心音

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刊行日 2019/04/19 | 掲載終了日 2019/05/14

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内容紹介

私は、一億五千万円さんと呼ばれていました。


城石明音は先天性の心疾患を患っていた。両親は渡米しての心臓移植手術を決断する。そのためには1億5千万円という莫大な費用が必要だった。募金活動の末、明音はチャーター機でアメリカに渡った。ドナーも見つかり、手術も無事に成功し、明音は一命を取り留めた。誰もが明音の生を祝福しているかのようだった。このときまでは――。

白村佳恵は夫の康太とともに、8歳のひとり娘・若葉の渡米と心臓移植手術のため、募金活動に奔走していた。目標額は一億五千万円。しかし、目標の半分も集まらないうちに、若葉は帰らぬ身となった--。若葉が海外での移植手術を目指し始めた頃、佳恵は「明音ちゃんを救う会」のサイトを見つけていた。年齢こそ若葉の2歳上だが、もとの住まいが北海道であること、病名、診断された時期、転院先が東京であることなど、何か何まで似通っていた。明音には募金が集まり、手術に成功し、一命を取り留めた。娘を亡くして3年、佳恵は更新が続く「明音ちゃんを救う会」のサイトを見続けていた。明音の中学校入学にあわせて制服を買い、バイオリンを始めたと見ればバイオリンを買った。「明音ちゃんを救う会」がなければ若葉は助かったのではないか--。歪んだ思いを胸に、佳恵は明音の元に向かう--。

私は、一億五千万円さんと呼ばれていました。


城石明音は先天性の心疾患を患っていた。両親は渡米しての心臓移植手術を決断する。そのためには1億5千万円という莫大な費用が必要だった。募金活動の末、明音はチャーター機でアメリカに渡った。ドナーも見つかり、手術も無事に成功し、明音は一命を取り留めた。誰もが明音の生を祝福しているかのようだった。このときまでは――。

白村佳恵は夫の康太とともに、8歳のひとり娘・若葉...


出版社からの備考・コメント

目が疲れてしまった方、少しですがプルーフもご用意しております!

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おすすめコメント

『夏光』『メグル』『てふてふ荘へようこそ』の乾ルカ最新作。

募金で心臓移植を受けた明音の一生。多くの人から望まれて得た心臓は、明音の中でどんな音を立てていたのか。

とてもいい作品です。最後まで読み終わったとき、どんな気持ちになりましたか?一人ひとり違う気持ちを抱くのではないでしょうか。ご感想をお聞かせいただきたいです。まずは読んでみてください!

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募金で心臓移植を受けた明音の一生。多くの人から望まれて得た心臓は、明音の中でどんな音を立てていたのか。

とてもいい作品です。最後まで読み終わったとき、どんな気持ちになりましたか?一人ひとり違う気持ちを抱くのではないでしょうか。ご感想をお聞かせいただきたいです。まずは読んでみてください!


販促プラン

読んで良さを感じて頂けた書店さま!3月中であれば初回指定を承りますので

光文社の荒井(s-arai@kobunsha.com)

までご連絡ください。(調整入る場合がございます。ご了承ください。)

読んで良さを感じて頂けた書店さま!3月中であれば初回指定を承りますので

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出版情報

発行形態 ソフトカバー
ISBN 9784334912758
本体価格 ¥0 (JPY)

NetGalley会員レビュー

これから読んでみます。電子版より紙が好きなのでプレーフがまだあるようでしたらお願いしたいです。

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心臓移植によって新しい命を得た少女を描いた感動の物語……この言葉に何一つ偽りはありませんが、感動へと至る過程はあまりにも苦く、(言い方は悪いですが……)口当たりの良い感動ではないのが印象的でした。だからこそ《難病》や《感動》という言葉を聞いて敬遠してしまうような人にも読んでもらいたい作品になっています。
 本書は周囲の人々の視点で紡がれる、一人の女性をめぐる物語です。中心人物はその女性であるはずなのに、読み進めていくと、彼女の存在が置いてけぼりになっているような違和感を覚え始めます。彼女のことを見ているようで、実は彼女を通して自分自身を見ていて、そして自分の正しさを再確認しているように感じるのです。割とそういった物語はイヤミス的な物語に多かったりしますが、本書は決してそういう展開へと向かわず、深い感動へと繋がっていく点が印象的でした。
《感動》という言葉を使いましたが、結末はおそらく賛否が大きく分かれる内容だと思います。しかしそれでも、いや、だからこそ、広範の人の心を強く揺さぶるのだとも思います。一人の女性の生の軌跡と物語の終盤に明かされるその本心が、読者に深い余韻を残します。

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「当事者」にしかわからないと言われる心情を周りから紐解く作品。
心臓移植を受けた女性の半生を描いた作品です。
親の願い、募金活動をした周りの想い、同じ境遇の娘を持った親の妬み、
教師の想い、同級生の想い、すべてに「正」「誤」はありません。
その中で「当事者」がどう生かされ、せばめられていったのか明らかにされるにつれ
なんとも言えない感情が生まれます。
自由とは「何」を「どこまで」許されて「自由」なのか・・
印象深い作品です。

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先天性の心臓病で1億5000万円の募金を募り、海外で移植手術を受け助かった少女のその後の人生。 あまりの過酷さに苦しくなりながらもページをめくる手が止まらず一気読み。 善意により新しい命は手に入れたが、そのために失くしたものを思うと胸が痛くなる。 自分の人生を自由に生きることの意味を考えさせられる。 深い余韻を残す作品だった。

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募金による心臓移植。善意により救われ、喜ばしい人生を歩むはずだった命が背負った責任と周囲から受けた負の感情はあまりにも重いものだった。彼女を取り巻く人々の感情に正しいも間違いもない。だが、やっと掴んだ小さな幸せもすぐに打ち砕かれる残酷な運命。止まらない負の連鎖。惨憺たる不運に胸が苦しく、どうか彼女の心を救ってほしいと願う気持ちで一杯に。彼女が望み続けていた本心が明かされた時、そして、ラストの選択が鋭く胸に突き刺さる。どうすれば命と心を救うことができるのか。考えずにはいられない。

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心臓移植をめぐる物語。
心臓移植を望んで叶わなくて生きられなかった少女、そして多額の寄付金で心臓移植をして生きる少女。一体どっちが幸せなのか。
生きる彼女は、皆に助けてもらって、誰かの死によって生きている、ということを一生感じながら生きなければならない。重いテーマだった。

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多額の寄付を募ってアメリカで心臓移植をした明里のその後の人生の話。

よくある、子供の心臓移植のために募金を募る人。一緒に飛行機に乗っていたこともある。
その結果命が助かり、心臓が丈夫ではないものの普通に生きることのできた「幸運な」子供のその後の物語。
なかなか心が締め付けられる展開でした。

「一億五千万円」などと呼ばれイジメられ、でも「死は絶対に選べない」ということがまたとても苦しく、辛くて辛くてどうにかこれから幸せになってほしいと思いつつもなかなか思い通りにいかず、幸運なことであったのにそれが呪いのようになってしまい、読んでいてとても辛かったです。

とても考えさせられました。

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心臓移植手術を募金で実現して助かった女の子の人生を辿っていく物語でした。
とても大きなものを背負いながら生きていかなければならない運命。
何も悪いことはしていないし悪く言われるようなことではないのに、その人生は辛いことばかりで、せっかく手にした命なのに、息苦しさを感じながら読みました。
周りの人物との関わりで語られていくので、終盤に本人の気持ちが出てきてからぐぐっと気持ちを持っていかれました。

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「私は、一億五千万円さんと呼ばれていました」この一文の衝撃...。移植手術の成功により、「生きること」を続けることができる。何も知らない私はそのことが幸せなことだと思っていた。その代償がこんなにも大きな闇だとは...。読んでいて着地点が見えず、読むのが本当に苦しかった。けれど読まずにはいられない!そんな一冊でした。

何のために「生きる」のだろう、生きていることが本当に幸せなのだろうか?それでも自ら選ぶことは許されない「死」。誰よりも生きることを強く望んだはずの少女の「死」への憧れが悲痛なほどに伝わってくる。第六章で語られる彼女のこれまでの人生と本当の思い、そして最後の選択に息を飲みました....。

臓器移植についての賛否ももちろんあるでしょう。おそらく本当の意味での正解などない。
この世に生を受けたことの意味は何なのか?光あるところには必ず影は生まれる、そのことに常に心を揺さぶられ、たくさんの問を投げかけられました。重いテーマではあるけれど、たくさんの方に読んで欲しいと思います。

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重い。実に重いテーマだ。
せんだっても、移植手術を必要とする3歳の少年に、某社長が寄付とその呼びかけをしたことに賛否両論が上がったが、どちらも間違ってないから、厄介だ。
しかし、実際に手術を受けた人がその後どういう道を生きることになるのか、多くの人にまったく欠けていた視点で書かれた、いま考えるべき物語だと思う。
これは健康についての話だが、貧困や家族問題にも通じるテーマを内包していると思う。

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キツイ。これ以上はないぐらいキツイ。自分の命が重くのしかかり、潰されてしまいそう。人の好意を受けるということは、なんか重いものを背負わされてしまうことなのか。なぜ人は誰かを攻撃したくなってしまいのか、とても恐ろしい。これ、レシピエントを待つ人が読んだらどう思うんだろ?早く自分自身の細胞から心臓再生できる時代になってほしい。たった一人でも誰かがその人を好きでいてくれて、死なないでほしいと思ったら、その人の生には意味があると感じられるということがわかった。

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心臓移植を巡り、心臓移植を受けた女性の半生を描いた作品です。
移植が出来た少女、移植が叶わなくて生きられなかった少女
一体、どちらが幸せだったのだろうか?
どちらに、正解も間違えもありません。
答えは、無いと思いました。
すべてに「正」「誤」はありません。
生きる少女は、今後、皆に助けてもらい、誰かの死によって生きているということをずっと考えながら生きていかなければならない。
とても考えさせられるテーマでした。
「あなたの命に本当にその価値はありますか?」
少女の未来に、この作品のような未来が待ち受けているとしたら
と考えると心が重くなりました。#心音乾ルカ #NetGalleyJP

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「私は、一億五千万円さんと呼ばれていました」多くの人々の善意で救われた命が、悪意にのみ込まれていく。
佳恵の歪んだ思いに息苦しさを感じながら読みました。重いテーマの作品だと思います。

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心臓移植をするために1億5千万円を募金で集め渡米して手術に成功……そこでめでたし、めでたしとは終わらない、人生は続いていく。「〇〇ちゃんを救う会」みたいなの、私も見たことがあり、いろいろと思うところもあります、立場によってその考え方も違ってくるのだろうなとも思う。移植手術じゃなくても、命をお金に換算すると途端に話はしんどくなる。その命に〇〇円分の価値があるのかなんて誰も決められないし、生きることに意味なんて見出す必要ないと私は思う。そこにいるだけでいいと、誰かがもっと早くに言ってあげたらよかったのに。命について考えるきっかけになるとてもいい作品でした。

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病気になったのは、あるいは病を抱えて生まれてきたのはその人のせいではない。この物語で語られているのは人々の善意によって海外での臓器移植を成功させた一人の少女。術後こんな人生が待っている可能性があるとわかっていたら、彼女はそれを選んだだろうか。彼女はただ普通に生きたいと願っただけなのだ。もし私が彼女の母親だったら、こうなる可能性がわかっていても、なりふり構わず何とかしようと思ったかもしれない。でも悲しいことに年を重ねた私には、彼女に悪意を向けるほかの母親の気持ちもわかってしまうのだ。やるせなさだけが募る。こんな思いをしなくても生きることが選べる医学の進歩を願うとともに、この本を読むことで多くの人が、移植に限らず、何かを考えたり気づくきっかけになることを切に願う。

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「私は一億五千万円さんと呼ばれていました」
そんなセンセーショナルな一文に惹かれて読んだ作品。

一億五千万円の募金で渡米し、心臓の移植手術を受けた少女。
彼女の手術は成功し、晴れて中学校へと進学する。

私達が普段知りえるのは、ここまでの情報だ。
その後、心臓移植手術を受けた子供たちがどのように育ち、どのような大人になったのかは知りえるところではない。
そう、かつては。
ネットで情報収集が当たり前に出来る時代。
実名を公表して募金を集め、【命を金で買った】という過去は、インターネットという大海にいつまでも残り、その名前を検索するだけで、誰にでも、すぐにでも辿り着ける時代。
「渡米して手術を受けた」、そんなネットニュースに、どこの誰とも知らない顔の見えない人たちからの心無いコメントが寄せられてしまう時代。
この物語にはそんな悲しさが詰まっていました。
この物語のような【現実】は決してフィクションではないのではないかと思えるリアリティ。
けれど、私はあえてそこから目をそらして生きてきたのかも知れません。
目をそらして生きてきたことに、物語を通して私もひたすら向き合いました。
これが私だったら、私の子どもだったら。
沢山の人の善意を借りて、手術を受けなければ子どもが生きていけないのだとしたら。
世間のバッシングに、私は立ち向かう事が出来るのだろうか。
子どもを守ることは、出来るのだろうか。
生きていてくれてよかったと、手放しで喜ぶことが出来るのだろうか。

彼女を取り巻く人たちの目線で物語は進み、彼女がどのような悪意にさらされて生きてきたかが浮き彫りになっていきます。
担任の教師が、同じ病で同世代の娘を失ったとある母親が、彼女の同級生が…。
浮かび上がる事実はどれも悲しく、辛い。
それでも、ページを捲る手は止まりませんでした。それほどに惹きつけられました。

最終章、いよいよ彼女の目線から物語が語られる時。
思わず自分の心臓に手を当て、その心音を感じました。
生きている証である心音、その鼓動に呪われ続けた、一人の少女…。
現代を生きる皆さんに、読んでいただきたい一冊。

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病気の我が子を助ける術があるとしたら、大抵の親は助けようとするのではないか。北の拉致問題はどうだ。子が大人になっても、親は未だ訴え続けている。国費を投じ返還された人々も同じような思いを抱えているのだろうか。自らに責任はないのに。善意の枷だ。生かしてもらった、その善意という闇の世界を一生背負っていくのか。つらすぎる。

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藁にもすがる気持ちで移植を待っている、患者やその家族の気持ちが辛かった。
同じ病気で苦しんでいる人にとって、移植のニュースが流れる時、心の中には色んな思いが交錯するのかもしれない。医療現場の描き方がとてもリアルでした。

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自分の命と家族の命が救われる術が心臓移植手術しか無かったとしたら、費用が莫大で到底用意できないものだとしたらと考えると難しい問題。

医療技術が進歩して選択肢が増えた高額医療は、保険を使えない検査費用は同じように払える人だけが命を買ってると言わないの?他人の善意に頼って命を守るのがいけないの?

当事者にならないと命と諸事情の葛藤がリアルに結びつかなくて、ただただ悪意を呑み込むのに酷く苦く粘ついてでも、その苦さは自分の中にもあるのではないかと胸が苦しくなって読むのに時間がかかった。

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