐ終わるということで、とてもノスタルジックになりながら読むことができた。

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まさに、いま、読むべきミステリー。
平成から次の時代に替わる現在が舞台です。
なんともせつない、でも それでも家族に拘り続けた悲しい愛に
満ちた作品です。
と同時に平成という時代を振り返ることも出来、平和といわれているこの時代にも
影の部分が確かに存在したんだなぁと思わされました。

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平成が終わろうとしている今だからこそ、読みたい。
これは平成の始まった日に生まれ、平成が終わるその日に死んだ一人の青年の物語だ。

それと同時に青年の生きた足跡を辿りながら、平成という時代に起きた数々の事件や
当時の政治情勢、カルチャーや流行などを振り返る、平成へのお別れの物語でもある。

平成15年12月、青梅で教員一家4人が殺害される事件が起きた。
犯人は一家の次女である篠原夏希とされ、その夏希も薬物の過剰摂取の末に心臓発作を起こし、死亡。
後に〝青梅事件〟と呼ばれるようになるこの事件は被疑者死亡として幕が引かれた。

しかし、そこには世間に公表されていない真相があった。
事件現場で採取された第三者の痕跡、戸籍のない〝ブルー〟と呼ばれる子供の存在。
ブルーを探し続けた刑事とブルーを知る者たちの記憶を辿りながら驚愕の真実が明かされていく。

それはただただ哀しく、切ない。
ブルーの行いは間違いなく罪で、それでも悪だと思えず、ある一面ではヒーローですらあったかもしれない。
ブルーもまた〝親を選べなかった子供〟だったから。
子供を上手く愛することができず傷つけてしまう親、親の都合で無戸籍児として生きる子供がいる。
きっと彼らも健やかに、親に愛されて育つはずの子供たちだったのに。
助けて。愛されたい。それでもママが好き。
そうした何をされても親を嫌いにはなれない子供たちの悲しみの声に胸を抉られた。
児童虐待や、貧困家庭など、現代社会が抱える問題を眼前に突きつけてくる作品だ。

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平成という時代の中を駆け抜けた1人の男ブルー。平成を象徴する事柄がふんだんに散りばめられ、平成を振り返りながら、徐々に語られ明らかになる事件の真相に、そして登場人物たちそれぞれの苦悩に心が痛くなる。子供を簡単に捨ててしまう親がいる。でも、子は愛を求め続け親に抗えない。犯した罪は許されないかもしれない。しかし、事件が起きてしまった背後にある社会の歪み、深い闇という原因から目を背けてはいけない。もがき苦しみながら生きる辛さ、悲しみ、色々な思いが沸き上がり、痛みが胸に突き刺さる作品でした。

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時代の雰囲気を見事に写し取っている。昭和のような激動の時代ではないが、閉塞感に覆われ息苦しい。切なく重い、そして寂寥感にあふれる作品であった。まさに平成が終わろうとするときにこの作品に出合えたのは、僥倖であった。

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平成が始まった日に生まれ、終わった日に死んだ男・青(ブルー)。子供は親を選べない・・・。私が知らないだけで現実に起こっている様々な悪意に満ちた行為に胸が苦しくなりました。愛したくても愛せないのなら手放す事も一つの愛の形なのかもしれないですね。物心ついて平成を迎えた身としては散りばめられた平成の出来事に思わずそうそうと頷いてしまいました。平成が終わる前に読了出来て良かった。

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とても熱量の高い小説だった。
平成の社会のひずみの落とし子のような「ブルー」と、彼にかかわった人々と、
2つの事件を追う刑事たちの物語。
平成の歴史や風俗が、巧みにストーリーや関係者の証言に追い込まれ、
無戸籍・外国人技能実習生といった、今日的な社会問題を絡めつつ描かれる。
物語が、まもなく来る平成最後の日に向かって集約していくため、
自分がリアルタイムで事件を体験してきたような気持ちになった。

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平成の出来事をこれでもかと盛り込み抜群のリーダビリティで、青梅での一家惨殺事件と団地で発見された男女の遺体、平成に起こった二つの殺人事件を描いている。事件の関係者の証言から浮かびあがってくる事実から、犯人のことを憎めなくなってくる。子供は親を選べない、そこから起きる悲劇は目をそむけたくなるほど苦しく胸が痛くなる。日本では戦争がなかった平和な時代の筈なのに、貧困の格差は広がり児童虐待のニュースも珍しくなくなった。ブルー気付かないだけで身近にいるのかも?もうすぐ平成が終るというこのタイミングで読めてよかった。

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平成という時代がいよいよ終わるこの時期に、このようや作品と出会えるとは!
17歳で平成元年を迎えた私にとってはまさにリアルという感じで一気に読んでしまった。
平成だからなのか、平成なのにかはわからないが、それまでになかった新たな技術やサービスにより人々の生活は向上し、それまでになかった事件、事故、犯罪が起こり、日本史における大きな変化の一節にもなりある時代。
でも世界史においてはほとんど誰も知らない元号である。
その時代にも、それぞれが自分の生きる意味を探し、愛情を求め、精一杯生きている人たちがいることを紡いだストーリー。

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平成から令和に変わるタイミングで読めた。子どもの虐待や技能研修生搾取といった平成を語る上で象徴的な社会問題がちりばめてあり、ただ普通に愛されたり、不安なく毎日を過ごすことが、手の届かない夢である人もいるのだと思う。デジタルで読むには少々話が複雑で、前に戻って確認するのが出来ないので、わかりにくい部分もあった。

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平成の終わりに出るべくして出た作品。
決して設定優先ではなく、物語の必然としての平成30年をめぐる物語。
Blueが最後に見た景色は一体何なのか?
犯罪小説の傑作。

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平成を生きたある人物の、壮絶で悲しくもあり、切なく、苦しい人生の物語。 平成という時代を象徴するような出来事がこれでもかというぐらい散りばめられている。 タイトルや副題に平成を感じさせる言葉を入れても良かったのではと感じた。 テーマとしては暗いが、色々考えさせてくれ、一気読みさせられる。 丁度、平成から令和にまたぐタイミングでこの作品を読めたことは、感慨深さもひとしおだ。 平成の出来事と共に、ブルーの人生を追いかける面白さがある。 平成という時代の余韻があるうちに、読んでおきたい一冊だ。

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なかなか集中して
読むことができませんでした。

でも読み進めていくうちに
現実の事件なのか
小説の中の話なのか
わからなくなってしまいました。
普段身近に感じることはないけれど
無戸籍の子は現実には
たくさんいるのかと
悲しくなりました。

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平成に生まれた社会のひずみを切り取った、印象的な作品。ブルーと呼ばれた少年の犯罪は、川口で起きた祖父母殺害事件がベースだと思うが、個人的に加害者に同情した事件だったので、それと物語が重なり、いっそう胸にくるミステリーだった。

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平成とは「戦争がなく平和な時代」であった、という印象がひっくり返されました。ITバブル崩壊、リーマンショック、児童虐待、合法ハーブ…平成にあったたくさんの出来事が、人によっては否応なしに人生を狂わせる一つの歯車でした。引き籠り娘の家族惨殺事件と思われたものの裏を追い、物語は凄いリーダビリティで読者を引っ張ります。確かに私も過ごしてきた同じ平成という時代なのに、こうやって突きつけられた世界は想像を超えていました。心がキリキリするほどのメッセージを受け取った気がします。斥力と引力という言葉が印象的でした。

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不穏な世界情勢の中にあって、平成の日本は確かに戦争のない平和な30年であった。だが自国内に目を向けてみればどうだろう。目まぐるしい経済の変化や天災に伴う格差社会が大きく影を落とし、そこに起因する貧困や虐待、様々な差別に蝕まれた、明日の生活も見えない国民の現実がありはしないか。そんな辛辣なメッセージ性を孕んだ凄みのある力作だった。そうしなければ生きられなかったという悲痛さは、不運などという言葉ではとても片付けられない。"絶叫"同様に重く深刻な現実を目の当たりにして、「平成は平和だった」と言える自分はどれほど恵まれているのかと心から思う。平成30年間の主要な時事ネタも多く、振り返りという意味でもとてもタイムリーな一冊だった。

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平成は災害が多くてボランティアとか寄付の助け合いの精神が生まれた年代だったけれど、それと同時に核家族化が進み家族間の問題が浮き彫りになって引き篭もりとか虐待という言葉が生まれ色々な事件が起きた年月だったと思う。

でも、平成になって急に出てきたことじゃなくて名前が出来たことで今までずっと存在していたことがやっと問題として認められただけで何も解決しなかった。

次の令和では何か良い方向に進めるようなことがすべての問題に当てはめられなくても希望として見つかればいいと思います。

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ブルー。
この物語は、平成という時代に生きた一人の人間の物語だ、なんて綺麗な言葉だけでまとめていいものではないのだと、読み終えたいま、心から思う。

タイトルロールでもあり、主人公の一人でもあるブルー(私はこの作品には何人もの主人公がいると思っている)の生い立ちは、平成という時代を全身に凝縮させたものであると思う。

「平成という時代は、災害は多かったが戦争がない比較的平和な時代だった」とイメージする人もいるのかもしれない。
しかし、多くの心の闇が増え続けた時代でもあったしより一層それらが明るみに出た時代でもあったのだと、この作品を読んで痛感した。

虐待やドラッグの常習、外国人(特にアジア圏)に対する偏見、人が人を差別し、見下す世界。歪んだ社会。歪んだ心。

それでも自分は、人は幸せになるために生まれてきたんだと信じたい。抗うことのできない波に飲み込まれるしかない幼い命や、立場の人々も数えきれないこの世界で、これからどう生きていけるだろうか。自分ができることは、すべきことはなんなのか。その答えを見つけるために、また何度でもこの本を手に取るのだろう。

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Twitterなどで、絶賛されているように本当に読み応えがありました。令和になってそんなに平成は嫌な時代だったのかな。哀しくていろいろと考えさせられる本です。平成を締めくくる作品として最高でした。
じっくり、ゆっくりと時間をかけて
ほんとに素晴らし作品でした。読むことをお勧めします。#Blue葉真中顕平成 #NetGalleyJP

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